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弁護士連絡会、与党案を「不十分」と批判 旧統一教会の被害救済
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は17日、東京都内で記者会見し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済のため自民、公明のプロジェクトチームがまとめた与党案に対する声明を発表した。「被害の実態に即した実効性あるものとは評価できない。財産散逸を防ぐにはまったく不十分」と与党案を批判し、改めて包括的な財産保全の特措法成立を求めた。 与党案が訴訟や保全の支援策を盛り込んだことに対し、全国弁連は「被害者は先祖因縁の恐怖を植えつけられ、脱会後も賠償請求の決意までに長期間を要する。訴訟は最低5年かかり、膨大な書面、証拠提出も必要で、被害者の負担は大きい。訴訟や保全の支援だけでは実効的救済につながらない」と指摘した。 財産保全の立法措置は憲法上の財産権や信教の自由を侵害する恐れがあるとして与党案に盛り込まれなかった。これに対し全国弁連は、一般社団法人や一般財団法人に対する財産保全措置規定は合憲と指摘し「宗教法人との関係で違憲となる理由は見当たらない。財産保全措置は憲法上も十分可能だ」と主張した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
DJSODAさんへのわいせつや暴行容疑 観客の男女3人を書類送検
韓国のアーティスト「DJ SODA(ソダ)」さんが大阪での音楽フェスティバルで胸を触られる被害を受けたとSNSで訴え、主催者が刑事告発した事件で、大阪府警は17日、観客の男女2人を不同意わいせつ容疑で、男性1人を暴行容疑で書類送検し、発表した。和解が成立しているとして、起訴を求めないとする意見を付けたという。 送検容疑は8月、大阪府泉南市であった音楽フェスに出演したSODAさんに対し、北九州市の大学生の男性(20)と水戸市の会社員の女性(21)が胸を触るなどし、同府阪南市のアルバイトの男性(20)が右腕を引っ張ったというもの。3人は「わいせつ行為の意図はなかった」「危害を加える気はなかった」と供述しているという。 SODAさんはフェスの翌日、X(旧ツイッター)で被害について投稿。露出度の高い服装のせいではないかという反応がSNSであり、SODAさんは「どんな服を着たとしても、セクハラと性的暴行は正当化できない」と投稿して反論していた。 主催者は今月3日、金銭賠償が発生しない形で3人と和解が成立し、刑事告発を取り下げたと発表した。SODAさんが謝罪文を受け取り、「深く反省し、悔いていることを確認したため、謝罪を受け入れて許すこととした」としている。(甲斐江里子、田添聖史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「最低ランクの教頭」「言ったばかりやぞワレ」 校長パワハラで減給
堺市教育委員会は17日、市立中学校の男性校長(57)が部下の教頭と教諭にパワハラをするなどしたとして、減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にしたと発表した。 発表によると、校長は4~7月、50代の女性教頭に「人としては最低、教頭としては最低ランクや」「ついこの前言ったばかりやぞ、ワレ」などと恫喝(どうかつ)した。これとは別に男性教諭2人が被害を受けた。被害者から相談を受けた関係者が市教委に連絡した。 校長は市教委の調査に対し、「業務上必要な範囲を超えた注意ではない」などとパワハラを否定。しかし市教委は教頭が残した詳細なメモや、他の教諭の証言の方が信頼性が高いと判断したという。処分と同時に校長職を解き、別の部署に異動させた。 調査の過程で、半日休の不正取得や公用車内での喫煙、校長印をついた自筆の書道作品の掲示なども判明したといい、合わせて処分としたとしている。(井石栄司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
迫るヒグマ、消防隊員はなぜ生還できたのか 一か八か、捨て身の攻撃
歩いてきた登山道を振り返るとヒグマがいた。命の危機に直面した3人の消防隊員たちはどうやって切り抜けたのか。 10月31日、津軽海峡に臨む北海道南部の福島町の大千軒岳(だいせんげんだけ、標高1072メートル)。消防隊員3人は遭難者が出た時のために登山道を下見しておこうと、休暇を利用して訪れた。備え付けられたロープを頼りに登る急傾斜が続いた後、標高550メートルの大人3人が並べるほどの場所で水分補給をした。 仲間を助けるため、消防隊員はナイフを取ります。しかし今度は自分がヒグマの標的に。迫る牙。力が尽きかけたその時、一か八かの手に出ます。それはマンガ「ゴールデンカムイ」の主人公がヒグマを倒すシーンを彷彿とさせます。末尾では、世界自然遺産・知床で日々ヒグマに接する専門機関による「ヒグマに出合ってしまった時の対処法」も紹介します。 午前10時ごろ。そこは晴れ渡り、晩秋の澄んだ空気に満ちていた。「深いな」。大原巧海さん(41)は崖の下の沢を見下ろした。 この山がヒグマの生息圏であることは知っている。ここまで登ってくる間、常にクマよけの鈴や笛、火薬銃で自分たちの存在を知らせてきた。 「ふと登ってきた道を見ると、カーブからヒグマがのそのそと出てきたところでした」。阿部達也さん(36)が振り返る。すでに5、6メートルに迫っていた。 「クマだ」と声を上げるとクマは一瞬動きを止めた。目が合った。その刹那(せつな)、突進してきた。崖側にいた阿部さんはのけぞった弾みで3メートルほど滑落したが、植物に手をかけてかろうじて止まった。 ナイフで目をめがけて… クマはもう一人の隊員に覆い… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
資格ないスリランカ人男性働かせた疑い 恵比寿の飲食店の社長ら逮捕
東京都渋谷区恵比寿の飲食店で、資格のないスリランカ国籍の男性を働かせたとして、警視庁は運営会社「ジャパンチキンフードサービス」(神戸市)の社長の男(55)=渋谷区鶯谷町=ら3人を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕し、17日に発表した。3人は容疑を否認しているという。法人としての同社も同法違反容疑で書類送検した。 法人も送検 3人は容疑を否認 渋谷署によると、3人は共謀して2021年3月~22年6月、渋谷区恵比寿1丁目の飲食店「sacra」で、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で滞在しているスリランカ国籍の30代男性を、資格外活動の許可を受けていないのに調理担当などとして働かせた疑いがある。 同署は、この男性を含むスリランカ国籍とネパール国籍の25~41歳の男性8人について、同店など計4店舗で在留資格外の労働をしたとして同法違反(無許可活動)容疑で調べており、うち6人は書類送検した。報酬は月40万円程度だったといい、1カ月に31日出勤し、計304時間労働した人もいたという。 同社は恵比寿や中目黒、麻布十番を中心に計約35店舗を運営している。(比嘉展玖) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女子高校生に酒提供か、歌舞伎町ホストクラブ経営者逮捕 売春指示も
東京都新宿区歌舞伎町のホストクラブで女子高校生に酒を提供したとして、警視庁は同店経営の堤一彰容疑者(37)=新宿区=を風俗営業法違反(20歳未満への酒類提供)容疑で逮捕し、17日に発表した。店の運営法人「フィガロ」(埼玉県宮代町)も同法違反容疑で17日に書類送検した。 少年育成課によると、堤容疑者はホストの20代男性=風営法違反などの疑いで逮捕、罰金刑が確定=と共謀して3月18日~21日、歌舞伎町のホストクラブ「ARCANA(アルカナ)」で高校3年の少女(18)に、20歳未満と知りながらビールやカクテルを提供した疑いがある。20歳未満とは「知らなかった」と容疑を否認しているという。 初来店の客には年齢確認をしているというが、少女はホストから渡された別の成人の保険証などを使っていた。 ホスト「ナンバーワンになるにはお前の力が」 少女は同課に対し、ホストとはSNSで知り合い、2月に「付き合おう」と言われ交際していると思ったと説明。「店のナンバーワンになるにはお前の力が必要」などと連絡がくるようになり、3月中旬から5月までに計34日間通い、テキーラやシャンパンなどを注文。計173万8700円を店へ支払ったという。 同課は、少女がホストに指示され3~5月、歌舞伎町の大久保公園周辺で客待ちして売春し、50人以上から約200万円を得たとみている。 ホストは調べに、少女を「指名客の1人」と説明。「自分の売り上げを上げるために入店させ、酒を飲ませていた」と話していたという。 同課が店を捜索したところ、20歳未満の身分証が添付された売掛金の「借用書」が複数見つかった。同店は客が20歳未満と知りながら、恒常的に客を入店させていたとみている。(御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
甘いミカンで「お金もうけ」するには? 農家とIT企業が考えた秘策
デジタル技術を駆使して高品質のミカンを収穫しようと、愛媛県八幡浜市の生産者と東京のIT企業がタッグを組んだ。経験と勘に頼ってきた水やりを、センサーを畑に埋めて土壌の水分量を測り、最適なタイミングでできるシステムづくりを目指す。 事業を進めるのは、JAにしうわ真穴(まあな)柑橘(かんきつ)共同選果部会(真穴共選、同市)と、通信会社「インターネットイニシアティブ」(IIJ、東京都)など。デジタル技術で地域の課題解決をめざす愛媛県のプロジェクト「トライアングルエヒメ」の一環だ。 「真穴みかん」で知られる同市真穴地区の240ヘクタールの畑に10月から、土壌水分を測るセンサー100個を深さ約20~30センチに設置。30分ごとにデータを集める。 11月末にセンサーを120個に増やし、本格運用を目指す来年以降はさらに増やす。ただ、真穴地区は起伏が激しい段々畑で、通信環境が良くない。センサー一つごとに通信機能をつけるとコストも増す。そこで地区に七つの無線基地局を設け、コストを削減しながらデータを集める仕組みをIIJがつくった。 真穴共選によると、ミカンの… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東大前刺傷、当時高2の被告に懲役6~10年の判決 東京地裁
東京大学前で昨年1月、大学入学共通テストの受験生ら3人を包丁で刺したなどとして、殺人未遂罪などに問われた当時高校2年の少年(19)=名古屋市=に対する裁判員裁判の判決公判が17日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であった。判決は懲役6~10年の不定期刑(求刑懲役7~12年)を言い渡した。 弁護側は、精神的に未熟な少年が起こした事件で更生を重視すべきだと主張。公判では、刑罰を科すか、保護処分を視野に家裁に再送致すべきかが争点になっていた。 威力業務妨害罪などにも問われた 起訴状などによると、当時17歳だった少年は、共通テスト初日の2022年1月15日午前8時半ごろ、東大弥生キャンパス(東京都文京区)前の路上で、受験生2人や通行中の男性(当時72)を殺そうと包丁で背中を刺し、2週間~3カ月のけがを負わせたとされる。 刺傷事件の直前に、東京メトロ南北線の後楽園―東大前間を走行中の電車内や東大前駅の構内通路で火をつけ、駅員らに消火活動や避難誘導などをさせた威力業務妨害の罪にも問われていた。 東大理科三類を目指して猛勉強 公判での検察側、弁護側の主張や少年本人の供述によると、少年は国内で最も偏差値が高いとされる東大理科三類を目指し、寝る間も惜しんで勉強したが、高2になると成績が低迷。秋の三者面談で志望校の変更を勧められた。両親にこだわりはなかったが、本人は受け入れられず、自殺を考えたが死にきれなかったという。 昨年の年明けに家出のために東京行きのバスのチケットを購入。到着日が共通テスト初日だと気づき、「東大付近で無差別に人を殺害したり、赤門に放火したりして、罪悪感を背負って、安田講堂の前で割腹自殺を遂げよう」と考えたという。 少年については、鑑定留置を経て、名古屋家裁が22年6月、情緒面の発達の未熟さを指摘しつつも、「保護処分を選択する社会的許容性を見いだし難い」として、刑事処分が相当だと判断。検察官送致(逆送)を受け、翌7月に東京地検が起訴した。(田中恭太) ◆悩みの相談先 【SNS相談】 〈NPO法人ライフリンク「生きづらびっと」〉 LINE @yorisoi-chat チャット https://yorisoi-chat.jp/ (月・水・金曜の午前11時~午後10時半、火・木・日曜の午後5時~同10時半、土曜の午前11時~午後4時半) 〈NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア「こころのほっとチャット」〉 LINE/Facebook @kokorohotchat チャット https://www.npo-tms.or.jp/public/kokoro_hotchat/ (毎日の正午~午後3時50分、午後5時~同8時50分、午後9時~同11時50分、月曜午前4時~同6時50分など) 〈NPO法人あなたのいばしょ〉 チャット https://talkme.jp/ (24時間対応) 〈NPO法人BONDプロジェクト〉 ※10代、20代の女性のための相談を実施。LINE @bondproject (月・水・木・金・土曜の午前10時~午後10時) メール hear@bondproject.jp (24時間受け付け) 【電話相談】 〈#いのちSOS〉 0120・061・338 (日、月、火、金、土曜は午前0時~翌午前0時、水・木曜は午前6時~翌午前0時) 〈いのちの電話〉 0570・783・556 (毎日の午前10時~午後10時) 0120・783・556 (毎日の午後4時~同9時) 〈チャイルドライン〉 ※18歳までの子どものための電話 0120・99・7777 (毎日の午後4時~同9時) チャット相談 https://childline.or.jp/chat (実施日はサイトに掲載、午後4時~同9時) ※2023年10月4日現在 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
350万年前の新種チョウの化石、世界で初めて発見 鹿児島大など
鹿児島大などの研究グループが、群馬県内で見つかったチョウの化石が新種であったと報告した。国内で新種のチョウの化石が確認されたのは初めて。化石は約350万年前の「鮮新世」のもので、この時代の新種のチョウ化石は世界初でもあるという。 鹿児島大の坂巻祥孝教授と慶応幼稚舎の相場博明教諭が調べた。化石は約40年前、群馬県南牧村の山中で大学生が卒業論文を執筆するため採集していたもの。当時の顕微鏡では解像度が足りず、同定できなかったという。 研究チームでは最新の高解像度顕微鏡を使い、これまで判別できなかった羽の脈や触角などの形を詳しく分析。鱗粉(りんぷん)が残っていることも分かり、新種であると証明できたとしている。 チョウはタテハチョウ科ミスジチョウ属。羽を広げた幅は32ミリ。研究チームは「チョウは体が軽いため水中に沈みにくく、化石になりにくい。進化を知る手がかりになる」と話している。化石は近く、群馬県立自然史博物館に寄贈される。(伊藤隆太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル