編集委員・伊藤智章、戸村登2022年3月9日 21時17分 産廃処分場建設をめぐり全国初の住民投票を行った岐阜県御嵩町の町図書館で、町政について書かれた1冊の本が閲覧できない状態になっている。閲覧不可の対応は、「反論満載のうそ本」とする渡辺公夫町長の発言がきっかけ。9日の町議会で「町長による検閲に当たる」との質問を受けた渡辺町長は、「つくり話やうそが多すぎる」と答弁した。 この本は元朝日新聞記者のライター杉本裕明さん執筆の「テロと産廃 御嵩町騒動の顚末(てんまつ)とその波紋」(花伝社、2021年2月発行)。1996年の町長(当時)襲撃事件の後、翌年の住民投票で処分場計画は頓挫させたものの、大半の住民が離れた元予定地が荒れ地となっているとし、2007年の渡辺町長就任後も、職員2人が自殺するなどの問題が起きていると書かれている。 渡辺町長は出版直後の昨年3月、町議会で「反論満載のうそ本」「あんなでたらめを(図書館に)置くわけにはいかん」と発言。町図書館は著者贈呈本を倉庫に入れ、これまで4件あった閲覧リクエストにも応じなかった。 9日の町議会の質問に対して、検閲だとの指摘には答えず、自身が町議時代から町長の座を狙っていたとされた点や、職員自殺の経緯についての記述などが違っていると答弁した。 同町図書館には「図書館はすべての検閲に反対する」などとする「図書館の自由に関する宣言」が掲示されている。 日本図書館協会の西河内靖泰・図書館の自由委員会委員長は、「地域についての本は、一級資料として一番に入れるべきだ。事実誤認があるなら、反論の小冊子を付ければいい。賛否があっても情報を提供するのが図書館の使命だ。貸し出ししても内容に同調していることにはならない。民主主義を守ったはずの町がどうしたのか」と話している。(編集委員・伊藤智章、戸村登) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男児死亡、母親は園に住まい明かさず 昨年初めから保育園休みがちに
埼玉県本庄市で男児の遺体を遺棄した疑いで母親など3人が逮捕された事件で、男児が、母親とともに容疑者の男女2人と同居を始めたとみられる昨年1月以降、保育園を休みがちになっていたことがわかった。男児が通っていた保育園の関係者が9日、明らかにした。 関係者によると、柿本知香容疑者(30)の息子の歩夢ちゃん(5)は2017年4月から園に通っていた。柿本容疑者と歩夢ちゃんは20年夏に家庭の事情で友人の家へ移り住んだ。 昨年1月に柿本容疑者は園に「また(別の)知人の家に引っ越した」と説明。その際「知人に迷惑がかかる」などの理由で居住地を明らかにせず、「住所変更の手続きを待ってほしい」と頼んでいたという。 この時に同居を始めたのが、死体遺棄容疑で逮捕された無職丹羽洋樹(34)と、内縁関係にある無職石井陽子(54)の両容疑者とみられる。 このころから歩夢ちゃんが園… この記事は有料会員記事です。残り372文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
6年前に殺された母とミカンの木 「あの味はつくれん」
誰からも好かれていた母がなぜ命を奪われたのか――。愛知県蒲郡市神ノ郷町でミカン農家の杉浦加津代さん(当時73)が殺害された事件は、10日で発覚から6年を迎える。残された長男夫婦は、時の経過にもどかしさを感じながら犯人検挙を待ち望んでいる。 ミカン産地として知られる蒲郡市中央部の山あいに、加津代さんが育てていた畑が広がる。三河湾を望む畑までの山道は、加津代さんの散歩コースだった。事件後、知人に貸していた畑が返ってきたため、昨年からは長男の司さん(57)と妻の多香子さん(57)が手入れをしている。 ミカンの収穫が終わり、デコポンが実る。「おふくろのミカンは味が濃厚で、本当においしかった。あんな風にはつくれん」。背丈ほどの高さに伸びた木を前に、司さんは言った。 2人は今、事件が風化することに不安を募らせる。捜査に大きな進展がないまま時間だけが過ぎる。 親族は年を重ね、加津代さん… この記事は有料会員記事です。残り593文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名張毒ブドウ酒事件、奥西元死刑囚の妹が特別抗告
2022年3月9日 20時06分 三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ブドウ酒事件で、奥西勝・元死刑囚=2015年に病死=の妹で第10次再審請求中の岡美代子さん(92)は、名古屋高裁が異議審で再審開始を認めない決定をしたことを不服として、最高裁に特別抗告した。8日付。 弁護団は申立書で、弁護団が提出した新証拠に対し、高裁が十分に釈明を求めたり、証人尋問をしたりせずに判断したと批判。証拠を個別に判断し、全証拠の総合的評価を求めた最高裁の「白鳥・財田川決定」に反すると主張している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輸入アサリを「熊本県産」表示・販売 2社に行政指導 国と熊本県
農林水産省九州農政局と熊本県は9日、輸入した生鮮アサリの原産地を「熊本県産」と偽装したとして、県内の水産物販売会社2社に対し、食品表示法に基づき適正な表示などを求める行政指導をし、発表した。2社は中国産や韓国産のアサリを一定期間、県内の干潟で蓄養した後、熊本県産と表示して販売していた。 2社は、同じ男性が代表を務める同県宇土市の「リュウセイ」と「コン・ブリオ」。農政局と県によると、リュウセイは2020年6月~21年5月に中間流通業者20社へ計約926トン、コン・ブリオは20年4月~21年3月に同10社へ計約52トンの輸入アサリを「熊本県産」と表示して販売した。 県などの立ち入り検査などに対し、代表の男性は仕入れた外国産の成貝を最長9カ月間蓄養したと説明したが、輸出国や県内での生育期間を示す書類などは残っていなかったという。 食品の産地表示では、国内での生育期間が長ければ国内産と称することができる「長いところルール」があるが、農政局は「成貝になるまでは1年以上かかる」という識者の見解に基づき、熊本での蓄養期間の方が短いと判断した。 男性は、貝の年齢は経験に基づき見た目や模様などから判断しており、「熊本での蓄養期間の方が長く、偽装の認識はなかった」などと話しているという。 農政局と県は、適正な表示で… この記事は有料会員記事です。残り53文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リニア工事でまた事故、2人けが 長野県、JR東海に原因究明を要請
松下和彦2022年3月9日 20時10分 昨年11月に作業員1人が負傷する崩落事故が起きたリニア中央新幹線「伊那山地トンネル」(長野県豊丘村)の工事で8日、コンクリート吹き付け作業中に作業員2人が負傷する事故が起きた。長野県は9日、同工区での掘削作業を中断し、原因究明と安全管理体制の検証などを実施するようJR東海に要請した。 同社や県によると、8日午後2時半ごろ、切り羽(掘削の先端部)から約15メートルの坑内でコンクリート吹き付け機の配管が詰まったため、配管の一部を取り外して詰まりを解消する作業をしたところ、部材とコンクリートが飛び散り、作業員2人に当たった。1人は股関節や腕の打撲、もう1人は顔に当たったが目の検査で異常はなかった。いずれも軽傷という。 リニア工事では、昨年10月に「瀬戸トンネル」(岐阜県中津川市)で2人が死傷し、今月1日には「第一中京圏トンネル」(愛知県春日井市)でも1人が負傷。愛知の事故を受け、長野県は3日、JR側に県内5工区のトンネル工事を中断し、安全管理を再確認するよう要請していた。今回の工区でJR側は、7日に工事を中断。安全対策を確認して工事を再開した当日の事故だった。(松下和彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
業者から商品券、山口県幹部を収賄容疑で書類送検 広島県警
公共工事の価格を決めるのに使う非公表の単価表を漏らした見返りに商品券を受け取ったとして、広島県警は9日、山口県土木建築部の幹部職員を収賄容疑で広島地検に書類送検した。山口県内の土木工事会社の元代表取締役ら2人も贈賄容疑で書類送検した。広島県警への取材でわかった。 幹部職員の送検容疑は2017年7月~昨年7月ごろ、単価表の情報を伝えた見返りとして、元代表取締役らから9回にわたり計9万円分の商品券を受け取ったというもの。 幹部職員は単価表のデータを扱う権限があったという。県警は3人の認否を明らかにしていない。 県警は昨年11月、広島県東… この記事は有料会員記事です。残り63文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
SUPの死亡事故 漁船の船長とインストラクター書類送検 小浜海保
福井県高浜町のビーチ沖で昨年9月、マリンスポーツ「スタンドアップパドルボード(SUP)」の体験ツアーに参加していた女性が漁船とぶつかり死亡した。小浜海上保安署は9日、この漁船の船長の男(83)=同町=と、ツアーを引率していたSUPのインストラクターの女(35)=同町=を、業務上過失致死容疑で福井地検に書類送検した。発表した敦賀海上保安部によると、2人は容疑を認めているという。 船長は昨年9月5日午前10… この記事は有料会員記事です。残り174文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウイスキーの香り? でも未成年もOK 数珠への再利用で酒樽も成仏
ウイスキー樽(だる)のオーク材から削りだした数珠のブレスレットを、京都市の神戸珠数(かんべじゅず)店が売り出した。房の糸も樽材を煮出した染料で染めたものだ。 同店は寺の修繕で出た廃材で… この記事は有料会員記事です。残り130文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「乗らずに楽しめる」地方空港の生き残り策 国際線9割減で大打撃
数字は語る 国内の空港の国際線就航数(定期・直行便)は、2021年の冬ダイヤで1週間に581・5便(国土交通省国際線就航状況調査)。2019年冬ダイヤの4999・5便から88%の大幅減。この間、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がり、国境を越えて行き来する人が激減した。 とりわけ壊滅的な打撃を受けたのが地方空港だ。19年には東京五輪に向けたインバウンド需要を見込み、地方都市と中国、韓国、台湾、香港、タイなどを結ぶエアラインの新規就航が相次いだが、20年春には軒並み運航休止に。いまも新千歳(北海道)、仙台(宮城県)、富士山静岡(静岡県)、那覇(沖縄県)など25空港で、国際線が飛ばない状況が続いている。 少しでもにぎわいを取り戻そうと、各空港は国際線ターミナルなどの利活用に知恵を絞っている。 富士山静岡空港は空港ビル内… この記事は有料会員記事です。残り579文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル