成人年齢を引き下げた民法や事件を起こした18歳以上を厳罰化する少年法改正に伴い、今年から18、19歳も裁判員に選ばれる。市民感覚を司法に反映させる制度が若い世代に開かれた一方、候補者を辞退する人は6割を超える。参加しやすい環境を整えるために、どんなサポートが必要なのか。 「専門家じゃないし、知識もない。年上の人が多い中で若い自分が意見を言えるのかな」。千葉地裁で昨年12月20日、裁判員経験者と10代の学生が議論する座談会が開かれ、男子高校生は冒頭、こう投げかけた。 参加したのは、中学生から19歳までの大学生約20人。率直な疑問をぶつける参加者に対し、殺人や強制わいせつ致傷など重大な刑事事件を20代で担当した男女4人が回答した。 経験者たちは「裁判官が分かりやすく教えてくれるので、法律の知識がなくても大丈夫」「刑の重さを決める評議は話しやすい雰囲気」と振り返った。女性(26)は「自分にない視点を得られた。裁判員は年齢も性別もバラバラ。貴重な経験だった」と語った。 参加者からは、証拠採用される被害者の遺体写真などで精神的な負担を懸念する声が上がった。 裁判員を経験した30代女性は「傷口をイラストにして配慮していた。証人の話に感情移入して苦しいときはあった」と明かした。成田市の高校3年小坂優依さん(17)は「体験談が聞けて安心した。選ばれたらぜひ参加したい」と話した。 裁判員候補者になると自宅に… この記事は有料記事です。残り881文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ここに恐竜化石ある」 学芸員は通い慣れた海岸で証明して見せた
和歌山県広川町の白木海岸で、県内初の植物食恐竜の化石を含む多数の脊椎(せきつい)動物の化石が産出する地層が見つかった。県立自然博物館が20日、発表した。発見のきっかけをつくったのは、北九州市立自然史・歴史博物館の学芸員、御前(みさき)明洋さん(43)だ。地層があった白木海岸は、子どものころから通っていた場所だった。 和歌山県有田市出身。小学3年のころ、親類宅の工事現場で出た貝の化石を父にもらい、化石に魅せられた。小6のときに自分で初めて発見した動物化石は、この白木海岸の貝の化石だった。 その後、智弁和歌山中・高時代は、毎週末に自転車を走らせて地元周辺に化石探しに出かけた。東北大学に進学後は古生物学を学び、京都大学大学院の博士論文のテーマも有田川地域の化石に関するものだった。このとき、有田川町で大型の海生爬虫(はちゅう)類、モササウルスの化石を見つけたこともある。 専門はアンモナイトの研究。だが、子どものころから好きな恐竜が地元でどんな暮らしをしていたのかを明らかにできないかと、思い続けていた。 全国各地の地層をめぐって探… この記事は有料記事です。残り927文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手元のスマホに突然裸の写真 絶えない「エアドロップ痴漢」
盗撮した画像をスマートフォンの通信機能「エアドロップ」を使って盗撮相手の女性に送りつけたとして、警視庁が1月17日、男(24)を東京都迷惑防止条例違反(盗撮、ひわいな言動)容疑で書類送検した。 こうした「エアドロップ痴漢」と呼ばれる行為は各地で起きている。 エアドロップ機能で、見知らぬ相手から突然送りつけられるひわいな画像――。実際に被害にあった女性に話を聞きました。 「これ、やばくない?」 数年前、関東で暮らす20代の女性が友人と電車に乗っていると、iPhoneの画面に突然、裸の男性の写真が現れた。 「受け入れる」「辞退」の選… この記事は有料記事です。残り777文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
しょうゆうどん500円で食べ放題 赤字覚悟の店主が伝えたいこと
しょうゆうどん、500円で食べ放題――。香川大学近くのセルフうどん店「吾里丸(ごりまる)うどん2」(高松市)で昨年末から、学生垂涎(すいぜん)のワンコイン企画が始まっている。 「しょうゆうどん、食べ放題で。最初は3玉」。水曜の昼下がり、店に入ってきた男子大学生のグループが、レジで店員に告げた。 学生6人は、うどん玉に無料トッピングの天かすとネギを乗せる。そして、机上のしょうゆ瓶を手に取り、3周ほど回しかけ、夢中ですすり始めた。 あっという間に丼を空にすると、おかわりに向かう。麺がゆで上がるまでの時間は、胃に隙間を作るかのように体を揺らしたり、その場で跳んでみたりして待つ。6人はうどんを受け取って席に戻ると、競うようにかき込んでいった。 30分ほどで6玉を完食した香川大教育学部4年の瀬川澪さん(21)は、「目標の5玉を超えられた。晩ご飯はいらないです」と満足げだ。 しょうゆうどんは、うどん玉にだし汁ではなく、だししょうゆをかけて食べる。「うどん県」では定番メニューの一つだが、食べ放題は珍しい。 この店では、しょうゆうどん(小)は通常価格で(1玉=250グラム)240円。食べ放題は週1回、水曜午後1時から午後3時まで実施している。これまでの最高は香川大院生が記録した10・5玉で、平均6、7玉は平らげるという。 物価高騰が叫ばれ、世間は値上げラッシュの最中。うどんも原材料の小麦の値段が上がり続けている。そんな折に赤字覚悟のサービスを始めたのは、なぜか。 吾里丸うどん2は「2」と名… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
この冬一番の寒気、24日から大雪に警戒 強風で交通障害の可能性も
宮野拓也2023年1月23日 11時13分 この冬一番の強い寒気が流れ込む影響で、24日から26日にかけて全国的に荒れた天気が予想されている。気象庁は、北日本から西日本の日本海側で大雪となり、太平洋側の平地でも大雪になる所があるとして、交通障害や暴風雪、高波に警戒を呼びかけている。 24日は低気圧が発達しながら千島列島近海と日本の東に進み、日本付近は強い冬型の気圧配置となる。24日午前6時からの24時間に予想される降雪量は、北陸で70から100センチ▽東北で60から80センチ▽関東甲信、近畿、中国で50から70センチ▽東海で40から60センチ▽九州北部で30から50センチ▽四国で20から40センチ▽九州南部で10から20センチとなっている。その後の24時間でも同程度の雪が見込まれる地域もある。 全国的に非常に強い風が吹くことも予想され、猛吹雪や吹きだまりによる交通障害が起きる可能性がある。24日に予想される最大瞬間風速は北陸、近畿、中国、四国、九州南部・奄美、沖縄で35メートルとなっている。(宮野拓也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「どこにいるの」知床の海に呼びかけ 10年前の縁、月命日に白い菊
どうか、ひとりでも早く帰ってきて――。北海道・知床半島沖で起きた観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故から23日で9カ月。乗客への思いを胸に、いまも月命日の献花を続ける人がいる。カズワンが出港した斜里町のウトロ漁港近くで「民宿いしやま」を営む伊藤憲子さん(76)だ。 なぜ、事故の月命日に献花を続けてきたのか。その思いの背景には、かつて自身の民宿に泊まったある大学生の存在がありました。 事故があった昨年4月23日は、釧路市内の病院に入院する義母との面会日だった。夫の車でウトロから約3時間かかる釧路市へ向かう道中、ウトロにいた娘からの一報で、事故の発生を知った。 「こんなに波がある日になぜ」。胸騒ぎを感じた。義母との面会を10分で切り上げると、急いでウトロへと戻った。 その夜は大騒ぎだった。民宿にはひっきりなしに事故の問い合わせが殺到した。 「キクの花は、思いが届く」 翌日には、現地入りする陸上… この記事は有料記事です。残り1376文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「どこにいるの」知床の海に呼びかけ 10年前の縁、月命日に白い菊
どうか、ひとりでも早く帰ってきて――。北海道・知床半島沖で起きた観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故から23日で9カ月。乗客への思いを胸に、いまも月命日の献花を続ける人がいる。カズワンが出港した斜里町のウトロ漁港近くで「民宿いしやま」を営む伊藤憲子さん(76)だ。 なぜ、事故の月命日に献花を続けてきたのか。その思いの背景には、かつて自身の民宿に泊まったある大学生の存在がありました。 事故があった昨年4月23日は、釧路市内の病院に入院する義母との面会日だった。夫の車でウトロから約3時間かかる釧路市へ向かう道中、ウトロにいた娘からの一報で、事故の発生を知った。 「こんなに波がある日になぜ」。胸騒ぎを感じた。義母との面会を10分で切り上げると、急いでウトロへと戻った。 その夜は大騒ぎだった。民宿にはひっきりなしに事故の問い合わせが殺到した。 「キクの花は、思いが届く」 翌日には、現地入りする陸上… この記事は有料記事です。残り1376文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「当事者じゃないのでわからない」 マジョリティの無自覚が生むもの
ドラァグクイーンがゲスト出演するイベントに、観客で参加しました。多様性をテーマとした表現を学ぶ会で、会場は盛況でした。 【連載】VIVA LA VIDA! 昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。 数日後、イベント参加者のSNSで、衣装も着ずメイクもしていないクイーンのオフの姿がはっきり撮影された投稿を発見しました。場所も書かれ、安易に個人が特定できる内容。その出演者は、プライベートと表現活動の領域を分けており、本人の承諾が無いことも明らかでした。 すぐに削除するよう連絡しました。幸い、掲載されていた時間も短く、拡散には至りませんでした。しかし、投稿した参加者は謝罪はしたものの、「私は当事者ではないので何が悪いか分からない。悪意は無かった」と主張しました。私はヘテロ(異性愛者)女性のクイーンとして困惑しました。 ドラァグクイーンの中には性… この記事は有料記事です。残り751文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 #KANSAI 近畿の魅力を再発見する新企画。社会・経済から文化・スポーツまで、地元愛あふれるコンテンツをお届けします。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「当事者じゃないのでわからない」 マジョリティの無自覚が生むもの
ドラァグクイーンがゲスト出演するイベントに、観客で参加しました。多様性をテーマとした表現を学ぶ会で、会場は盛況でした。 【連載】VIVA LA VIDA! 昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。 数日後、イベント参加者のSNSで、衣装も着ずメイクもしていないクイーンのオフの姿がはっきり撮影された投稿を発見しました。場所も書かれ、安易に個人が特定できる内容。その出演者は、プライベートと表現活動の領域を分けており、本人の承諾が無いことも明らかでした。 すぐに削除するよう連絡しました。幸い、掲載されていた時間も短く、拡散には至りませんでした。しかし、投稿した参加者は謝罪はしたものの、「私は当事者ではないので何が悪いか分からない。悪意は無かった」と主張しました。私はヘテロ(異性愛者)女性のクイーンとして困惑しました。 ドラァグクイーンの中には性… この記事は有料記事です。残り751文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 #KANSAI 近畿の魅力を再発見する新企画。社会・経済から文化・スポーツまで、地元愛あふれるコンテンツをお届けします。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「読みなさい」をやめた学校図書館 ゲームに私語OK、ゆるさの理由
こたつ、ハンモック、お菓子、ゲームソフト。およそ学校にふさわしくないモノであふれている図書館がある。読書や勉強だけではない使い方ができると、生徒たちにも好評だ。 いったいどんな図書館なのか。 放課後を告げるチャイムが鳴ってからほどなく、生徒たちが続々と図書館にやってきた。 マンガを読んだり、おしゃべりしたり、こたつでくつろいだり……。メダカの世話をする生徒もいる。 館内には「古着を譲ります」コーナーや、人気アニメのコスチュームが置かれている「コスプレ撮影コーナー」もある。 入り口には呼び込みの音楽が流れ、さながらスーパーのようだ。 試験期間や勉強ゾーンを除けば私語もOK。教室でも部活でもない、もう一つの居場所として図書館は生徒たちにすっかり定着した。 ここは、埼玉県立飯能高校。校内では「すみっコ図書館」と呼ばれている。 かつて人が誰も来なかった図書館を変えたのは、7年前に赴任した司書の思いでした。何げなく立ち寄った生徒が居場所にできる。そんな空間づくりの秘策とは。 7年前に赴任した司書の湯川… この記事は有料記事です。残り1656文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル