兵庫県豊岡市の但馬安国禅寺で、真っ赤に紅葉したドウダンツツジが一般公開されている。 樹齢約160年で、境内の斜面約10メートル四方に枝を広げている。本堂から眺めると、額縁に飾られた絵画のように見える。 公開は平日の午前8時~午後5時で、拝観料は500円(中学生以下無料)。22日まで。土日の公開やライトアップは、新型コロナウイルスの感染防止で、密を避けるため行っていない。(西畑志朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マラソンを始めたきっかけは熊本地震、優勝へ背中を押した祖父の言葉
福岡市と糸島市を結ぶ福岡マラソンが13日に開かれ、フルマラソンでは男子が熊本県菊陽町の塚本浩一さん(30)、女子が同県氷川町の岩村聖華さん(38)がそれぞれ優勝した。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりとなった同大会。フルマラソンには1万1174人が参加した。 42・195キロを2時間28分24秒で完走し、ゴールテープを切った塚本さんは、ガッツポーズをした後にそのまま目頭を押さえた。 額には、「益城入魂」と刻まれたはちまきが巻かれていた。 2016年4月16日、熊本地震の本震が発生。2日前の余震で傾いていた、県内の益城町の実家は、2階が崩れて全壊した。塚本さんは母や祖父母と近くの体育館へ避難しており無事だった。 しかし、近所では亡くなった人もおり、町並みも変わり果てた姿となった。 その年の秋、福岡マラソンに… この記事は有料記事です。残り588文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
両陛下、「海づくり大会」で兵庫を訪問 マダイやヒラメの稚魚を放流
多田晃子2022年11月13日 18時52分 天皇、皇后両陛下は13日、兵庫県明石市で開かれた「第41回全国豊かな海づくり大会」の式典行事に出席した。両陛下が海づくり大会に足を運ぶのはコロナ禍前の2019年9月以来。 天皇陛下は紺色のスーツに水色のネクタイ、皇后さまは鮮やかな青色のジャケットにスカートと、海を意識したとみられる装いで出席。陛下は「全国各地において日頃から豊かな海づくりに取り組んでいる皆さんのたゆみない努力に深く敬意を表するとともに、こうした活動が今後とも多くの人々によって支えられ、更に発展していくことを期待します」と述べた。 陛下はマダイとノリ、皇后さまはキジハタとアユを漁業関係者に手渡した。退出前には、両陛下が式典で最優秀作文を発表した小学生に声を掛ける場面も。皇后さまは「よく考えられた作文ですね」と話したという。 明石港の護岸で海上歓迎行事に出席した両陛下は、大漁旗などを掲げた約100隻の漁船のパレードなどを観覧し、笑顔で手を振って応えていた。放流行事では、マダイとヒラメの稚魚を放流した。 この日は、同市の県立農林水産技術総合センター水産技術センターで、塩分や水分を管理して成長を促進させているニジマスを見学したほか、水槽に入ったイトマキヒトデなどの観察や顕微鏡でプランクトンを観察する小学生の水産教室も見学した。 天皇陛下は子どもたちに「どう?触ったことあります?」と話しかけ、皇后さまは「よく観察できましたね」と声を掛けていた。(多田晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車内で長時間置き去りか、2歳女児死亡 父親「保育所に送り忘れた」
大阪府岸和田市で12日夕、乗用車内から意識不明の女児(2)が見つかり、間もなく死亡が確認された。女児の父親(33)が「保育所に送るために娘3人を車に乗せたが、女児だけ預けるのを忘れて帰った」と府警に説明していることがわかった。府警によると、女児は姉妹2人とは別の保育所に預けられる予定だったが、そのまま車内に約9時間閉じ込められていた可能性があるという。 岸和田署によると、父親から119番通報があったのは12日午後5時25分ごろ。同市尾生町の市立保育所の駐車場に止めた車内で、子どもがぐったりしているとの内容だった。署や市消防本部によると、車内から女児が意識不明の状態で見つかり、府内の病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。 岸和田署によると、女児は3人姉妹の次女で、両親と5人暮らし。この日午前8時ごろ、父親が娘3人を保育所に送るため、ワンボックスカーに乗せて自宅を出発。保育所に長女(4)と三女(1)の2人を預けた後、別の保育所に預ける予定だった次女を車に乗せたまま帰宅したという。 午後5時すぎ、父親が同じ車で次女の保育所に迎えに行ったところ、保育士から「今日は来ていない」と言われ、車内を確認したところ、後部座席のチャイルドシート上で意識のない次女を見つけたという。 岸和田署によると、父親は「次女を送るのを忘れて、家に帰ってしまった」と説明しているという。次女は約9時間にわたって車内にいたとみられ、熱中症の可能性があるという。目立った外傷はないといい、府警は14日午前に司法解剖し死因などを調べる。 気象庁によると、12日は府内各地で20度を超える最高気温を観測していた。 相次ぐ車内放置 どうすれば防げるか 車内に幼い子どもが置き去り… この記事は有料記事です。残り456文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ポンペイと鹿児島 噴火で埋まった東西の地を記者が歩いた
約2千年前、イタリア南部ナポリ近郊のベズビオ山が大噴火し、古代都市ポンペイは火砕流などで埋まった。はるか遠い日本の鹿児島県にも「東洋のポンペイ」と呼ばれる場所がある。記者が東西のポンペイを歩いた。 この春訪ねたポンペイからは、ベズビオ山(1281メートル)が約10キロ北に見えた。火砕流は時速100キロ以上というから、住民が避難できなかったのは無理もない。 埋没前の街は、周囲約3・2キロが石の城壁で囲まれていた。紀元79年の大噴火は大量の火山灰や軽石などを11時間も降らせ、街はその後、火砕流にのみ込まれた。本格的な発掘の開始は18世紀半ば。モザイクや石像、生活道具などが相次いで見つかった。多くはナポリ国立考古学博物館が所蔵している。 かたや「東洋のポンペイ」は薩摩半島南部の指宿市にある。開聞岳(924メートル)の噴火による火山灰や土石流で埋まった橋牟礼川(はしむれがわ)遺跡だ。 大正時代、京都帝国大学の浜田耕作教授らが発掘。「『先史時代のポムペイ或(あるい)はサントリン』とも名づく可(べ)き面白い考古学上の遺跡」と報告書に記したことから「日本のポンペイ」と称され、1990年代ころには「東洋のポンペイ」の呼称が定着したとされる。 本家のベズビオ山噴火の様子… この記事は有料記事です。残り1887文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
睡眠2時間、ギリギリの日々…救ってくれた保育士のため、母は動いた
「私たちは保育園に救われた」 そう話す保護者たちが、保育士1人あたりがみる子どもの数を定めた国の「配置基準」を見直すように求め、声をあげている。 名古屋市の団体職員、川口遥野さん(37)は、子育てと仕事の両立でギリギリの毎日だったとき、保育士たちに助けられた経験がある。 2015年に長男を出産。生後7カ月で保育園に預け、復職した。配属先は新しい部署だった。 「このころ長男は、本当に夜寝ない子でした」 授乳後、抱っこで寝かしつけても、ベッドに下ろすと泣き始める。夜通し抱っこし、細切れの睡眠時間の合計が2時間という日もめずらしくなかった。 職場では寝不足で頭が回らず、書類に記入する数字を間違えたり、仕事の予定を忘れかけたり。「こんなに仕事できなかったっけ……」と怖かった。 仕事を終えて、保育園に長男を迎えに行っても、チャイルドシートを嫌がって車に乗ろうとしない。ギャンギャン泣く長男を前に、涙があふれることもあった。30分かけて家に着くと、離乳食を食べさせ、お風呂に入れて。そしてまた、眠れない夜がやってくる。 子どもはかわいい。がんばりたい。いいお母さんでいたい。やさしくありたい。 そんな思いが川口さんの頭を占め、だんだんと無理が重なっていった。 復帰から半年ほど経ったある日。仕事でささいなミスをした。重い気持ちで保育園に迎えに行くと、今度は園に提出する書類の提出期限が過ぎていた。 「私はこんなことも、できないのか」 張り詰めていた糸がプツンと切れた。 子どもの睡眠時間や食事の内容、家での様子を毎日記入して提出する「保育園ノート」が、その日から書けなくなった。「家での生活リズムが分からないと、子どもと保育園に迷惑がかかる」。その一心で、長男の健康に関わることはなんとか記入したが、家での様子を書く欄に、言葉を紡ぐ力が出なかった。 「お母さん、最近、痩せまし… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
観光バス横転1カ月、注目された「フェード現象」 ブレーキ部分過熱
静岡県小山町で観光バスが横転して1人が死亡、多数が負傷した事故から13日で1カ月。急勾配の下り坂で事故が起きたことから、ブレーキのききが悪くなる「フェード現象」に注目が集まっている。車に関わる県内の業界関係者も、再発防止のためにブレーキの使い方に注意を促している。 「横転事故後、教習を受けに来た人に今回の事例を紹介しながら、エンジンブレーキの大切さを教えている」と話すのは、古庄自動車学校(静岡市葵区)の松本成立(しげたつ)校長だ。 同校では小型車などのほか、中型車のコースがある。路上教習では長い下り坂がある長沼大橋を通るコースがある。教習生には、低いギアに入れてエンジンブレーキの性能を体験してもらう。エンジンブレーキを分かりやすく伝える工夫の一つという。 フェード現象とは、フットブレーキを使いすぎて関連部分が過熱し、摩擦が小さくなってブレーキのききが悪くなることだ。 事故を起こしたバスのフットブレーキで使われていたドラム式ブレーキは、車軸に取り付けられたブレーキドラムの内側に摩擦材を貼ったブレーキシューを押しつけて減速、停止させる仕組み。フットブレーキを使い過ぎると、過熱で摩擦材が溶けたり、摩擦材が接触するドラムも焼けたりして、摩擦力が急速に落ちる。大量の荷物や人を運ぶ大型車は摩擦熱が発生しやすいため、フェード現象が起きやすいとされる。 事故を起こした車両は、ドラム部分が赤褐色に焼けていたといい、県警は「フェード現象が考えられる」としている。自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で送検された運転手は処分保留で釈放されたが、県警や静岡地検沼津支部が在宅で捜査を続けている。県警によると、けが人は重傷11人、軽傷16人の計27人になったという。 静岡県バス協会は今月下旬… この記事は有料記事です。残り452文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上越新幹線、大宮―新潟が開業40周年 E2系が白・緑カラーに
茂木克信2022年11月13日 12時23分 上越新幹線の大宮―新潟間が15日に開業40周年を迎えるのを受け、記念セレモニーが12日、JR新潟駅(新潟市中央区)であった。開業当時活躍した200系の白と緑のカラーリングを施したE2系の「なつかしのあさひ号」の見送りなどを行い、多くの鉄道ファンが集まった。 セレモニーで小川治彦・JR東日本新潟支社長は「来年3月のダイヤ改定時には時速275キロへとスピードアップし、東京―新潟間が7分程度短縮され、全編成が最新型のE7系に統一される」とし、「安全で正確な運行を確保し、地域の皆様と一緒に新しい40年の歴史を作っていく」とあいさつした。 旅行商品専用列車の「なつかしのあさひ号」の車内では、大宮までの運行中、乗客の夢をかなえる企画が行われた。多数の応募の中から選ばれたのは、新潟市東区の介護福祉士米田実花さん(32)の「新幹線運転士をめざす子どもの夢を応援したい」。諒祐(りょうすけ)さん(5)、琉晟(りゅうせい)さん(3)の兄弟2人は車掌の車内放送を体験したり、JRの制服や新幹線型のケーキをプレゼントされたりした。(茂木克信) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「伸びる雑草、もう刈れない」 高齢化など背景、民間などが担い手に
高齢化による担い手不足などを背景に、空き地や田畑、住宅地の雑草処理が課題になっている。危機感を抱いた民間や行政、大学、市民団体などが対策に乗り出している。 雑草が青々と伸びている兵庫県丹波篠山市の川の土手で、3人の男性が草を刈っていた。個人や農家、企業から依頼を受ける「縁草社」のメンバーだ。 依頼したのは市内の50代女性。川掃除の前に所有する田んぼの前の川の土手を草刈りをする必要があったが、土手は傾斜が急な上に刈る面積も広い。以前は父親がしていたが亡くなり、女性では草刈り機を使うのは難しかった。「作業も丁寧。これからも頼みたい」 草刈りビジネス、地域の支えに 縁草社の3人は酒井大輔さん(37)と父親の雅之さん(65)、藤本侑平さん(36)。大輔さんはカメラマンで、藤本さんも副業として取り組んでいる。 きっかけは、大輔さんが大阪から丹波篠山市にUターンしたこと。農村ビジネスを学ぶなかで、高齢化で草刈りが悩ましい課題になっていることを知った。2020年に酒井さん親子で「草刈り親子」の屋号で始め、藤本さんが加わった21年に「縁草社」に屋号を変えた。 依頼は夏から秋を中心に年約40件。地元だけでなく、神戸市や大阪府吹田市からも受ける。休耕田やあぜなどの草刈り、都市部では空き地や自宅庭の草刈りなどを求める声がある。実家が空き家になったため草刈りを依頼してくるケースも増えているという。 「お金をいただいて、いい汗をかいて、喜んでもらえる。できる限り続けていきたい」と大輔さん。今後は刈った草の有効利用なども考えたいという。 会社員や学生ら「畦師」に 地元から期待も 市民と大学、行政が連携し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
群馬の山奥にある「殺人の滝」 サスペンスみたいな滝を訪ねてみた
その滝は、標高1千メートル級の山々に囲まれた群馬県中之条町の入山地区(旧・六合〈くに〉村)にある。「殺人の滝」と書いて「さつうぜんのたき」。いかにも物騒な名前だ。自分の目で見てみたいと思い、晩秋のある日、現地を訪ねた。 前橋市の中心街から車で2時間以上。国道405号を野反(のぞり)湖に向かって走り、途中で右折する。くねくねと蛇行する道。車窓いっぱいに山の緑があふれる。スマホの電波は圏外だ。 ようやく「殺人の滝」の案内板を見つけた。車を止め山道を歩く。ガサガサ、ガサガサ……。落ち葉を踏みしめる音が静寂を破る。片側は急斜面。転がり落ちたら助からないだろう。冷や汗が背中を流れた。 耳を澄ますと、どこからか滝の音が聞こえてきた。急坂を一歩一歩、慎重に下りる。やがて、猛烈なしぶきを上げて流れ落ちる「殺人の滝」が見えてきた。 案内板によると、その昔、人… この記事は有料記事です。残り833文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル