中川壮
松山市沖の津和地島に住む岩田夘吉(うきち)さん(83)が2日、松山海上保安部から感謝状を贈られた。5月に船で釣りをしていた時、小型漁船同士の衝突事故を目撃し、海に転落した87歳の男性を救出した。
5月12日午前7時半ごろ、津和地島と隣の怒和島の間を船で移動中、2隻の漁船が視界に入った。「危ないなあ……、当たる!」と思った矢先に衝突し、あっという間に片方が船底をあらわにした。
すぐに針路を変えて接近し、転覆した船につかまり、水面に頭だけを出した男性を自分の船に引っ張り上げた。津和地島に住む知人で額から出血し、「寒い、寒い」と言っている。
船を飛ばし、男性の自宅近くの砂浜に乗り上げた。男性は自力で船から下りて走って家へ。衝突したもう一方には、怒和島に住む89歳の男性が乗っていて、転落せず無事だった。
岩田さんは「(助けた男性には)運が良かったのうと声をかけた。感謝状をもらって気分が悪いことはない」と笑顔を見せた。若い頃はタチウオ漁師で、30年前にも広島県呉市沖で橋から落ちた若い女性を救助したことがあるという。(中川壮)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル