福岡市から車で2時間。温泉郷を抱える熊本県小国町が「夜の魅力アップ」に力を入れている。大イチョウや滝のライトアップに、町職員が案内するナイトツアー。コロナ禍で激減した温泉客を取り戻そうと、もてなしに工夫を凝らす。 幅20メートル、落差15メートルほどの岩肌を流れ落ちる滝が宵闇に白く浮かび上がり、その奥に黄金色の大イチョウが輝く。大阪府池田市から来たという男性(39)は「今年一番テンションが上がった」と興奮気味に話した。 大イチョウは幹回り約10メートル、高さ約25メートルで、広く枝を張った力強い樹形が特徴。1934年に国の天然記念物になった。近くに下城滝、数十メートル西には鍋釜滝がある。遊歩道が整備され、昼間は滝越しに大イチョウの眺めが楽しめる。 小国町は県最北端の町だ。観光客の多くは福岡から訪れていたが、コロナ禍で一変。「県境を越えた移動」は控えるよう呼びかけられ、客足が途絶えた。 ライトアップに工夫、町職員がツアーで案内 そこで町は昨年と今年、新型… この記事は有料記事です。残り610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「○○の日」報道 続けたからこそ気づいた変化、得られた新証言
メディア空間考 藤谷健 太平洋戦争で最も無謀とされるインパール作戦。1944年7月の終了後、その犠牲者とされる数を大きく上回る命が失われていたことはあまり知られていない。 当時の兵士や住民らの証言で実態を明らかにした99分の番組「完全版 ビルマ 絶望の戦場」が10月16日、NHKのBS1で放送された。終戦の日に総合テレビで特集した59分の本編に多くの証言などを加え、再編集したものだ。 ビルマ近現代史が専門で、番組の監修にあたった上智大の根本敬教授は「日本軍に協力していたビルマ国民軍の元幹部や住民が、抗日闘争に転換した後、敗走する日本兵を襲った状況などを詳しく語った貴重な記録だ」と高く評価する。 NHKの阿部宗平チーフ・プロデューサーによると、インパール作戦の実相について取材を続ける担当ディレクターが、作戦後に犠牲者が増えていることに気づいたことが制作のきっかけになった。 だが生存者の多くは90代、なかには100歳を超え、証言を得るのは時間との戦いでもあった。悲惨な状況を思い出したくないという人も少なくない。昨年2月の軍事クーデターや新型コロナ感染症の影響で、外国メディアのミャンマー入国は厳しく制限され、現地取材ができない可能性もあった。 6月というぎりぎりのタイミングに現地で取材を始めたところ、これまで話すことを拒んでいた人を含め、想定よりも多くの証言を得ることができた。 阿部さんは、ウクライナやミ… この記事は有料記事です。残り740文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岐阜発祥「マクワウリ」のラーメン、高校生が開発 信長まつりで販売
岐阜県本巣市発祥の飛驒・美濃伝統野菜「マクワウリ」を使ったラーメンが完成した。開発したのは、県立岐阜農林高校(北方町)の生徒でつくる「まくわうりひろめ隊」の3年生6人だ。戦国武将の織田信長も好物だったとされ、5日に岐阜市である「ぎふ信長まつり」の会場で初めて販売する。 まくわうりひろめ隊では毎年、マクワウリを使った商品開発に取り組んでいる。このラーメン開発は、先輩たちが積み残してきた課題の一つだった。マクワウリを麺に練り込むのに苦労していた。 今回は、本巣市で野菜などを練り込んだオリジナル麺の製造を手がける「ナガヤワークス」に協力を依頼。麺に練り込む配合を変えながら試作を繰り返した結果、15%の黄金比率にたどり着いたという。 常温保存できるように乾麺にした。つるっとした舌触りともちもちとした食感が楽しめる麺に仕上がった。マクワウリの黄色に近い黄緑色を生かすため、スープは透明に近いあっさりした塩味にした。 生徒たちは食品ロスの削減を意識し、栽培する際に1割ほど出る未熟果実に着目した。廃棄していたものを栽培農家から買い取り、ペースト状に加工。冷凍保存することで、年間を通じて提供できる態勢を整えた。 「まくわうり拉麺(ラーメン)」と命名し、パッケージのデザインも考えた。信長のイラストと織田木瓜(もっこう)の家紋、岐阜農林の校章をあしらった。 まくわうりひろめ隊隊長の坂口杏月葉(あげは)さん(18)は「先輩たちの意志を引き継いで完成させることができてよかった。食品ロスの削減にもつながり、マクワウリのことを知ってもらうきっかけにしたい。信長まつりで信長役を務める木村拓哉さんにもぜひ食べてもらいたい」と話した。 5日は、岐阜市金町2丁目の大熊果実店の前で100袋限定で販売する。名古屋・栄の「オアシス21」内にある岐阜のアンテナショップ「ギフツプレミアム」のほか、県内の道の駅などでの販売も目指している。1袋2食入りで、価格は480円(税込み)。(松永佳伸) マクワウリとは 信長のほか、豊臣秀吉や徳川家康も好んで食べたとされる。「御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)」には、信長は1570年から計7回にわたってマクワウリを朝廷に献上したという記述がある。岐阜農林高では、自分たちで栽培したものでアイスクリームに加工して販売している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「BTSの影響感じる」 脱毛でトゥルントゥルンの経済学者が分析
有料記事 聞き手・笠井正基2022年11月5日 13時00分 いま、脱毛が若い女性だけでなく、男性や中高年にも広がりつつあるようです。なぜ体毛を処理するのか。美意識に何かしらの変化が起きているのか。全身脱毛に取り組み、ツイッターなどで発信している経済学者の坂井豊貴・慶応大学教授に聞きました。 さかい・とよたか 1975年生まれ。専門は社会的選択理論、マーケットデザイン。著書は「多数決を疑う」など。 全身の脱毛に2年前から取り組んでいます。思想性は何もありません。ただ快適に過ごしたいだけです。 毎朝ひげをそるのに6、7分かかり、忙しいのに時間を取られたくない思いがありました。楽しくないし、カミソリの替え刃代も安くありません。コロナ禍になってオンラインで自分の顔を見る機会が増えたこともあり、ひげから脱毛を始めました。方法としては、医療行為ではない「美容脱毛」ではなく、医師らがレーザー機器を使う「医療脱毛」を選びました。永久脱毛とも呼ばれ、長期にわたって効果が期待される施術です。 自分が変わる喜び 効果が出てくると、快適さだ… この記事は有料記事です。残り879文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中高年男性も脱毛、不安の表れ? 諦めない自分追求と認められる喜び
有料記事 聞き手・岸善樹2022年11月5日 13時00分 脱毛する人が男性にも増えているそうです。ツルツル、スベスベの肌をなぜ女性も男性もめざすのか。男性の身体表象を研究する川野佐江子・大阪樟蔭女子大学教授(56)は、ダビデ像のような「裸でも見られて恥ずかしくない」身体が求められていると言います。 ――脱毛する男性が多い理由は何なのでしょうか。 「清潔感を重要視する美意識が、女性だけでなく男性にも広がった結果だと思います。毛は不思議な存在で、体から離れた途端に『きたない』ものになります。料理に毛が落ちていたら、だれでも気になる。自らの管理下にない毛は、不潔なのです。手入れされていない体毛も『むだ毛』とさげすまれる。きちんと管理されていないからです。動物行動学者のデズモンド・モリスは、人間を『裸のサル』だと指摘しましたが、自然のままの毛は野生を連想させ、清潔とは思われません」 ――でも、体毛が「男らしい」と肯定的に評価されたこともあります。 「確かに以前はプロ野球巨人の長嶋茂雄さんや歌手の加山雄三さんの胸毛が格好いいと思われていましたし、歌手の西城秀樹さんの体毛がヒット曲の『ギャランドゥ』という隠語で呼ばれるようになっても、マイナスのイメージではありませんでした。一方、1980年代に登場したジャニーズ系のアイドルは、ツルンツルンの肌ばかりです。そのあたりの時代で、体毛への意識が変わっていったように思います」 ――なぜでしょう。 「現代は『より元気で、より… この記事は有料記事です。残り1746文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
哲学者も愛した響き 北星学園のパイプオルガン、10年後の復活
10年の時を経て、北海道内最古のパイプオルガンの響きがよみがえった――。札幌市の北星学園大で半世紀近く活躍し、惜しまれながら引退した音色が戻ってきた。復活後は北星学園女子中学高校で礼拝やイベントに使われ、学園生活に華を添えている。 独社製のオルガンは、1965年に世界的なオルガン建造家、辻宏により組み立てられ、北星学園大に設置された。道内で最も古いもののひとつ。同大のチャペルで47年間、日々の礼拝などで演奏されていた。 2012年の北星学園大開学50周年を機に、現役を引退。東京のオルガン業者の元で大切に保管されていたが、学園内の惜しむ声に押されるように、今年8月に10年ぶりに札幌に戻った。現在は北星学園女子中学高校のエバンスホールに置かれている。 素朴な音色は学外の多くの人々も魅了した。 その一人がパリ在住の哲学者… この記事は有料記事です。残り355文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車から転落の女性死亡事故 後続車の運転手、ひき逃げ容疑で逮捕
札幌市白石区の幹線道路で2日早朝、女性が走行中の車から転落し、後続車にひかれて死亡した事件で、北海道警札幌白石署は4日、女性をひいた後続車を運転していた会社役員、石塚孝司容疑者(61)=同市厚別区青葉町7丁目=を、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑で逮捕し、発表した。石塚容疑者は「人だとは思わなかった」などと、容疑を否認しているという。 署によると、石塚容疑者は2日午前5時5分ごろ、同市白石区東札幌2条3丁目の路上に転倒していた職業不詳、森ひかるさん(23)=同市豊平区豊平3条9丁目=をはねて死亡させる事故を起こした後、救護も警察への届け出もせずに逃走した疑いがもたれている。 森さんの死因は全身を強く打ったことによる外傷性ショック。署が現場付近の防犯カメラの映像などから逃走車を割り出し、石塚容疑者を特定したという。 事件をめぐっては、署は森さ… この記事は有料記事です。残り435文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市街地ラリーへ「クルマのまち」が加速 まず競技エリア1キロを整備
「クルマのまち」の愛知県豊田市が、公道を走るラリーの競技エリアを市中心部に整備する。20日の国内大会に向けて河川敷の公園を改修してまず約1キロのコースに。来年は市が運営主体となる世界ラリー選手権(WRC)の開催が見込まれ、全長を約3キロまで延ばす計画だ。 ラリーは、市販車をベースにした車が公道を走る。競技エリアは「スペシャルステージ(SS)」と呼ばれ、舗装路も悪路もある。国内ではSSが都市部からは遠い中山間地に設けられることが多い。 そこで、豊田市はファンや観光客が訪れやすく、多くの市民の目に留まるよう市街地にSSを設けることにした。選んだのが、2019年にラグビー・ワールドカップを開いた豊田スタジアムから矢作川をはさんで対岸の「白浜公園」だ。最寄りの駅から約1キロとアクセスが良い。入門者向けの国内大会「TGRラリーチャレンジ2022」のSSとして、競技団体の国際自動車連盟(FIA)、大会主催者のトヨタ自動車、市の3者で8月までに合意した。 園内にある未舗装のサイクリングロードや散策路を改修。お披露目となる20日の大会では観客席を設け、1台ずつ約1キロの距離を走る。ほかのSSとの合計タイムで順位を競う。 このSSをさらに矢作川沿い… この記事は有料記事です。残り381文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
業者に水道管工事の予定価格を漏らした疑い 前橋市の前副市長を逮捕
吉村駿2022年11月4日 18時50分 前橋市が発注した水道管工事の予定価格を業者に漏らしたとして、群馬県警は4日、前橋市の前副市長の戸塚良明容疑者(72)と、市内の「上武工業」代表取締役の山崎正容疑者(62)を、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 逮捕容疑は、両容疑者が共謀のうえ、2020年6月に行われた水道管改良工事の指名競争入札に関して、当時副市長だった戸塚容疑者が秘密事項である予定価格(税込み2305万6千円)を山崎容疑者に漏らし、上武工業に2050万円(税抜き)で落札させたというもの。 同市では昨年、公共工事をめぐる官製談合・贈収賄事件が発覚。戸塚容疑者は、再発防止策を検討する調査委員会で委員長を務めていた。今年10月31日、「一身上の都合」を理由に副市長を退任した。(吉村駿) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
はや年の瀬の準備、浅草で「酉の市」 縁起物の熊手を求めてにぎわう
石平道典2022年11月4日 19時00分 東京・浅草の鷲(おおとり)神社(台東区千束)で4日、開運や商売繁盛を祈願する「酉(とり)の市」があり、縁起物の熊手を求める人で境内はにぎわった。招き猫や鯛(たい)などの飾りがついた熊手が売れるたびに、「繁盛、繁盛」と威勢のいいかけ声とともに手締めの音が響いた。 毎年11月の酉の日に開かれる江戸時代からの恒例行事で、この日は一の酉。今年は16日(二の酉)、28日(三の酉)にも行われる。千葉県船橋市で飲食店を経営する川口浩之さん(43)は「コロナも落ち着いてきた。お店に福を呼び込みたい」と話した。(石平道典) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル