福冨旅史2024年3月6日 17時26分 特殊詐欺で現金を受け取る「受け子」を指揮したとして、警視庁は6日、無職で指定暴力団住吉会系組員の堂下歩(46)=東京都港区=、ミャンマー国籍で無職のラン・シャン・タン(35)=東京都世田谷区=の両容疑者を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。堂下容疑者は黙秘し、ラン容疑者は認否を留保しているという。 暴力団対策課によると、2人はすでに逮捕された男らと共謀して2021年10月、東京都杉並区の無職男性(当時80)に息子をかたって電話し、計2500万円をだまし取った疑いがある。同課は21年5月~22年7月、今回の逮捕容疑も含め、都内の高齢者らから計約1億5千万円をだまし取ったとみている。 堂下容疑者は十数人の「受け子」グループの統括役で、名前の読み方からグループは「Dの箱」と呼ばれていた。うその電話をかける「かけ子」グループからの依頼で、繰り返し被害金を受け取っており、「現金の持ち逃げをしない」として犯罪グループに「評判」が良かったという。(福冨旅史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
作って食べよう!超リアルなカブトムシ幼虫ゼリー 気になるお味は?
昆虫嫌いでも気持ち悪くならないでください。味は保証します――。リアルなカブトムシの幼虫型ゼリーを名古屋市の菓子メーカーが売り出した。大きさや重さは実物とほぼ同じで、幼虫が呼吸をする穴「気門(きもん)」まで再現している。開発担当者の幼少時代からの夢が形になり、見た目も味も渾身(こんしん)の出来栄えだという。 3月上旬に販売された菓子は、自分で簡単に作ることができる「つくってたべよう!幼虫3Dゼリー」。「アルファベットチョコレート」で知られる菓子メーカー「名糖産業」(名古屋市西区)が開発した。 原点は企画担当の長江無我さん(34)が、少年時代に抱いた「昆虫を食べてみたい」という好奇心だった。テレビ番組でかつて、海外の先住民族の人々がおいしそうに虫の幼虫を食べている姿を見て、カブトムシ好きだった長江さんも、「カブトムシの幼虫もおいしいのかな」と考えた。 実際に食べる勇気はなかった。ただ、約1年前、少年時代にかなわなかった20年来の「夢」がよみがえり、たくさんの人に幼虫を食べる疑似体験がしてもらえる商品をつくりたいと社内で提案した。 この提案を受けた食品開発部竹内亮人さん(36)は図鑑で幼虫を隅々まで観察した。リアルさを追求し、立体的な形状や大きさ、重さを再現するため、「ゼリー」に行き着き、1年かけて型をとるトレーのメーカーと試作を繰り返した。 作り方は、付属の幼虫トレーを組み立て、コーラ味とヨーグルトソーダ味の粉末をそれぞれ水で溶き、トレーに流し込む。冷蔵庫で20分以上冷やすとゼリーが固まり、リアルな幼虫ゼリーの完成だ。 幼虫の体に左右9個ずつある気門や、体内の腐葉土が透けて黒く見える内臓を再現する上級編の作り方は、ユーチューブで紹介している。 長江さんは、「虫を食べる文化があることを知ってほしい」と話す。 価格は1個216円。全国のスーパーマーケットなどで販売している。問い合わせは、同社お客様相談係(0120・855・337)へ。(松永佳伸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰還困難区域とリンクした喪失感 「変わり者」が取り組む復興支援
福島県双葉町は2月1日現在、103人の住民のうち、移住者は61人。震災前に住んでいた帰還者42人を上回る。町から委託を受け、まちづくりに関する事業を担う「ふたばプロジェクト」の移住定住担当の田口隼人さん(43)も、移住者の一人だ。 東京電力福島第一原発の事故で、周辺の多くの住民は避難を余儀なくされました。今も、故郷に帰れない人々も多い中、原発がある福島県大熊町と双葉町に移住した人々に、話を聞きました。 初めて、住めなくなった町を見た衝撃を、今でも鮮明に覚えている。2021年、勤めていた製薬会社の営業で、水戸市から相馬地区の病院に車で向かったときのことだ。常磐道の常磐富岡ICから、福島県富岡町の帰還困難区域の近くを通った。周囲を見回し、はっとした。ぼうぼうに茂った草、民家の入り口に設けられたゲート。「映画の中に迷い込んだような気分でした」 そのとき、一つの思いが頭をよぎった。22歳の時に、父親が自死した。その後、生まれ育った千葉県浦安市のマンションが売却され「ふるさとを失った喪失感」を感じていた。原発事故で町を追われた人たちと、自分の状況がリンクした。「ここなら、本気で生きることができる」。そう思った。 田口さんは大学を卒業後、製… この記事は有料記事です。残り507文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
その消防車、私の自家用車なんです 趣味に災害ボランティアに大活躍
サイレンを鳴らしながら火災現場に駆けつける消防車。消防署だけが所有するイメージを持つ人もいるかもしれないが、誰でも所有でき、「自家用車」として利用する人もいる。自家用消防車に乗る生活とは――。所有者に話を聞くと、私有車として「利点」も多く、災害現場で活躍していたこともわかった。 名古屋市緑区の飲食店の駐車場に、ひときわ目立つ車がとまっている。真っ赤なボディーに、ホースなどの装備品も積まれた消防車だ。車体には所属を示す文字などは書かれていない。さらに、運転席から降りてきたのは消防隊員ではなく、ラフな格好をした男性だった。 「元々は消防車ですが、今は僕の自家用車です」 持ち主は、名古屋市に住む宇津見(うつみ)俊さん(34)。22年7月に購入した消防車を、自家用に使っている。 深夜の衝動買い 使い勝手は抜群 遠出の時だけでなく、近所への買い物などでも消防車を「普段使い」している。購入のきっかけを問うと、「深夜のテンションですかね」と笑った。 宇津見さんはスポーツカーや… この記事は有料記事です。残り950文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
離ればなれになる中学生、思い出の品を探す遺族…被災地でみた情景
100キロ先まで中学生の子どもたちを避難させるか、地元に残すか――。能登半島地震の被災地では1月中旬、その二つの選択に揺れていた。 学校が避難所として使われるなど、現地は安心して勉強に集中できるような環境ではなかった。石川県輪島市は保護者の同意を得られた中学生について、一時的に集団避難させる方針を打ち出していた。 集団避難の2日前。雪が降る市内を歩いていると、駐車場で2人の男子がサッカーボールを蹴り合っていた。 周囲は道路に亀裂が走り、屋根瓦が地面に散乱している。駐車場の2人から笑い声は聞こえず、「ドッ」「ドッ」とボールを蹴る音だけが響いていた。 声をかけると、2人とも中学生だった。 能登半島地震の発生から2カ月がたったいまも、多くの記者が被災地の取材にあたっています。取材して見えた被災地の姿、被災した方々の思いを伝えます。 3年生の新本蒼空(そうあ)さん(15)と、水口遥斗(はると)さん(15)。新本さんは集団避難に参加し、水口さんは家族が心配で輪島に残ることを決めていた。 2日後、離ればなれになる… この記事は有料記事です。残り2204文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
次女殺害容疑の両親、姉も不凍液で殺害容疑で再逮捕 部屋の合鍵管理
東京都台東区の自宅マンションで昨年3月、次女(当時4)に不凍液などを飲ませて殺害したとして両親が逮捕された事件で、警視庁は6日、2018年に父親の姉にも不凍液を飲ませて殺害したとして、殺人容疑で2人を再逮捕した。 捜査1課によると、いずれもホテル運営会社役員の細谷健一(43)、妻の志保(37)の両容疑者は共謀して18年4月ごろ、健一容疑者の姉で会社員の細谷美奈子さん(当時41)に不凍液「エチレングリコール」を摂取させ、同月29日午後ごろ自宅で中毒により殺害した疑いがある。 美奈子さんは2日ほど前から出勤せず、勤務先から連絡を受けた親族の女性が110番通報した。警察官らが室内で倒れている美奈子さんを見つけ、その後に死亡が確認された。 捜査関係者によると、美奈子さんは当時、両容疑者と同じマンションの別の部屋に住んでおり、両容疑者が合鍵を持って管理していたという。 美奈子さんは行政解剖され、当時は死因に不審な点はないとされた。5年経った23年3月、次女の美輝(よしき)ちゃんが死亡。体内からエチレングリコールの成分が検出された。保存されていた美奈子さんの腎臓を調べると、エチレングリコールを摂取した際の代謝物質「シュウ酸カルシウム」が確認された。 美輝ちゃんと美奈子さんが亡くなるそれぞれ数日前、両容疑者のいずれかがネットでエチレングリコールを購入していたことも判明した。 父の会社の経営めぐりトラブルか 美奈子さんは、父が代表取締役だったホテル運営会社で経理を担当していた。関係者によると、健一容疑者の金銭感覚などを理由に、同容疑者が経営を引き継ぐことに否定的だったという。 こうした状況に加え、美奈子さんには自殺する事情もなかった。捜査1課は、美奈子さんにエチレングリコールを飲ませることができたのは両容疑者以外にいないと判断し、殺人容疑で再逮捕した。(遠藤美波、増山祐史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無罪主張の元医師、父殺害で二審も懲役13年 大阪高裁が控訴棄却
森下裕介2024年3月6日 10時50分 2011年3月、自身の父(当時77)を殺害したとして、殺人罪に問われた元医師の山本直樹被告(46)=医師免許取り消し=の控訴審判決が6日、大阪高裁であった。長井秀典裁判長は、懲役13年とした一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。 判決によると、山本被告は、母の淳子被告(79)=同罪で懲役11年判決で上告=、知人で医師の大久保愉一(よしかず)被告(45)=同罪などで懲役18年判決=と共謀。11年3月、長野県内の病院に長期入院していた父を退院させ、車で東京都内のアパートに移動させた後、何らかの方法で殺害した。 弁護側は控訴審で、山本被告が事件当日、大久保被告に計画の中止を提案したと主張。アパートで大久保被告と父が2人きりになった10分程度の間に殺害されたとして、自身は無罪だと主張した。一審・京都地裁の裁判員裁判の判決は、「付き合いの長い山本被告の父を、大久保被告が無断かつ独断で殺害したというのはあまりにも不自然」と指摘。山本被告が事件後、大久保被告に感謝の気持ちを示していたなどとして、弁護側の主張は「信用できない」と結論づけた。 山本被告は、大久保被告と共謀して19年11月、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者を殺害した嘱託殺人罪でも起訴され、昨年12月、京都地裁で懲役2年6カ月(求刑懲役6年)の判決を受け、控訴している。(森下裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「1万円札の顔」渋沢栄一 東京・江東区の旧邸、約30年ぶり里帰り
滝沢貴大2024年3月6日 11時00分 日本の資本主義の父と呼ばれ、7月から1万円札の図柄にもなる実業家・渋沢栄一が東京都江東区で暮らした「旧渋沢邸」が、移築先の青森県から同区に再び移築され、5日、報道陣に公開された。 旧渋沢邸は、栄一からひ孫の代まで4代にわたって渋沢家が暮らした。清水建設の2代目社長・清水喜助が設計施工を手がけ、1878年に深川福住町(現・江東区永代)に完成。1908年に三田綱町(現・港区三田)へ移築し、47年に国有化された。大蔵大臣公邸や三田共用会議所などとして使われたが、91年に渋沢家の元秘書に払い下げられ、青森県六戸町に移築。約30年の年月を経て、清水建設が購入するかたちで、今回の再移築が実現した。 木造2階建ての華美さを抑えたたたずまいで、和風の表座敷と、客間や書斎をそなえた洋館などからなる。延べ床面積は1204平方メートルで、同区の指定有形文化財にも指定されている。 邸宅は清水建設の施設「温故創新の森 NOVARE(ノヴァーレ)」内にあり、当面は関係者の見学を受け入れるが、いずれ一般公開することも検討しているという。清水建設の担当者は「今後、江東区との連携をはじめとして、文化財としての公開利活用を図ってまいります」と話した。(滝沢貴大) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「三井物産の名刺はなくても」富士山麓で活躍 80歳警備員は元部長
世界中から観光客が集まる富士山の「映え」スポットで、来訪者へのおもてなしを生きがいにする警備員がいる。現役時代は「三井物産」で活躍する商社マンだった。その名刺がなくなったいま、見返りを求めることのない、心からのふれ合いに喜びを感じている。 富士山が雲で見えなくなった正午前。中国から来た男性はスマホを構えたまま残念そうな表情だった。 そこに一人の警備員が現れ、英語で話しかけた。スマホを取り出し、雲一つない富士山の写真を見せた。訪日客にプレゼントできるようにと、毎朝の日課で撮影しているものだ。男性は驚いた表情で「サンキュー」と言って写真データをもらっていた。 別の日には、中国の5人家族が記念撮影を頼む相手を探していた。車が来ていないことを確認し、別の警備員に安全確認を依頼した上で、富士山を背に写真を撮った。別の観光客から道案内を求められると、ジェスチャーを交えて英語で案内した。 富士山の人気撮影スポットに立つ 警備員として活躍するのは住井正男さん(80)。 山梨県富士吉田市の「本町二… この記事は有料記事です。残り993文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東北の被災地思って13年 安城学園高「元気もらったのは私たち」
東日本大震災の被災地支援を続ける安城学園高校(愛知県安城市)で5日、被災地との交流などを報告する集会があった。地震のことをほとんど覚えていない10代の生徒ら約120人が参加し、防災意識を高める重要性や被災地への思いを語り合った。 13年前の地震発生以来、同校では生徒や教職員らのべ2500人以上が被災地でボランティア活動などをしてきた。 今年は昨年末に東日本大震災津波伝承館(岩手県陸前高田市)などを訪れたサッカー部や、昨夏に被災地支援の東北演奏旅行をした弦楽部の生徒らが取り組みを発表。「3・11」は修学旅行の日程と重なるため、この日、地震発生時刻の午後2時46分にキャンドルに火をともし、黙禱(もくとう)した。 同校生徒会長の松田瞬也さん(17)は、「被災地はかなり復興しているのではと思っていたが、まだ崩れたままの家屋もあった。自分の目で見て考えることが大切と学んだ」と語った。 生徒会は2018年から、福島のヒマワリの種を市民や公共施設に配って花をさかせる「ひまわり里親プロジェクト」を続けている。今年度は計40キロの種を収穫し、うち20キロを福島に送り返すことができた。 担当する平岩真琴さん(17… この記事は有料記事です。残り270文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル