生物 特定のテーマに関する文章と複数の資料を解析させる問題が分野横断的に出題され、読解力や思考力が総合的に試された。 ―概評― 昨年通り、実験・観察や資料解析を通じて読解力や考察力・解析力など総合的な理解度を試す内容であった。選択肢が絞りやすく取り組みやすい問題があった一方で、読み取る文章が長く解答に時間を要する問題もみられた。 【大問数・設問数・解答数】 ・大問数は6で、昨年と同様。 ・設問数は23で、昨年より3減少。 ・解答数は28で、昨年と同様。 【問題量】 ・設問数が昨年より減少したものの、大問数・解答数は昨年と同様であり、実質の問題ページ数が昨年より1ページ増加して29ページとなったため、分量は昨年並みであった。 【出題分野・出題内容】 ・多くの大問で、観察材料や特定のテーマを題材として、複数の分野から多くの視点が盛り込まれて出題された。 ・ミクロな視点とマクロな視点を関連させた内容が複数の大問で扱われ、広い分野から大きな偏りなく出題された。 ・単純な知識問題はほとんどみられず、知識を活用する問題や計算問題、資料解析・実験考察問題が中心であった。 ・文章量の多い実験の説明や、長い文章の選択肢など、昨年に引き続き相応の読解力が必要な問題が随所にみられた。 【出題形式】 ・A・Bの中問に分かれている大問は第2問のみであった。 ・大問ごとに、設問数は3~5問、配点は12~20点と、分量が様々であった。 ・第4問問4、第5問問3、第6問問3のような、選択肢のグループを容易に分割することができる問題がみられた。 ―難易度(全体)― 昨年並み。取り組みやすい問題がある一方で、解答に時間を要する出題もあった。 ―設問別分析― 第1問 ・シアノバクテリア 難易度:標準 シアノバクテリアをテーマとし、主に生命現象と物質の分野から出題され、進化と系統の分野からも出題された。問1はオペロンの基本的な知識問題。問2・3は実験考察問題。リード文と実験結果から、硫酸欠乏条件で起こる遺伝子発現の変化やα/β複合体の特徴を読み取る。問4は葉緑体の進化に関する系統樹の問題。集光装置の変化が1回とあるので、集光装置の分化の後に分類群が分化したと考えると成立する。また、シャジクモ類は植物に最も近縁な藻類であると考えられている。 第2問 ・小問A 霊長類の色覚の進化 難易度:やや難 ・小問B ヒトの嗅(きゅう)細胞 難易度:標準 Aは進化と系統の分野からヒトとオマキザルの色覚の比較、Bは環境応答の分野からヒトの嗅覚(きゅうかく)の仕組みについて、それぞれ実験考察をからめて出題された。問1は遺伝子重複による進化に関する読解問題。問2は色覚型の適応に関する実験考察問題。オマキザルの雄は三色型にならない点に注意。問3は実験データの考察に関する文章正誤問題。問4は場合の数の計算問題。2の10乗≒1000の近似は覚えておきたい。 第3問 ・葉緑体の光応答 難易度:標準 植物の環境応答の分野から、葉緑体の光に対する応答に関する実験考察が出題された。問1はフィトクロムに関する空欄補充問題。光発芽種子の知識が活用できる。 問2は葉緑体の分布と透過率の変化を考察する問題。選択肢のグラフの縦軸は透過率であり、見慣れた吸収スペクトルのグラフとは上下が逆転するので注意。問3は問2に続く実験の考察問題。光をよく受けるほど光合成速度が低下するので、葉緑体の光による損傷が考えられる。また、青色光が弱い環境ではフォトトロピンが機能しない。 第4問 ・窒素代謝・共生 難易度:やや難 根粒菌と植物の共生をテーマとし、生態と環境および生命現象と物質の分野からも出題された。問1は生命現象と物質の分野から、有機物に関する知識問題。問2は物質収支に関する知識問題。 問3は図表の読解問題。地点ごとの窒素とリンの濃度を比較し、不足しているのはどちらかを考える。問4は資料の読解および窒素同化に関する知識問題。問5は根粒菌と植物の共生に関する空欄補充問題。根粒を形成するという植物側の負担を考えれば、空欄ケを埋めることができる。 第5問 ・母性効果遺伝子 難易度:標準 ショウジョウバエの母性効果遺伝子(母性遺伝子)をテーマとし、生殖と発生の分野から出題された。問1は遺伝に関する計算問題。受精卵の発生の有無は、受精卵の遺伝子型ではなく、母性遺伝子を転写する雌の親の遺伝子型によって決定されることに注意。問2は母性因子に関する知識問題。 問3は母性遺伝子がコードするタンパク質に関する実験考察問題。問4は問3に続く実験の空欄補充問題。問題文と実験1より、変異体の雌から産みだされた卵は腹部が形成されないので配偶子も分化しないことを読み取れれば、選択肢を絞ることができる。 第6問 ・縄張り・種内競争 難易度:やや難 縄張り行動に関する実験と資料を基に、生態と環境の分野から種内競争が個体群に与える影響を考察する問題が、対話文形式で出題された。問1は種内競争と種間競争の基本的な知識問題。問2は実験考察問題だが、選択肢は複雑ではなく、実験設定や表を正しく読めれば難しくはないだろう。 問3は藻類の生産量とも関連した複雑な考察問題で、グラフと縄張りの関連を問題文から推察することが求められた。水深による光強度の変化と藻類の量の関係と、個体群密度および競争による労力の関係の二つを推察する必要がある。(代々木ゼミナール提供) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
化学、代ゼミ問題分析 大学入学共通テスト
化学 実験の内容と結果を整理して考察させる問題が複数出題され、時間をかけて問題をしっかり読む必要があった。 ―概評― 標準的な問題が多くを占めたが、あまり見かけないような実験を題材として読解力と考察力を問う問題が散見された。特に、第5問の問3の透過率による気体濃度決定は題材自体が目新しく、問題文を丁寧に読む必要があった。 【大問数・設問数・解答数】 ・5で昨年から変更はない。 ・18で昨年から変更はない。 ・昨年に比べ、2増の35。 【問題量】 ・計算問題の数は昨年とほぼ同じであり、全体的に見ても問題量は昨年とほぼ同じだが、考察問題が複数出題されたため、やや負担が増加した。 【出題分野・出題内容】 ・第1問は物質の構成、物質の状態、第2問は物質の変化からの出題で、いずれも理論分野である。第3問は物質の変化、無機物質、第4問は有機化合物、高分子化合物からの出題である。第5問は硫黄化合物の二酸化硫黄や硫化水素を題材に、無機物質、化学平衡、酸化還元について問われた。 ・第1問の問4bは単位格子の粒子数と体積の比から考える。第2問の問4cは反応速度定数の変化と反応に要する時間の関係を予想すればよい。第3問の問3aは反応条件からX、Yを絞り込む必要があった。第5問の問3aは表の数値だけを用いて解答でき、bは透過率Tが透過前後における光の量の比率であることがポイント。 【出題形式】 ・昨年に続き、第1問の問4、第2問の問4、第3問の問3、第4問の問4、第5問の問3など比較的長文の問題を読み取り、それに関する問をいくつか配置する大問形式の問題が出題された。また、第1問の問4c、第4問の問4aでは、答えの数値自体を解答させる問題が出題された。さらに昨年にはなかったグラフ描写用の方眼枠が再登場した。 ―難易度(全体)― 実験を題材にした読解力と考察力を要する問題や、目新しい題材を扱った問題が出題されている。全体としての難易度は、昨年並み。 ―設問別分析― 第1問 ・小問1 化学結合 難易度:易 ・小問2 コロイド 難易度:易 ・小問3 飽和蒸気圧 難易度:標準 ・小問4 イオン結晶 難易度:標準 物質の状態の分野からの出題。問1は構造式がわかれば平易。問2はコロイドの用語に関する知識問題。問3は圧縮後の水蒸気がすべて気体であると仮定したときの水蒸気の圧力から求められる。問4のaは平易。bは粒子数と体積の比から計算すればよい。cはイオン結晶におけるイオンの半径比の限界に関する計算問題で、一度演習していれば難しくはない。 第2問 ・小問1 熱化学方程式 難易度:標準 ・小問2 硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液の電気分解 難易度:標準 ・小問3 平衡定数 難易度:標準 ・小問4 過酸化水素の分解反応速度 難易度:やや難 物質の変化と平衡の分野からの出題。問1の熱化学方程式は典型的な計算問題。問2の電気分解も、標準的な知識問題。問3の平衡定数の問題も典型的で確実に得点したい。 問4のaは基本的な知識問題。bは酸素の物質量の2倍が過酸化水素の物質量になることに注意する必要がある。cは、反応速度定数が反応速度にどう影響するかがポイントであったが、図2の結果と同じ濃度と体積の過酸化水素水を用いていることから、最終的に発生した酸素の物質量も同じになることから選択肢を絞れる。 第3問 ・小問1 フッ化水素の性質 難易度:易 ・小問2 金属イオンの分離 難易度:標準 ・小問3 1族、2族の金属元素 難易度:やや難 無機物質の分野からの出題。問1はフッ化水素に関する正誤問題だが、ヨウ素とフッ素の酸化力の強さを問う問題。問2は典型的な金属イオンの分離に関する問題で、金属イオンがすべて溶解していたと仮定して1つずつ結果と照らし合わせて考えていけばよい。 問3のaは希塩酸および室温の水との反応性から、選択肢を絞れたかがポイント。bは水酸化物、炭酸塩の反応式から冷静に計算を処理できたかどうかが問われる。 第4問 ・小問1 アルコールの反応性 難易度:やや易 ・小問2 芳香族化合物の反応と性質 難易度:やや易 ・小問3 高分子化合物の構造 難易度:やや易 ・小問4 トリグリセリドの構造 難易度:標準 有機化合物および高分子化合物の分野からの出題。問1のアルコールの反応性、問2の芳香族化合物の反応と性質、問3の高分子化合物の構造についての知識問題はいずれも基本的。 問4のaは、1分子のXに4個の二重結合をもつことと、1個の二重結合には1分子の水素が付加することから解ける。bは、AとBが1対2の物質量比で得られたことと、AとBのどちらも二重結合をもつことより考えればよい。cは、Yには鏡像異性体が存在しないことよりアがHと決まり、さらに反応式からイはB由来の構造と決まる。 第5問 ・小問1 硫化水素と二酸化硫黄 難易度:標準 ・小問2 酸化還元反応を利用した硫化水素の定量 難易度:標準 ・小問3 透過率を利用した硫化水素の濃度決定 難易度:やや難 火山ガスに含まれる硫化水素と二酸化硫黄に関する総合問題。問1のaは硫化水素と二酸化硫黄の標準的な知識問題。bは、二酸化硫黄の平衡に関する問で、ルシャトリエの原理から考える。問2は硫化水素とヨウ素、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの酸化還元反応の量的関係を整理できれば解ける。 問3は二酸化硫黄が光を吸収する性質を利用して二酸化硫黄のモル濃度を求める実験考察問題。問3のaはグラフを作成するか、比例式を立式して求められる。bは透過率Tの対数とcおよびLが比例関係になることから考えればよい。(代々木ゼミナール提供) […]
サイレン鳴ったら屋内へ 大分県中津市で弾道ミサイル想定の避難訓練
弾道ミサイルの飛来を想定した住民避難訓練が15日、大分県中津市であった。国が都道府県を通じて公募し、2022年度は今後予定している自治体を含め10道県の12市町村で実施。中津市としては初めての本格的なミサイル避難訓練で、市民ら約180人が参加し、うち約120人が避難行動を体験した。 市主催の防災イベントを開催中に、架空の「X国」から弾道ミサイルが発射され、日本に飛来する可能性があるという想定。市役所そばの中津体育センターと中津文化会館を会場に、防災行政無線による情報伝達と、イベント参加者の避難の動きを確認した。 午前10時すぎ、市役所屋上のスピーカーからサイレン音が響き、「ミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、または地下に避難してください」と放送。中津文化会館大ホールへ移動した参加者は、客席の間で身を伏せた。まもなくサイレンが再び鳴り、「ミサイルは太平洋へ通過したものとみられます」との放送が流れた。 訓練終了後、内閣官房の担当… この記事は有料記事です。残り305文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学入学共通テスト、全日程が終了 東大で数学が1分短くなるミス
桑原紀彦 上野創2023年1月15日 20時30分 大学入学共通テストは15日、数学と理科があり、2日間の日程を終えた。大学入試センターによると、東京都内の試験会場1カ所で監督者らによる数学の時間管理のミスがあり、70人が再試験の対象となった。共通テストの平均点の中間集計は18日に発表される。 センターによると、東京大教養学部(東京都目黒区)の会場で、数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aの試験時間が1分短くなった。監督者は予定より3分遅れの午前11時23分から開始したつもりだったが、受験生3人から「(実際には24分から始まり)時間が短いのでは」などと指摘があった。調べたところ開始時刻の確認があいまいだった。この部屋で受けた70人は、希望すれば29日の再試験を受けられる。 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎では、日本獣医生命科学大(武蔵野市)の会場で受ける予定だった1人が、電車の遅れにより別室で20分繰り下げて受験した。 前身の大学入試センター試験時代も含め、昨年に平均点が過去最低となった数学Ⅰと数学Ⅰ・A。15日午後6時、全科目の試験を終えて東京海洋大越中島キャンパス(江東区)の会場から出てきた都立高3年の男子生徒は「去年よりは易しかったけど読む分量が多いのは(昨年と)同じで、結構きつかった」と話した。 代々木ゼミナールは全体として「昨年よりはやや解きやすくはなっている」とし、問題量も「計算量は昨年より少ないため、思考に費やすことができる時間は幾分(いくぶん)増加したと思われる」と講評。ただ、「分量は少ないとはいえず、煩雑な設定もあるので、時間内に解答するにはやや厳しい内容であった」とした。 平均点が過去最低だった昨年の数学Ⅰと数学Ⅰ・Aについては、大学入試センターの外部評価分科会が昨年6月、「あまり適切ではない」と評価し、「計算量の多い設問も散見され、解答時間に余裕がなくなった受験者が多いことが推察される」としていた。(桑原紀彦 上野創) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
共通テスト「イマイチ」からの逆転法 教育専門家に聞く次への心構え
大学入学共通テストの全日程が終了しました。今後の入試に向けた心構えについて、東京、京都、大阪で勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を運営する教育アドバイザーの清水章弘さん(35)に聞きました。 ――手応えがなかった受験生は今後どうすべきでしょうか。 受験勉強で傷ついたら、その傷は受験勉強で癒やしてほしい。お守りや声かけではなく、勉強で乗り越えるしかないと考えます。 ――具体的にはどうするべきでしょうか。 かつてトライした問題を解き直してください。これまでの2、3カ月で積み上げてきたものがあるので、頑張ってきたことや分かるようになったことを実感することができるはずです。まず、伸びている自分を認めてあげてください。 それは国公立大の2次試験の対策にもなります。共通テストの勉強でやった問題集を、この1、2日間やるのは有効です。 ――逆に手応えがあった受験生はどうすればよいですか。 油断をしないことです。学校や塾、予備校の先生、自分より点数が高い友達にかつを入れてもらったほうがいい。また、これから国公立大2次試験までは、国公立大と私大の入試対策にともに力を入れる「両立期」と、国公立大入試対策のみに力を注ぐ「集中期」の二つの時期があります。だから油断している場合ではないんですよね。 結果がよかった受験生は、まず行きたい私大の一番難しい過去問を1年分解いて、目を覚ますということですね。よい点数が取れた受験生は、共通テストの形式にうまくはまっただけの可能性もあります。 ――生活面において心がけていくことがあれば教えてください。 寝る時間、起きる時間、勉強を始める時間、この三つを固定すると勉強リズムを作りやすいです。 感情で気持ちを奮い立たせるのが難しければ、自分の意思とは別にルーチンを淡々とやっていくのがよい。 例えば、夜眠りにくいようであれば、寝る1時間半前くらいに入浴することをルーチンにしてください。湯船につかって体を温めると、体温が下がっていくにしたがって、眠気がおとずれてくると思います。 ――結果がよくないからといって、睡眠時間を削って追い込みをかける受験生もいるかもしれません。 追い込みは体力次第というところもあり、一概には言いにくいですが、例えば睡眠時間を7時間半から6時間半に削るのは、人によってはセーフでも、5時間半、4時間半にすると多くの人は体調を崩しやすいと思います。 例えば、入試が始まる3日前くらいからは睡眠時間をちゃんと取ったほうがよいでしょう。試験は受けるだけでも疲れるのに、これからの1カ月は、試験を受けて、また勉強して過ごします。相当のエネルギーが必要です。意識的に睡眠を取るようにしてください。 ――受験生にどんな言葉をかけたいですか。 学力は当日まで伸びますし、入試を受けながらも伸びています。本番で初めて問題が解けるかもしれません。 だから諦めないでほしい。 「入試の朝まで学力は伸びる」と言われますが、試験中も学力は伸び続ける、と考えます。ラスト1秒まで諦めないでください。(小川崇) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
歳末巡回中の4人死傷ひき逃げ事件、犠牲の2人を町内会で悼む 大阪
堺市中区小阪で昨年末、夜間パトロール中の男性4人が車にはねられ死傷したひき逃げ事件で、地元町内会が15日、亡くなった2人を悼む集まりを開いた。遺族や住民ら500人以上が参列し、地域活動に熱心だった2人をしのんだ。 亡くなったのは、大阪市職員の山中正規さん(46)と内装業の村上伸治さん(47)。大阪府警によると、2人は昨年12月27日午後11時55分ごろ、町内会の8人で歳末パトロール中、後ろから来た車にはねられた。 この日の集まりは、町内会が主催。パトロールの詰め所でもあった会場の会館には、2人が指導していたソフトボールチームの子どもたちも訪れた。事件は、12月上旬にあった堺市の大会で優勝した直後だった。 町内会役員の堀内成浩さん(59)は、地域の子どもたちに愛情を持って接していた2人の姿を語った。 チームの監督だった山中さんは子どもたちについて誇らしげに話していたという。村上さんは祭りの時、飲み物を配ろうと走り回っていた。堀内さんは事件の夜、2人がパトロールに出る直前まで話していたといい、「あの時、もう少し引き留めていれば」と悔やんだ。 山中さんと村上さんの家族も… この記事は有料記事です。残り421文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「試験時間、1分短い」受験生が指摘 数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aで開始ミス
2023年1月15日 17時20分 大学入試センターは15日、同日に実施された大学入学共通テストの数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aで、東京大教養学部(東京都目黒区)の会場の1室で試験時間が1分短くなるミスがあったと発表した。 発表によると、この部屋では予定より3分遅れの午前11時23分にテストを始めた。試験終了後、受験生3人から「1分遅れて(24分に)始まった。時間が短いのではないか」などと指摘があった。調べたところ、監督者、タイムキーパーとも、開始時刻の確認が十分でなかったという。 この部屋で受けた70人は、希望すれば29日の再試験を受けられる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
数学I・数学A、代ゼミ問題分析 大学入学共通テスト
数学I・数学A 昨年よりはやや解きやすくはなっているが、分量は少ないとはいえず、煩雑な設定もあるので、時間内に解答するにはやや厳しい内容であった。昨年よりはやや丁寧な誘導ではあるが、完答にはかなりの力が必要である。 ―概評― 第1問〔1〕は、近年の傾向通りセンター試験に類似した出題である。第1問〔2〕は、三角比の問題であり、これも同様にセンター試験に類似しているが、(2)では空間図形を題材とするところが珍しい。第2問〔2〕でバスケットボールのシュートをモデル化した2次関数の問題が出題された。選択問題である第3問以降は、昨年よりはやや解きやすくなっているが、誘導が少なめであることは変わらず、かなりの力が問われている出題といえるだろう。 【大問数・設問数・解答数】 ・5で昨年と同じ。 ・18で昨年より9減。 ・96で昨年より21減。 【問題量】 ・問題文の分量は昨年並みである。全体として計算量は昨年より少ないため、思考に費やすことができる時間はいくぶん増加したと思われる。しかしながら、煩雑な設定の設問もあり、また誘導の少なさも考慮すれば、今年も時間内に完答するには処理力と数学的な思考力がなお高いレベルで要求されている。 【出題分野・出題内容】 ・第1問〔1〕は昨年同様、数と式からの出題であったが、センター試験と同程度の難易度である。 ・第1問〔2〕は三角比の問題である。出題はセンター試験に類似しているが、空間図形が題材であることが珍しい。類題経験があると解きやすい。 ・第2問〔1〕はデータの分析からの出題だが、例年通り、データの読解がメインである。昨年よりはデータを精査しなくてよいため、解答しやすい。 ・第2問〔2〕は2次関数の問題であるが、バスケットボールのシュートの軌跡に着想を得た出題で、受験生は初めて見る設定であっただろう。花子さんのシュートのイラストが両手投げになっており、芸が細かい。 ・第3問は確率ではなく、久々に場合の数からのみの出題であった。(4)までは比較的容易であるが、(5)、(6)は思考力が問われる。 ・第4問は整数の性質の問題である。昨年同様不定方程式の整数解がテーマである。数値は比較的大きいものの、それほど煩雑な計算は要求されていないため、しっかりと準備をしていれば易しく感じられたかもしれない。 ・第5問は図形の性質の問題である。円に内接する四角形の性質を適切に用いることができるかが試される。 【出題形式】 ・答えを選択肢から選ぶ問題が第1問で4、第2問で9、第3問で1、第5問で5であったが、それ以外は数値を求めさせる問題である。 ―難易度(全体)― 昨年に比べてやや易しくなった。高得点をとるには、ある程度の学力が必要である共通テストらしい出題である。 ―設問別分析― 第1問 ・小問〔1〕 数と式 難易度:標準 ・小問〔2〕 図形と計量 難易度:標準 〔1〕は絶対値を含む不等式や展開の問題である。前半は計算を正しく行うことができるかどうかである。後半は得られている2式の左辺を展開し、辺々を足すことで適切な式が得られる。 〔2〕は面積や体積の最大というテーマになっている。(1)は基本的な計算問題があり、その後、面積の最大値を考える。適切な図を描くことができれば易しいだろう。(2)は基本的な計算問題があり、その後、体積の最大を考える。類題を解いた経験があれば難しくない。ただし、経験がなければ差がつくだろう。 第2問 ・小問〔1〕 データの分析 難易度:やや易 ・小問〔2〕 2次関数 難易度:標準 本年度は〔1〕がデータの分析、〔2〕が2次関数の設問となり、昨年度までの出題順と入れ替わっている。 〔1〕は昨年度と比較すると、散布図を注意深く見る必要がある設問はなく、用語の意味を正しく把握できていれば正答できる設問が多かった。また、分量自体も少なくなっている。ほぼ唯一の計算問題と言えるかについても、択一式の設問であるため、約分後の計算式の分母が2500以上3600以下であることに気づければ正確な値を計算せずとも正答にたどり着ける仕様となっている。 〔2〕ではバスケットボールのシュートにおけるボールの軌跡を題材に、2定点を通る上に凸な放物線の形状について主に考える問題である。受験生の側で実行するとそれなりの手間になる計算の結果を与えてその先を考察させる場面が多い。解答にあたっては図形的考察を行うことで計算を大幅に軽量化できることがある。また、所要時間の観点から、近似値をある程度大胆に評価できるかも重要である。 第3問 ・場合の数 難易度:標準 近年、確率が主な題材として出題されており、場合の数は問われていても、その分量は少ない。その点、今年は場合の数についての問題となっているのが大きな特徴である。(1)、(2)は基本的な場合の数の設問である。(3)、(4)も少し考えれば正しい答えが得られるだろう。 (5)は応用問題であるが、誘導が与えられているため、これを理解し、適用できるかどうかである。図Fに対応する場合の数のうち、球3と球4が同じものになる場合の数を引くことで得られる。(6)は誘導がないが、(5)の考えを利用できるかどうかが鍵である。 第4問 ・整数の性質 難易度:標準 昨年度の同分野の問題から易化したが、難易度が高かった昨年度の問題から標準的な難易度に戻っている、という見方ができる。最後の設問を除き計算の分量はあまり多くなく、計算すべき事柄も明快であり、整数に関する基本的な技術、計算力で十分解答できる。 一方で最後の設問は少し難しい。横の長さに着目し3文字の1次不定方程式を立式した後、7もしくは11で割った余りに注目して考えることになるが、思考力も問われる設問となっている。 第5問 ・図形の性質 難易度:標準 作図に関する証明問題が主なテーマとなっており、似たような形式が2年前の第2日程に出題されている。 (1)は簡易的な図が与えられていることと、誘導が丁寧であることから教科書にある性質を理解できているかどうかが最重要である。 (2)は角の大きさを考える設問と、求値問題がある。自力で図を描かなければならず、(1)に比べると、少し難易度が高い。しかし、図は(1)と似たものになることと、マーク形式であるから、成り立つ性質について厳密に証明せず、予想の上で解答することもできる。(代々木ゼミナール提供) Source : 社会 […]
化学基礎、代ゼミ問題分析 大学入学共通テスト
化学基礎 第1問は基本的な知識を問われる問題が多く、第2問は考察的な総合問題で、実験内容を正しく把握する必要があった。 ―概評― 第1問は基本的な小問集合であった。一方、第2問の問3の正誤問題は内容が細かく問われた。また、第2問の問5では得られた情報の活用を求められており、量的関係の把握が難しい問題であった。 【大問数・設問数・解答数】 ・2で昨年から変更はない。 ・昨年に比べ、1増の14。 ・昨年に比べ、5増の20。 【問題量】 ・計算問題の数は昨年とほぼ同じであり、文章量もほぼ同じであった。全体的に見ても問題量は昨年とほぼ同じであった。 【出題分野・出題内容】 ・第1問は、原子構造、分子の極性、物質の三態、分子の構造と気体の密度、物質量の計算、アルミニウム、金属のイオン化傾向、中和滴定の小問が出題され、第2問は、しょうゆに含まれる塩化ナトリウムの定量実験に関する総合問題が出題された。 ・第1問は、教科書レベルの基本問題が中心。問9の中和滴定の問題は、体積やモル濃度が文字式で与えられているため、やや解きにくい。 ・第2問は、考察的な問題が多く含まれている。特に、問3以降は実験内容を正確に理解していないと正解を導けない。 【出題形式】 ・第2問の問4では、与えられた実験結果のグラフをもとに別の実験結果を示すグラフを選択するという、共通テスト化学基礎では初めての形式の問題が出題された。また、第2問の問5bのように計算結果の数値を穴埋めで答えさせる問題が復活した。 ―難易度(全体)― 第1問はほとんどが基本的な問題で解きやすい。第2問は実験考察問題で、実験の内容を正確に把握していないと正解を導けないものが何問か含まれている。全体としての難易度は、昨年並み。 ―設問別分析― 第1問 ・小問1 原子の構造 難易度:易 ・小問2 分子の極性 難易度:やや易 ・小問3 ハロゲンの構造と反応性 難易度:やや易 ・小問4 物質の三態 難易度:標準 ・小問5 二酸化炭素とメタンの構造と密度 難易度:標準 ・小問6 物質量の計算 難易度:標準 ・小問7 アルミニウム 難易度:標準 ・小問8 金属のイオン化傾向 難易度:やや易 ・小問9 中和滴定 難易度:標準 問1の中性子数を求める問題と問2の無極性分子を選ぶ問題は、いずれも基本的。問3はハロゲンが酸化力を有することがわかっていれば平易。問4は物質の三態に関するグラフの問題で、正しい記述を二つ選ぶ必要があり、失点しやすい。問5は同じ条件下では、分子量と密度が比例関係にあることがわかれば解ける。問6は物質量に関する基本的な計算問題。問7は誤りの記述が明白なので、解きやすい。問8は金属のイオン化傾向を覚えていれば楽に解ける。問9はモル濃度や体積が文字で与えられているため、やや解きにくい。 第2問 ・小問1 化学反応式の係数、酸化数 難易度:易 ・小問2 実験器具 難易度:易 ・小問3 実験操作 難易度:やや難 ・小問4 沈殿の質量変化 難易度:標準 ・小問5 モル濃度と質量の算出 難易度:やや難 しょうゆに含まれる塩化ナトリウムの量を求める実験考察問題。問1のaは係数を決める問題でごく平易。問1のbは酸化数の求め方の規則がわかっていれば楽に解ける。問2は定量実験で滴下する器具ということから、ビュレットとすぐわかるはず。問3は実験操作や実験結果を正しく理解する必要があり、さらに解答を二つ選ばなければならないのでやや難しい。問4はAgClがすべて沈殿した後は、一定となることに気づけば解ける。問5は実験操作を正確に把握していないと正解を導けない。(代々木ゼミナール提供) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地学基礎、代ゼミ問題分析 大学入学共通テスト
地学基礎 宇宙分野の問題が1題増加した。組み合わせ問題が減少したが、与えた図表からやや高度な考察をさせる問題が増加した。 ―概評― 大気・海洋分野が1題減少した分、宇宙分野が1題増加した。昨年は12題だった組み合わせ問題の数が8題に減少した。図表を与える問題は7題で昨年並みだが、図表を読み取らせてやや高度な考察をさせる問題が増加した。 【大問数・設問数・解答数】 ・昨年と変わらず4。 ・昨年と変わらず15。 ・昨年と変わらず15。 【問題量】 ・全体の文章量は昨年並みである。 ・全体の問題量は時間に対して適量である。 【出題分野・出題内容】 ・第1問は固体地球分野、第2問は大気・海洋分野、第3問は宇宙分野、第4問は自然の恵みをテーマとした固体地球分野、大気・海洋分野の総合問題だった。 ・大問数は昨年に続いて4問のままだが、設問数は第2問が1問減少し、第3問が1題増加した。大気・海洋分野が第4問を合わせても1題減少した一方、宇宙分野が1題増加したことで宇宙分野のウェートが少し高くなった。 ・知識問題は基本的なものがほとんどであった。 【出題形式】 ・6択形式の問題が1題、それ以外は全て4択形式の問題だった。 ・複数の知識を組み合わせて解答する必要がある知識問題が目立った。 ・やや高度な考察を要する図表問題が多数あった。 ・数値を扱う問題は2題だった。 ―難易度(全体)― 昨年並みの難易度だと思われる。高度な考察を要する問題もあったが、問題文中の手掛かりを見逃さなければ基本的な知識で解ける問題もあったので、注意深さが得点率を分けたと思われる。 ―設問別分析― 第1問 ・小問A 地球の全周の計測、プレート境界 難易度:標準 ・小問B 鍵層、地質柱状図と地層の対比 難易度:標準 ・小問C 自形、火山の形とマグマの性質 難易度:やや易 Aの問1はエラトステネスの方法にならった地球の大きさの計測に関する計算問題である。問2はプレートの境界についての知識問題で、深発地震と火山活動を起こすプレート境界の種類はそれぞれ覚えておこう。Bの問3は鍵層に適した地層についての知識問題、問4は柱状図から堆積(たいせき)速度や堆積環境について考察する問題で、地層の対比の目的や利用法についての理解度が問われている。Cの問5は火成岩の薄片のスケッチから自形の知識を問う問題、問6の火山の形とマグマについてまとめた図の誤りを指摘する問題で、ともに平易な知識問題である。 第2問 ・小問A 地上天気図と移動性高気圧 難易度:標準 ・小問B 黒潮の流路 難易度:やや難 Aの問1は地上天気図の読図からの移動性高気圧の通過時間の計算と知識の組み合わせ問題で、問題の緯度における経度幅は与えられているので、計算は難しくない。Bの問2は年平均海面水温の分布図から典型的な黒潮の流路を読み取る問題で、九州・沖縄における流路は、25℃の等水温線に着目して等水温線が北側に張り出した部分を流れると考えればよい。 第3問 ・星団と星雲、太陽の黒点、銀河の構造 難易度:標準 問1は散開星団と球状星団の違い、散光星雲と惑星状星雲の違いについての、問2は星雲が輝く理由についての、問3は黒点が黒く見える理由についての知識問題であり、問2が紛らわしい選択肢が多いのでやや間違いやすい。問4は銀河系の断面の模式図を与えた上で銀河系円盤部の直径と銀河系から見たM31の方向を問う問題で、M31は地球からは天の川と異なる方向に見えることから、銀河面から離れた方向にあるとわかる。 第4問 ・火山の恵み、化石と資源、降水現象 難易度:易 自然の恵みを題材にした火山と地質、気象の融合問題である。問1ではマグマ活動に伴う資源の形成や熱エネルギーによる温泉と地熱発電、問2では石灰岩の形成と堆積作用・変成作用、問3では降水をもたらす前線、低気圧、季節風による水蒸気の供給について問われている。いずれも正しい選択肢の判別がしやすく、平易な知識問題である。(代々木ゼミナール提供) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル