24時間、プライベートはない。先輩レスラーと暮らす合宿所で自由な空間は、洗濯物が並ぶ二段ベッドの上だけだ。「でも、試合前にここでマスクをかぶれば気合がみなぎるんです」
山谷林檎(りんご)さん(19)は昨年4月、みちのくプロレス(岩手県滝沢市)に社員として入社した。出身の青森県の特産にちなんだリングネームのマスクマンとして、入社1年を経た今年5月にデビューしたばかりだ。
10代の新成人
18歳からは大人である。民法改正で、4月からそうなった。職を得て社会に踏み出した若者たちは何を思うのか。7月10日の投開票日に向け、参院選で各候補者が支持を訴えて声をからすいま、10代の新成人の声を聞いた。
みちのくプロレスは1993年に旗揚げ。全国の「ご当地プロレス」の先駆けともなった。しかし、少子高齢化や人口減少などの社会の変容が経営を危うくする。観客数が年々減る中、さらにコロナ禍に襲われた。一時は興行が全くできなかった。
生き残り策のひとつが、選手の「地域密着」。地元青森でのデビュー戦のチケットは、1人で140枚も売った。250人が観戦した。「プロになるのを地元の人たちが楽しみにしてくれていた。期待を裏切らないよう、何度倒されても立ち上がる選手になる」
腕立て伏せ200回。スクワ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル