【動画】カシュニの滝の沖合で潜水の準備をする海上保安庁の潜水士ら=野津賢治 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から23日午後、「浸水している」との118番通報があった。これまでの経緯をまとめた。 (最新の情報が一番上に表示されます) ■■■4月26日の動き■■■ 12:30 「魚群探知機に大きな物体」 捜索の漁師が海保に連絡 北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員計26人を乗せた観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になっている事故で、海上保安庁は26日、半島の沖合で捜索にあたっていた漁師から、「魚群探知機に大きな物体が映った」と連絡があったことを明らかにした。 場所は救助要請の通報があった「カシュニの滝」の近くで、水深は30メートルほど。行方が分からなくなっていた船の可能性もあり、海保は巡視船を派遣し、確認作業を進めるという。 事故発生から4日目、行方不明者の捜索に向かう漁船団=2022年4月26日午前5時52分、北海道斜里町、藤原伸雄撮影 08:00 おいが行方不明の男性「情報がなさすぎる」 「情報がなさすぎる。今の段階で言えることはなにもないが、とにかく早く見つかってほしいという思いだけ」 26日朝。観光船「KAZUI」(カズワン)が出航した、北海道斜里町のウトロ漁港近く。船に乗船していた、おいが行方不明のまま見つかっていないという男性は取材にそう語った。 05:30 捜索へ出港、漁師「なんとか探してあげたい」 【動画】行方不明者の捜索が続く知床沖=野津賢治撮影 知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船の行方が分からなくなってから4日目となった26日、北海道斜里町のウトロ漁港では前日に続いて漁船8隻、観光船3隻が午前5時半ごろから続々と出港し、3日連続で捜索に出た、ウトロで約40年漁師をしているという男性(63)は「まだ船の位置も分かっておらず、情報が少ない。なんとか捜してあげたいが……」と話した。 事故発生から4日目、行方不明者の捜索のため出航準備をする漁師ら=2022年4月26日午前5時31分、北海道斜里町、藤原伸雄撮影 ウトロ漁業協同組合の深山和彦組合長は報道陣の取材に対し、「今日は天候が良いので、潜水士とも協力して沿岸部を集中的に捜す」とこの日の捜索の狙いを説明した。複数の漁師によると、27日は天候が荒れて漁船が出せない可能性もあるといい、深山さんは「今日が大事な日だ。少しでも情報が集まることを期待している」と述べた。 報道陣の取材に応じ、捜索の狙いなどについて説明するウトロ漁業協同組合の深山和彦組合長=2022年4月26日午前5時57分、北海道斜里町、高橋俊成撮影 ■■■4月25日の動き■■■ 21:00 3人の身元を公表 北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員計26人の観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になった事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は25日、死亡した11人のうち身元を確認できた3人の氏名などを発表した。 同保安本部によると、3人は、香川県丸亀市の河口洋介さん(40)、千葉県松戸市の橳島(ぬでしま)優さん(34)、東京都葛飾区の加藤七菜子さん(3)。いずれも死因は溺死(できし)という。 【動画】捜索が続く知床半島沖=熊倉隆広撮影 17:00 国交省、運航会社や地元漁協訪れ聞き取り調査 北海道・知床半島沖で観光船が行方不明となった事故をめぐり、国土交通省の運輸安全委員会は25日、事故原因を解明するため、船の運航会社「知床遊覧船」や地元漁協を訪れ、聞き取り調査を実施した。 調査後に記者団の取材に応じた大熊寛章・船舶事故調査官は、同社の社長にはまだ聞き取りをしていないことを明らかにした上で「救助や遺族対応が優先。状況をみて連絡をとる」と話した。26日以降、事故当時の気象や海の状態などの情報を集めるため、地元関係者にあたるという。 11:20 官房副長官が会見 「捜索、救助活動に全力尽くす」 磯崎仁彦官房副長官が記者会見で、これまでに発見された11人全員の死亡が確認されたと発表。残る15人の行方不明者について「捜索、救助活動に全力を尽くしていきたい」と述べた。 遊覧船を運航していた「知床遊覧船」に国土交通省が特別監査に入っているとして、当日の運航の判断などを確認中だと説明した。磯崎氏は「監査結果を踏まえて早急に再発防止策を取りまとめていきたい」と話した。 観光船「KAZUⅠ(カズワン)」は23日午後1時13分に救助を要請。磯崎氏は救助に向かった海上保安庁の航空機が現場海域に到着したのが午後4時半、巡視船は午後5時55分だったと説明した。「船艇については海上が非常に荒天であり、通常よりも時間がかかった」と述べた。 09:30 運輸安全委の事故調査官、現地で情報収集 国の運輸安全委員会の事故調査官が斜里町の現地対策本部で情報収集を始めた。午後には漁協関係者からヒアリングをする予定。 08:30 発見された子ども1人の死亡確認 26人の乗客乗員が乗った観客船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になっている事故で、24日深夜に知床沖で発見された子どもの死亡が確認された。海上保安庁関係者が明らかにした。 24日までにほかに10人が見つかり、いずれも死亡が確認されている。海保や地元の漁協などが25日も捜索を続けている。 【動画】観光船からの連絡が途絶えた知床半島沖では、捜索と救助が続いた 05:45 捜索2日目、12隻が出港 「昨日より波がない」 知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船の行方が分からなくなってから3日目となった25日、北海道斜里町のウトロ漁港では午前5時45分ごろ、漁師ら約100人が漁船10隻と観光船2隻に乗り込み行方不明者の捜索に出港した。 事故当日や前日に比べて波が低くなっているとして、ウトロ漁業協同組合の深山和彦組合長(66)は「昨日より波がなくなって捜しやすい。早くみんなを捜してあげたいという思いで協力している」と話した。捜索範囲を前日より沖合に広げるという。 【動画】観光船の捜索に向かう漁船団=藤原伸雄、日吉健吾撮影 […]
大阪・飛田新地の「鯛よし百番」 スリランカ人を不法に働かせた疑い
2022年4月26日 12時00分 就労資格のないスリランカ人を働かせたとして、大阪府警は老舗料亭「鯛よし百番」(大阪市西成区)の運営会社「鯛よし」の社長の女(65)、管理部長の男(80)と同社を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検した。社長は「身分確認をしなければいけないと分かっていたが人手が足りず、確認はしていなかった」と供述しているという。 送検は25日付。生野署によると2人は昨年10月~今年1月、大阪市内に住むスリランカ国籍の20代の男3人について、就労資格がないと知りながら鯛よし百番で働かせた疑いがある。社長は「求人広告を出したがなかなか応募がなく、応募してきたスリランカ人を雇った」「給与明細などには日本人の名前で記載していた」と供述しているという。 署は1月、スリランカ人3人のうちの1人を同法違反(資格外活動)の疑いで逮捕。留学生として入国後に大学を除籍され、資格がない状態で鯛よしなどで働いていたという。他のスリランカ人2人も同法違反(無許可活動)の疑いで今月25日に大阪地検に書類送検した。 鯛よし百番は歓楽街・飛田新地にある国の登録有形文化財。大正中期ごろの建築とされ、旧遊郭の面影を残す料亭として人気を集める。1970年ごろから現在の料亭としての営業を始めたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
塾に行くよりリビングに世界地図を 平田オリザさんが考える学びとは
新型コロナウイルスの流行にウクライナ侵攻。不透明な時代だからこそ、必要になるのは「想像力を育てる学び」だと劇作家の平田オリザさんは言う。 近年力を入れる演劇教育では、異なる文化や価値観を持った人たちを演じることで、他者への理解が深まるという。 なぜいま、想像力を育てる学びが必要なのか。それは、どんなことを通じてつちかわれるのか。平田さんに聞いた。 他者を演じることの意味 ――「東京ノート」などの代表作がある平田さんですが、戯曲はどのようにして書かれているのですか。 劇作家によってタイプが分かれると思うのですが、どうしても必要なとき以外、僕はほとんど取材はしません。 取材をすると、その取材対象に引っ張られ過ぎてしまうので。劇作家というのは個別の事象ではなく、もっと普遍的なものを書かなければいけないと思っています。 たとえば科学者を主人公にした戯曲を書く場合、科学の本だけではなくて、科学者が書いたエッセーなどをたくさん読むようにしています。 そうやって彼らの思考様式や物の見方を体に落とし込んでいって、あくまでも科学者がどのように物事を考えるか想像する、想像力が大事だと思っています。 僕が今、力を入れている演劇教育でも、伸ばしたいのは他者を理解する力です。 これまで日本で演劇教育と言うと、情操教育とか、せいぜい表現教育みたいなことが言われてきました。しかし本当に大事なのは、他者を演じることで「この人はなぜ、こんなことを言ったのだろう」とか「私ならこういうことはしないのにな」みたいなところから、異なる価値観、異なる文化的な背景を持った人に対する理解を広げていくことだと思っています。 身につけてほしい三つの力 ――社会が多様化する中で、より大切になってくる力ですね。 よく「最近の子どもの読解力は低下している」と言われますが、僕は低下していないと思っています。 子どもの能力が下がったわけ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
息しちゃダメ!地球の「健康診断」は南極で、人の影響抑え大気観測
息を止めて近づいて操作、すばやく逃げる! 観測でそんな場面がある。 2020年8月20日、大気観測を担当する白山栄さんが、大気サンプリングをする様子を撮影に行った。昭和基地では24時間、毎週、毎月……いろんな頻度、いろんな手法で大気や、空気中を浮遊する微粒子を観測している。この日は米国海洋大気庁(NOAA)に送る大気の採取。月2回、風速や風向きの良い時を狙って観測する。 白山さんはスーツケース大の箱を抱えて外に出てきた。基地中心部から吹く風はない、大丈夫だ。装置を広げて吸気スイッチオン。「離れます」とガラス容器に外気が通るのを待つ。白山さんは息を止めて近づき、小走りで戻る。しばらく待って、また息を止めて近づく。最初は下流側を閉じ、次に外気が満たされた容器の栓を閉めたのだ。その間、呼吸でさえ影響しないよう注意する。集めた大気は帰国後に米国へ送り、分析されるという。 大気はどこでも採取できる… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
そして彼女は馬になった 天職より転職、辞めたい新社会人へ贈る言葉
玩具メーカー・キットウェルの広報担当として働く田中さん。 彼女はかつて幼稚園教諭として働いた経験がある。 幼児教育科がある専門学校を20歳で卒業後、認定こども園で5年間働いた。 目指したきっかけは、自らが保育園児だった時の担任の先生。 とても優しくて、「いつか私も先生みたいな人になりたい」と、4歳の時から思い続けていた。 いざ働き始めた初日、子どもたちから「先生」と呼ばれた時の感動は今も覚えている。 園児たちの笑顔から勇気をもらい、「生涯この仕事で生きてやる」と思った。 ところが、1~2カ月もすると登園する足取りが徐々に重くなった。 理由は園児でも、保護者でもない。 先輩教諭からの「新人いびり」という名の嫌がらせだった。 私物を隠されたり、配布するプリントをシュレッダーにかけられたり。 引き継ぎ事項すら、ちゃんと伝えてくれない。 中でも一番ショックだったの… この記事は有料会員記事です。残り1890文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
弁護士が2億円超を不正流用か 依頼人への賠償金など「ほぼ競馬に」
熊本県弁護士会所属の弁護士が、成年後見人などとして管理していた口座から現金を引き出して不正流用した疑いがある問題で、県弁護士会は25日、平田秀規弁護士を業務上横領容疑で熊本地検に刑事告発したと発表した。調査により、被害は計11件、約2億4千万円にのぼる可能性があることが判明したという。 平田弁護士については、成年後見人として担当していた県内の被後見人2人の銀行口座から計約2930万円を引き出したほか、相続財産管理人として管理していた口座を解約し、約5300万円の所在が不明になっているとして、県弁護士会が調査。懲戒請求して今年2月に公表した。 県弁護士会はこの3件について、業務上横領容疑で3月30日に熊本地検に告発状を提出し、今月20日に受理されたという。 ほかにも平田弁護士に被害を受けた人がいないか情報提供を呼びかけたところ、集まった情報の中から新たに8件の不正流用の疑いが判明した。 弁護士業務専用の「預かり金口座」に入金された依頼人への損害賠償金を無断で引き出して、依頼人には支払わず私用に使った疑いなどがある。さまざまな形での不正流用がうかがわれ、被害総額は、刑事告発した3件と合わせた11件で計約2億4千万円にのぼる可能性があるとみている。 平田弁護士は調査に対して「… この記事は有料会員記事です。残り417文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旦過市場火災1週間 残るがれき、続く立ち入り禁止にいらだつ店主も
北九州市小倉北区の旦過市場で発生した火災は、26日で発生から1週間となる。被災を免れた多くの店が営業を再開するなか、焼失が激しかった付近は立ち入り禁止が続く。先の見えない状況に、被災店主らはいらだちを募らせている。 焼け落ちた新旦過横丁。がれきは残されたままだ=2022年4月25日、北九州市小倉北区、藤脇正真撮影 火災後初の週末となった23日、南北約100メートルにわたる市場のアーケードは多くの買い物客でにぎわった。常連客の男性(72)は「活気が戻り安心した」。ただ、活気が戻ったのは、立ち入り禁止が解除されたエリアだけで、火災が激しかったエリアにはいまだに一般客は入れない。 「ガレキ部分の危険がありますので許可のない人は通れません!!」。アーケード北端付近には、25日も貼り紙つきの柵が立てられたままだった。市によると、がれきの倒壊の危険性などを確認するため、小倉北区が通行止めを続けている。 立ち入り禁止域内でも被災を免れ、一般客の通行が許されれば、営業再開が可能な店もある。そのため、市場に接する道路沿いに臨時の売り場を設け、営業を試みる店も出ている。飲食店を営む女性は「家賃だけかかって収入がない。どの状態になれば営業が再開できるのか」と困惑しながら、店に積もったすすを払った。 別の店では、片付けで出たご… この記事は有料会員記事です。残り888文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北方領土方面に漂流の可能性も 知床の事故、海保がロシアに協力要請
北海道斜里町の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明となった事故で、海上保安庁は25日、ロシアが実効支配する北方領土の周辺でも行方不明者の捜索にあたる可能性があることを、ロシア側に伝えた。海保によると、潮の流れから北方領土方面に漂流する可能性があるためで、ロシア側も了承しているという。 今回の事故では、これまでに11人が見つかり、いずれも死亡が確認されている。このうち、24日午前に救助された10人は、知床岬周辺で発見。24日夜には子どもが1人見つかったが、場所は知床岬から東へ約14・5キロ離れた海上で、東方にある国後島に近づいていた。 海保によると、ロシア側とは国際条約に基づき、海難救助をめぐる協定を締結。「両国の海難救助機関は、できる限り必要な援助を与える」と定めている。 この協定に基づき、海保はす… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住宅街にシカ出現、1頭捕獲も別にも? 警察が注意呼びかけ 埼玉
森下友貴2022年4月26日 5時30分 埼玉県深谷市の街中で20日以降、シカの目撃情報が相次ぎ、市や警察に通報が寄せられた。警戒と検索を続けた深谷署は24日夜、体長170センチほどのシカを上柴中央公園(同市上柴町西4丁目)で発見し、約20人がかりで捕獲した。市民や警察官にけが人は出ていないという。署は別のシカが街中に現れる可能性が否定できないとして、注意と情報提供を呼びかけている。 目撃情報が多かったのは同市幡羅町1丁目周辺。住宅街で近くに商業施設や病院があるため、市は防災無線で注意を呼びかけた。 一方、捕獲されたシカは雄で、衰弱していた。捕獲時に1本の角が折れたという。角のないシカの目撃情報もあり、署は捕獲したシカとは別の個体がいるとみて警戒を続けている。(森下友貴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安いファッションが抱える搾取の構造 日本も「他人事ではない」理由
アパレル産業のあり方が問われる出来事が9年前、バングラデシュで起きた。先進国向けの衣料品を作る工場が集まったビル「ラナプラザ」が崩壊し、千人以上が亡くなった。誰かの犠牲の上に成り立つ安いファッション。事故後に渦巻いた疑問の声は、その構造を変えたのか。この国の人々を見つめてきた南出和余さんに聞いた。 ――縫製工場で働く女性たちの闘いを描いた映画「メイド・イン・バングラデシュ」が公開中です。字幕は、南出さんが教える学生たちが手がけたそうですね。 「2年余り前に神戸女学院大の学生から希望者を募り、2人1組で8~10分間ずつ英語の字幕を翻訳しました。現地へのスタディーツアーも実施し、女性たちが普段着ているサリーなども見てもらいました。現地の工場で作っているのは自分たちのためでなく、私たち先進国向けの商品だと体感してもらうためです」 「日本では衣料品はほぼ輸入に頼っており、バングラデシュは中国、ベトナムに次ぐ輸入先です。でも生産地と消費地は遠く離れ、自分たちの服を、誰が、どんな風に作っているか、消費者が意識する機会はほとんどない。生産者側も同じ。現地の工場で働く若者と話しても、どこでどう消費されるかにはあまり関心がありません。それを変えるきっかけになればという思いからでした。工場で働く人たちとも対等な人間同士として交流したことで、学生たちのイメージはいい方向に変わったようです」 ――身近に感じられるようになったんですね。日本もかつては国内で生産していたのに、なぜ輸入に頼るようになったのでしょう。 「アパレルは完全な機械化が難しく、人の手が必要とされる産業なのです。このため古くから、その時々の『安い労働力』に頼ることで成り立ってきた面がありました。例えば、明治時代に日本の繊維産業を支えたのは、地方から出てきた女性たちでした。現代ではグローバル経済の発展で、縫製工場がより人件費の安い国へと移動していきました」 「バングラデシュでは、1990年代に縫製業が国家の一大産業になり、2000年代に大量生産・大量消費型のファストファッションが世界的に流行すると、安い労働力を求めてグローバル企業が押し寄せました。今や中国に次ぐ規模の衣料品の輸出国です」 縫製工場では、貧困層の女性が働いています。ラナプラザの事故後、縫製工場の労働環境は改善が進んでいますが、女性たちの職場を「奪う」状況も生み出した、といいます。 ――映画にも、縫製工場で働く女性たちが描かれていますね。 「バングラデシュでも、縫製工場は、長時間労働の割には賃金が低く、できれば『働きたくない場所』です。働くのは、他に選択肢のない貧困層の女性たちです」 「Tシャツ2~3枚分の額の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル