10年前、ある高校の女子バレー部で監督を務めていた男性は練習中、選手にカツを入れるため、ビンタを繰り返していた。 スパイクで思い切り跳ばない。レシーブでボールを全力で追いかけない。そんな時、練習を止め、コートに入り、選手の元へ向かった。「(頑張るのは)ここやろ」と怒鳴り、右の手のひらを少し斜めにして、頰をかすらせるようにたたいた。ビンタから逃げたら、もう一発たたいた。体育館にパチンという音が響く。泣き出す選手もいた。 「一発殴ると、選手の真剣味が増した。『全力でやれ』と言っても、自分を許し、さぼってしまう時がある。目を覚まさせたかった。ビンタをする場面を作り、選手の体を休ませる狙いもあった」 地方の大会で優勝し、全国大会に出場したこともある。春高バレー(全日本高校選手権)出場を目指し、必死だった。 そんな時、桜宮高校の事件が起きた。 自分にも影響が及んだ。 しばらくして、教育委員会か… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高3がスマホで撮ったウトロ地区 フォーカスしたのは人や町の明るさ
【動画】京都の在日コリアン集落・ウトロ地区を授業で撮る高校生=小西良昭撮影 在日コリアンが多く住む京都のウトロ地区で、地元高校生らがドキュメンタリー映像を制作している。祖父母世代の住民と町を歩いたり、インタビューをしたり。生徒たちが自らスマートフォンを構え、撮影に挑戦する様子を追った。 京都府宇治市の西部。陸上自衛隊大久保駐屯地の北にウトロ地区はある。戦時中、国策の飛行場建設に集められた朝鮮人労働者の宿舎ができ、戦後は子孫らが定住。今は約60世帯、100人が暮らす。 12月初め、立命館宇治高校(宇治市)の3年生10人ずつのグループが、ウトロ町内会の前会長、田中秀夫さん(74)に連れられ、市などが整備した5階建ての公的住宅を回っていた。 「みんなが大きな家族やね」 田中さんは自室のほかに、か… この記事は有料記事です。残り1793文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Z世代をスナックに! ネオンともる「昭和」の温泉街がおもしろい
現場へ! 夜の街は沈まず① 「先輩にこのような連絡を突然するのも恐縮なのですが、おつなぎしたい案件があります」 後輩の記者からこんなメールを受けたのは今年10月だった。読むと、長野県の老舗温泉街でスナック文化を再燃させるプロジェクトの記者会見が開かれる、とある。場所は千曲川沿いに広がる戸倉上山田(とぐらかみやまだ)温泉街(千曲市)。そこには県内でも有数の約80店のスナックが軒を連ねているというのである。 スナック? 温泉街! 「こりゃあ、俺のテーマだ」。勝手に思い込み、上司から出張の許可をもらい、早速向かった。 コロナ禍でお客さんが減った夜の街。厳しい状況でも赤ちょうちんをともし続ける横丁に、若者たちが足を運んでいます。各地の酒場を放浪し、「昭和」の面影を残す現場を取材してきた「絶滅危惧記者」・小泉信一編集委員が、しぶとく生きるスナックや居酒屋の今を伝えます。 行って驚いた。たしかに迷路… この記事は有料記事です。残り1097文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡の養鶏場で鳥インフル確認 県で今季初、5万4千羽を殺処分へ
2022年12月19日 14時11分 福岡県は19日、鳥インフルエンザの疑いがあった糸島市本の養鶏場について、遺伝子検査の結果、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出されたと発表した。県内での発生は今季初めてで、県は養鶏場の採卵鶏約5万4400羽を殺処分する。 18日昼に簡易検査で、13羽中9羽で陽性反応が出ていた。19日朝に正式に感染が確認されたことを受け、県は養鶏場や出入りする車両の消毒や、飼料や卵、フンの処分を進めている。 また、養鶏場から半径3キロ以内を鶏や卵について移動を禁じる移動制限区域、半径3~10キロ圏内を区域外への持ち出しを禁じる搬出制限区域に設定した。 両区域内には計18の養鶏場があり、あわせて約40万羽を飼育しているという。県によると19日昼現在、死亡羽数の増加などは報告されていないという。 服部誠太郎知事は19日、野中厚農林水産副大臣と協議し、「しっかりと封じ込められるよう、初動対応を徹底してまいりたい」と語った。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原発の運転、過去の司法判断は? 美浜3号機の差し止め、20日判断
福井県、京都府、滋賀県の住民9人が、運転開始から40年を超える老朽原発として稼働中の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転差し止めを求めた仮処分申し立てについて、大阪地裁(井上直哉裁判長)が20日、決定を出す。運転の差し止めを命じた司法判断は、これまでにどれだけあるのか、調べてみた。 2011年の東京電力福島第一原発事故後、初の差し止め命令は福井地裁が14年5月、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)に出した。判決では、関電の基準地震動の想定について「信頼に値する根拠はない」などと指摘した。 稼働中の原発が停止に追い込… この記事は有料記事です。残り301文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東北や北陸で警報級の大雪の見込み 雪続き停電や山形新幹線一部運休
2022年12月19日 11時00分 冬型の気圧配置が強まった影響で19日、北日本から西日本の日本海側を中心に降雪が続いている。気象庁は東北や北陸地方で同日夕方にかけて警報級の大雪になる見込みだとして、注意を呼びかけている。 新潟県魚沼市守門では同日午前7時までの6時間に45センチの降雪を観測。新潟地方気象台が午前8時に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表した。同県阿賀町津川では12時間降雪量が65センチ、福島県金山町金山では64センチを記録し、それぞれ観測史上最多となった。 東北電力によると、雪による倒木などの影響で、新潟県では同日午前10時現在、約1万戸で停電が発生している。 JR東日本は同日、除雪作業のため、山形新幹線の新庄―山形駅間で運転を昼ごろまで見合わせる、と発表した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ずっと寂しかったコロナ下の私たち 日本代表の奮闘がくれた一体感
サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会が閉幕した。なぜ、W杯は人々の心を震わせたのか。 「ずっと、どこか寂しかった。知らない人とも盛り上がりたかった」 11月27日、日本―コスタリカ戦。東京都に住む男子大学生(20)は、満席の居酒屋で、テレビ観戦した。 都内の大学に入学したのは昨春。新型コロナウイルスの影響で今も、大学に授業で通うのは週2日のみ。大学の友人との飲み会は少人数で、これまでたったの1回。趣味であるサッカー観戦も、スタジアムでは声援やハイタッチ、肩を組んでの応援が禁止された。 抑制の続く日々。W杯の勝利に沸く街で終電まで騒ぎたい。そう考え、高校の同級生4人とともに渋谷へ。居酒屋では、トイレですれ違った初対面の人とサッカー談議に花が咲く。普段の自分は見知らぬ人と気軽に話すなんてことはないのに。「日本代表の勝利」という同じ目標に向かって一緒に応援した。その盛り上がりは、ハロウィーンやお祭りとは別物だった。「一体感や盛り上がりを求めていた。仲間と騒いだり、大勢の人と一緒に盛り上がったりしたかったんだと改めて気がついた」 「悔しい思いをした時には森保監督のあの姿勢を思い出そう」 W杯で印象的なシーンがあった。 ベスト8を目前にクロアチア… この記事は有料記事です。残り622文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰省先の実家、子どもに危ない場面は? 食事や片付けの注意点まとめ
2022年12月19日 11時30分 年末年始やお盆は、帰省先する人も多い時期です。ただ、特に小さな子どもについては、ふだんと違う環境で、安全に関わるようなことも起きがち。気をつけたり備えたりできることは? 消費者庁の説明をもとにまとめました。 部屋の中に、子どもの口に入るような小さなものがある時は、誤飲しないように、手の届かない場所に置きます。 たばこ(加熱式を含む)やボタン電池、家族の薬などは、のみ込むと重大な症状につながりかねないので、特に注意が必要です。 洗剤も安全な場所に置いておきます。ゼリー状トイレ洗浄剤やボール状洗濯用洗剤は、お菓子やおもちゃと見分けがつきにくいです。 のどに詰まらせるリスクがある食品もあります。ナッツ類、あめ、こんにゃくゼリーなどは、5歳以下には特に注意が必要です。 ブドウやミニトマトも、そのまま食べるとのどに詰まりやすいため、4等分などに切って出すようにします。 家具や柱の角は、ぶつけて大きなけがをしやすいです。コーナーガードなどの保護材をとりつけておきます。 電気ケトルや電気ポット、炊飯器が倒れてやけどする事故も相次いでいます。コードを足などにひっかけることもあるので、コードも含めて安全な場所に置きます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
M-1新王者はウエストランド ディスリ漫才が炸裂 会見でも
毒舌でトロフィーをもぎ取った。 12月18日、今年のM-1グランプリ王者に上りつめたのは、2008年結成のコンビ「ウエストランド」。不満をまき散らすディスリ漫才を炸裂させた。 人を傷つけないお笑いが幅を利かせる中、二人は違う。いや、二人というより一人か。 井口浩之がほぼほぼしゃべっているのだから。 相方の河本太は沈黙が多く、要所要所で返すだけ。アンバランスを逆手にとった新しい掛け合いで爆笑を取った。 「自分の人生で初めて主役に」 優勝が決まると、井口はこう語った。 「自分の人生なんですけど、初めて主役になれた気がしました」 河本は泣きながら、「僕もです」。4文字がやっとだった。 審査員の松本人志は「窮屈な時代なんですけど、技術とテクニックがあれば毒舌漫才もまだまだ受け入れられるという夢を感じました」と評価した。 □ ■ 優勝会見のやりとりは次のとおり。 ――1回戦からここまで、改めて振り返って。 井口「1回戦が余裕かというとそうではなくて、常に緊張感がありますから本当に嫌でしたね。優勝して一番うれしいのは、もう挑戦しなくてもいいこと。とにかく大変なんで」 ――河本さんいかがでしょうか。 河本「……」 井口「しゃべれよ!」 河本「いまだに優勝した実感がないです」 ――7261組の頂点です。 井口「(M-1は)たくさんの人が挑戦して風物詩になっている。芸人として絶対売れてやる気持ちはありましたが、チャンピオンになる人生とは思っていなかった。意外だなと思います。ネタで評価されることもそんなになかったんで」 ――優勝後、「自分の人生ですけど主役になれた」と言いました。 井口「あれはかなり前から考えてました」 河本「僕はついてきただけですから。他の7千組の頂点とは思ってないです。僕を知ってる人は腹ちぎれるくらい腹立ってる」 ――ここから忙しくなりますが、覚悟は。 河本「あぐらをかかないようにがんばりたい」 ――河本さんの涙の思いを。 河本「子どもができてから涙腺がぶっこわれて。すぐ泣いちゃう。アニメ見ても。M-1のPVも死ぬほど見まして、あれがまた、いい酒のさかなになる……」 井口「そんなのどうでもいい! 教えてくれ早く! なんで泣いたか」 河本「自分がチャンピオンになるって思ってなかったから」 ――その涙を見て井口さんは? 井口「ドン引きですよ。何もしてない、セリフもほとんどない、そんなやつがとにかく泣くなって言ってたんで。びっくりしました」 ――漫才は良いことがなかった人間の復讐(ふくしゅう)だとおっしゃっていました。 復讐で笑わせる。キラキラよりギラギラ、ドロドロ。マイナスをプラスに転じる二人。優勝しても尖った芸風は変わらないといいます。生きている限り逃れられない「あること」とは。 井口「ネタが2本ともウケる… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
嫌いな言葉は「臨機応変」 ダンス未経験の教諭が日本一をつかむまで
腹の底に響く低音の前奏に鉦(かね)の音が鳴り響くと、舞台の上は「地車(だんじり)」の世界へ一変する。この夏の第15回日本高校ダンス部選手権(ダンスの甲子園)のビッグクラス(13~40人)で大阪府立久米田高校ダンス部(岸和田市)が初優勝した。約60人の部員を率いたのは、ダンス未経験の八木克容(かつひろ)さん(59)。チーム作り、そして日本一になるために「こだわったこと」を聞きました。 ――2年連続準優勝からの初優勝。なぜ、地元・岸和田市の祭り「地車」を演目に選んだのですか。 「2年連続の準優勝はうれしかったのですが、行き詰まりも感じていました。うちにしかできない表現は何か。頭に浮かんだのが『地車』でした。地域の祭りには世界で通用する魅力がある。『大阪にはこんなダンスがあるんや!』と日本に、そして世界に発信したかったんです。衣装にもこだわりました。日本一になるためには、日本一の衣装も必要だと考え、岸和田出身のデザイナー、コシノヒロコさんを訪れ、衣装制作を直談判しました」 ――ダンス未経験からの全国優勝と聞きました。2011年に指導を始められた頃は苦労されたのでは。 入院していた時、ダンス部の生徒たちが…… 「それまでダンスとは無縁で… この記事は有料記事です。残り2514文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 #KANSAI 近畿の魅力を再発見する新企画。社会・経済から文化・スポーツまで、地元愛あふれるコンテンツをお届けします。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル