自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題が、岸田政権を揺るがしています。なぜ、「裏金」をつくる必要があったのか。「政治にカネがかかる」というのは本当か。田中角栄元首相に「最後の秘書」として23年間仕え、今も与野党の国会議員の後援会役員や選挙参謀を務める朝賀昭さん(80)に聞きました。 ――田中氏が現職の国会議員だった時代(1947~90年)、政治資金パーティーは大きな資金源でしたか? 当時、オヤジがパーティー券を売って、政治資金をつくっていたという記憶はないな。パーティーがはやり出したのは、もっと後のことだよね。 ――リクルート事件に端を発した「平成の政治改革」で政治資金規正法が改正され、企業・団体献金の規制が強化された95年以降、政治資金パーティーが増えました。さらに2000年に政治家個人への企業・団体献金が禁止されたことで、パーティーは重要な資金源になりました。 そう、この20年くらいのことだよね。オヤジが脳梗塞(のうこうそく)で倒れた85年、「越山会の女王」と呼ばれた佐藤昭子さんが「政経調査会」を立ち上げ、僕は事務局長を務めた。 佐藤さんは金庫番で、オヤジの支援者と付き合いが深かったから、パーティーがはやり出したころは、100枚単位で頼まれることもあった。 「オヤジは丁寧に頭を下げて」 ――田中氏の現役時代は、どういう形でお金を集めていましたか? 主には「越山会」、その他五… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「居場所は絶対にある」中学生が宣言 子どもの「第三の居場所」完成
不登校や家庭の問題といった悩みを抱える子どもが安心して過ごせる場所をつくろうと、NPO法人が大阪府泉佐野市若宮町に施設を開いた。家庭でも学校でもない「第三の居場所」。開所式で、学校に行けなくなった中学生が「居場所はある」と呼びかけた。 施設は、南海泉佐野駅から徒歩3分の「キリンの家 まちば拠点」。 2階建ての古民家をリフォームしており、子どもの居場所づくりに取り組む地元のNPO法人「キリンこども応援団」が運営する。整備費用や3年間の活動費は、全国で「子ども第三の居場所」づくり事業に取り組む日本財団が負担する。 「こども応援団」の活動拠点としては2カ所目。開所式は11月14日にあり、応援団が運営するフリースクール「キリンのとびら」に通う中学3年の川崎恋さん(15)が開所を宣言した。 中1のときに教室に入るのが怖くなり、学校に行けなくなって、苦しんだ。だけど通い始めたフリースクールで、自然と話せるようになった。 「泣いていたあの日の私に向けて」 体験活動として、仲間たちと… この記事は有料記事です。残り333文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
歴史はまだ3年、ゼロから育む伝統芸能 本家は広島、佐賀で学ぶ
伝統芸能といえば、長年の歴史の中、地域の人々が脈々と引き継いできた文化――。そんなイメージとは逆の取り組みが佐賀県内にある。令和になって生まれたのは、他県で名高い芸能にゼロから挑む神楽団だ。長い伝統を築くことはできるか。(岡田将平) 「神楽をやってみたい」思った理由は 11月7日、伊万里市の松浦小学校の体育館に、太鼓や笛、鉦(かね)の音が響いた。 この日は芸術鑑賞会。児童約90人の前に、きらびやかな装束に身を包み、えぼしをかぶった演者が登場した。大和朝廷に仕える大荒田命(おおあらたのみこと)を主人公とした神楽の舞台の始まりだ。 「筑紫肥前の国は嘉瀬川あた… この記事は有料記事です。残り2279文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
千葉、神奈川、三重で夏日 全国17地点で12月の最高気温を更新
2023年12月16日 13時48分 南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、16日は15日夜に引き続き、各地で気温が上がった。気象庁によると、16日午後1時20分時点で、全国17地点で最高気温が12月の観測史上最高を更新した。 このうち、千葉県横芝光町で26・1度、神奈川県小田原市で26・0度、千葉県市原市で25・5度、同県茂原市で25・2度、三重県熊野市で25・1度を観測し、最高気温が25度以上の夏日となった。16日は午後も東日本を中心に気温が高くなる見通し。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
30年間、毎月届いた5千円と手紙 送り主「町内一主婦」さんって?
その白い封筒が届くのは、決まって月末だった。 送り主は「町内一主婦」。5千円札が1枚、入っている。1994年2月から約30年間、毎月欠かさず、郵送されてきた。 宛先は、「福島市社会福祉協議会飯坂協議会」。事務局を担う市飯坂支所の市民係、木本正弘さん(64)は3年ほど前、前任者から「一主婦(いちしゅふ)さん担当」を引き継いだ。以来、楽しみにしていたのが、同封されている手紙だ。 「夕食には春先に植えた春菊を食膳に」 「ナデシコが暑さに負けず、咲いています」 「庭の藤の花が満開となりました」 毎回、紅葉やツバキなどの挿絵があしらわれた便箋(びんせん)に、自宅の庭や畑で育っているとみられる草花の成長がつづられる。室内での仕事が多い木本さんら職員にとって、季節の移ろいを感じさせてくれる存在だった。 3回目の感謝状 「直接お渡ししたいね」 今年の6月末。こんな手紙が届いた。 「長年働いた会社を退職し… この記事は有料記事です。残り787文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「アクセルベタ踏み」ではねられ 「殺意」の認定、逃げた容疑者次第
2022年6月29日発生の大分・別府市で起きたひき逃げ死亡事故、大分県警が男の行方を追う 「これは、ただのひき逃げじゃない。凶器を車に換えただけで、完全な『殺人』だ」 昨年6月に大分県別府市で発生した死亡ひき逃げ事故で、亡くなった大学生の男性(当時19)の父親は今年9月21日、県警別府署で報道陣の取材に応じ、こう力を込めた。 父親らはこの日、中型バイクと原付きの計2台に追突しながらその場を逃げた疑いがある八田與一容疑者(27)に対する罪名について、道路交通法の「救護義務違反」から殺人などに変えるよう求める告訴状を県警に提出していた。 なぜ遺族はこの事故が「完全な殺人」であると主張しているのか。 一方の県警はなぜ、公訴時効が7年と短い「救護義務違反」容疑で八田容疑者を追っているのか。 その理由は事故に至る経緯にある。 事故は昨年6月29日午後7時45分ごろに発生した。交差点で信号待ちをしていた原付きと中型バイクに軽乗用車が追突。2台は40~60メートルほどはね飛ばされ、原付きに乗っていた大学生の男性が死亡、中型バイクの大学生の男性も軽傷を負った。 八田容疑者は軽乗用車を運転していたとされるが、事故直後に裸足で逃走し、その後の行方はわかっていない。 中型バイクの大学生は死亡した学生の同級生で、現場から約400メートル離れたショッピングモールからの移動中に事故に遭った。 事故の数分前「何見てんだよ」 モールを出発したのは事故の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小田原市で25.1度の夏日 全国6地点で12月の最高気温を更新
2023年12月16日 11時28分 南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、16日午前は15日夜に引き続き、各地で気温が上がった。気象庁によると、16日午前10時40分時点で、全国6地点で最高気温が12月の観測史上最高を更新した。 このうち、神奈川県小田原市では25・1度を観測し、夏日(最高気温が25度以上の日)となった。16日は午後も東日本を中心に気温が高くなる見通し。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
漁船の下でちゃっかりパクッ クジラだって「拾い食い」、撮影に成功
【動画】漁船の下で「拾い食い」をするザトウクジラ=神戸大大学院の岩田助教提供 漁船の捕る魚を「拾い食い」するザトウクジラの撮影に、神戸大大学院の岩田高志助教(40)=動物生態学=を中心とする研究チームが成功した。 研究成果が11月、国際学術誌のデジタル版に掲載され、岩田さんは「ザトウクジラが拾い食いをする映像を捉え、発表したのは世界初」と話している。 岩田さんによると、ザトウクジラは日本近海など世界中に生息する。おとなの体長は約15メートル、体重約40トンに上る大型のクジラで、通常は小魚やプランクトンの群れに突進する方法で餌を捕らえるという。 研究チームは2017年1月、ザトウクジラが現れやすいノルウェー北部の沿岸で調査を実施した。 沿岸を泳いでいたメス3頭の背中に、泳ぐ速さや潜る深さを記録できる装置や小型カメラを吸盤で取り付けた。装置は十数時間後には自然にはがれて海面に浮かび、発信機の電波を頼りに回収した。 岩田さんが解析した結果、3頭のうち1頭が約43分間にわたって漁船の周りにとどまり、漁師が網を揚げる際に海中へこぼれ落ちるニシンやタラを、水中で拾い食いしていたことがわかったという。 本来はクジラの天敵であるシャチも、一緒に漁船の周りで拾い食いをしていた。 漁船からこぼれ落ちる魚を狙って、イルカやアザラシ、海鳥が集まることはこれまで知られていたが、ザトウクジラは初めてだという。 岩田さんは「楽に餌を捕らえられるため、ザトウクジラも漁船の周りにやってきたとみられる」。 ただしクジラの体の大きさに比べれば、食べられる魚の量が少なく、「おやつ感覚で食べていたのではないか」と推測する。 ロープや網などの漁具がクジラに絡まる危険性もあり、「クジラが嫌がる音を出して漁船に近づけさせない対策も必要だ」と岩田さんは指摘している。(森直由) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
武庫川女子大の短大部、全学科の学生募集を停止へ 70年余りの歴史
勝亦邦夫2023年12月16日 8時00分 学校法人武庫川学院(兵庫県西宮市)は15日、武庫川女子大短期大学部の2025年度以降の学生募集を停止すると発表した。18歳人口の減少や女子の共学・四年制大学志向の強まりといった社会状況の変化を踏まえたとしている。 同学院によると、短期大学部は1950年に武庫川学院女子短期大学として開学。86年をピークに入学者が徐々に減少し、コロナ禍で志願者が一段と減ったという。 こうした状況を受け、短期大学部の7学科について、23年度から2学科、24年度から2学科の学生募集を停止。そして今回、幼児教育、食生活、生活造形の3学科についても25年度から学生募集を停止することにした。(勝亦邦夫) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
公害、鉄冷え、治安…負のイメージ変えた 「映画の街」への道のり
有料記事 城真弓 安斎耕一2023年12月16日 8時30分 「映画の街」を掲げる北九州市で、国内外の作品を上映する初めての「北九州国際映画祭」が17日まで開かれている。市はロケ誘致の先駆けだ。活動を担う北九州フィルム・コミッション(KFC)の取り組みに迫り、目指すべき次のステージを探った。 14日に上映された「逃げきれた夢」。北九州を舞台に、定時制高校の教頭が人生の転換期を迎え、半生を見つめ直して新たな一歩を踏み出すまでの日々を描いた映画だ。教頭を演じた俳優の光石研さんは舞台あいさつで「オール北九州ロケのこの映画は、フィルムコミッションや市民の方々の協力がなければできなかった」と感謝を口にした。 今年公開され、世界三大映画祭の一つ「カンヌ国際映画祭」にも出品された同作はすべて市内で撮影された。八幡中央区商店街に市庁舎の食堂。ロケ地を提案し、エキストラやボランティアを集め、撮影を下支えしたのはKFCだ。 北九州国際映画祭では、13~17日の5日間で計33作品を上映。大学生がボランティアとして参加したり、中学生対象の関連イベントが開かれたり、街をあげて映画祭を盛り上げる。「映画祭を機にまた撮影が増えて、映画の街としてさらに盛り上がったらうれしい」と、KFCが支援する100作品ほどにエキストラとして参加した女性(59)は期待する。 市が広報室に「イメージアップ班」を設け、ロケ誘致に乗り出したのは1989年から。市の悪いイメージを払拭(ふっしょく)するためだ。官営八幡製鉄所が操業開始してからは「鉄都」として栄え、劇場や映画館も多く集まって大衆文化も花開いた北九州市だったが、その後は公害や鉄冷え、治安が悪いといった負のイメージとともに語られていた。 だが映画関係者の目には、工場地帯や古い街並みなどはロケに適した多様な景色と映ったようだった。 困ったときの「北九州」 道路封鎖も、エキストラ3千人もOK 2000年にイメージアップ… この記事は有料記事です。残り1178文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル