有期雇用が通算5年を超えると無期雇用に転換できる労働契約法のルールについて、特例で10年とされる「研究者」とはどんな仕事の人たちを指すのか。この点が争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は18日、「多様な人材の確保が特に求められる職であることが必要」との判断を示した。 この訴訟は、羽衣国際大学(堺市)で2013年から専任講師を務めていた女性(47)が18年に無期転換を申し出たのに拒否され、19年に雇い止めされたとして、大学側を訴えていた。 一審・大阪地裁判決は、大学教員任期法が10年の特例対象と定める「先端的、学際的」な研究に従事する人たちに女性が該当するとして、訴えを退けた。 一方、高裁判決は、各大学の… この記事は有料記事です。残り246文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
娘との思い出「春よ、来い」聞いて涙した 父が迎えた28回目の命日
17日午後3時半、神戸市灘区の警備員、田村稔さん(77)は東遊園地の「慰霊と復興のモニュメント」で手を合わせた。 1995年1月16日夜。寝室で小学5年生の長女・紗綾香さん(当時10)は枕元に置くお茶を用意していた。「風邪をひいて、のどが渇くと思ったから」「自分で用意したのか。賢いね」。ほめられてにこっとした笑顔が今も忘れられない。 翌17日午前5時46分。家族5人で住んでいた木造2階建ての文化住宅は全壊。1階の2段ベッドの上段で寝ていた紗綾香さんの姿が見えず、呼んでも返事がない。借りてきたノコギリで木材を切り、がれきの外に出したが、落ちてきた天井に胸を圧迫されて亡くなっていた。「顔はきれいで、眠っているようだった」 がれきの中から見つかった貯金箱 3人きょうだいの末っ子。素… この記事は有料記事です。残り858文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市民目線「強制起訴」の意義は 導入され14年、有罪は10件中2件
東京電力福島第一原発事故をめぐり、市民による検察審査会の議決で強制起訴された東電の旧経営陣3人が18日、控訴審で再び無罪となった。検察の不起訴判断を覆して起訴する仕組みだが、裁判では無罪が相次いでいる。導入から約14年を迎える制度の功罪とは――。 強制起訴制度は、司法に市民感覚を反映させようと、裁判員裁判とともに2009年に始まった。検察が不起訴とした事件について、検察審査会の市民11人のうち8人以上が「起訴すべきだ」という議決を2回出せば強制起訴となる。 ただ、これまで強制起訴された10件14人のうち有罪が確定したのは、徳島県石井町の元町長の暴行事件など2件だけ。兵庫県明石市の歩道橋事故、JR宝塚線脱線事故、政治資金規正法違反罪に問われた小沢一郎衆院議員の事件など、社会的な関心が高い大事故や政治案件は無罪や免訴(裁判打ち切り)になった。 「ダブルスタンダード」批判 検察は確実に有罪を見込める事件に絞って起訴する。一方、検審は「公開の法廷で白黒をつける」ことを重視しがちだとして、起訴基準が「ダブルスタンダード」だとの批判がある。 検審に審査を申し立てられた人は、弁明の機会がないまま強制起訴され、いったん強制起訴されると刑事被告人という負担の大きな立場に長期間おかれる問題も指摘される。JR宝塚線事故で強制起訴されたJR西日本の歴代3社長は、最高裁で無罪が確定するまで約7年かかり、今回の東電旧経営陣は強制起訴から既に約7年経っている。 日本弁護士連合会は16年、審査が申し立てられた人に意見陳述の場や弁護人を依頼する権利を保障するなど、「防御権」を高める制度改正を求める意見書を公表したが、見直しは進んでいない。 重要証言も明らかに 一方、今回は公開の裁判が開… この記事は有料記事です。残り348文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
共通テスト・生物の平均点、なぜ過去最低に? とにかく必要なのは…
有料記事 聞き手・山本知佳2023年1月18日 16時03分 14、15日に行われた大学入学共通テストで、生物は平均点が40・55点と過去最低となりました。なぜ低くなったのか。大学の個別試験に向けて、どんな勉強をしていけばいいのか。代々木ゼミナール教材研究センター理科研究室生物科主任の真田香織さんに聞きました。 ――なぜ平均点が過去最低になったのでしょうか。 問題のページ数や設問数、文章量などに、難化を示す要素はありませんでした。ページ数は1ページ増えていますが、図表が増えており、設問数は昨年より3問減っています。文章量も昨年に比べれば若干減っています。空欄に当てはまる組み合わせを選んだり、適切な答えを過不足なく選んだりする問題は正答率が低くなりやすいですが、そういった問題も減っています。問題の難易度が特別高いわけでもありませんでした。 それでも平均点が低くなった… この記事は有料記事です。残り973文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海保の巡視船「えちご」、新潟沖の浅瀬で座礁 浸水するもけが人なし
友永翔大 宮坂知樹2023年1月18日 12時19分 【動画】新潟県柏崎市沖で座礁した巡視船「えちご」=依知川和大撮影 18日午前6時35分ごろ、新潟海上保安部の巡視船「えちご」から「浅瀬に乗り上げた」と同部に通報があった。えちごは新潟県柏崎市の椎谷鼻灯台から北西約1・1キロ沖合の浅瀬で座礁し、自力で航行できない状態という。43人の乗組員全員が船内におり、いずれもけがはないという。 新潟海上保安部によると、えちごは当時パトロール中で、灯台が消えているのに気づいて確認のため近づいたところ、浅瀬に乗り上げた。浸水して船底に水がたまっており、油が漏れて周辺に幅約1メートルの帯状に広がっている。現状では沈没の恐れはないという。 海上保安庁はヘリコプター2機と巡視船など3隻を現場に派遣。機動救難士4人が海中から船体の損傷状況を調べるなど情報収集に当たっている。 えちごはヘリコプター搭載型の巡視船で総トン数3100トン。(友永翔大 宮坂知樹) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タコの赤ちゃん、陸で次々誕生 研究者がたどりついた「秘策」とは
北海道から東北地方の太平洋沿岸に多く生息する食用のタコ「ヤナギダコ」の子どもを陸上で大量に育てる技術を、特産地の北海道根室市水産研究所と東海大学の研究チームが開発した。北海道産のタコといえばミズダコが有名だが、近縁種のヤナギダコは食感が軟らかく、卵も美味。稚ダコを大量に孵化(ふか)させて放流することで、資源量の増加につなげるのが狙いだ。 道内では2021年、ミズダコの漁獲量が1万2964トンに対し、ヤナギダコは4678トン。ヤナギダコはミズダコに似た姿だが、目と目の間にクリーム色の帯状の模様があるといった特徴がある。ミズダコよりも小型なことから、根室地方では「コダコ」とも呼ばれる。卵は「たこまんま」とも呼ばれ、しょうゆ漬けなどにして食べられている。 ヤナギダコのオスは夏から秋にかけて、「交接腕(こうせつわん)」と呼ばれる特殊な腕を使ってメスに精子を託す。オスはその後死んでしまい、メスは翌年の春から夏にかけて産卵する。 自然界では、メスは水深40… この記事は有料記事です。残り944文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元法務大臣が訴える死刑廃止 「国家といえども人の命は奪えない」
有料記事 聞き手・桜井泉2023年1月18日 13時00分 「法務大臣は死刑のはんこを押したときだけニュースになる地味な役職」。法相を事実上更迭された葉梨康弘氏の発言だ。元法相で弁護士の平岡秀夫さんは、人の命を軽く見る発言に怒る。平岡さんは死刑制度は廃止すべきだとの立場だ。なぜ死刑廃止を訴えるのか、話を聞いた。 ――葉梨前法相の発言についてどう考えますか。 「死刑は、言うまでもなく人の命を奪う刑罰です。それを笑い話にしてウケをねらったもので、あまりの軽薄さに驚きました。許されません」 ――死刑執行は法務大臣の命令による、と刑事訴訟法は定めています。2011年、民主党の野田佳彦政権で法相に就任、4カ月ほど務められましたね。 死刑存廃について議論を巻き起こしたい 「法相就任時に、死刑を廃止… この記事は有料記事です。残り1985文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
別居中の実子にわいせつ行為と撮影した罪、父親を起訴 地検川崎支部
大宮慎次朗2023年1月18日 10時15分 13歳未満の実子にわいせつな行為をしたなどとして、横浜地検川崎支部が昨年11月、神奈川県内の40代の被告の男を強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で起訴していたことが関係者への取材でわかった。今月12日に横浜地裁川崎支部で初公判があり、男は起訴内容をおおむね認めた。 起訴状によると、男は2021年7月、自宅で実子に対しわいせつな行為をし、その行為を携帯電話のカメラで撮影して画像を保存したとされる。22年10月にも、自宅でわいせつ行為と撮影をしたとされる。 検察側の冒頭陳述によると、男は実子とその母親と別居していた。検察側は、男が実子を待ち伏せして母親に内緒で2人きりで会うなどし、21年5月以降、男の自宅でわいせつ行為と撮影を繰り返したと主張している。22年10月、実子から被害を打ち明けられた母親が警察に相談したという。(大宮慎次朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アニメに参加、SNSで世界配信 夢かなえた書道講師は金髪になった
有料記事 編集委員・中島隆2023年1月18日 10時30分 大阪市中央区の本町は、ビジネス街。立ち並ぶオフィスビルの中に、「三皷(みつづみ)ペン字・書道教室」があります。カフェのような雰囲気の中、コーヒーなどを飲みながらの文字のお稽古です。書道家の三皷友華(ともか)さん(30)が3年あまり前、楽しく通ってもらえればと開きました。教室を開く夢をかなえた三皷さんの視線は、いま外国にも向いています。 教室は、とあるビルの5階の一室にある。ドアをあけると、右側にある黒板にドリンクメニューが書かれている。コーヒー、カフェオレ、ミルクティー……。三皷さんら3人の講師のうち、手が空いている人が入れてくれる。 「さあ、お稽古を始めましょう」 三皷さんは徳島出身。4歳のときに鉛筆でひらがなを書き始める。小中は書道教室に通う。高校生になって、教室通いが面倒なので小休止。大学の薬学部に通うが、やりたいことではないと感じて1年でやめ、役場の臨時職員になった。 自分がしたい仕事は何だ――、と考えた。 〈書道教室は?〉 知り合いの教室の先生に相談すると、言われた。 「どんなに下手でも、そこに… この記事は有料記事です。残り1114文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長男殺そうとした前町長、罪状認める 町民の25%から減刑求める声
岡山県美作市内の民家で昨年6月、就寝中の長男(40)の頭をバールで殴り、殺人未遂罪に問われた前京都府笠置町長西村典夫被告(73)と、妻の信代被告(66)に対する裁判員裁判の初公判が17日、岡山地裁であった。両被告とも大筋で起訴内容を認めた。 起訴状などによると、両被告は共謀の上、昨年6月25日午前2時ごろ、美作市内の住宅で就寝中の長男の頭をバールで数回殴り、頭の骨を折るなど加療約10日間のけがを負わせたとされる。 冒頭陳述で検察側は、信代被告が、当時中学3年の長男から暴力を受けるようになり、2012年には胸の骨が折れる暴行を受けたと述べた。環境が変われば自立できると長男に言われ、21年からは全国を次々と転居。信代被告が付き添い世話をしたが、長男は信代被告に自殺を迫るなどした。 昨年、美作市内に母子2人で転居し、典夫被告から長男を殺害する考えを打ち明けられ、犯行に及んだという。両被告とも犯行の事実関係は認めた上で、典夫被告の弁護人は、「長男の暴力と暴言に長年苦しんだ信代被告を解放したかった」と、信代被告の弁護人は「積極的に殺したいと思ったことはない」と述べた。 判決は26日に同地裁で言い渡される予定。(神崎卓征) 「地元住民として応援したい」 「西村夫妻が町に戻って生活されることを地元住民として応援したい」 そんな文言で前笠置町長の西村典夫(73)、妻の信代(66)両被告に対する減刑を岡山地裁へ求める嘆願書には、昨年12月から今月5日までの約1カ月で約240人の署名が集まった。 京都府によると、町の推計人口(昨年12月1日時点)は1043人で、府内26市町村で最少。町民のほぼ4人に1人が署名したことになる。 子ども食堂などで典夫被告が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル