福岡龍一郎2022年11月19日 8時03分 仙台市は18日、職員の夏のボーナスの源泉所得税の納付が約1カ月遅れたことで、延滞税など約4900万円を課せられる見込みになったと発表した。仙台北税務署から正式な通知を受けたあと、市の予算から支払うという。 市は6月30日、夏のボーナスを職員約1万3千人に支給。7月11日までに、源泉徴収した所得税計約9億円を納付する必要があった。ただ、納税事務を担当する労務課の職員は、法律の理解が不十分だったうえ、マニュアルにも不備があり、納付期限を8月10日と誤認した。 作業を進めていた8月2日に誤りに気づき、翌3日に納付。ただ、1カ月近く遅れたことで、延滞税や不納付加算税、合わせて約4900万円を課せられる見込みという。 この問題を受け、市は総務局長と総務局次長を減給10分の1(3カ月)、人材育成部長と労務課長を戒告の懲戒処分にした。(福岡龍一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
児童に「じゃあいじめる会でもしようか」 北九州の教諭が発言
北九州市の市立小学校で2年前、女性教諭(56)が、担任していた4年生のクラスの男子児童について、「じゃあ○○(実名)ちゃんをいじめる会でもしようか」などと発言をしていたことが18日、わかった。市教育委員会は懲戒処分とはしなかったため公表していなかったという。 市教委によると、この教諭は2020年6~7月ごろ、担任の男子児童2人から次の授業は何をするか尋ねられた。教諭は、うち1人に対して「いじめる会」発言をした。市教委は翌21年3月、「見識を欠く」として文書訓告とした。教諭は「冗談のつもりだった」と説明したという。 この教諭は今年6月、別の市… この記事は有料記事です。残り380文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「これも一局」僕の人生はこれから 将棋のまちでアマ強豪が挑む夢
駅前の将棋道場。あたりが暗くなっても、小学生たちの駒の音が外まで聞こえてくる。 ここは将棋の街・山形県天童市。 数々のタイトルを獲得したアマチュア屈指の強豪・中川慧梧(けいご)さん(30)は昨春、市の職員になり、東京から移住した。「考えてもなかったけど、流れ着いたのがここでした」と笑う。 青森県八戸市出身。いとこの影響で小学2年で将棋を始めた。駒の動かし方を覚えるとすぐに、両親に街の道場に連れて行かれた。 「周りは段位を持ったおじいちゃんばかり。負け続けて、最初は本当に嫌だった」。だが厳しい環境ですぐに上達した。「大人と同じルールで戦い、同じ会話ができるのが楽しかった」 テレビで見る羽生善治さんらトップ棋士が「考えている姿」に憧れ、家では戦術書を繰り返し読んだ。6年生になると、小学生の全国大会で優勝した。 でも、挫折を繰り返す… この記事は有料記事です。残り1468文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「隣でどんどん冷たく」 ホワイトアウト事故遺族が明かす当時の様子
隣でどんどん冷たくなっていく――。昨年1月、宮城県大崎市の東北自動車道で、風雪で視界不良となる「ホワイトアウト」下で起きた多重事故で夫を失い、自身も大けがを負った女性(65)=岩手県一関市=が18日、いまだ癒えぬ胸の内を明かした。 昨年1月19日、宮城県利府町の病院での診療が終わり、夫の須藤美洋(よしひろ)さん(当時65)が迎えに来てくれた。 「ゆっくり来てもいいよ」と伝えていたのに予定より早く到着。「少しでも早く私に会いたかったんだと思います」。美洋さんが運転する車の助手席に乗り込み、帰路についた。 ■路肩に移動なんてできない … この記事は有料記事です。残り886文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
科捜研で手製の銃を誤射、職員けが 神奈川県警、講習会の準備中に
原晟也2022年11月19日 5時00分 神奈川県警は18日、横浜市中区にある科学捜査研究所で、男性職員(32)が銃を誤射し、左手を負傷した、と発表した。病院に搬送されたが命に別条はないという。県警が原因を調べている。 薬物銃器対策課によると、銃は県警が押収し、保管していたもので、キーホルダー型の小型の手製銃(全長7センチ)という。五つの弾倉のうち二つに、直径2ミリの鉄製の球などが込められていたが、県警は発射できないと判断していた。 科捜研ではこの日、捜査員向けの銃の講習会が予定されていた。午後3時ごろ、指導役の男性職員が準備のため、銃を触っていたところ弾が発射され、自身の手のひらに当たったという。 薬物銃器対策課の有野方邦課長代理は「発射できないと思い込んでいた。安全管理の徹底と再発防止に努める」と話した。(原晟也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保護者にだけ責任?50年前のNYから学べること 転落事故防ぐには
高層住宅の窓やベランダから子どもが転落する事故が相次いでいます。痛ましい事故を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。子どもの事故予防に関する情報発信を続けるNPO法人「Safe Kids Japan(セーフキッズジャパン)」の理事で、ベランダの安全対策の研究に取り組む大野美喜子さんに話を聞きました。 おおの・みきこ AI(人工知能)を用いた傷害予防教育プログラムの研究などに携わる。子どもの事故予防に取り組むNPO法人「Safe Kids Japan」理事としても活動。 転落、春と秋に多発 ――幼い子どもが窓やベランダなどから転落して亡くなる事故が相次いでいます。 毎年、春や秋にはこうした事故が多くなる傾向があります。気候もよく、窓をあけて換気をする家庭が増えるのも一因でしょう。 東京消防庁の統計(稲城市、島しょ地区を除く)でも、毎年5月がもっとも転落の事例が多く、次いで10月に多くなる傾向がみられます。 一方で、転落事故の件数そのものについては、経年でみても大きな差がないことがわかります。東京消防庁管内で、2017~21年に住宅などの窓やベランダからの転落で救急搬送された5歳以下の子どもは62人ですが、年ごとの差はあまり大きくありません。 これは、いままでの転落対策では事故が防げないことも意味しています。事故が起こるたびに報道されますが、また事故が繰り返されてしまうのではないか、と感じています。 「対策」として出されるメッセージにも、課題が大きいのです。 記事の後半では、1970年代のニューヨークで始まった、高層階からの子どもの転落事故防止のため、動き出した社会の仕組みについてを紹介しています。 変わるのは、保護者だけじゃない ――課題になっているのは、具体的にどのような部分でしょうか。 事故予防のためには、保護者への啓発などの「教育」、事故の起きにくい仕組みを作る「環境改善」、予防の取り組みを義務づける「法制化」と、三つの観点が必要になってきます。 ただ、いま「対策」とされているものの多くは、教育の観点から、保護者の行動変容に頼るものがほとんどです。 「目を離さないように」 「ベランダにものを置かないように」 「鍵を二重に」 と、全てが保護者の責任なのです。 もちろん、子どもを見守る責任が保護者にあることはいうまでもありません。 しかし、保護者へ対策を呼びかけるだけでは、事故を防ぎ切れていない事実をどう見るか。そう考えたとき、別のアプローチが必要になってくるはずです。 保護者にばかり対策を求めるようでは、これまでと変わらないのです。 意識と行動、どうつなげる? ――保護者以外に向けた対策として、取り得る行動はあるのでしょうか。 例えば、補助錠の存在について考えてみましょう。事故予防のためには「必要だ」と感じている人が大半だと思います。 ただ、「必要だ」と思うことと、「実際に対策をすること」は別物です。 「明日、対策をしよう」と思っている間に、事故につながってしまうケースもゼロではありません。保護者任せにせず、行政や不動産業者による「もうひと押し」があると、だいぶ違う、と思います。 補助錠を配ったり、新築時に補助錠の設置を選べるようにしたり。新築の住宅を建築する際、鍵の高さそのものを高い位置にすることもできるでしょう。環境づくりで変えられることは多いはずです。 実際、米ニューヨークで半世紀ほど前、子どもの転落問題が社会問題化し、行政が動いたケースが知られています。 ――どのようなものでしょうか。 1970年代、ニューヨークで窓から子どもが落下する事故が相次ぎ、「Children can’t fly」(子どもは、空を飛べない)というプログラムが始まりました。 メディアが危険性を発信して… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
栃木の山火事現場でドローン飛行禁止 「緊急用務空域」に初指定
古城博隆2022年11月18日 20時50分 栃木県日光市で山火事が起き、航空機による消火活動が見込まれるとして、国土交通省は18日、周辺空域を、無人航空機(ドローン)の飛行を一時的に禁止する「緊急用務空域」に指定した。指定は、昨年6月に捜索や消火活動を妨げないよう飛行禁止空域を設定できるようになって初めて。 国交省によると、山火事は17日午前11時ごろ発生。18日午後2時半に半径3キロ、高度500メートル以下の範囲を緊急用務空域に指定した。解除時間は未定。 空域の指定状況は、国交省のウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html)で公開されている。(古城博隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
議決経ず契約「違法」 4億円を市長に請求するよう命じる 佐賀地裁
有料記事 大村久、釆沢嘉高2022年11月18日 21時00分 佐賀県武雄市が防災情報発信システム構築で業者と結んだ業務委託契約は、地方自治法が定める議会の議決を経ておらず違法として、住民ら計6人が市を相手取って起こした住民訴訟の判決が18日、佐賀地裁であった。三井教匡裁判長は訴えを認め、委託料と同額の約4億円を小松政市長に請求するよう市に命じる判決を言い渡した。 判決によると、市は2019年8月の豪雨で死者3人が出るなどの大きな被害が出たことを受け、各家庭に防災情報の受信機を設置する計画を立て、20年7月にケーブルテレビ会社と有線方式の防災情報発信システムの業務委託契約を結んだ。 住民側は、契約は議会の議決を経ておらず、予定価格1億5千万円以上の工事の請負や2千万円以上の動産の購入には議決が必要と定めた地方自治法に反するとして市監査委員に監査請求したが、棄却されたため、提訴していた。 争点は、①契約が「工事の請… この記事は有料記事です。残り678文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新潟地裁「死刑選択できない」 女性にわいせつ、殺害の男に無期判決
有料記事 宮坂知樹、友永翔大2022年11月18日 21時30分 2014年に新潟県新発田市の女性(当時20)にわいせつな行為をしたうえ殺害したとして、殺人や強制わいせつ致傷などの罪に問われた喜納(きな)尚吾被告(39)=別の強姦(ごうかん)致死事件などで無期懲役判決が確定=の裁判員裁判の判決公判が18日、新潟地裁であった。佐藤英彦裁判長は、前科に言及して「常習性が非常に高い」と非難する一方、同様の事件での量刑の傾向を踏まえ、無期懲役(求刑・死刑)を言い渡した。 判決によると、喜納被告は14年1月15日、新発田市で出勤途中だった女性を車ごと連れ去り、無理やりわいせつな行為をして負傷させたうえ、市内の小川で首を絞めるなどして殺害した。20年3月に起訴され、公判では事件への関与を否定していた。 判決はまず、女性の車のハン… この記事は有料記事です。残り338文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雨の夜、踏切内にたたずむ女性 男子中学生は服をつかんで引っ張った
鈴木優香2022年11月18日 22時15分 小雨がパラパラと降りしきる夜。30代くらいの女性が、福岡県糸島市内の踏切の中に、傘もささずにたたずんでいた。 10月9日。サッカーの試合帰りだった中学2年、谷口光輝(ひかる)さん(14)は、母の祥子さん(39)が運転する車で通りかかり、その女性に気づいた。 一緒に乗っていた友人を送り届けた後、女性のことが気になった。5分ほどたっていた。戻ると、女性はまだそこにいた。 祥子さんが糸島署に電話をかける。遮断機が下り始めた。カンカンカン。辺りに警報機の音が鳴り響く。 光輝さんは遮断機をくぐり、女性に駆け寄った。「危ないですよ」と声をかけ、服をつかんで引っ張った。踏切の外へ。直後、列車が通り抜けていった。 署員が到着するまで女性の背中をさすり、「大丈夫ですか?」と声をかけ続けた。「ごめんなさい。ありがとうございます」。女性は泣いていた。 11月18日、谷口さん親子に署から感謝状が贈られた。光輝さんは「助けようという思いだけだった。どんなことがあっても命を大切にしてほしい」と話した。(鈴木優香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル