2023年3月2日 22時12分 大阪市生野区の病院近くで、歩道を走る車に巻き込まれた女性2人が死亡した事件で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で現行犯逮捕された無職の大山昌樹容疑者(71)=同市平野区=が「くしゃみをした瞬間、気が遠くなった」と説明していることが、府警への取材でわかった。府警は、車が停車した現場手前の道路にブレーキの跡がないことから、容疑者が意識を失った状態で減速せず、運転した可能性があるとみて調べている。 生野署は2日、死亡したのはいずれも大阪市東住吉区西今川4丁目の無職、黒田シマ子さん(86)と口池邦子さん(75)と発表した。2人は近所の知人同士で、当時、一緒に病院を訪れていたとされる。 同署によると、大山容疑者は容疑を認め、「くしゃみをした瞬間、一瞬気が遠くなり、その後はどのように事故になったのかわからない」と説明したという。署は容疑者の健康状態なども調べている。 事故は1日午後2時50分ごろに発生。大山容疑者の運転する車は病院そばの交差点を通過後、対向車線に進入し、さらに歩道に乗り上げたとされる。車は病院の階段や生け垣に衝突して停車した。車体は傷つき、一部のパーツがはずれていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「望みない」漁業者絶望、営農者は歓迎 諫早湾、最高裁も「非開門」
国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐる司法判断のねじれは、開門を命じた確定判決の効力を無くす昨年の福岡高裁判決を最高裁が認める形で決着した。総事業費が約2500億円かかり、「無駄な公共事業の典型」という批判も根強い事業で湾が閉め切られて約26年。法廷闘争は大きな区切りを迎えたが、国や司法への不信は募り、漁業者らが求める有明海再生の道筋も見えていない。 「憲政史上初めて確定判決に従わなかった国を免罪し、司法本来の役割を放棄したものと言わざるをえない」。開門を求めてきた漁業者側の弁護団は2日夕、声明を発表し、最高裁決定を激しく非難した。決定を受けて定例のオンライン会議の議題を急きょ変更するなど対応に追われた。 弁護団は、確定判決に従わないのは「憲法違反」と繰り返し訴えてきた。 福岡高裁は和解協議を双方に提案していたが、国は開門の余地を残した協議を拒んだ。開門命令を無力化した判決でも、高裁は当事者双方に「問題の全体的・統一的解決のための尽力が強く期待される」と付言した。弁護団声明は「開門は不可欠」としながら、今回の決定への厳しい批判だけで終わらず、「わたしたちは有明海沿岸の人々それぞれの利害関係にも配慮しながら、真摯(しんし)に話し合いに臨む所存である」と、改めて国に話し合いの席につくよう求めた。 国に開門調査を求めてきた佐賀県の山口祥義知事も2日夕、報道陣に「確定判決に従わず、和解協議も応じないやり方で判決を勝ち取ることがかなうとすれば、法治国家って何なんだとすら考えざるを得ない」と憤りをあらわに。「ぜひ有明海再生に向かって一つになれる体制をつくってほしい」と国に求めた。 漁業者の絶望感は強い。 有明海のノリ養殖は赤潮の被… この記事は有料記事です。残り970文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本の船主確保へ優遇税制拡充 ウクライナ侵攻で見えたリスク
有料記事 角詠之 松本真弥2023年3月2日 20時18分 外国と日本を結ぶ貨物船を安定的に確保するため、国土交通省は船を購入する船主への税制優遇制度を拡充する。新設する認定制度を満たした船主の税負担を軽くし、新船の取得を促すねらい。エネルギーなど重要物資の供給を海外に頼る日本にとって、経済安全保障上の課題となっている海上のサプライチェーン(供給網)の強化をめざす。 外国船主の船は有事の際などに、外交問題やその国の政情などで日本に来られなくなるおそれがある。日本船主が保有する船を増やし、そうしたリスクを減らすという。海上運送法改正案を3日にも閣議決定し、今国会に提出する。 新制度では、船の購入直後の… この記事は有料記事です。残り882文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
発熱で入院の常陸宮さま、尿管結石で手術
多田晃子2023年3月2日 20時30分 宮内庁は2日、常陸宮さま(87)が尿管結石と診断され、東京・広尾の日本赤十字社医療センターで、手術を受けたと発表した。常陸宮さまは38度前後の発熱の症状があり、1日から同センターに入院していた。 同庁によると、術後の経過は順調という。 常陸宮さまは数日前から37度台の発熱があり、2月28日に同センターを受診。CT検査で尿管結石が確認されたが、熱が下がったため、同日は宮邸に戻っていたという。 常陸宮さまは左側の尿管に尿管結石が一つ確認され、尿管ステント留置術を受けた。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三重・志摩のリゾマンで「爆裂」 管理組合が修繕費求め2社提訴
松原央2023年3月2日 20時30分 三重県志摩市のリゾートマンションでコンクリートの剝落(はくらく)が相次いでいるのは手抜き工事が原因だとして、マンションの管理組合が2日、施工主で準大手ゼネコンの三井住友建設(東京都)と、分譲した大和ハウス工業(大阪市)を相手取り、修繕費約2億9千万円を求める訴訟を津地裁に起こした。 管理組合側によると、「爆裂」と呼ばれる鉄筋の膨張によるコンクリートの剝落が起きているのは、「ロイヤルヴァンベール志摩大王崎」(志摩市大王町波切)。鉄骨鉄筋コンクリート造り14階建てで全120戸。三井住友建設の前身の住友建設が施工し、1997年に完成した。主に別荘として使われているほか、約20世帯が定住している。 完成の4、5年後から「かぶり(鉄筋を覆うコンクリート)厚さ不足」による剝落が起き、2010年に三井住友建設が施工不良を認めて無償で修繕。だが20年ごろから再び天井などから剝落が始まり、22年4月、同社が修繕を約束して工事のための調査を開始。ところが、同月中旬、建物完成から20年以上が経ち、民法で賠償請求権が消える「除斥期間」が過ぎたため法的責任がない、などとして調査を中止したという。 管理組合側は、これまで一貫して施工不良の責任を追及してきたことや、会社側が責任を認めて調査に着手したとして、除斥期間は適用されないと主張。今後3回の修繕工事が必要だとして、総費用の約2億9千万円を求めている。 2日に津市内であった記者会見で管理組合の松浦潤也理事長(49)は「大企業による不誠実な対応に憤りを感じている。社会的な責任を果たしてほしい」と訴えた。 三井住友建設の担当者は取材に「これまで管理組合と誠実に協議を続けてきたが、訴訟に至り残念だ。引き続き誠意を持って対応したい」と話した。大和ハウス工業は「訴状が届いていないためコメントを差し控える」としている。(松原央) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「黒い雨」新基準めぐり 却下処分の取り消し求め、初の集団提訴へ
広島の原爆投下後に降った「黒い雨」に遭った人の救済対象を広げた新基準に基づいて広島県、広島市に被爆者健康手帳を申請した人のうち、却下された住民らが、却下処分の取り消しを求めて広島地裁に集団提訴する方針を固めた。関係者によると、早ければ4月下旬にも提訴する。黒い雨の新基準をめぐる集団訴訟は初めてとなる。 昨年4月に適用された新基準は、黒い雨に遭ったと確認できる▽11類型の病気のどれかにかかっているか白内障の手術歴がある、の二つの要件を満たせば被爆者と認めている。 県と市には、これまで約4300件の申請があり、約3400件で認められたが、約110件は却下。うち約40件は黒い雨に遭ったと確認できないという理由だった。関係者によると、黒い雨が降ったとされる区域の外にいたなどと判断された複数の住民が、提訴を検討しているという。(興野優平、戸田和敬、黒田陸離) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あなたは男でしょ」 いじめの中で受けた性暴力、相談で深まった傷
「女性ならともかく、あなたは男でしょ」 関東地方に暮らす40代の男性は、多くのカウンセラーや心療内科の医師などからこう言われ続けた。 男の子が性被害に遭うということが、社会で十分に認識されているとは言えません。社会の無理解も被害者を苦しめています。目を背けずに事実を知ることが対策への第一歩と考え、記事では被害の状況などを詳しく書いています。今回の体験を語ってくれた被害者の男性は、いじめの中でひどい性暴力を受けました。 子どものころに受けた性暴力被害について相談しようと、22歳を過ぎてから、時間を見つけてはクリニックなどに足を運んだ。 「何が苦しいの?」と問われ、「男性からレイプされた」と打ち明けると、「レイプ?」と首をかしげられた。中には「ケツでするのか?」と問い直す医師もいた。 根掘り葉掘り聞かれた末に… 「本当のこと?」 「妊娠の心配がなくてよかった」 悪気はないのだろうが、かけられる言葉に傷ついた。話を聞いてくれる医療者に出会っても、最後は「男性の性被害はわからない」と言われた。 《探し方が悪いのか?》《ほかに良い先生がいるかも》 そう思い、アルバイトで金をためてはクリニックのドアをたたいた。2年で30の医療機関を歩いた。 とどめは、興味をもって話を聞いてくれたカウンセラーだった。 3回通った。根掘り葉掘り聞… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
函館の旧ロシア領事館、ホテルに改修開始 2025年春の開業めざす
阿部浩明2023年3月2日 17時30分 人気漫画「ゴールデンカムイ」にも登場する北海道函館市の旧ロシア領事館が、ホテルやレストランに生まれ変わる。今月から改修工事が始まり、2025年3月のオープンをめざす。 函館山のふもとに立つ旧領事館は、大火による焼失を経て1908(明治41)年に再建。閉館後は青少年宿泊研修施設として活用されてきたが、老朽化が進み非公開となっていた。 改修を手がけるのは、函館市から購入した名古屋市の自動車部品販売会社「ソヴリン」。れんが造りの本館のほかに別棟を増築し、計6室の宿泊室を設ける。レストランやカフェではロシア料理も提供し、日ロ交流の歴史を伝える写真や資料などを展示するという。 また、旧領事館の近くでは、保存修理のため外観が覆われていた国の重要文化財、函館ハリストス正教会がこのほど、1年3カ月ぶりに姿を現した。初代ロシア領事館の付属として建てられた日本初のロシア正教会聖堂で、待ちわびた観光客らが、盛んに写真に収めていた。(阿部浩明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フィギュア織田信成さんに賠償命令 元コーチの訴え認める 大阪地裁
松浦祥子2023年3月2日 13時19分 関西大アイススケート部元監督でフィギュアスケーターの織田信成さん(35)と同部元コーチの浜田美栄さん(63)が、互いを訴え合った訴訟の判決が2日、大阪地裁であった。松本明敏裁判長は、「浜田さんによるモラルハラスメントがあった」とする織田さんの訴えを棄却し、織田さんに対し、浜田さんに220万円を支払うよう命じた。 織田さん側の訴状によると、織田さんは、2017年2月ごろに浜田さんの指導方法を注意した後、無視や陰口などのモラハラを受けるようになったと主張。同年4月に監督に就任したが、精神的苦痛による入院や、震えや頭痛などの変調が起き、19年9月に監督退任を余儀なくされたとし、浜田さんに1100万円の損害賠償を求めた。 一方、浜田さんは「無視や陰口をしたことは一度もない」などと反論。織田さんのブログなどによって名誉を傷つけられたとして、慰謝料など330万円を求めて反訴していた。(松浦祥子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「止められなかった」復旧工事 人住まぬ地、71億円の橋は誰のため
人家が途切れて5キロほど、冬枯れの農地が広がる道を行く。こつぜんと、長大なコンクリートの壁と大きくアーチを描く橋が現れる。 橋を渡った先にも、もう人は住んでいない。道路はそこで行き止まりだ。 いったい誰のための橋なのだろう――。 「あくまで壊れたものを元に戻す、原形復旧」 宮城県石巻市大川地区。12年前の震災で壊れた尾の崎橋の災害復旧工事が、この春、やっと終わる。汽水湖である長面(ながつら)浦の両岸、長面と尾の崎の二つの集落跡を結ぶ県道の橋だ。一帯は震災後、災害危険区域になっている。 新しい橋は高架構造で架け替えられた。手前の長面側に震災前よりはるかに高い8・4メートルの防潮堤がつくられ、それを越えるためだ。橋の全長は旧橋の56メートルから180メートルに延び、さらに300メートルの取り付け道路を通すため、山が大きく削られた。 総工事費71億円。 工事にあたった県東部土木事務所は「防潮堤を越える必要があっただけで、豪華につくりなおしたわけではない。あくまで壊れたものを元に戻す『原形復旧』だ」と説明する。 橋はすでに通行できる。渡る人たちを待った。 東日本大震災から12年。復旧・復興工事はほぼ終わり、新しい風景の中での人々の営みも始まっています。大きな被害があった宮城県石巻市を記者が歩き、復興のあり方について考えました。 長面浦はカキ養殖で知られ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル