第25回参議院議員通常選挙(21日投開票)が4日に公示され、17日間に及ぶ真夏の戦いがスタートする。スポーツ報知では、国会傍聴と政治記事スクラップを趣味にするタレント・井上咲楽(19)の現場リポートを掲載する。太~いマユゲがチャームポイントの19歳は、政治に関心を持ったきっかけを「額賀派の分裂です」と政治通もびっくりの発言。参院選の注目選挙区を3つ挙げるとともに、10代ならではの投票への思いを語った。(取材・構成=北野 新太)
いよいよですね~! ダブル選にならなくてよかったぁ~っていうのが率直な思いです。準備が追いつかないので…。危うく山本太郎さん(れいわ新選組代表、当初からダブル選を想定)にダマされてしまうところでした。
今選挙における私の注目区は3つです。まずは激戦の東京。各メディアの票読みをチェックすると、どこもちょっとだけ違っているのが面白い。そんなの東京だけですし、選挙ではあまりないことのようなので。
次に大阪。定数4なのに自民は太田房江さん1人しか立てませんよね。盤石と言われる与党にも、ビミョーに弱気な姿勢があることが見え隠れします。堂々と複数候補を送ればいいのに…。
そして静岡です。野党共闘の候補者調整が全国的にうまく進んだ中、ココだけ立憲の徳川家広さんと国民の榛葉賀津也さんのガチ勝負になりました。徳川さんの知名度か、榛葉さんの強さか。ココ、大注目です。
争点で言うと「老後2000万円問題」【注1】が政争の具にされているのがちょっと納得いかないです。金融庁のリポートは私も全部読みましたけど、ただ「資産運用しましょう」みたいなことが書かれている報告書なんです。わざわざ受け取りを拒否する与党も与党ですし、野党は「お、全世代の不安をあおる論点が選挙前に来たぞ!」みたいになってる。あまりにズルすぎて「ちょっと大丈夫か、この人たち?」レベルのお話だと思います。
政治に興味を持ったきっかけは、額賀派の分裂【注2】でした。「ヌカガハって何?」って気になって調べてみると、細胞分裂か何かかと思いきや、どーやら額賀福志郎さんという政治家の人がいて、派閥内でパワーゲーム(権力闘争)をやってるらしいと…。人間味があって面白いなあ、と思ったんです。クラスに学級委員がいて、キラキラ女子がいて、普通の人たちがいる。構図は小学校のクラスと変わっていないんだな~と思ったのが面白くて。
そんなふうに、身近に抱いた関心を入り口にしてもいいと思うんです。気付けば、週1くらいで永田町に行って本会議や委員会を傍聴するようになってました。自民党総裁選【注3】の取材で、落選直後の石破茂さんから「冷や飯もね、食べてみたらおいしいんだよ」と聞いた言葉は今も忘れられません。
投票権を持つ10代として「若い人たち、投票行こうよ。行かないと変わらないよ」って言いたいです。よく言われることですけど、ちゃんと理由があります。政治家は若い人の未来に向けた政策を基本的には考えるものですけど、選挙になると途端に年配の方に向けた政策を訴え始めます。理由は単純で、投票に行くのは年配の世代だからです。これこそが大いなる矛盾。解消するために、若い人は投票所に行かなくちゃ。
だからこそ、また単純なことを言うようですけど、今のことよりも10年、20年後を見据えている人をちゃんと見定めるつもりで各地を回りたいです。
報知さんの選挙取材といえば、同じ事務所の春香クリスティーン先輩も大活躍されましたよね。実は以前、春香さんと同居してた私。いつも勉強を欠かさない先輩を見習って、私も頑張りますよ~!(談)
◆井上 咲楽(いのうえ・さくら)1999年10月2日、栃木県益子町生まれ。19歳。2015年、ホリプロタレントスカウトキャラバンで「#kawaiiソフトバンク賞」を受賞してデビュー。「とちぎ未来大使」を務め、今年4月の県議選では投票を呼び掛けるCMに出演。趣味はモンペ作り、ぬか漬け。特技は長距離走で3月の東京マラソンでは3時間53分16秒で完走した。身長151センチ。
【注1】老後2000万円問題 2019年6月、老後のために2000万円を貯蓄する必要があると金融庁が試算した報告書の受け取りを麻生太郎金融相が拒否。野党は年金制度破綻という視点で追及材料に。
【注2】額賀派分裂 2018年1月、自民党第3派閥の額賀派(平成研究会、衆参55議員)の参院側21議員が額賀福志郎会長の退任を要求。同3月、竹下亘氏に禅譲することで決着。
【注3】自民党総裁選 18年9月、国会議員票・地方票で計553票を獲得した安倍晋三総裁が同254票の石破茂元幹事長に圧勝して3選。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース