新築の家の値段は約300万円。工期は24時間以内。兵庫県のメーカーが売り始めたそんな住宅に、全国から注目が集まっている。使うのは3Dプリンター。「住宅は高価」という既成概念を打ち破る。(黒田早織)
新興住宅メーカー「セレンディクス」(兵庫県西宮市)が今年5月、長野県佐久市に建てた家は、直径約3・3メートル、高さ約4メートルの白い球状。ドアと三つの窓がついている。
コンクリート製で、内部の広さは10平方メートル、壁の厚さは約30センチ。外壁から屋根は一体だ。耐震基準もクリアし耐用年数は約70年。水回り設備を完備した2人暮らし用の50平方メートルタイプも開発済みで、注文を順次受けている。
高さ数メートルの巨大な3Dプリンターが設計データを読み込み、ロボットアームでパーツを作る。パーツを現地に運び、組み立てる。
同社は、3Dプリンター住宅の販売は「日本初」とうたう。10平方メートルタイプの組み立て時間は23時間で、価格は330万円。50平方メートルタイプは40時間で完成し、550万円だ(いずれも税抜き)。
これまでの家造りは、大工など職人の手作業に頼っており、住宅価格の9割は人件費とも言われる。その工程をすべて機械化することで、販売価格も工期も大幅に減らすことができたという。
従来の家造りでは木材や断熱材など様々な建材を使うが、同社の家はコンクリートのみ。資材コストも複雑な建設工程もカットできる。
ローンのために働くなんて
同社は2018年創業で、「車を買う値段で、家を買う」を掲げる。
住宅の新築にかかる値段は…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル