2023年3月3日 17時59分 保護者から集めた給食費などを着服したとして、大阪府警は3日、堺市立小学校の元事務職員、長谷川将司容疑者(35)=堺市西区鳳北町8丁、業務上横領罪で起訴=を同容疑で追送検し、捜査を終えたと発表した。容疑を認めているという。西堺署によると、市が無償化していた給食費も文書を偽造して徴収していたといい、計約670万円の被害を裏付けたという。 長谷川容疑者は西区の小学校で、保護者から徴収する教材費などの管理を担当。署によると、長谷川容疑者は2022年3月22日~9月6日に計13回、校長が管理する預金口座の現金を引き出し、自身が管理する口座に移した疑いがある。 市教委によると、長谷川容疑者は昨年10月、着服を校長に申し出て、同12月に懲戒免職となった。容疑者からの返金はなく、市がいったん補塡(ほてん)するという。容疑者から支払われない場合、市の負担になるとみられる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウクライナの彫刻家、公募作に込めた思い モチーフはメキシコの画家
福岡県行橋市の国際公募彫刻展「ゆくはしビエンナーレ2023」の大賞に選ばれたウクライナの彫刻家フォロディミール・コチュマルさん(52)。1年前に応募した直後、ロシアが母国へ軍事侵攻を始めた。さまざまな困難を乗り越えながら取り組んだ作品のモチーフはメキシコの女性画家。創作に込めた思いは――。 「ビエンナーレに応募します」。コチュマルさんから彫刻展事務局にメールが届いたのは昨年2月23日。その翌日、ロシアが軍事侵攻を始めた。 コチュマルさんが住んでいたウクライナ北東部のハルキウ(ハリコフ)は、報道によると侵攻早々に激しい砲撃を受け、市街戦も発生した。 コチュマルさんは授賞・除幕式を前に行橋入り。1日に記者会見を開き、自宅が損傷し、地域の建物の多くが破壊され、知人が傷ついた様子を話した。 「戦争のせいで未来が失われた。明日がどうなるか不安だった」「戦争になると、人間はしたいことが出来ない。行きたい所へも行けない」。かみしめるように、そう語った。 戦況悪化に追われるように… この記事は有料記事です。残り531文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「善意が動員されている」 美談の研究者が見る戦時下の日本と今
有料記事 聞き手・田中聡子2023年3月3日 18時00分 耕論 戦時の動員どう考える 戦時下の日本では総動員体制が敷かれ、さまざまな形で人々が戦争に動員されました。銃後の美談を研究する民俗学者の重信幸彦さんは、「追い詰められた人たちが、自発的に戦争に参加していく姿」が美談から読み取れると言います。その姿は今の時代を生きる私たちとどのようにつながるのか、話を聞きました。 しげのぶ・ゆきひこ 1959年生まれ。北九州市平和のまちミュージアム館長。著書に「みんなで戦争」「<お話>と家庭の近代」。 美談は「プロパガンダ」だけじゃない ――戦時下の銃後美談というと、プロパガンダのために作られたうさんくさいイメージしかありません。 「今の私たちは、『プロパガンダにすぎない』『作られたものだ』など、軽く見る傾向があります。私ももともとは、そう思っていました。確かに天皇を中心とした当時の世界観の中で『赤誠』とか『軍国の母』とか戦意発揚のための色々な意味づけがされているのですが、それをきれいに消していくと、わたしたちの等身大の振る舞いと選択の記録として読むことができます」 ――何が浮かび上がりましたか。 「人と関わって生きる中で、当たり前に生まれる共感や同情、善意が、人々を戦争に前のめりにしていったことです。例えば、妻に先立たれた男性が、子どもを残して戦争に行く状況で、近所の人が『なんとかしてあげなきゃ』と動いたり、シンパシーを抱いたり。そのさしのべた手が、人々を戦争に参加させていく。そんなことが見えてきました」 「美談には『おまえたち、ちゃんと戦地に行かなきゃだめだろう』と大声で叫ぶような人は全く出てきません。全員がいい人なんです。それがショックでしたし、動員の怖さです」 「空気」が生んだ自発性 ――同調圧力と言われるものですね。 「私は『空気』と表現してい… この記事は有料記事です。残り2255文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Dave Nilsson pushing Team Australia hard ahead of World Baseball Classic
There have not been many signs of spring at Fuchu City Stadium recently. Even with the sun shining and blue skies overhead, the mornings are cool. The tallest trees that line the stadium beyond the outfield wall are still mostly barren, with their leaves and blossoms weeks away. The lone […]
災害公営住宅や集団移転の住民とともに 転居してコミュニティー支援
現場へ! 飛びこんで12年⑤ 「住宅会役員について『皆さんが続けてください』という意見がありました」 宮城県塩釜市のJR西塩釜駅前にある災害公営住宅、市営錦町東住宅(6階建て、70戸)の住宅会役員会が2月19日に開かれた。入居者から次の役員候補を募ったが、応募はなかった。2019年度の住宅会設立から会長を務める松田美和子(79)の再任がほぼ決まった。 飲食店を経営する松田にとって、市や住宅管理法人との連絡など会長業務は負担だ。松田は「入居者は高齢者が多く、役員のなり手が少ない」と話す。 役員会では、役員報酬の見直… この記事は有料記事です。残り1057文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
意外な「しゃぶしゃぶ」誕生秘話 命名のヒントは…厨房のあの音
鍋を囲んでしゃぶ、しゃぶ、しゃぶ。今や定番の肉鍋料理の名は、戦後の日本人を元気づけたいと願った大阪の店で生まれたという。 肉をたくさん食べてもらえるメニューを ぐつぐつと煮えたぎった熱湯に、薄切りの肉をくぐらせる。今や日本を代表する鍋料理「しゃぶしゃぶ」が、大阪発祥とは知らなかった。 しかも、冬の料理のイメージが強いが、元々は夏向けのメニューだとか。耳にも楽しい親しみやすいネーミングは、ある偶然から生まれたものだという。 戦後の1952年。今も大阪・北新地にある肉料理の店「永楽町スエヒロ本店」の先々代店主、三宅忠一(ちゅういち)さんが命名したという。きっかけは、元気がなくて体格も小さい日本人を励ましたいとの思いだった。 「年中、肉をたくさん食べてもらえるメニューを」と研究を始めた。当時看板メニューだったステーキは「脂っこくて、たくさんは食べられない」。目を付けたのが、中国料理の「シュワンヤンロウ」だった。 薄切りの羊肉を、煙突が高く飛び出た独特の形の鍋で調理する。これをヒントに出汁(だし)に肉を泳がす調理法を採り入れた。適度に脂が落ち、夏でもさっぱりと牛肉を食べられる。 肉をたくさん食べられるよう、タレにも工夫を凝らした。門外不出の「胡麻(ごま)酢」だ。甘めで粘り気のある一般的なごまダレとは別物で、サラッとしていて、後味軽く、箸が止まらない。2種類のごまをブレンドし、煎った後に10時間すりつぶす。そこへしょうゆや米酢、かんきつ系の酢などを加えて作ったものだ。 ブリ、ハモ、タイ、カニ…。日本人が「しゃぶしゃぶ」するのは、もはや肉だけではありません。記事後半では、今や無限の広がりを見せる「しゃぶしゃぶ」文化について、4代目に語って頂きました。 研究に2年 料理名にもこだわりたかった 「味に自信はある」。研究に2年を費やしたメニューだ。それだけに料理名にもこだわりたかった。 頭を悩ませていたある日、ふ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元「慰安婦」女性の足跡を描いた映画、大阪で上映 監督の思いは
有料記事 聞き手・大滝哲彰2023年3月3日 15時00分 戦時中に「日本軍の慰安婦だった」と名乗り出た一人の韓国人女性の軌跡を描いたドキュメンタリー映画「金福童(キムボクトン)」が5日、大阪市内で上映される。4年前に92歳で亡くなった金福童さん。映画の監督で、韓国の調査報道サイト「ニュース打破(タパ)」プロデューサーの宋元根(ソンウォングン)さん(45)に制作への思いを聞いた。 ――映画は、「慰安婦だった」と1992年に名乗り出た後、世界各地で体験を語り、市民葬で多数の市民に見送られた金さんの姿を描いています。どのような経緯で作ったのですか。 「金福童ハルモニ(おばあさん)の短い追悼ドキュメンタリーを作ってほしい」と、元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(正義連)から依頼を受け、ハルモニが亡くなる3カ月前に撮影を始めました。 取材を進めていく過程で私の姿勢は変わりました。短いドキュメンタリーではなく、映画としてハルモニの生き様を残さなければいけないと思ったのです。 慰安婦の問題についてニュースなどで扱ったことはありましたが、特別な関心や責任感は持っていませんでした。日本政府が元慰安婦を支援するための10億円を拠出し、「最終的かつ不可逆的解決」とする文書が交わされた日韓合意が2015年に発表された際も、「やっと解決したんだな」と思ったくらいです。 映画制作の過程で、韓国メディアなどから提供を受けた過去の音声や映像の膨大な資料に目を通しました。そして、今を生きている世代として、この問題をわかっていなかったことを恥じるようになりました。 ――金さんは日韓合意をとり… この記事は有料記事です。残り1142文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山梨県立美術館、全収蔵品の点検を20年怠る 絵画など2点所在不明
山梨県立美術館(甲府市)の収蔵庫から昨夏、時価60万円相当の工芸品が盗まれた問題を受けて、収蔵品の全数点検をしていた同美術館は2日、絵画と銅版画の計2点、総額約170万円相当(購入当時の価格)が新たに所在不明となっていることを明らかにした。同館副館長らは全収蔵品の調査点検を20年以上実施していなかったことが原因と説明したうえで、「毎年点検すべきなのに怠っていた」と陳謝した。 所在不明なのは画家山下新太郎がミレー作品を模写した絵画「母親の心づかい」(160万円)と、フランスの画家ジャン=バティスト=カミーユ・コローの銅版画「イタリアの思い出」(5万~8万円)。 同美術館では昨年8月、消防設備の点検中に、点検会社に勤務していた男が収蔵庫から収蔵品を持ち出し、窃盗の疑いで10月に逮捕されたが、美術館は警察から連絡があるまで収蔵品の盗難に気づかなかった。 これを受けて、県は専門家による第三者委員会を立ち上げて再発防止策を講じる一方、ほかに盗まれたものはないか、全所蔵品1万1569点について、現物を確認する作業を2月まで続けてきた。その結果、データベースにある2作品が見当たらないことがわかったという。 県が物品保管について定めた… この記事は有料記事です。残り352文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジョーシンと取引装い、5億円を詐取容疑で2人逮捕 大阪地検特捜部
浪間新太2023年3月3日 11時30分 融資を受けるため、上場企業と取引があるように装った書類を銀行に出し、計5億4千万円を詐取したとして、大阪地検特捜部は2日、家電販売会社「イースター」(横浜市)の元社長松島康倉(やすくら)容疑者(47)=大阪市港区=と税理士法人元事務員岡山和洋容疑者(53)=大阪府八尾市=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。特捜部は認否を明らかにしていない。 特捜部や関係者によると、両容疑者は、家電量販店「ジョーシン」を展開する上新電機(大阪市)など上場企業との取引を装った決算報告書などを神奈川県に本店を置く銀行に提出し、2019年11~12月に5回の融資を受け、計5億4千万円をだまし取った疑いがある。家電製品を仕入れ、上場企業に販売した後、一括返済すると虚偽の説明をしていたという。 特捜部は、イースターと関係のあった会社の破産を端緒に、複数の関係先を家宅捜索するなどしていた。(浪間新太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災の町にチャンスを求めて 移住した糸職人、より合わせる希望
ずるずるずる。ここでは麺をすする音が、聞こえない。 福島県双葉町の工業団地に、ひときわ目を引く巨大な工場が現れた。中は機械の轟音(ごうおん)で、会話もままならない。職人の竹森剛さん(50)と渋谷菊夫さん(55)が、カップラーメンだけの昼食をとっていた。2人は糸を作り続けて25年を超えるベテランだ。 工場を建てたのは、岐阜が本社の撚糸(ねんし)メーカー「浅野撚糸」。2人は製造拠点の移転にともない、昨年12月に移住してきた。工場の立ち上げ作業に追われている。 「撚糸」とは、糸をよったもの。糸と糸をより合わせれば、様々な特徴を備えた糸ができる。例えばゴムと綿をより合わせると、伸び縮みする線維になり伸縮性のあるジーンズが作れる。 機械に振り回されるのが仕事だ。製造途中に糸が切れることもあり、機械から目を離せない。さらにいったん機械を動かし始めれば、糸をより終えるまでに2日はかかる。4月の本格稼働に向けて試運転が続く。 「案外、移住前に想像していたより普通の暮らしができている。だけど、外食できる店が少ないから、自然とカップラーメンが多くなる」と2人は話す。 なぜ岐阜の企業が福島にやって来るのか? 「無理とは言わない。諦めない。」 繊維業界全体が高齢化してい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル