【動画】弘南鉄道のラッセル車「キ104」操縦室アングル付き前面展望=筋野健太、白井伸洋撮影 降り積もった雪で一面真っ白な静寂の世界。真っ黒なラッセル車と、古めかしい電気機関車が轟音(ごうおん)とともに雪をはね上げ、白銀の世界を切り裂くように走り抜ける。 昭和初期製の真っ黒なラッセル車と今年100歳になる電気機関車のコンビが、鉄道を利用する人たちの冬の生活を守っている。 今回、特別な許可なしには立ち入れない青森・弘南鉄道のラッセル車「キ104」の操縦席にカメラを設置。ラッセル車の高い目線から見える白銀の沿線風景やアナログな機械を操作したり、降りて除雪作業したりする乗務員の長年培った技術を撮影。実際に乗っているような臨場感のある映像を届けます。記事後半では、「キ104」の車内設備、操縦席での操作方法、除雪をする仕組みなどを紹介する解説動画もご覧いただけます。 青森県西部を走るローカル線… この記事は有料記事です。残り2624文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「姫路城が見たくて」小田原から新幹線無賃乗車容疑 42歳男を逮捕
小野大輔2023年3月4日 12時03分 新幹線を無賃乗車しようとしたとして、兵庫県警は、仙台市宮城野区の無職男(42)を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕したと4日発表した。「姫路城が見たくて新幹線に乗ってきた」と容疑を認めているという。 姫路署によると、男は3日、JR小田原駅(神奈川県小田原市)で駅の入場券だけを買って新幹線こだまに乗車。JR姫路駅(姫路市)で下車し、運賃1万4090円を踏み倒そうとした疑いがある。 同日午後10時過ぎ、駅の改札で「姫路駅の入場券を落とした」と言って150円を渡そうとしたが、不審に思った駅員が警察に連絡。駆けつけた署員に男は無賃乗車を認めたという。 男は宮城県からバスで小田原市に入り小田原城を見た後、姫路城を見ようと新幹線に乗ったという。調べに対し「お城が好きです」と供述しているという。所持金は数百円だった。(小野大輔) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あなたの手、社会を知る「窓」だった 不明の友人待ち続けた12年
目はほとんど見えず、耳も聞こえない。岩手県大槌町で暮らす盲ろう者の八幡美知子さん(71)は、通訳をしてくれる介助員の手を通じて、周囲の出来事を知る。だが、そんな「社会の窓」を12年前に失ってから、この町がどう姿を変えたのか、想像できないでいる。 八幡さんは、3歳の時に風邪をこじらせて聴力を失い、60歳になる前には網膜色素変性症でほとんど目が見えなくなった。そのため、相手の手話を両手で触りながら読み取る「触手話」と、手に書かれた字を判読する「手のひら書き」でコミュニケーションを取る。 そんな八幡さんが外出する時、いつも付き添ってくれたのが、同じ町に住み、世代の近い岡田幸子さんだった。手話サークルの設立準備を通じて1997年ごろに知り合い「時々家に来て、仲良く話をする」間柄になった。 2011年1月に同県花巻市… この記事は有料記事です。残り906文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新幹線で見た妻の使命感 「今度は自分」会社員はAEDを手に走った
社内の大事な会議を終え、一息ついたところだった。 不動産事業を展開する「And Doホールディングス」京都本店(京都市中京区)。午前10時すぎ、常務の冨永正英さん(42)は、5階フロアに不動産事業部マネジャーの大藤良祐さん(39)といた。 「ドンッ」。 聞いたことのない大きな音は、会社の外からだった。窓からのぞくと、中央分離帯にタクシーが乗り上げていた。その国道は、交通量が多く、車間距離がとれないため、スピードは出せないはず。ほかに衝突したような車もない。 「運転手が意識を失ったんじゃないか……」。後部座席にいたタクシーの客は車外に出て、電話をしながらうろたえている。 冨永さんは大藤さんに叫んだ。「AEDや!」。2人は近くのクリニックや銀行へ散り散りに走っていった。 誰かを助けられる人でいたい――。冨永さんには、そう思うきっかけがあった。 15年ほど前、家族旅行で新… この記事は有料記事です。残り686文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サンシャイン水族館の「キモかわ」生物は海の掃除屋 人気でグッズも
ダンゴムシにそっくりな見た目で、深海にすむ生きものがいる。その名はオオグソクムシ。最近は「キモかわいい」のブームにも乗って子どもたちに人気だ。 サンシャイン水族館(東京都豊島区)で2月上旬、その姿を触ることができるイベントがあった。 水温13度。深海の温度を再現した水槽にオオグソクムシは入っていた。母親と訪れた東京都文京区の阿部桐馬君(4)が、飼育員の三田優治さん(25)の説明を聞きながら人さし指で甲羅の部分をなでる。「ダンゴムシより硬かった。(オオグソクムシは)かわいいから好き」 オオグソクムシは甲殻類の一… この記事は有料記事です。残り879文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住宅火災、高齢男女2人の死亡確認 住人と連絡取れず 愛知県稲沢市
2023年3月4日 8時21分 4日午前3時ごろ、愛知県稲沢市六角堂東町5丁目の無職水野博司さん(88)方付近で焦げくさい臭いがする、と近所の男性から110番通報があった。県警稲沢署によると、木造平屋建て住宅の一部が焼け、屋内から高齢の男女が意識のない状態で見つかった。2人は搬送先の病院で死亡が確認された。 水野さんと連絡が取れておらず、同署が2人の身元や出火原因を調べている。 現場はJR東海道線清洲駅北側約700メートルの住宅密集地。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自然やアートと飲食街が一体化 東京・立川のお散歩スポットを訪ねた
本欄「ぶらりふらり」で別の記者が、立川市内を4回にわたって紹介したのは3年半前の2019年。そのとき、「開発中」と書いたJR立川駅北口の新街区「グリーンスプリングス」はその後完成し、今は歩ける。現地とその周辺を訪ねた。 開業は3年前、緊急事態宣言が出た3日後 駅から多摩モノレール高架下の遊歩道を10分弱。飲食店や美術館、多目的ホールなど集客施設が多いこの街区の開業は20年4月だった。開業日は、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出た「わずか3日後。外出自粛など人々が苦しんでいる時に華々しく『オープン』とは言えず、『開放』と表現した」と、管理・運営を担う立飛ストラテジーラボの広報担当、市毛優作さん(32)は振り返る。 南北約400メートル、東西約100メートルと縦に長いこの敷地には戦前、軍用機を製造する立川飛行機の格納庫があったという。それが終戦後の接収で米軍立川基地となり、1977年に国に返還された。その後、草地状態だったところを2015年に、ストラテジーラボの親会社で、立川飛行機の後継の立飛ホールディングスが取得した。 2月初め、グリーンスプリングスのガイドツアーに同行した。9棟の建物が取り囲む中央の広場は、1階駐車場の上に設けた人工地盤にある。多種多様な草花にサクラやモミジなどの木々、メダカやフナが泳ぐビオトープ(池)と緑が豊かだ。周囲より約6メートル高台にあるせいか空も近くて広く感じる。 レストランやカフェが入る建… この記事は有料記事です。残り1444文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「空飛ぶクルマ」の離着陸場 USJや大阪城、海遊館近くが候補地に
2025年大阪・関西万博で日本初の商用運航を目指す「空飛ぶクルマ」について、大阪府と大阪市は3日、同市此花区の夢洲(ゆめしま)に位置する万博会場との間を行き来する会場外の離着陸場の候補地を発表した。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など、いずれも大阪の代表的な観光地の近くで、今年中に周辺住民への説明や運営事業者の公募を始める方針。 候補地は、同市のUSJ南側… この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原発回帰、無回答ににじむ葛藤 被災地首長「住民を悩ませたくない」
政府は昨年12月、原発の新規建設や運転期間の延長を認める基本方針案をとりまとめた。こうした「原発回帰」の方針が示された後、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計45市町村長に朝日新聞が賛否を尋ねたところ、「どちらかといえば」を含め19人が反対、14人が賛成と回答した。福島県の首長は反対と無回答が大半を占めた。東京電力福島第一原発の事故から12年。この間、苦渋の選択や決断を迫られた福島の被災者の苦しみが反映された結果であることが、取材からはみえてくる。 アンケートは昨年12月末、3県の沿岸部の37市町村、沿岸部以外では原発事故で避難指示が出た福島県内の5市町村、東北電力女川原発から30キロ圏内に位置する宮城県内の3市町の首長を対象にウェブで質問。原発回帰への賛否などを選択式で回答する設問のほか、政府が原発の新規建設として掲げた「建て替え」や運転期間延長への考えを自由記述で求め、2月中旬までに全首長から回答を得た。 原発回帰をめぐる岸田政権の国民への説明が十分かとの問いには、31人が「どちらかといえば思わない」「思わない」と回答。原発回帰には賛成しながら、説明が不十分との考えを示した首長も9人いた。(根津弥) 福島第一の立地自治体、すべてに賛否避ける 福島県では、対象の15首長… この記事は有料記事です。残り2551文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
共感や善意に追い立てられていないか 戦時下の動員と重なる今の空気
田中聡子2023年3月4日 6時00分 ウクライナ侵攻からの1年は、世界各地でウクライナへの連帯が起こり、ロシアへの非難の声が上がる1年でもあった。日本の戦時下の動員に詳しい民俗学者の重信幸彦さんは、「今まさに同じことが起きている」と感じるという。 重信さんは著書「みんなで戦争 銃後美談と動員のフォークロア」で、日中戦争期に盛んに出された銃後の美談から、人々がどのように戦争に動員されていったかを読み解いた。 その中で、銃後美談はプロパガンダや戦意発揚が目的とされた「作られた話」であるだけでなく、「追い詰められた人たちが、自発的に戦争に参加していく姿」の記録でもあることを指摘した。 働き手を戦争に取られても軍事扶助を受けずに耐える人、困っている人に手をさしのべる近所の人――。戦争によって追い詰められた個人が努力や相互扶助で克服していくという美談から、重信さんは「共感や同情、善意が、人々を戦争に前のめりにしていった」ことが分かるという。 重信さんは、ウクライナを応援し、ロシアを非難する感情が自分の中にも芽生えていることに気付いたという。「いつの間にか、先の戦争で『兵隊さんがんばって』と言った子どものように、私たちはなってしまっていないでしょうか」(田中聡子) ◇ しげのぶ・ゆきひこ 1959年生まれ。北九州市平和のまちミュージアム館長。著書に「みんなで戦争」「<お話>と家庭の近代」。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル