2023年10月23日 20時22分 名古屋市は23日、同市内の二つの保育園で、2時間以上給食を園児に食べ続けさせたり、吐き戻すまで食べさせたりするといった身体的・心理的虐待があったと23日発表した。同日に児童福祉法にもとづく再発防止を求める改善勧告を出した。 市によると、虐待が確認されたのは認可保育所「ニチイキッズ長須賀保育園」と小規模保育事業所「保育ルーム ルナⅣ新栄」。 ニチイでは4月以降、「食べると言ったものはきちんと食べないとダメ」などと言われた5歳女児が吐き戻すまで給食を食べさせられた。このほか3~5歳クラスで複数の園児が完食まで2時間以上給食を食べさせられるなど、保育士4人による五つの虐待行為が確認された。 ルナでは、保育士1人が0~1歳児に無理やり頭の向きを変えて給食を食べさせたり、机や床に落ちた食べ物を食べさせたりといった四つの虐待行為があった。 ニチイの件では職員の情報で7月には運営法人が一部行為を把握したが、改善されていなかった。2015年度にも園児の口に食べ物を押し込んだり、たたいたりといった行為で改善勧告を受けており、今回で2度目という。 運営するニチイ学館の親会社は「(再度の改善勧告を受けたことを)会社として重く受け止めている。二度と起こさないよう社員教育を強化したい」と話した。ルナを運営する社会福祉法人「中日会」は「市の勧告を真摯(しんし)に受け止め、研修を強化し、人権意識や専門性を高めていく」とした。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【締め切り迫る】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
所沢市長選、自公推薦の現職破った新顔 支えた泉房穂氏が語った戦略
22日に投開票された埼玉県所沢市長選は、無所属新顔で元衆院議員の小野塚勝俊氏(51)が初当選を果たし、一夜明けた23日に当選証書を受け取った。4期目を目指し、自民、公明両党から推薦を受けた現職に、なぜ1万5千票を超す大差で勝つことが出来たのか。 22日深夜。当選に沸く小野塚氏の事務所で、前兵庫県明石市長の泉房穂氏(60)が報道陣を前に、勝因についてこう語った。 「ありとあらゆる手で構図をつくっていくのが選挙」 泉氏は今回、小野塚氏を全面支援した。9月13日の立候補表明会見でも同席。「子どもに冷たい市長は、子どもに優しい市長に代わってほしい」と、現職の藤本正人氏(61)の子育て政策を批判した。 小野塚氏は、18歳までの医療費や小中学校の給食費の無償化を公約に盛り込んだ。選挙戦を通じて、泉氏が独自の子育て政策を推進したことで知られる明石市の例を挙げながら、「明石に追いつき、明石を超えていきます」と子育て世代へのアピールを続けた。 告示直前には、子どもを車内や自宅などに放置することを禁じる埼玉県虐待禁止条例改正案を県議会に提出した自民党県議団が、全国的な批判を受けて取り下げる事態も起こった。 「子育て世代は厳しい状況に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鳥島近海で80キロにわたる「軽石」の列 「謎の津波」との関係は?
伊豆諸島(東京都)の鳥島近海で、南北約80キロにわたって軽石とみられる浮遊物が見つかった。この付近では、10月上旬に地震が相次ぎ、各地で津波が観測された。何が起きているのか。 海上保安庁によると、20日午後、鳥島から西に50キロほどの海域で、軽石とみられる浮遊物が潮目に沿ってほぼ直線上に点在しているのを航空機から見つけた。4日と11日に上空から周辺を観測した際には確認されていなかったという。 海面上に噴煙や、海水の変色などはみられず、鳥島や孀婦岩(そうふがん)など周辺の火山などにも異常は確認されなかった。 気象庁などによると、この付近では活動的な海底火山はこれまで確認されておらず、軽石の噴出が観測されたこともなかった。気象庁は、海底で新たな火山活動が起きている可能性を否定できないとしている。 津波の謎、これで解明? 研究者の見方は 一方で、鳥島から南西に約1… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「おかしい…」買い物のふりして追跡 勇気を絞り声かけ、詐欺を防止
「自分から知らない人に声をかけるタイプではないんですけど……」。そう語る男性は、コンビニで買い物をするふりしながら、声をかけるタイミングを狙っていた。 10月3日の深夜。北九州市小倉北区の会社役員、三島健司さん(53)は、日課の犬の散歩をしながら、牛乳を買いに近所のコンビニへ向かった。すると、携帯電話で話しながら店に入っていく80代男性がいた。 「こんな夜中に何をしている… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
覚醒剤6400万円分、バッグに染み込ませ密輸容疑 米国籍の女告発
布製バッグに染み込ませた覚醒剤約1キロを中米グアテマラから密輸しようとしたとして、東京税関は、アメリカ国籍の女(27)を関税法違反容疑で東京地検へ告発し、23日に発表した。 税関によると、女は密輸グループと共謀して8月14日、グアテマラから東京都渋谷区の民泊施設宛てに、覚醒剤約1キロ(末端価格約6400万円)を染み込ませた布製バッグ10個を郵送し、密輸しようとした疑いがある。認否は明らかにしていない。 同様のバッグは告発容疑も含めて計20個見つかり、外布と内布の間に中綿が入っていた。税関は、液体に溶かした覚醒剤を中綿に染み込ませ、乾燥させたとみている。 女は7月30日に観光目的で入国。荷物は8月9日と11日にグアテマラから発送され、航空機で同12日までに成田空港へ到着した。同14日に税関が検査し、覚醒剤と判明。警視庁が10月2日、覚醒剤取締法違反容疑などで女を逮捕していた。 東京税関が今年1~6月に摘発した覚醒剤密輸事件(未遂を含む)は146件で、計431キロを押収しており、前年同期比で件数は約2倍、押収量は約3倍に増えている。中南米からの密輸が目立つといい、担当者は警戒を強めている。(御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡教育大の教授、覚醒剤使用容疑で逮捕 尿検査で陽性反応 麻取
九州厚生局麻薬取締部は23日、福岡教育大教育学部美術教育研究ユニット教授の坂井孝次容疑者(52)=宗像市宮田1丁目=を覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕したと発表した。容疑をおおむね認めているという。 麻薬取締部によると、逮捕は22日。坂井容疑者は10月12日から22日の間に覚醒剤を使用した疑いがある。 22日の自宅の家宅捜索では、覚醒剤は見つからなかったという。その後の尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たといい、23日には、職場などの関係先を家宅捜索するという。(太田悠斗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「忘れません」の言葉に込めた思い 発生時の町長が語る知床事故
北海道・知床半島で起きた小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の事故から、23日で1年半。事故の発生時から、地元・斜里町の町長として対応にあたった馬場隆さん(72)は今年4月で任期を終え、いまは一人の町民として事故と向き合う。改めて、事故への思いを聞いた。 ――もうすぐ事故から1年半になります 事故から1年の追悼式後、町長の立ち場を離れました。あれから半年になりますが、あっという間だった気がします。一町民に戻り、仕事は減ったはずなのに、不思議な感じです。 ――事故との関わりは 先日、相次いで「家族が楽しみにしていた風景を見たい」と知床を訪ねてくださったご家族をお迎えし、お話もしました。立ち場は変わりましたが、事故への思いは変わりません。 ――観光客数は新型コロナ前の水準に戻っていません。事故のイメージの影響を心配する声もあります 影響はあると思います。町長時代、対応に頭を悩ませたことの一つです。観光は地元を支える大切な産業。関わる人も多く、痛ましい事故の記憶が続くことを不安に思う人もいます。 一方で、私たちは、事故でたくさんの命が失われたことを決して忘れてはいけない。相反する気持ちにどう折り合いを付けていくか。まだ自分の中に答えはありません。 ――追悼式には「私たちは、忘れません。」の言葉が添えられました 現地対応が少し落ち着いた頃… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床事故の桂田社長、食い違う説明「社長になってはいけない人が…」
ほおを吹きつける風は、ひんやりとした匂いがした。海岸沿いから知床連山を仰ぐと、山頂付近が大きく雲に包まれていた。 北海道・知床半島で起きた小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の事故から23日で1年半。船が出航した斜里町のウトロ地区は間もなく、事故が起きてから2度目の冬を迎えようとしている。 この間、家族への謝罪や説明を避け続けてきたのが、カズワンを運航していた「知床遊覧船」の桂田精一社長だ。桂田氏を知る地元関係者は言う。「桂田氏が最近、事故の話をしている姿をほとんど見たことがない」 事故直後に記者会見して以降、公の場に姿を現さなかった知床遊覧船の桂田精一社長。記事後半では、朝日新聞が独自入手した計画書に書かれていた社員に向けたメッセージ内容を紹介しています。 斜里町で観光業「しれとこ村」を営んでいた桂田氏が、知床遊覧船を買い取ったのは2016年のことだ。 だが、本人も「船に詳しくない」と認めているように、周囲は「桂田氏にとって観光船はあくまでもビジネスの一部」ととらえていた。事故2日前の昨年4月21日にあった観光船事業者と漁業関係者らによる「情報交換会」。遅れてやってきた桂田氏は黙って座っているだけで、一言も発しなかった。 そして、事故は起きた。 桂田氏は事故から4日後に開いた会見で、土下座して謝罪。事故直後に被害者家族に配った文書では、運航判断に自身の責任があったと認め、「運航基準通りにKAZUⅠの運航を行っていれば、事故の発生を回避できた可能性はあった」「運航管理者としての自覚も足りなかった」と説明した。 一方で、桂田氏は事故翌日、知人に「2カ月ぐらい営業できないかもしれない」と漏らしていた。地元関係者の目には「桂田氏は、さほど責任を感じていない」と映った。 □ そして、自身の責任についても、当初の説明と食い違いを見せるようになる。 「船を出すのは船長判断」「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
銀歯売るならブックオフ? 客も驚く高値買い取り、そのからくりとは
国内外に800店以上を展開する中古品買い取り販売大手「ブックオフ」の1店舗が今年、銀歯の買い取りを始めた。金やプラチナならわかるけれど、銀歯を買い取って、どうするの? 神戸・三宮の中心部にある三宮センター街店(神戸市中央区)。 「当店では銀歯もお売り頂けます」。店内では、そんな音声が流れている。 9月末、大阪市から訪れた40代女性は、奥歯に使っていたかぶせ物と詰め物の銀歯を持ってきた。 2個で2・4グラム。査定の結果、買い取り額は2400円だった。「こんなに高い価格になるとは思わなかった」と笑顔で店を後にした。 ブックオフグループホールディングス(相模原市)によると、ブックオフではもともと「金歯」を全国約100店で買い取っている。 買い取った金歯はリサイクル業者へ売却した後、精錬を経て、金属資源として再利用される。 三宮センター街店の買い取りコーナーを担当する大八木孝久さん(39)は今年、金歯を売りに来た客から「銀歯も売れませんか?」と聞かれた。 たしかに、日本では銀歯のほうが歯科治療で一般的。 「試験的にやってみようか」。そう考え、4月中旬に買い取りを始めた。 それから半年間ほどで、約250人から600個ほどの銀歯を買い取った。10個以上持ってきた客もいた。 「想像以上に需要があることに驚いた。治療で銀歯を返してもらい、捨てられずに保管しているお客さんが多いのでは」と大八木さんは推測する。 これまでに銀歯を売却した客は男女がほぼ半分ずつ。圧倒的に40、50代が多いという。中には大阪府や東海地方から訪れた客もいた。 大八木さんは「予想よりも買い取り価格が高かったと驚くお客さんが多い。『昼食代になる』と喜ぶ方もいました」と振り返る。 銀の相場は1グラム当たり百数十円程度だが、店頭の銀歯の買い取り価格は1グラム800~1千円とはるかに高い。 どういうことか。 そのからくりは、銀歯の素材… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
所持金100円、よぎった死 元ホストが「マジで救われた」居場所
さまざまな事情を抱えた人びとが暮らす大阪市西成区の釜ケ崎。 「めざしてたわけじゃないけど、なぜかたどり着いた」 3階建てのシェアハウスの屋根裏で、男性(37)は語り始めた。 生活困窮者を支援する認定NPO法人「釜ケ崎支援機構」が昨年12月にオープンさせた若者向け施設だ。 北海道・函館生まれ。3歳で父が亡くなり、母がうつ病に。 児童養護施設に預けられ、18歳まで過ごした。自衛隊、函館と大阪・ミナミのホストクラブで働き、2度の離婚も経験した。 浪費、離婚、離職、深酒、生活苦、そして釜ケ崎へ。男性は自らの境遇について投げやりに言う。 「鉄板ルートですよ」 三重県の自動車工場に派遣社員として勤務していた2020年5月、コロナ禍で同僚が次々「派遣切り」にあう姿を見た。 「自分はそうなる前にとんだ」 10万円を握りしめて釜ケ崎にやってきた。1泊1500円程度の簡易宿所に泊まった。 それから約2週間。料金未納でスマホは使えない。頼る人もいない。お金も尽きてきた。 「山中で死のうと思った」 キャリーケースを引き、ひた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル