日本のアイドルを応援するファンの存在は、国内だけにとどまらない。海外から日本に移住して「推し活」を続ける人たちに出会った。 タイ出身のふぁんふぁんさん(30)=女性=は、名古屋を拠点に活動するSKE48の佐藤佳穂さん推し。かわいらしくて、すべてが好きという。愛知県に住み、劇場やトーク会に足を運ぶ。 自分の推しの存在をタイの人たちにも知ってもらいたいと、三輪タクシー「トゥクトゥク」に投資。昨年と一昨年5月の誕生日に合わせ、佐藤さんの笑顔の写真や「HAPPY BIRTHDAY」といった文字が入った広告をつけてバンコク市内でトゥクトゥク4台を走らせた。佐藤さんからも「ありがとうございます」と日本語とタイ語でコメントをもらった。 日本で放送されているSKE48の番組について、タイ語でSNSで情報発信する活動も続けている。「タイで佳穂ちゃんを推し上げたい」 「ふぁんふぁん」という愛称はもともと、SKE48に在籍していた宮澤佐江さんに握手会の時につけてもらった。推しと握手会で話すため、AKB48の番組や歌詞を通して日本語を勉強。年に2~3回来日していたが、家族の事情にも合わせて日本に住むようになった。 仕事も推し活から生まれた… この記事は有料記事です。残り1455文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
集中治療室に押しかけた疑い チャイニーズドラゴンの2人逮捕
高嶋将之2023年1月20日 18時04分 病院の集中治療室に押しかけて知人との面会を強要し、看護師の業務を妨害したとして、警視庁は、いずれも準暴力団「チャイニーズドラゴン」メンバーの38歳と42歳の男を建造物侵入と威力業務妨害の疑いで逮捕し、20日発表した。同庁は2人の認否を明らかにしていない。 国際犯罪対策課によると、2人は昨年7月9日午前2時ごろ、東京都内の病院で、集中治療室前の立ち入り制限エリアに侵入。その場にいた看護師4人に、「集中治療室ってのは死にそうなやつがいるところなんだろ」「警察を呼ぶか、面会させるかどっちかにしろよ」などと自分たちの知人に会わせるよう要求したほか、看護師の姿を携帯電話で撮影するなどして業務を妨害した疑いがある。 2人は、病院側の通報を受けて警察官が駆けつけるまで、約30分間にわたって知人との面会を求めていたという。当時集中治療室には10人以上の患者がいたが、いずれも容体に影響はなかった。(高嶋将之) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中国地方は古代から「中枢」だった 磯田道史さん、古代からひもとく
有料記事 構成・神崎卓征2023年1月20日 14時00分 中国地方は古代から、あらゆる面で「キングダム」だ。権力の中枢が東京に移った後も、岡山、広島、山口、鳥取、島根の5県には「王国」と呼ぶべき魅力や文化が詰まっている。国際日本文化研究センター教授の磯田道史さんに、歴史家の目からひもといてもらった。 いそだ・みちふみ 1970年、岡山市生まれ。国際日本文化研究センター教授。専門は日本近世史。著書に「武士の家計簿」「歴史の読み解き方」「無私の日本人」など。テレビの歴史番組も多数。 中国地方の「中国」は古代に生まれた概念です。当時は、中国の歴史書「魏志倭人伝」に登場する伊都国があったとされる九州北部が大きな勢力で、大宰府が置かれ、都は奈良の大和盆地にありました。その真ん中にあたる地域が「中つ国」とされたのです。 中国地方は「中間」ですが、「中枢」でもありました。まだ砂鉄を鉄材にする技術が日本国内になかったころ、中国地方は大陸からの鉄材を運ぶ重要なルートでした。この一帯の豪族は協力しないと、生産が成り立たないので、小さなクニの広域連合が生じました。内部の勢力として、島根の出雲と岡山の吉備という二つの大きな渦巻きの中心がありました。 関西弁が兵庫県より西に来なかったのはなぜ? 記事後半では、中国地方の今の魅力を磯田さんが存分に語っています。 平安時代になると、大陸に先… この記事は有料記事です。残り1613文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広がる吹奏楽の輪「不完全燃焼で終われない」 高校生が手作り演奏会
高校生たちが企画から演奏、運営まですべて手掛ける吹奏楽のコンサートが2月、神奈川県横須賀市で開かれる。 新型コロナウイルスが国内で初めて確認されてから3年。楽団長を務める小森谷拳太郎さん(横須賀総合高3年)は「満足のいく演奏活動ができなかった3年間の思いをこのステージにぶつけたい」と意気込む。 この春、高校を卒業する吹奏楽部員の多くは、新型コロナの蔓延(まんえん)で部活動は禁止され、演奏会やコンクールは次々と中止に追い込まれた。 ステージに立てるようになっても無観客になるなど、満足のいく演奏活動はできなかった。 「このままでは不完全燃焼で終わってしまう。なんとか集大成としての思い出をつくれないか」 小森谷さんは昨年10月、葉山町立南郷中で同じ吹奏楽部員だった松本一星さん(横浜創英高3年)に声をかけ、コンサート実現に向けて動きだした。 「演奏させて」と直談判、世界初演へ 県内の吹奏楽部の仲間に声を… この記事は有料記事です。残り984文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
虐待、パパ活、「福祉ガチャ」… 19歳が逃れ、たどりついた居場所
「どうしたらいいかわかんない。でも、もう無理」 2021年4月。音羽(おとは)さん(19)=仮名=は京都府内のコンビニの前で、泣きながら電話をかけていた。 15年ほど前。幼稚園のころから、両親からの虐待を受けてきた。 着替えや食事をうまくできないと、時には裸のまま玄関の外に出された。自宅での勉強も、教材が終わるまで許してもらえず、泣きながらやった。 マンションのベランダから、下を眺めるくせがついた。 「自分は何もできない子なんだ」 両親からの虐待は、成長しても続いた。 気に入らないことがあると、首をしめられ、水をかけられる。父親から、寝ている時に胸を触られたり、一緒にアダルト動画を見させられたりしたこともあった。 「これは虐待なんだ」 中学の時に気付く 中学生の時、友だちに話した。 「こないだ親からコップ飛んできて、マジで危なかったんだよね」 友だちはぎょっとした。 「虐待じゃない?」 もしかして……。虐待や一時保護について調べ始めた。そして、気づいた。 「これは虐待なんだ」 当時、通っていた病院の医師に初めて泣きながら打ち明けた。大人たちの助言で家を出ることを決めた。 中3の冬。「午後10時半に迎えに来て」と親に伝え、塾が終わった午後10時からわずか30分間で警察に通報し、児童相談所に一時保護された。 以来、父方と母方の祖母の家にそれぞれ数カ月から1年ほど暮らし、高校に通った。 両親が祖母の家に来た時は、トイレに逃げ込んで、イヤホンで好きなアーティストの曲を大音量で聴いた。ノックされても、絶対に出なかった。 「自分の部屋とかトイレとか。鍵がかかる場所じゃないと安心できないんですよ」 SNSにつぶやいた「誰か助けて」 祖母の手術を理由に、祖母宅を突然出なければならないと言われた。児相には「絶対家に帰りたくない」と訴えた。 児相も気持ちをくんでくれようとしたが、親が強硬に反対。担当の心理士に「逃げてもいいから(試しに親と)お泊まりして」と言われた。 仮宿泊は6回したが、すべて… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
改造ハーレー、不正車検で贈収賄容疑 「傷つけるのが怖かった」
2023年1月20日 11時25分 本来は車検を通らない改造バイクに車検証を交付させ、見返りに現金を受け取ったとして、兵庫県警は17日、自動車検査員の男(53)=神戸市=を加重収賄容疑で書類送検した。明石署への取材でわかった。「作業が面倒だった」と供述しているという。 署によると、男は昨年8月、米メーカー・ハーレーダビッドソン社製のバイク3台の検査をしていないのに、虚偽の書類を作成する「ペーパー車検」の手口で車検証の交付を受け、代金計3万9600円を見返りとして受け取った疑いがある。バイクはいずれも改造車で、うち1台は1千万円以上かけてほぼ全ての部品を改造した「フルカスタム」だった。 男が勤務するのは国指定の民間車検場で、道路運送車両法はここの自動車検査員を「みなし公務員」と定めている。このため、民間人だが収賄罪の対象になる。 同署は、男に不正車検を依頼し、現金を渡したとして、客のバイクを預かっていた男と仲介の男をいずれも贈賄容疑で書類送検した。うち一人は「高価なバイクを傷つけるのが怖くて、触ったり運んだりしたくなかった」という趣旨の供述をしているという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR西日本の有料座席サービス「Aシート」 新車両の座り心地は
2023年1月20日 12時00分 JR西日本は、網干(あぼし)・姫路―野洲(やす)間の新快速で設けている有料座席サービス「Aシート」の新車両を公開した。3月18日のダイヤ改定から運行を始める。 Aシートは、比較的距離のある通勤や通学などで確実に着座できるように2019年に始まった。現行2往復を6往復に拡大するため、新車両を投入する。 新車両では防犯カメラや車内案内ディスプレーが充実する。Aシートは関西弁の「ええ(良い)」にかけた。担当者は「座席の座り心地もええですよ」。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「現場を写して」110番 スマホで画像を送信、4月から本格運用
有料記事 有元愛美子 仁村秀一2023年1月20日 12時00分 事件や事故が起きた際、警察が110番の通報者から現場の画像や映像を送ってもらうシステムの試行が昨年10月、全国で始まった。スマートフォンのカメラ機能を活用したもので、警察がいち早く状況を把握し、適切な対応や人員配置につなげるのが狙い。埼玉県警によると、県内の運用は昨年末までに43件。本格運用は4月からで、市民とのやり取りがスムーズにいくよう、検証や課題解決を進める。 最短2分でスマホから 仕組みはこうだ。通信指令センターなどで110番通報を受理する警察官が、通報者の同意を得てスマホなどにショートメッセージサービス(SMS)で専用のURLを送る。通報者が警察官から教えられた4桁の暗証番号を打ち込んでシステムを起動し、現場の画像や映像を撮影・送信する。警察官はこの映像をリアルタイムに確認し、状況把握やその後の対応に生かす。通報者は事前に撮った画像や映像を送ることもできる。 早ければ、2分ほどで送信することが可能。通報者のスマホの操作画面を警察官が同時並行で確認しているため、細かなアドバイスも受けられる。 県警によると、昨年末までの3カ月の間に送信を受けた画像や映像は、当て逃げ事故を起こした車▽窃盗グループが盗品をトラックに積み込む様子▽道に迷ったとみられる人の姿――など。従来の110番通報は口頭のやり取りに限られていたため、警察官が視覚的に現場の様子を把握できる新システムは利点が多いという。 110番通報の受理を担う県警通信指令課の岩森靖次席は、「今後は、大規模災害での迅速な対応や山岳遭難者の救助などにも役立てていきたい」と話す。 不要不急の通報が13万件 埼玉県警が昨年1~11月に… この記事は有料記事です。残り646文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
娘の夢、今もここに 18年前の惨劇の場所 「夢を語る公園」に
福岡空港(福岡市博多区)近くの公園に今月、新しい愛称がついた。「夢を語る公園」。18年前、ここで亡くなった女性の両親が市に要望し、かなった。 福島啓子さん。23歳だった2005年1月18日、この「大井北公園」で見知らぬ男に殺害された。啓子さんの前に福岡県飯塚市と北九州市で女性2人を殺した男は強盗殺人罪などで死刑が確定。19年に執行された。 啓子さんは高校時代に生徒会で副会長を務めるなど、活発な子だった。「素直で性格のいい子だった」と、母の和枝さん(76)=北九州市小倉北区。一人娘につけた「ケイコ」という名前には、両親の「海外でも呼ばれやすいように」との思いが込められていた。 両親の期待通り、高校の時は… この記事は有料記事です。残り950文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
明石市長の考える少子化対策 「国の視点は、まだまだ足りない」
岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を掲げ、東京都や福岡市といった自治体レベルでも「所得制限なしの子育て支援策」を拡充する動きが相次いでいます。全国に先駆けて「所得制限なし」の子育て支援をとり入れ、出生率の改善などにつなげてきた兵庫県明石市の泉房穂市長は「政府に、まずは最低ラインとしての取り組みを見せてほしい」と話します。どんなことを求めているのでしょうか。 明石の事例は「最低限」 ――岸田首相の年頭会見で「異次元の少子化対策」が打ち出され、子育て支援策の拡充が注目されています。どう見ていますか。 「これまで、日本の子育て支援策はまったくといっていいほど足りていませんでした。その意味では、評価できることだと思います。 これまで明石市では、所得制限なしで第2子の保育料無償化、18歳までの医療費ゼロ、おむつの宅配サービスなどの支援策を拡充してきました。これを、『進んでいる』と評価をいただくことも増えましたが、これは『最低ライン』だと思っています。 岸田首相が『異次元』という言葉を使いましたが、そもそも、まずは『最低ライン』にしましょうよ、ということは伝えたいです」 独自の子育て支援策を次々に打ち出し、全国的にも注目されてきた兵庫県明石市の泉房穂市長。かねて子どもへの支援の拡充を訴えてきた泉市長に、「異次元の少子化対策」の評価を聞きました。記事の後半では、少子化対策に欠かせないいくつものポイントについて、語ってもらっています。 ――児童手当の拡充も話題となっていますが、望ましい支援のあり方とは。 「今の児童手当は必要だけれども、決して十分ではないというのが私の考えです。 具体的には、三つの課題があります。『所得制限』『年齢上限』『支給額』です。 まず、子どものための支援として考えるのであれば、所得制限は付けるべきではありません。 また、現行は中学生までですが、これも十分ではない。せめて、18歳までは支給するべきだと考えます。 さらに、現状の額についても、2倍以上に引き上げることが望ましいと考えています。 いま、子育て世帯でしんどさを抱えているのは、特に中間層です。お金を使いたくても、経済的に苦しくて使うことができない。こうした世帯の負担軽減をはかっていくことが、少子化対策でもあり、経済対策にもつながります」 支援を拡充する際、課題になってきたのが「財源」。明石市では、この財源問題をどうクリアにしてきたのか。考え方のポイントも聞いています。 負担増は、政治じゃない ――給付を拡充する際には、必ず「財源」の課題も指摘されます。拡充する場合の財源について、考えを聞かせてください。 「負担増ありきで話を進める… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル