さいたま市で技術職員として働く40代男性は2018年、係長に昇任するための試験に臨んだ。 「係長になれば業務の裁量が増え、給料も上がる」 迷いはなかった。 試験は、地方自治法や公務員法など知識を問う筆記試験と論文、面接の3部構成。 日常業務で使わない法律もあり、「普段の仕事をこなしながらの準備は大変だった」が、通勤時間などを使って1日約2時間の勉強時間をひねりだし、1発合格を勝ち取った。 入庁16年目での係長昇進は、試験なしの選考と比べて3年ほど早かった形だ。 ただ、これ以上の出世には抵抗があるという。 「楽しそうに働いている管理職がとにかく少ない。課長になるのは心理的な壁が高い。急に昇任と言われたら『ぐえっ』となるかも」 受験率、半数ほどの自治体で減少 自治体が昇任試験を導入するのは、若手職員のモチベーションを向上させたり、組織を活性化させたりしたいからだ。 年功序列や一部幹部の判断で昇進させるのではなく、やる気と能力のある人材を早い段階から「幹部候補」として抜擢(ばってき)できる。 総務省の調査によると、昇任試験を導入しているのは全国約1700自治体のうち約350自治体(2020年。警察官や教員などを除く一般事務職員対象)。かつては、係長への試験の競争率が7倍超という自治体もあった。 しかし、朝日新聞が今回、直近の10年間で昇任試験を実施していた13の都府県と政令指定都市に聞いたところ、少なくも8自治体で試験の受験率が下がっていた。 自治体によって職員の年齢や在籍年数といった受験要件に違いはあるものの、減り幅が最も大きかったのは川崎市で、12年の56%から21年は45.7%に下がっていた。 次いで大きく減っていたのは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ポルトガル発、正統派鮨割烹 風景と食材に圧倒された地で独立
■西入る(京都) 2022年6月オープンした鮨割烹(すしかっぽう)『西入る』。店主のリカルド・コモリさんは、ポルトガル・リスボンの生まれ。 「ポルトガルでお鮨は大人気。ただ日本人が驚くようなものも多いです。パン粉を付けて巻物を揚げたり……」。おおっと、では宮津の魚介がどんな鮨になって登場するのか――と不安と期待が胸をよぎる。 ところが、案に相違して、リカルドさんが大きな掌(てのひら)で握る鮨は、シャリコマの正統派。米は無農薬コシヒカリ。酢は『飯尾醸造』の赤酢など3種をブレンドしていると言い、うまみのあるシャリが、海の傍らならではの力のあるネタとがっぷり四つに組んで食べごたえあり。鮨の前の一品も、地のアワビを盛り込んだ先付(さきづけ)など、秋を演出する手腕も見事だ。 5年間リスボンの老舗日本食… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
技能実習制度、抜本的見直しへ 初代長官「パンドラの箱が開いた」
有料記事 聞き手・田内康介2022年11月6日 12時00分 入管一筋30年以上。入管の「象徴」として、出入国在留管理庁の初代長官を務めた佐々木聖子(しょうこ)さん(61)が今年8月、退任した。7月には当時の法務大臣が「技能実習」制度の本格的な見直しをめぐり、「歴史的決着に導きたい」と宣言。今後、技能実習は廃止され、「特定技能」制度に一本化されていくのか。「移民」政策の転換はあるのか。さらには難民はどう受け入れていく考えなのか――。これまでの歩みと将来の設計図をたっぷり聞いたところ、佐々木さんは「パンドラの箱が開いた」と語った。 ――これまで入管は外国人労働者とどう向き合ってきたのですか。 1990年施行の改正入管法で、それまでの在留資格を整理・再設定し、外国人労働者を含め、外国人受け入れの骨格が定まりました。それに従って外国人労働者の受け入れも進みました。 政府として「専門的・技術的分野の外国人を積極的に受け入れる一方、それ以外の外国人労働者については、国民的コンセンサスを踏まえて検討する」との立場を堅持していました。一方、南米日系人の製造業への従事、93年に創設された技能実習制度による就労、留学生のアルバイトなどにより、外国人労働者は増加していきました。不法就労も増加し、社会問題となりました。 平成の半ば以降、高度人材な… この記事は有料記事です。残り2880文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「議員への影響力強くなる」 教団友好団体、自民議員後援会を各地に
自民党の国会議員のため、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の友好団体のメンバーらが議員ごとに「後援会」をつくり、選挙で支援するなどしていた。複数の自民党議員や事務所が取材に認めた。友好団体幹部は「全国に少なくとも数十の後援会が存在する」と証言するが、自民党の調査では教団側からの組織的な選挙支援を受けたと答えたのは2議員にとどまっている。 西日本の自民党参院議員の地元には4年ほど前、教団の友好団体「世界平和連合」に含まれる1文字と、自身の名前の1文字を合わせた名称の後援会が設立された。この議員によると、支援者から「人を集めるので国政報告会をして欲しい」と言われ、訪ねると平和連合の会員ら20~30人が集まっていた。国政報告をすると「巨人の星」の替え歌で激励してもらうといった会合がこれまでに3回開かれたという。 ただ、議員は後援会の存在は認めつつも、取材に「後援会というほど何かをやってもらったことはない」と話した。 自民の中堅衆院議員にも、平和連合メンバーらによる後援会がある。規模は30人程度。事務所関係者は「実質的な選挙の実動部隊だった。後援会という組織があることで動いてもらいやすかった」と組織的な選挙支援があったことを認める。さらに別の自民党衆院議員の事務所関係者は「2014年の衆院選前に平和連合の男性が地元に後援会を立ち上げた」と明かす。教団側との関係は、後に知ったという。男性は後援会名を付けたSNSアカウントで議員の活動の紹介もしているという。 教団側の政治活動に詳しい平和連合幹部は取材に、こうした自民党国会議員のための後援会は「全国に少なくとも数十はある」と話す。 「発足式」の式次第も 教団の別の友好団体で、総務省に政治団体の届け出をしている「国際勝共連合」の元幹部は、後援会をつくるための「マニュアル」が過去に存在していたと取材に証言する。 元幹部によると、00年代前… この記事は有料記事です。残り1060文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
14歳でネパールから来た高校生の僕が日本で唯一納得できないこと
ネパールから14歳で日本に来た。言葉は分からず、学校にも行けないまま働いていたが、夜間中学を経て、いまは大阪府立三国丘高校の定時制で学ぶ。ウパダヤ・ユケスさん(21)は、東京である定時制通信制高校の発表会に大阪府代表として出場する。日本での経験や夢、そして一つだけ納得いかないことについてスピーチする。 ユケスさんは、料理人として日本で働いていた父に呼ばれ、14歳で来日した。 ネパールでは病弱な母や弟たちの面倒を見るため、学校へ行けない時期もあった。日本では中学生の年齢。制服を着て学校へ行きたいという思いはあったが、親戚の家を転々としたり、父の仕事を手伝ったりして、かなわなかった。 16歳になり、大阪市内のホテルでアルバイトを始めた。主に客室の清掃やベッドメイクだが、いまは新しい従業員を指導する立場でもある。 夜間中学のことは、仕事仲間のネパール人から聞いた。「そんな学校あるの」とさっそく入学。1年間で卒業し、もっと勉強がしたいと定時制高校に進学した。 国語など一部の授業は別に受けるが、ほかの教科は日本人の生徒と一緒だ。 「学校に来て、めっちゃ知らないことが分かるようになった」 何もしてない。なぜ「職質」されるの? 先生は勉強だけではなく、生… この記事は有料記事です。残り800文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20年ぶり国際観艦式、相模湾で開催 中国不参加、ロシアは招かず
成沢解語、小木雄太2022年11月6日 17時51分 海上自衛隊の創設70周年を記念した「国際観艦式」が6日、神奈川県の相模湾で開かれた。日本での開催は20年ぶり。海自の艦艇を岸田文雄首相が観閲(視察)し、米国や豪州、インド、韓国など12カ国18隻が祝意を示すため航行。天候不順の影響で参加予定だった英国は参加しなかった。 この日朝、観閲部隊4隻は横須賀市などの海自基地を出港。護衛艦「いずも」に岸田首相が乗艦した。すれ違う海自艦艇12隻を観閲し、それに続いた外国艦艇から敬礼や音楽の演奏、かけ声など様々な形で祝意を受けた。陸上自衛隊のオスプレイや米軍のステルス戦闘機F35Bも飛行。航空自衛隊のブルーインパルスによるアクロバット飛行もあった。 海自は今回、7、8日に開かれる「西太平洋海軍シンポジウム」の加盟国30カ国のうち、ウクライナを侵攻中のロシアを除く29カ国に参加を打診。尖閣諸島の領有で対立する中国は参加を見送る一方、海自機へのレーダー照射問題がくすぶる韓国は補給艦「昭陽(ソヤン)」1隻を派遣した。 岸田首相はいずも艦上での訓示で、ウクライナに侵攻したロシアや弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を非難。防衛力強化の必要性にも触れ、「周りを海に囲まれた我が国にとって、海上防衛力は戦略環境を大きく左右するもの」だとし、艦艇の造成、ミサイル対処能力の強化、隊員の処遇改善などの強化が「待ったなしだ」と訴えた。(成沢解語、小木雄太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
信長まつり参加、キムタク提案だった 伊藤英明さんの「パス」逃さず
「ぎふ信長まつり」の信長公騎馬武者行列が6日、岐阜市で行われ、俳優の木村拓哉さんと伊藤英明さんが参加した。木村さんらは来年1月に公開予定の織田信長と濃姫の物語を描く映画「レジェンド&バタフライ」に出演。木村さんは信長、綾瀬はるかさんが濃姫を演じている。武者行列後に同市内で木村さんと伊藤さんらが参加して映画公開記念のトークイベントがあり、武者行列の感想や映画撮影の舞台裏などを語った。 主なやりとりは次の通り。 木村拓哉さんのあいさつ 先ほど無事に、何事もなく、岐阜県警の関係者の皆さんの本当に統制のとれた状況の中、パレードをさせて頂き、無事に終わることができて本当によかったなと思っております。すごく感謝してます。 ちょっと一つの大きな山を、僕とヒデ(伊藤英明さん)は乗り切って、さっき部屋の中で抜け殻みたいになっていたんですけど、会場に入られている皆さんの姿がモニターで見えていたので、この席が埋まるのをみて、もう一度、自分もヒデも覚醒して、ここに立たせて頂いております。 伊藤英明さんのあいさつ この大イベント、成功したという形になって本当に感無量です。沿道にいらっしゃった方々の喜ぶ顔をみて、このイベントが開催できたのは本当によかったと思います。まさか、(映画の)現場のセットの片隅で木村先輩と話していたことが現実となって。この映画をなんとか成功させて、第二の故郷として「信長拓哉」に帰って頂きたいなと。 木村さんらの質疑応答 ――馬に乗って行列されたが感想は 木村さん 岐阜の中学生だったり、高校生だったり、本当にたくさんの方と騎馬武者行列の前に、出発式みたいなものをやらせて頂いて。そこで本当にすてきな(県立)岐阜商業(高校)の応援の方たちのパフォーマンスなんかも拝見して、それから表に出させてもらったんですけど、志の高い気持ちをたくさん頂いた上で街中に出させて頂いたので、非常に力を頂いたというのも事実ですし、あれだけ大勢の方が一堂に会して下さっているにもかかわらず、本当に誇らしいというか、皆さんちゃんと規則を守っていただいて、大きなトラブルもなく終えることができたので。 あと、雲ひとつない青空の下… この記事は有料記事です。残り1613文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
県立高の教員と妻、ローンカード詐取容疑で逮捕 300万円借り入れ
2022年11月6日 20時00分 高知署は6日、知人からローンカードをだまし取ったとして、県立高知東高校教員、棚橋芳文容疑者(55)と、妻で歯科衛生士の理香容疑者(52)=ともに高知市宝町=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 署によると、両容疑者は高知市内の40代の知人男性に、銀行で働いている娘にノルマがあり、口座を開いてくれたらすぐ解約すると偽ってローンカード1枚を作らせ、昨年3月2~6日、市内のコンビニの駐車場で受け取った疑いがある。今年4月、知人にローンの督促状が届き、署に相談があった。カードで300万円が借り入れられていたという。 両容疑者については類似の相談が寄せられているといい、署は余罪を調べる方針。 高知東高校の高橋志治校長は「高知県の教育界全体の信用を失墜することであり、ご迷惑と心配をおかけして申し訳ない」とのコメントを出した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ソウル・雑踏事故で犠牲の冨川さん、同級生たちが献花 地元で通夜
有料記事 山本智之、能田英二2022年11月6日 20時56分 韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で起きた雑踏事故で亡くなった冨川芽生(めい)さん(26)の通夜が6日、地元・北海道根室市の斎場で営まれた。 午後4時ごろ、焼香が始まると、斎場には冨川さんと生前に親しくしていた友人らが相次いで訪れた。目に涙を浮かべながら、会場をあとにする人もいた。 冨川さんと根室高校で同級生だった会社員男性(25)は「最初は同姓同名の別人かと思った。なぜ亡くなったのか、信じられない気持ち」と悲しんだ。「これから実感がわくのかもしれないが、人の死について身内以上に感じさせられた」。同級生たちが連絡を取り合い、クラス一同で献花したという。 根室市内の会社員の男性(6… この記事は有料記事です。残り474文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「なんじゃその目は」と圧かけて実現 キムタクが語った行列の舞台裏
「ぎふ信長まつり」の信長公騎馬武者行列が6日、岐阜市で行われ、俳優の木村拓哉さんと伊藤英明さんが参加した。木村さんらは来年1月に公開予定の織田信長と濃姫の物語を描く映画「レジェンド&バタフライ」に出演。木村さんは信長、綾瀬はるかさんが濃姫を演じている。武者行列後に同市内で木村さんと伊藤さんらが参加して映画公開記念のトークイベントがあり、武者行列の感想や映画撮影の舞台裏などを語った。 主なやりとりは次の通り。 木村拓哉さんのあいさつ 先ほど無事に、何事もなく、岐阜県警の関係者の皆さんの本当に統制のとれた状況の中、パレードをさせて頂き、無事に終わることができて本当によかったなと思っております。すごく感謝してます。 ちょっと一つの大きな山を、僕とヒデ(伊藤英明さん)は乗り切って、さっき部屋の中で抜け殻みたいになっていたんですけど、会場に入られている皆さんの姿がモニターで見えていたので、この席が埋まるのをみて、もう一度、自分もヒデも覚醒して、ここに立たせて頂いております。 伊藤英明さんのあいさつ この大イベント、成功したという形になって本当に感無量です。沿道にいらっしゃった方々の喜ぶ顔をみて、このイベントが開催できたのは本当によかったと思います。まさか、(映画の)現場のセットの片隅で木村先輩と話していたことが現実となって。この映画をなんとか成功させて、第二の故郷として「信長拓哉」に帰って頂きたいなと。 木村さんらの質疑応答 ――馬に乗って行列されたが感想は 木村さん 岐阜の中学生だったり、高校生だったり、本当にたくさんの方と騎馬武者行列の前に、出発式みたいなものをやらせて頂いて。そこで本当にすてきな(県立)岐阜商業(高校)の応援の方たちのパフォーマンスなんかも拝見して、それから表に出させてもらったんですけど、志の高い気持ちをたくさん頂いた上で街中に出させて頂いたので、非常に力を頂いたというのも事実ですし、あれだけ大勢の方が一堂に会して下さっているにもかかわらず、本当に誇らしいというか、皆さんちゃんと規則を守っていただいて、大きなトラブルもなく終えることができたので。 あと、雲ひとつない青空の下… この記事は有料記事です。残り1610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル