能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市は22日、避難生活に必要な食料などの物資を備蓄していたのは指定避難所48カ所のうち22カ所だったと明らかにした。市は地域防災計画で定める物資の必要数は確保していたとしているが、発災後に被災者への必要物資が不足する事態も生じており、市の対応について今後検証するという。 市によると、2007年の能登半島地震(死者1人、負傷者338人)で最大の避難者数が約2600人だったことを踏まえ、その後の人口減少などを加味して1800人の3食分にあたる5400食を備蓄する計画を策定した。 これらの物資は、地域防災計画で「指定された避難所またはその近傍で地域完結型の備蓄施設を確保」するとしており、指定避難所22カ所のほか、市役所や輪島消防署など計25カ所に配備。すべての指定避難所には備蓄していなかったが、計画通り必要数を確保していたと説明した。 ただ、今回の地震では指定避難所以外の避難所も含めて市内で1万人以上が避難。発災直後は道路の寸断によって孤立集落が発生し、必要な物資が被災者に行き渡らない状況もあった。市の担当者は、「個々の対応について現段階でどうだったかというところまではまだ検証できていない。今後全体的に検証していきたい」と語った。(野平悠一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登半島地震で被害受けた家屋の公費解体、4月から本格開始へ
能登半島地震で被害を受けた石川県の6市町での倒壊家屋の公費解体について、環境省は22日、4月から本格的に始まる見込みを明らかにした。これまでに倒壊による二次被害の危険度が高い建物が優先的に解体され、そのほかの建物は始まっていなかった。 公費解体は国と自治体の負担で実施される。緊急的な対応が必要と判断されて公費解体が済んだのは18日時点で35件。一方、それ以外の一般的な公費解体については、自治体が被災者からの申請を受け付け中か受け付け前で、工事の着手はまだだ。自治体は申請に基づき解体の工程をつくる必要があり、2016年の熊本地震では発災から着手まで2カ月半かかった。 環境省によると、4月には400~500人規模の解体事業者が現地入りし、優先度を判断しながら一般的な公費解体も進めていくという。伊藤信太郎環境相は22日の閣議後会見で、公費解体の加速化が「非常に重要」だとし、自治体の手続きや、事業者の宿泊地の確保も支援するとした。 能登半島地震で想定される公費解体の対象は2万2千棟。2025年10月の工事完了を目指している。(市野塊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「なんてひどい写真だ」再審請求で開示されたネガ、弁護士は驚愕した
【動画】幸せからの転落 無罪訴え無念の死 無期懲役が確定した阪原弘(ひろむ)元被告は2001年、裁判をやり直す再審請求をした。「開かずの扉」と言われるほど難しい手続きで、決め手を欠くまま時間は過ぎた。 11年3月12日午後、弁護団の谷田豊一弁護士(72)は一人、滋賀県日野町の山中に足を踏み入れていた。 「福島で、原発が爆発しました」。ラジオは緊迫したニュースを伝えていた。 手元には、23年前に警察官が作った実況見分調書があった。 被害品の手提げ金庫が見つかった場所まで元被告を案内させた、「引き当て」と呼ばれる捜査の結果だ。「自発的に案内した」と示す証拠となり、有罪判決の大きな根拠になった。 調書には「この付近で少し中に入った」と元被告が道すがら話したとされる言葉が書かれていた。ただ、元被告は公判で「警察官が右、左を教えてくれた」「鉄塔があったなあと言われた」とも証言している。 警察官による誘導があったのでは――。 その痕跡を見つけ出したかった。 写真の並びから見いだした一手 調書には元被告が山林を抜け、鉄塔の脇を通り、がけを下って金庫の発見現場にたどり着くまで、19枚の写真も貼られていた。 調書をもとに現場を歩いていくと、かすかな違和感を覚えた。 視界が悪く最も案内が難しいはずの山林内の写真が2枚しかなく、前後も逆のように感じた。 「捜査側はネガフィルムを持っているはずだ。検察に証拠開示を求めれば、何かわかるかもしれない」 確信があったわけではない。ただ、次の一手になると思った。 6日後、元被告が75歳で亡くなり、再審請求は打ち切られた。 葬儀で棺を閉める際の、「うわあああ!」という遺族の号泣がいつまでも耳に残った。 翌12年の3月30日、遺族が大津地裁に「第2次」となる再審請求をした。 ここで事態は大きく動く。 担当の裁判官が、これまで開示されてこなかった証拠を出すよう検察に促した。その結果、大津地検から2本のネガフィルムが弁護団に開示された。 ネガのデータを事務所で一人、パソコンで確認した谷田弁護士は驚愕(きょうがく)した。 開示されたネガフィルム、謎は解けた データでは、捜査員が実際に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
駅長と副駅長は地域猫の兄弟 100匹以上から抜擢、地方路線救うか
駅長が副駅長の額を毛づくろいすれば、副駅長は駅長の背中を前脚でぽんぽんと押す。のんびりとした谷あいの駅で、お互いの労をねぎらうような2匹の子猫。元駅長の中原英起さん(78)は「先代にはかなわんけど、じゃれ合うのがこの子らの魅力」と目を細める。 駅長の「やまと」と、副駅長の「ちどり」。2匹は3月17日、広島市安佐北区のJR志和口駅の5年ぶりとなるネコ駅長に就いた。それも、これまでにない事態に直面する沿線住民の大きな期待を背負って――。 2匹は、志和口駅近くで生まれた地域猫の兄弟。4月に1歳(推定)を迎える。そんな彼らを、中原さんら住民が見守ってきた。 「やまと」の名前は、「日本中に路線の魅力を伝えてほしい」という願いから。「ちどり」はかつて走っていた急行列車からとった。他のきょうだいの中でも、特に人を怖がらずおっとりしていたのが「やまと」。ともに行動して、愛敬と食べっぷりで駅長をしのぐのが「ちどり」だ。 2万人集めた偉大な「先代」 ネコ駅長の後任選びに時間がかかったのは、「先代があまりにすばらしかったから」だった。 先代も2010年ごろに駅に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ホストからひったくり容疑、少年逮捕「朝は酔っ払い多い」 歌舞伎町
東京・歌舞伎町で早朝、酒に酔ったホストからバッグをひったくったとして、警視庁はアルバイトの少年(19)=堺市=を窃盗の疑いで逮捕し、22日に発表した。「遊ぶお金と大阪に帰るお金がなかったので、ひったくりしました」と容疑を認めているという。 捜査3課によると、少年は昨年9月15日午前4時15分ごろ、東京都新宿区百人町2丁目の路上で、同区歌舞伎町のホストクラブに勤める男性(40)の後ろから、現金約10万円入りの財布などが入ったセカンドバッグ(約3万円相当)をひったくった疑いがある。男性はホストクラブでの仕事終わりで、酒に酔っていた。 少年はこの事件の他にも、昨年8月に歌舞伎町でホストを狙ったひったくりを3件したと認めているといい、「朝方の歌舞伎町は酔っ払いが多いから狙った」と話しているという。(長妻昭明) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇、皇后両陛下、ヘリで能登半島地震の被災地に到着
天皇、皇后両陛下は22日、能登半島地震で被害を受けた石川県の被災地を訪問しています。両陛下は同日午前、羽田空港を特別機で出発。能登空港(輪島市)で自衛隊のヘリコプターに乗り換え、被災地に入りました。 天皇陛下は皇太子だった2018年、日本スカウトジャンボリーの式典に出席するため能登地方を訪問。珠洲市の塩田や輪島市の国名勝「白米千枚田」を視察しました。 23年10月には、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の開会式に出席するため、金沢市を訪問しています。 能登到着の様子に加え、両陛下のこれまでの同県訪問を写真でお伝えします。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
500万円の遊戯王カード盗んだ疑い、2人逮捕 売却は100万円で
東京・秋葉原のトレーディングカード販売店から500万円相当の「遊戯王」カードを盗んだとして、警視庁は住居不定、無職の高篠空(22)、無職の三見貫太(22)=東京都豊島区東池袋4丁目=の両容疑者を窃盗の疑いで逮捕し、22日発表した。カードは池袋の買い取り店で100万円で売却したという。 高篠容疑者は「生活費に充当するためにやった」と容疑を認め、三見容疑者は「車の運転はしたが、盗みをするとは知りませんでした」と否認しているという。 捜査3課によると、2人は共謀して13日午後4時50分ごろ、東京都千代田区のトレーディングカード販売店で、販売価格498万円の「遊戯王」のカード1枚を盗んだ疑いがある。高篠容疑者が店員に「カードの状態を確認したい」と言ってカードを出させ、盗んで店の外に逃走。近くで待機していた三見容疑者が乗る車に乗り込んで逃げたという。(長妻昭明) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いつか誰かの憧れになれたら 沖野珠美さんが選んだ「やりたいこと」
ライブ配信を軸に、モデルやインフルエンサーとして活動する沖野珠美さん。配信では「笑い」を大切にしているが、最近のTikTokの動画投稿では真面目に洋服のコーディネートを紹介し、新たなファンを獲得している。 これまで様々なジャンルの動画に挑戦。バズったジャンルもあったが、「やりたいことで認知されたいと思って」大好きなファッションにテーマを絞ることにした。 自身が考えたコーディネート… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都から輪島へ とろりとやさしく 漆椀のなかに溶け合う僕の道のり
記事の後半でレシピをご覧いただけます 石川・輪島のオーベルジュ「茶寮杣径(そまみち)」の料理長、北崎裕さん(51)はいま、金沢市内に場を借り、料理を作っています。休みの日に能登へと炊き出しに向かう道すがら、変わらぬ立山を眺め、変わった日常を考えるといいます。海と山とこれまでの道のりから生まれる北崎さんのレシピを、2回連載でお届けします。 料理人になるきっかけは、日本美術の歴史を学んだ東京での大学時代にあります。「工藝(こうげい)」に心ひかれ、「自分は言葉を操るより、手を動かして、手で考えたい」と、それまで特段興味のなかった料理の世界をのぞいてみることにしました。 「いずれは陶芸をやりたい気持ちもあって、まずは伝統文化が集約された料理から始めようと。人生を80年とすれば、回り道とは思いませんでした」 門をたたいたのは、京都の懐石料理店です。場違いな新人で、職場はとても厳しい。一方で暦や祭礼と食が密接な京の暮らしは新鮮で、朝の庭掃除すら爽快でした。 暮れは徹夜でおせちを仕上げ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇、皇后両陛下、能登半島地震の被災地入り 避難所を訪問へ
天皇、皇后両陛下は22日午前、能登半島地震の被災地を見舞うため、羽田発の特別機で石川県の能登空港(輪島市)へ到着した。日帰りの日程で、自衛隊ヘリなどで輪島、珠洲両市を訪れて被災状況を視察するほか、両避難所で被災者を見舞い、災害対応に尽力した人たちをねぎらう。 両陛下は能登空港に到着後、自衛隊ヘリやマイクロバスに乗り換えて輪島市内を移動。被害が大きかった地域を視察し、避難所で被災者らに声を掛ける。その後、珠洲市にも足を運ぶ。 両陛下は被災状況に心を痛め、長女愛子さまとともに政府関係者から被害状況などの説明を受けた。現地入りした医師や看護師らからも活動内容などを聞き、「石川の被災地の特徴は」「時間の経過とともに、どんな変化がありましたか」などと質問。被災地を訪問したい意向を持ちつつ、復旧状況や被災者の気持ちなどを踏まえ、可能な時期に見舞いたい意向を示していた。 発災からまもない被災地訪問は代替わり後2度目で、台風19号で大きな被害を受けた宮城、福島両県の被災地を2019年12月に訪問して以来となる。両陛下はこれまでも皇太子ご夫妻時代から自然災害の現場に足を運び、被災者に寄り添ってきた。 皇太子ご夫妻時代には199… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル