孤立出産の末に子を遺棄したとして女性が罪に問われる事件が後を絶ちません。望まぬ妊娠を防ぐため、カギを握るのは男性である――。そう提唱する話題の書「射精責任」(太田出版)の翻訳者、村井理子さんに聞きました。 今年の夏に出版された「射精責任」(太田出版)という本の翻訳をしました。発売前から、私や担当女性編集者のX(旧ツイッター)に「同意の上でセックスしたなら女にも責任がある」「妊娠を望まないならしなきゃいい」など、多くの感情的な反応が寄せられました。当たり前のことですが、セックスへの同意と妊娠への同意は同義ではありません。 著者が繰り返し訴えているのは…… 他にも匿名のアカウントから、容姿や年齢をあげつらったり、ひわいな言葉を使ったりする品のない攻撃が多く寄せられました。「射精」と「責任」という言葉の組み合わせでこうした化学反応が引き起こされた理由を考えると、社会に根づく深い男尊女卑を実感しました。 刺激的な書名ですが、ブロガーをしている米国人の著者、ガブリエル・ブレアさんが繰り返し訴えているのは「セックスをするから妊娠をするのではない。男性が無責任な射精をした時のみ望まない妊娠に至る」という一点です。女性は排卵のタイミングを把握できない一方で、男性はどこにいつ射精するのかをコントロールできる。カギを握っているのは男性であり、男性が責任ある射精をすれば、すべての望まぬ妊娠は回避できると提案しています。 出版のきっかけはブレアさん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都立戸山高校長から受験生へ 幅広い教養と自主自立で「何でも挑戦」
【校長から受験生へ】 近づく受験シーズンに向け、主に首都圏の中学・高校の校長から受験生へのメッセージを順次配信します。 友人と本音でぶつかり合い、人生の基礎を育む。何事にも主体的に挑戦する。東京都立戸山高の最大の魅力は、そんな生徒たちの存在です。 教養を深めることと自主自立を柱に、国際社会に貢献するリーダーの育成を目指しています。難関国公立大への進学を支援する都の進学指導重点校ですが、学校行事、部活動、委員会活動も盛んです。人生観や価値観について語り合い、濃密な時間を過ごせる学校です。 戸山の伝統は「教養主義」で、広く学問の基礎を学びます。3年間、文理分けはしません。漢文をそらんじる理系研究者がいても良いでしょう。幅広い教養を身につけることで、社会の激しい変化に対応できる土台を築き、人生を豊かにすることができます。 都立唯一、医学部めざすプログラム 目先の大学現役合格だけを目指すのではなく、幅広く学ぶと同時に、関心・興味のあることについて深めていく「知の探究」の精神は、社会に出て必要となる真の学力につながります。 自主自立は、生徒が自分自身… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ふるさと納税返礼品、地域貢献にかじ 「思いやり型」「移住者支援」
前橋市がふるさと納税の返礼品の見直しを進めている。これまで力を入れてきた障害者支援につながる「思いやり型」返礼品を拡充するとともに、移住者がつくった製品などの登録も始めた。念頭にあるのは地域貢献だ。「ふるさと納税本来の趣旨の『寄付を通じて地域に貢献する』をより推進したい」という。 ふるさと納税では、総務省が10月から、返礼品として認める地場産品の基準を見直すなど適正な運営を自治体に求めている。 返礼品競争が全国で激化する中で、前橋市は2017年から思いやり型返礼品を始めた。障害者施設でつくられた製品を返礼品に選んでもらうことで「誰かのためにもなるふるさと納税」として話題を呼び、賛同した岩手県北上市などと19年からプロジェクト「きふと、」を始めて全国の自治体に広がっている。 「スローシティ」目指す前橋、魅力を発信 今回、返礼品に加わるのは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
事故が続く交差点、見通し良いのに 記者の現場検証でわかった4秒
「近所の交差点で、交通事故が頻発しています。2023年だけでも10件以上発生していると推測します」 和歌山県田辺市に住む読者から和歌山総局に今月、こんなメールが届いた。 記者もよく車で通る交差点。見通しの良い直線道路にあるのに――。取材を進めると、意外な証言が寄せられた。 田辺市下屋敷町の県道にある「下屋敷町交差点」。扇ケ浜沿いから北東のJR紀伊田辺駅へと延びる県道のほぼ中間にある。この県道のうち約700メートルは直線で、よく見通せる。 交差点近くに住む人から話を聞いた。「昨年の春くらいから事故が増えたように思う」と話す。 田辺署によると、昨年この交差点で起きた事故の報告は5件。死亡事故などはなかった。今年の事故件数はもっと少ないという。ただ軽い接触の場合、警察に届け出ないドライバーもいるから、実際の事故件数はもっと多い可能性はある。 昨年、田辺署管内(田辺市、みなべ町)の交差点で、最も多く事故があったのは、田鶴(田辺市新庄町)で21件。ともに田辺市内の天王池(下万呂)、平田橋東詰(稲成町)のそれぞれ11件だった。 それらに比べると、下屋敷町交差点での事故件数は少ない。ただ、事故多発の原因は、交通量の多さや見通しの悪さなど、ある程度分析できるのが一般的。しかし、下屋敷町交差点で事故が続く理由については、警察関係者も首をかしげる。 記者は集めた証言をもとに、交差点で「現場検証」をしました。その結果から分かったものは。 下屋敷町交差点近くでパン店… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸女学院大に新学部「生命環境学部」 2025年度に開設
神戸女学院大学(兵庫県西宮市)は15日、現在の人間科学部環境・バイオサイエンス学科を改組し、2025年4月に「生命環境学部」(仮称)を新設すると発表した。 新学部には生命環境学科(定員80人)を設置。自然科学分野の知識を基礎とし、ビッグデータなどデータサイエンスを活用しながら持続可能な社会構築に貢献できる人材育成を目指すとしている。入試を24年度に実施する。 同大学には現在、人間科学部のほかに文学部、音楽学部があり、24年度から国際学部と心理学部が加わる。(真常法彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者は「柿沢議員」 秘書、重鎮、区議…次々捜索 現金の趣旨焦点
東京都江東区長選をめぐって違法な有料ネット広告が掲載された事件は、現職国会議員の柿沢未途(みと)・前法務副大臣(52)=自民党=による現金買収容疑に発展した。東京地検特捜部は16日、柿沢氏本人を買収の容疑者とする家宅捜索令状を元に、関係先を広範囲に捜索。2ルートでの捜査を本格化させた。 この日の捜索は午前7時ごろに始まった。 柿沢氏の公設第1秘書は午前11時50分ごろ、捜索を終えた特捜部の係官と一緒に自宅を出て、そのまま任意聴取を受けた。江東区議らに現金提供を打診する役割を担った1人だった。 パソコン、手帳に柿沢氏の書籍も 柿沢氏の父・弘治元外相の代… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柿沢議員、捜索容疑は「現金買収」 江東区長選で区議に 東京地検
4月の東京都江東区長選をめぐり、地元選出の自民党衆院議員、柿沢未途(みと)・前法務副大臣(52)が、木村弥生・前区長(58)=15日付で辞職=を当選させる目的で江東区議らに現金を渡した疑いがあるとして、東京地検特捜部は16日、柿沢氏の江東区の事務所などを公職選挙法違反(買収)容疑で家宅捜索した。関係者への取材でわかった。 公設第1秘書を聴取 特捜部は木村氏陣営が選挙中に違法な有料ネット広告を掲載したという同法違反容疑で10月に区長室などを捜索していたが、捜査は現金買収容疑に拡大した。 この日の買収容疑での捜索は、柿沢氏の複数の秘書や、現金を受け取った複数の江東区議らの自宅などに及んだ。特捜部は同日、柿沢氏の公設第1秘書の任意聴取も行い、柿沢氏の地元事務所の捜索にも踏み切った。 柿沢氏「やましいところない」 柿沢氏はこれまでの朝日新聞… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校入試の追試、月経での体調不良も対象に 文科省が各教委に通知へ
月経による体調不良で高校入試を欠席した場合、追試験の対象にできる――。文部科学省がそんな通知を年内に都道府県教育委員会などに出す。16日、参院文教科学委員会で明らかにした。これまでの通知では明示されておらず、教委によって対応が分かれていた。各教委は今後、対応を検討する。 文科省が6月に新型コロナウイルスの5類移行を受けて、都道府県教委などに出した、主に高校入試での配慮に関する通知では、追試の対象の例として新型コロナウイルスなどの感染症や自然災害、痴漢被害などが挙げられていたが、月経についての記述はなかった。同じ通知の中では、調査書の出席日数について、月経での体調不良を例示し、欠席があるからというだけで入試で不利に扱わないよう求めていた。 国民民主党の伊藤孝恵議員が「(入試での月経への配慮について)自治体の対応もばらついている」と指摘。追試の対象に、月経痛や、情緒不安定や眠気などの症状が表れる月経前症候群(PMS)など、月経での体調不良も入るのか、国の見解を問うた。 盛山正仁文科相は「本人に帰責されない身体健康上の理由により、やむを得ず、用意された試験日程で受験できない生徒の受験機会を確保することが重要だ」と答弁。矢野和彦初等中等教育局長は「各都道府県の(入試の)実施権者に(月経での体調不良の場合も追試の対象にすることが)可能であると、年内に文書で周知したい」と答えた。 女性向け健康管理サイト「ルナルナ」の2021年の調べでは、回答した10代以上の女性1197人の85・1%が、高校などの受験日と月経日が重なることに「不安があった」と回答した。さらに、不安の具体例を複数回答で聞いたところ、「月経痛や体調不良への不安」が88・8%、「トイレやその頻度」が63・7%、「試験中に経血が漏れないか」が63・3%だった。(山本知佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
捜査で住宅訪れ現金窃盗容疑 警部補「認知症高齢者宅でも盗んだ」
変死事案の捜査のために訪れた京都市内の住宅で現金約10万円などを盗んだとして、京都府警は16日、府警本部捜査2課の警部補林謙司容疑者(57)=京都府城陽市=を窃盗の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。捜査関係者によると、林容疑者は「ほかにも認知症の高齢者の家を訪問し、現金を盗んだ」と話しており、府警が調べている。 捜査3課によると、林容疑者は伏見署刑事課に配属されていた2019年7月29日、変死事案の捜査で訪れた京都市伏見区の住宅で、現金約10万円と腕時計1本(時価1万円相当)を盗んだ疑いがある。林容疑者は当直勤務中で、通報を受けて住宅に出向いたという。 捜査関係者によると、府警のこれまでの調べに対し、防犯指導の名目で認知症の高齢者宅などを訪れ、現金を盗んだと説明しているという。職務上知り得た情報を悪用していた疑いもあり、被害額は1千万円前後に上る可能性もあるという。 今回の逮捕を受け、府警の森功治首席監察官は「信頼を著しく損ねる事案で言語道断。今後の捜査結果を踏まえ、厳正に対処する」とコメントした。今年8月、林容疑者が上司に告白して発覚したという。(西崎啓太朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
グミの製造元を大阪市が検査 会社は「大麻由来の成分含む」と説明
東京都内の公園であった祭りで、来場者が配られたグミを食べて体調不良を訴えた事案があり、大阪市の横山英幸市長は16日、市内にあるグミの製造元会社の工場に立ち入り検査をしたと明らかにした。 このグミをめぐっては、東京都小金井市の武蔵野公園で4日、来場者ら10~50代の男女6人が40代男性が配っていたグミを食べ、嘔吐(おうと)などの体調不良を訴えてうち5人が病院に搬送された。 大阪市によると、この事案を受けて8日、都から食中毒の疑いがあるとして調査の依頼があった。市保健所などは10日、食品衛生法などに基づいて立ち入り検査を実施。聞き取りに対して製造元の会社は、グミには「HHCH」という法律で規制されていない大麻由来の成分が含まれていると説明したという。 横山市長は16日の記者会見で、「法律上は指定薬物には当たらないが、健康上危険なものであるならば、早急に規制する必要がある。国や大阪府と協力しながら対応する」と述べた。(原田達矢) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル