太平洋戦争中のインドネシア・ジャワ島で、国策のプロパガンダ映画を製作した編集者がいた。その息子の映像作家が30年かけて父の記録をたどり、88分の映画にまとめた。「いまはむかし 父・ジャワ・幻のフィルム」は、5日から神戸市中央区の元町映画館で上映が始まる。 この映画を撮ったのは、知的障害や脳性マヒの当事者に焦点を当てたドキュメンタリーを手がけてきた映像作家の伊勢真一さん(73)。父は、戦後の記録映画の歴史に数々の名作を残した編集者・伊勢長之助(1912~73)だ。 長之助は、大阪万博や戦後日本の復興を支えた製鉄業などを映した記録映画に携わり、「編集の神様」とも呼ばれた。ただ、その力量は戦意高揚にも使われた。42年に報道班員として出征し、日本映画社ジャワ支局で3年半勤務した。 ジャワの路地裏 尋ね回った父の記憶 開戦直後、日本軍は当時オラ… この記事は有料会員記事です。残り903文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アサリの産地偽装 かかわった業者が手口明かす「悪習当たり前と」
有料会員記事 石田一光、川見能人 伊藤秀樹、大木理恵子 安田朋起2022年2月3日 6時00分 外国産アサリを熊本県産としていた産地偽装問題で、熊本県は県産アサリの出荷停止という異例の対応に踏み切った。背景には、県産ブランドのイメージが揺らぎかねないとの知事の強い危機感がある。なぜ産地偽装はここまで横行したのか。過去の過ちを認め、業界の悪習を打ち明ける業者もいる。 「長いところルール」悪用 食品表示法は「輸入品は原産国名を表示する」と定める。ただ、アサリなどの水産物には例外があり、2カ所以上で育てた場合は、育った期間が長い場所を原産地として表示することを認め、「長いところルール」とも呼ばれる。どこで長く育てられたかは、外見では判断できないため、食品表示法は卸業者や小売店など流通に関わる業者に対し、どこで育てられた期間が最も長いかを取引先に書類で確認するよう求めている。 福岡県柳川市の水産物卸売会社「善明」の吉川昌秀社長(34)はこうした法律の抜け道を悪用し、「産地偽装をして商いをしてきた」と明かすと、偽装の手口を語った。 吉川社長の会社ではかつて、中国産のアサリを仕入れ、生育期間を短くした証明書を出してもらうよう仕入れ先に依頼。架空の輸入業者や蓄養業者を間に挟ませ、国外より国内で育った期間の方が長いよう書類上整えていたという。 アサリは下関港(山口県)に陸揚げした後、熊本県の海で一時的に蓄養し、卸問屋に卸した。卸し先は全国に広がり、取扱量は年間約7千トンに上ったが、外国産と表記していたのは1割程度だった。 吉川社長は産地偽装について「業界に入った時からの仕組みで、悪習を当たり前と思い、罪の意識が薄かった。『外国産だと売れない』という業界の固定観念があった。今思うと、情けない」と振り返る。 こうした産地偽装に絡んだ結果、刑事裁判で罪を問われることになった。 「産地偽装はもうしない」との反省から「産地偽装撲滅」をうたった協議会を設立。賛同者を集め、安全で蓄養期間を正しく記録し、原産地を明示したアサリの販売に取り組む。「情報をオープンにする。当たり前のことだけど、当たり前じゃなかったこと。苦しい状況だが、前向きに取り組んでいる。次の世代も偽装を続けることが一番悲しい。悪習が摘発されるのは、自分で最後にしたい。堂々と中国産が売れるよう、何ができるかを考えていく」と話す。(石田一光、川見能人) 「産地偽装は生産者と消費者… この記事は有料会員記事です。残り1599文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「反論してみろ」立てこもり容疑者 複数の医療・介護従事者に迫る
埼玉県ふじみ野市で起きた立てこもり事件から1週間を迎える。殺人容疑で送検された渡辺宏容疑者(66)は事件前にも、母親の介護をめぐり医療・介護事業者らに強く迫っていたことが関係者らへの取材で分かった。 渡辺容疑者は1990年代後半、東京都江戸川区の都営住宅に住んでいたという。当時を知る人によると、母親と同居していた。散弾銃1丁を購入したのもこのころで、販売した銃砲店の説明では分割払いの頭金だけを払い、残金は払わなかったという。 その後は母親とともに埼玉県… この記事は有料会員記事です。残り1101文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
立てこもり容疑者、介護事業者にも来訪要求か 事件から1週間
【音声データ】事件当日に容疑者が以前利用していた介護保険事業者にかけた電話=提供 埼玉県ふじみ野市で起きた立てこもり事件で、渡辺宏容疑者(66)=殺人容疑で送検=が事件当日、在宅クリニック関係者のほかに、かつて利用していた介護保険事業者も自宅に呼び出そうとしていたことが事業者などへの取材で分かった。事業者側は訪問を断ったという。事件は3日で発生から1週間となる。 事件前日の1月26日、同居していた母親(92)が亡くなり、渡辺容疑者は在宅クリニックの関係者7人を27日夜に自宅に呼び出した。このうち、銃で撃たれた医師の鈴木純一さん(44)が死亡、理学療法士の男性(41)が重傷を負った。渡辺容疑者は発砲後、約11時間にわたって自宅に立てこもり、翌朝突入した警察官に緊急逮捕された。 介護保険事業者によると、渡辺容疑者の母親は数年前に事業者のサービスを利用していた。事件当日の電話では、当初は穏やかな口調で「払っていないお金もあるから謝りたい。昨日、母が亡くなったので清算したい。集金に来てほしい」と話していた。ところが、職員が訪問を辞退して請求書の送付を申し出ると態度を変え、「はした金を集金にこないあんたらが悪い」「線香でもあげに来い」などと声を荒らげ、「ばかやろう」と言って電話を切ったという。 事件当時の状況も明らかにな… この記事は有料会員記事です。残り285文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
余った給食のパン、買いませんか 学級閉鎖相次ぐ福岡市で
新型コロナ感染拡大にともなう小中学校・特別支援学校の学年・学級閉鎖で余った給食のパンを、市民に販売する取り組みが福岡市で始まっている。 2日、市内の学年・学級閉鎖は166校に上った。約4千個のコッペパンやミルクロールパンが早良区役所前で販売された。午後1時半の販売開始を前に200人以上が列をつくり、午後3時までに完売した。 最前列で並んでいた同区の若… この記事は有料会員記事です。残り229文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
8人死亡の雪崩事故は「人災」、遺族が提訴 調停不調に終わり
平賀拓史2022年2月2日 16時57分 栃木県那須町で2017年3月、山岳講習会に参加した県立大田原高の山岳部員7人と教諭1人が死亡した雪崩事故で、このうち5人の遺族が2日、講習会の責任者ら教諭3人と県、県高校体育連盟を相手取り、3億8548万円の損害賠償を求める訴訟を宇都宮地裁に起こした。 原告は「事故は天災ではなく人災だった。安全配慮を欠いた危険な登山を行った結果の大惨事」として、提訴した。事故当日に登山を容認した県教委と県高体連の組織的な問題が事故の背景にあると主張している。 雪崩事故はスキー場付近で県高体連が開いた登山講習会で起きた。亡くなった8人のほかに他校を含む40人が負傷した。栃木県警は19年、業務上過失致死傷の疑いで講習会の責任者ら3教諭を書類送検した。宇都宮地検が捜査を進めている。 提訴に先立ち、今回の原告を含めた6遺族は20年、県と県高体連、3教諭らに対し、和解に向けた民事調停を申し立てた。遺族側は3教諭の出席と謝罪を求めたが、3人は8回の協議に姿を見せなかった。県や高体連に具体的な責任の所在を明らかにする姿勢が見られないとして遺族側が反発。調停は不成立に終わった。 記者会見した遺族の奥勝さん(50)は「県側は、『雪崩は自然災害で事故は仕方なかった』と言わんばかりの対応をしてきた。雪崩が人災だという認識を裁判で県側に持ってほしい。それがないまま和解はできなかった」と話した。 福田富一知事は「これまで県としては、再発防止策の策定など真摯(しんし)に対応してきた。訴状が届きしだい、内容を確認の上、真摯に対応していく」とのコメントを出した。(平賀拓史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
印紙代2千円が武器 差別あおる潜入動画 若手弁護士が「削除」に道
現場へ! いま、部落差別は③ 黒い画面に赤い文字が浮かぶ。 「××地区を行く」 2020年9月、兵庫県丹波篠山市の人権擁護委員が、二つの動画サイトで、市内の集落を撮影した動画を見つけた。 20分弱。民家の映像に「貧民窟のイメージがあるが、どの家も立派なつくりである」、太鼓が聞こえると「これが部落特有の音なのか」と字幕がかぶる。確認した市長、酒井隆明(67)は「あかん、差別があおられとる」と憤った。 タイトルの横には「第1話」… この記事は有料会員記事です。残り1097文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校生が日田杉で開発の新商品 「おうち時間」の癒やしにと好評
高校3年生の3人が開発した、日田杉を使った新商品が注目を集めている。昨年に販売を終了したが、木のぬくもりを感じるデザインや、室内に漂う香りが評判を呼び、追加販売が決まった。豪雨で打撃を受けた林業の産地支援と、コロナ下での新しい生活を充実させることがねらいだ。 3人は福岡雙葉高校(福岡市中央区)に通う藤武ひかりさん(18)、田村花乃さん(17)、八巻(やまき)彩乃さん(17)。 国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうち15番目の「陸の豊かさも守ろう」を基本理念とし、林業が抱える問題の解決や活性化をめざす企業「nine.5」を2020年に起業した。 きっかけは学校で案内があった高校生向けのビジネスコンテスト。「高校生のうちにビジネスを経験できる機会はめったにない」と反応した田村さんに藤武さんが意気投合。コロナで海外留学を断念した八巻さんも「空いた時間を無駄にしたくない」と加わった。 起業するにあたり、3人は社会問題に取り組み、社会に貢献することを理想とした。田村さんが1次産業の活性化を提案すると、3人で九州のことを調べ始めた。九州北部豪雨で被害を受けた、大分県日田市の特産物である日田杉が気になった。日田杉を使った商品を開発することが、被災地支援につながるのでは。林業への思いを深めた。 制作活動する場所を、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械がある市民工房「ファブラボ太宰府」(福岡県太宰府市)と決めた。材料の日田杉は、工房のスタッフから紹介された大分県日田市の木工所にメールで注文する段取りもつけた。 日田杉の歴史を理解しようと、日田木材協同組合も取材した。その中で、杉が調湿作用に優れていることを知り、アイデアが生まれた。 それが加湿器だった… この記事は有料会員記事です。残り879文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「残念だ」「日本も参加の方向に」 核禁条約会議再延期で被爆者ら
有料会員記事 三宅梨紗子、岡田将平、福冨旅史、安斎耕一2022年2月2日 20時00分 今年3月にオーストリア・ウィーンで開かれる予定だった核兵器禁止条約の第1回締約国会議がコロナ禍の影響で再延期された。国連軍縮部は7月19~21日を新たな日程として仮置きし、調整を続けるという。核兵器廃絶への重要な一歩として期待を寄せてきた広島、長崎の被爆者らからは残念がる声が上がった。 「残念だけど、今の状況では仕方ない」。8歳の時、広島で被爆した宮城県原爆被害者の会会長の木村緋紗子(ひさこ)さん(84)=仙台市=は2日、取材に語った。締約国会議に合わせ、ウィーンへ行くことを希望していた。 原爆で祖父や父ら親族8人を亡くした。被爆者として、二度とあってはならない体験を直接伝えることが重要だと考え、これまでも海外で証言を重ねてきた。「顔が見えないと本音で語り合えない。核軍縮も進まない」。可能であれば会議に参加したいとの思いは揺らがない。 「核兵器廃絶の動きが停滞することが心配」。広島県原爆被害者団体協議会理事長の箕牧(みまき)智之さん(79)は言う。締約国会議に先立って1月に開かれる予定だった核不拡散条約(NPT)再検討会議もコロナ禍で再延期されたためだ。 箕牧さん自身、締約国会議には参加するつもりだったが、1月下旬に体調を崩して一時入院した。「3月だったら行けるかどうかわからなかった」と明かす。 箕牧さんは、核禁条約に加わっていない日本政府に対し、締約国会議にオブザーバー参加するよう訴えてきた。ただ、地元・広島選出の岸田文雄氏が首相になっても政府は否定的な姿勢を変えぬままだ。箕牧さんは「(会議が)延びたから、その間に良い方向に変化が起きることを期待したい」と語った。 締約国会議への参加を検討し… この記事は有料会員記事です。残り471文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不用品を無許可で収集した疑い 5カ月で8千万円売り上げか
2022年2月2日 20時30分 無許可で廃棄物の収集運搬をしたとして、愛知県警は2日、不用品回収会社「Y’s company」代表の浅井健太郎容疑者(37)=同県一宮市=ら男2人を廃棄物処理法違反の疑いで再逮捕し、発表した。また、同社のアルバイト作業員だった男3人も同容疑で逮捕した。 生活経済課によると、5人は昨年6月25日、自治体の許可がないのに、同県扶桑町の30代女性からテーブルなどの不用品を有償で収集し、同県一宮市内の保管場所に運搬。岐阜市の40代女性からも食器棚などを有償で収集して運搬した疑いがある。県警は5人の認否を明らかにしていない。 県警によると、岐阜市の女性は、同社がサイトで「2トントラック載せ放題 5万9800円」と宣伝しているのを見て依頼したが、実際には40万円を請求されたという。同社は昨年9月までの5カ月間で645件の依頼を受け、約8100万円を売り上げていたという。 県警は、法人としての同社も廃棄物処理法違反容疑で書類送検する方針。名古屋地検は2日、浅井容疑者らが不用品回収をめぐって33万円を脅し取ったとされる恐喝容疑については処分保留とした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル