有料記事 聞き手・田渕紫織2023年9月18日 11時30分 関東大震災の直後、流言を信じた民間人や軍、警察によって、朝鮮半島出身の多くの人々が殺傷された。しかし、松野博一官房長官は8月末に「記録が見当たらない」と発言。にわかに、内閣府が設けた中央防災会議の専門調査会が2009年に出した報告書に焦点が当たった。当時の政府資料に基づいて調査を取りまとめた専門家の一人、東京大の鈴木淳教授(歴史学)は、こうした反応をどう受け止めているのか。 松野官房長官「記録が見当たらない」と発言 ――関東大震災時の朝鮮人虐殺について松野官房長官が「政府として調査した限り、事実関係を把握することのできる記録が見当たらない」と発言したことに疑義が相次ぎました。 議論の中で多くの人があの報告書を根拠資料としていると聞き、戸惑っています。当初の意図を超えているとも言えます。 ――と言うと? あの報告書は、政府機関が当時公表した情報からどれだけのことが言えるかという、非常に限定的な範囲のものです。つまり、当時の政府発表の焼き直しで、「最低限」のものであり、事件の全貌(ぜんぼう)を伝えるものではありません。 様々な先行研究が指摘する通り、数としても内容としてもこれが全てではないという論旨で書いています。 当時の政府が少なくともそう認めているという数字によりかかっているので、その外側にもっとたくさんの犠牲者がいるのに過小評価しているという批判は当然こうむるだろうと思いながらまとめたものです。 鈴木教授に、官房長官の発言をどう受け止めたのか問うと、意外な答えが返ってきました。 報告書を書いた当時のやりとりや、今も繰り返される災害後のデマについても聞いたロングインタビューです。 ――政府の資料だけに限定せず、全体像をつかむことはできなかったのでしょうか。 多くの場所で殺傷事件があっ… この記事は有料記事です。残り3384文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
内気な僕を変えた日本語 八雲の母国を離れ、新しい人生に出会った
日本語に出合ったのは高校生の時だった。内気だった少年は、はるかかなたの国の文化に心を開かれた。自己の歩みを確かなものにしようと、長じて松江で暮らすように。33歳になったが、小泉八雲と同じ母国アイルランドには帰らずに、「再出発」を期している。 松江市の国際交流員を、今年夏まで6年間務めた。学校などでの出前講座でアイルランド文化を語った。小泉八雲記念館で開かれた催しでは通訳をこなした。記念館の小泉凡館長は「私たちの思いを受け止め、的確に伝えられる人材」と評す。「能力の高さに加え、深い思いが根っこにあるせいでしょう」 通訳としてその場の人々の意思疎通をスムーズに図っていく。その姿からは想像しにくいが、実は子どもの頃は内気だった。小学校の頃、いじめに遭ったのが原因だ。「周りの顔色を気にしすぎるタイプでした。嫌われたくなかったから」 17歳の時、ダブリンにあっ… この記事は有料記事です。残り859文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震で変わった地形を海図に反映 100年前「水路部」挑んだ難事業
関東大震災の影響は陸地だけでなく、海底にも及んだ。隆起や津波、土石流によって地形は大きく変えられ、障害物が残された。船舶の安全な航行のためには、海の中の変化を把握し、航海用の海図に素早く反映させる必要がある。東日本大震災後にも迫られた難事業に100年前、どう対応したのか。 当時、海図の作製を担っていた旧日本海軍の「水路部」の記録「震災地測量報告」(1924年12月発行)によると、23年9月1日の発災から9日後、防波堤や灯台などが破壊された様子を駆逐艦で把握した。9月19日からは測量を担う特務艦2隻に小型艇を載せ、房総半島から伊豆半島までを延べ20日間、調べた。 関東大震災では、東京湾や相模湾に高さ10メートル前後の津波が到達したとされ、沿岸付近の被害は広範囲に及んだ。「報告」にも、隆起と沈下に伴い、水深や海岸線の変化が見られるとして、「従来の海図を改版するの必要を生じた」と記されている。 重りをつけた縄を海中に垂らして このため、10月上旬から翌年1月下旬にかけ、第2次測量が行われた。海軍少将の水路部長が指揮をとって、特務艦4隻に担当者ら計約60人が乗り込み、改めて詳しく調べた。現在のように超音波で水深を測る「音響測深機」はなく、重りをつけた縄を海中に垂らして水深を測り、重りの付着物から、海底の地質を探るような作業が中心だった。 成果を記した「測量関係綴(… この記事は有料記事です。残り1195文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
消える母校の名残したい 吹奏楽部のない高校がマーチングに初出場
福島市で17日に開催された第41回県マーチングフェスティバル(県吹奏楽連盟、朝日新聞社、県マーチングバンド協会主催)に吹奏楽部のない県立船引高校(田村市)が初出場した。2026年度に小野高校(小野町)と統合される。「船引高校があったことを記録に残したい」と有志がつくった同好会で試行錯誤を重ねてきた。 出場したのは船引高「みゅ~じっくらぼ(音楽同好会)」。軽音楽の5人と、吹奏楽の9人からなる。昨春、軽音楽のメンバーが同好会を立ち上げようと、認定に必要な10人を目指し部員を募集。当時1年生だった佐藤実穂さん(16)らが「吹奏楽をさせてくれるなら」と加わるなどして人数を達成した。 佐藤さんは船引中学校時代は吹奏楽部員。吹奏楽コンクールやマーチングフェスの出場経験がある。顧問だった佐藤輝彦教諭(51)の船引高への異動とたまたま同時に進学。「高校でも続けたい」と佐藤教諭に訴えた。 同好会に吹奏楽部門をつくった。本格的な活動の第一弾として今夏の吹奏楽コンクールの県地区予選に初出場したが、楽器自体の初心者が4人ということもあり、県大会進出はならず涙をのんだ。 マーチングフェスまで2カ月ほどしかないので、曲はコンクールと同じ「プロローグ マジェスティア」を選び、動きの練習に重点を置けるようにした。佐藤教諭と話し、フォーメーションは難度の低い基本動作で組み立てた。 はじめは歩幅をそろえるとこ… この記事は有料記事です。残り584文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「盗撮注意」のステッカー つい見てしまう大阪府警の「仕掛け」とは
有料記事 高井里佳子 華野優気2023年9月18日 8時30分 鏡があると、つい視線を向けてしまう――。そんな心理に着目し、街中に貼った盗撮注意のステッカーに気付いてもらおうと、大阪府警曽根崎署が鏡を使った「仕掛け」を試みている。わずかだが、効果も確認できたという。 JR大阪駅(大阪市北区)に直結するビル「大阪ステーションシティ」。高さ約4メートルの昇りエスカレーターの側面の壁1カ所に、A4サイズほどの鏡が貼ってある。 すぐそばには、黄色の背景に赤い字で「背後盗撮に注意」と目立つよう書かれたステッカー。自分の姿が映る鏡を気にした女性の視野に、何げなく「盗撮注意」の文章が入ることで、背後から盗撮されていないかどうか気を払ってもらおうという仕掛けだ。 府警によると、梅田など大阪市中心部を管轄する曽根崎署では昨年、盗撮事件を69件摘発した。これは府内全66署でトップだった。 設置前後で背後を気にする女性の数を数えると… 署のまとめでは、被害のうち… この記事は有料記事です。残り739文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富士宮やきそばなど参戦 東海・北陸B―1グランプリ、秋に開催
各地のB級ご当地グルメが一堂に会するイベントとしてブームになった「B―1グランプリ」。新型コロナで開催が途絶えていたが、三重県四日市市で11月、支部大会「東海・北陸B―1グランプリ」が開かれる。コロナ禍後では初のB―1で、「富士宮やきそば」など知名度の高いグルメがある静岡からは4団体が参加する。 2006年に第1回の全国大会(青森県八戸市)があったB―1は、来場者がご当地グルメを食べ比べ、はしを使った投票で順位を決めるイベントとして人気を集めた。来場者数が最も多かったのは12年に北九州市であった全国大会で、2日間で61万人だった。 東海・北陸B―1に参加する静岡県内の4団体の一つが、ご当地グルメによるまちおこしの代表格で、B―1全国大会で第1回から2連覇した「富士宮やきそば学会」(富士宮市)。コロナ禍が始まる直前の19年11月に兵庫県明石市であった第11回の全国大会以来、4年ぶりになる。やきそば学会の渡辺孝秀代表(71)は「久々の大型イベントだ」と喜ぶ。 富士山本宮浅間大社前の「お宮横丁」にある富士宮やきそばのアンテナショップ。コロナ禍の最中は一時休業し、観光客は激減した。やきそば学会によると、富士宮やきそばを提供する店も感染拡大や高齢化が影響し、コロナ禍前に比べて20店ほど減り、今は約70店という。ただ、アンテナショップを運営する会社の渡辺彩専務(38)によると、「今はコロナ禍前よりも来店者が多く、富士宮やきそばの人気は衰えていない」と話す。 将棋の藤井聡太七冠(21)が対局の際に食べるおやつが話題になり、県内でも提供した店に客が詰めかける現象が相次いでいるのを見て、渡辺代表も「世間の食に対する関心は高い」と感じている。 B―1本番では約20人のメンバーが焼き手やキャベツ切り、盛りつけなどの役割を分担して、大量のやきそばを提供する。コロナで祭りが中止になり、ノウハウが継承されにくくなった問題が各地で起きている。だが、やきそば学会はB―1が中断していた4年間も、スポーツイベントなどに出店しており、「ノウハウは保たれている」(渡辺代表)。コロナ禍中も、やきそばの缶詰など企業とのコラボ商品を売り出すなど、ご当地グルメのPRに努めてきた。 東海・北陸B―1でも、来場者の投票で順位が決まる。渡辺代表は「全国大会で金賞を取った団体の自負がある。トップを目指したい」と意気込む。 県内から他に参加する「浜松餃子(ぎょうざ)学会」(浜松市)の広報担当の花枝一則さん(56)は「どのぐらいの行列ができるか楽しみにしている」。「西伊豆しおかつお研究会」(西伊豆町)の芹沢安久会長(54)は「コロナ禍の最中は地元での食育活動に力を入れてきた。ようやく地域外で、西伊豆町の伝統食材をアピールできる」、「富士つけナポリタン大志館」(富士市)事務局の神尾英尚さん(52)は「B―1が長く途絶え、来場者数が心配だが、貴重な情報発信の場なので最大限PRしたい」と話している。 ◇ 四日市市での「東海・北陸B―1グランプリ」は当初、2020年5月に予定されていたが、新型コロナの感染拡大で開催が見合わされていた。当初予定から3年6カ月延期される形で、11月18、19日に、近鉄四日市駅に近い市中心部で開かれる。主催する「ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」(通称・愛Bリーグ)や市によると、周囲でもグルメのイベントが再開され、「感染対策と経済活動の両立が求められている」として、開催を決めたという。市は2日間で約10万人の来場者を見込んでいる。 愛知、岐阜、三重、静岡、福井の15団体のほか、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」(甲府市)や「十和田バラ焼きゼミナール」(青森県十和田市)などのゲストの5団体の計20団体が参加する。 B―1は、静岡県内では07年に富士宮市で第2回の全国大会が開かれ、地元の富士宮やきそば学会が1位の金賞を獲得した。また、17年には富士市で支部大会の「東海・北陸B―1」があった。(小山裕一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「124歳」の推し活が結んだ縁 最前列、89歳の母も一緒にコール
9月3日、日曜日。東京都内にある老舗CDショップ内のステージに、女性アイドルデュオ「myun(ミュン)とyayo(ヤヨ)~」が登場した。 いつものように、会場の最前列には久津間博さん(60)とめぐみさん(50)夫婦の姿があった。 「2人合わせて124歳。天国に一番近いアイドルです!」 myun(62)とyayo(62)のお決まりのキャッチフレーズを披露し、ライブが始まった。 出会いの場は… 夫婦の隣には、博さんの母・… この記事は有料記事です。残り610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ママ友→ばあば→天国に一番近いアイドルに 高み目指す「124歳」
9月3日、日曜日。赤いミニスカートの衣装に身を包んだ2人が、東京都内にある老舗CDショップ内のステージに立った。 「2人合わせて124歳。天国に一番近いアイドルです!」 お決まりのキャッチフレーズを披露するmyun(62)とyayo(62)。客席から大きな歓声が上がり、ライブがスタートした。 キャンディーズや松田聖子をはじめとした昭和世代のスターのヒット曲のほか、オリジナル曲を歌う。振り付けは自己流だ。 会場では、おそろいのポロシャツを着たファンが頭にはちまきを締め、大きなかけ声で応援していた。 ファンをとりこにする理由 「ミュンちゃ~ん!」… この記事は有料記事です。残り1204文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「VIVANT」ロケ地で盛り上がる島根、「ごっこ」で便乗する鳥取
モンゴルの砂漠での撮影や壮大なストーリーが話題を集めるTBS系の日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」。17日に最終回を迎えるが、ロケが行われた島根県内では、ドラマに登場する観光名所の来訪者が増えたり、県がロケ地マップを作ったりと盛り上がりを見せている。一方、お隣の鳥取県も、ドラマとは一見無関係だが、「便乗」作戦に乗り出した。 堺雅人さん演じる主人公・乃木憂助の父親の生家の撮影が行われたのが、国重要文化財に指定されている島根県奥出雲町上阿井の「櫻井家住宅」だ。ドラマでは「乃木家」として、8月13日放送の第5話と今月10日放送の第9話に登場した。 住宅の隣にあり櫻井家の資料を紹介する可部屋集成館によると、第5話放送後の8月中旬から来訪者が急増。土日はほぼ100人を超え、平日でも数十人が訪れるようになった。特に若い人たちが目立つという。 櫻井家はかつて、日本古来の製鉄法「たたら製鉄」を営み、松江藩の鉄師を務めた。奥出雲は良質の砂鉄が取れ、砂鉄を原料とするたたら製鉄が盛んだった。 ドラマの中でも、乃木家がたたら製鉄を営んでいたという設定で、第9話では役所広司さん演じる主人公の父ノゴーン・ベキが過去を回想し、「奥出雲は古来から米作りとたたらで栄えた地域だ」と紹介した。 ノゴーン・ベキはさらに、たたらについて、「砂鉄と木炭を炉に入れて空気を流し込み、砂鉄を溶かして鉄をつくる方法だ」と説明。「奥出雲の山々は上質な砂鉄が豊富でな。その場所の砂鉄を採り終わると、今度はそこに棚田をつくって稲作を行う。いわばたたらと稲作が連動して発展していったんだ」とふるさとの歴史を語った。 可部屋集成館の尾方豊専門員(69)は「ドラマで、鉄とともにあった奥出雲の暮らしをわかりやすく発信していただいて感謝しています」と喜ぶ。 ドラマには、櫻井家住宅のほか、主人公が幼少期を過ごした養護施設のシーンに「旧大谷小学校校舎」(松江市)、結婚式の場面に「出雲大社」(出雲市)など多くの島根県内で撮影したシーンが登場する。 なぜ、島根県なのか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇、皇后両陛下 海づくり大会で放流行事に出席
2023年9月17日 18時00分 北海道を訪問している天皇、皇后両陛下は17日、第42回全国豊かな海づくり大会の式典に出席しました。 式典では、両陛下がホタテガイやマガキの稚貝などを水産関係者へと手渡しました。式典後には、厚岸町カキ種苗センターなどでカキ種苗の生産状況などを視察。その後の放流行事では、大型のカレイのマツカワとホッカイエビも放流しました。 この日の様子を写真で振り返ります。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル