自民党の河井克行前法相(衆院広島3区)の妻案里氏(参院広島)が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区で、法定を超える報酬を車上運動員14人に払ったとして公選法違反(買収)の罪に問われた案里氏の公設第2秘書立道浩被告(54)=広島市安佐南区=の初公判が20日、広島地裁であり、立道被告は起訴内容について認否を留保した。
【図表】広島県議・広島市議に対する広島地検の聴取と河井夫妻による現金持参の状況
立道被告について広島地検は、連座制の適用対象の「組織的選挙運動管理者」に当たると主張。禁錮刑以上の有罪が確定すれば、広島高検が案里氏の当選無効などを求めて行政訴訟を起こし、高検が勝訴すると案里氏は失職する。
起訴状によると、立道被告は、克行氏の政策秘書高谷真介被告(43)=東京都葛飾区=らと共謀して昨年7月19日~23日ごろの間、車上運動員14人に公選法の上限(日額1万5千円)を超える報酬計204万円を払った疑い。関係者によると、上限の倍の日額3万円を渡していたという。
複数の関係者によると、立道被告は車上運動員の調整役の事務担当で、遊説ルートの作成や報酬の支払いにも関わったとされる。
公選法は連座制適用の可能性がある場合、百日裁判として起訴から100日以内に一審判決を出すよう努めると規定する。地裁は6月30日までに計7回の公判期日を設定している。地検は高谷被告を連座制の適用対象としておらず、別の裁判体で審理される。
中国新聞社
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