北朝鮮に賠償命じず 「楽園」うたった帰国事業めぐり脱北者側が敗訴

 「地上の楽園」と宣伝された北朝鮮帰国事業に参加し、人権が抑圧された生活を数十年間強いられたとして、脱北者5人が北朝鮮政府に計5億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。五十嵐章裕裁判長は原告の訴えを退けた。 帰国事業は1959~84年に日朝両政府の了解のもとで行われ、在日朝鮮人やその家族ら計約9万3千人が北朝鮮に渡った。 訴状によると、原告らは60~70年代に同事業に参加し、2000年代に中国国境の川を渡るなどして脱北した。北朝鮮側、認めることも反論することもなく 原告らは北朝鮮が地上の楽園だとする宣伝は虚偽で、渡航後は餓死者が相次ぐ環境の中、移動の自由も制限されたと主張していた。北朝鮮に残っている家族は現在も出国できず、面会する権利が侵害されたとも訴えていた。 北朝鮮という国家を相手取った異例の裁判で、北朝鮮側は訴えの内容を認めることも反論することもなかった。 主な争点は①北朝鮮で受けた…この記事は有料会員記事です。残り454文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

Central League clubs enter 2022 in race to catch Swallows

The Tokyo Yakult Swallows not only made a surprise run to the Central League pennant…

朝日新聞の特集 米ニュースデザイン賞3年連続「優秀賞」

2022年3月23日 12時00分東京電力福島第一原発 事故から10年 世界の優れた報道デザインを表彰するニュースデザイン協会(SND、本部・米国)の「ベスト・オブ・プリント・ニュース・デザイン」で、朝日新聞の特集「東京電力福島第一原発 事故から10年」(2021年3月11日朝刊別刷り)が2021年の優秀賞を受賞した。 朝日新聞社が同賞を受賞するのは、3年連続。世界のメディアから3500を超す応募があった。事故から10年の出来事を、イラストやビジュアルデータ、写真を使って分かりやすく解説している。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大阪・関西万博の公式キャラクター決定 多様性や変化の可能性を表現

 2025年大阪・関西万博の運営主体「日本国際博覧会協会」は22日、万博の公式キャラクターを決定し、発表した。様々な形に変わる青い水に、赤い細胞の連なりから「いのちの輝き」を表現した万博ロゴマークを組み合わせた。 東京都を拠点とするデザイナーのグループ「mountain mountain(マウンテンマウンテン)」(代表者・山下浩平氏)の作品で、多様性や変化の可能性を込めたという。 キャラクターの公募には1898作品が寄せられた。グラフィックデザイナーら11人による選考委員会が、最終候補3作品から公式キャラを決定した。 大阪府の吉村洋文知事は29…この記事は有料会員記事です。残り85文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

うどん県に欠かせない「伊吹いりこ」って何? 海好き小6が自由研究

堅島敢太郎2022年3月23日 12時08分 第40回「海とさかな」自由研究・作品コンクール(朝日新聞社など主催、日本水産協賛)で、香川県丸亀市立岡田小6年の山田彩陽(さよ)さん(12)の自由研究が、研究部門の最優秀賞の一つ「水産研究・教育機構理事長賞」に選ばれた。山田さんは「うどん県に欠かせない 伊吹いりこ」のテーマで、伊吹いりこの歴史や解剖の様子を15ページにまとめた。 山田さんは、瀬戸内海の離島にゴミ拾いに行くほど海が好き。昨年の夏休みに、伊吹島(観音寺市)のいりこの加工場見学に参加する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期になった。 そこで図書館の本やインターネットを使って、いりこの研究を始め、コンクールに出品することにした。表紙には色鉛筆でいりこのスケッチを描き、約1カ月かけて完成させた。 伊吹いりこは、伊吹島沖合でとれたカタクチイワシを加工した煮干し。山田さんはカタクチイワシや、他地域でいりことしても用いられるマイワシを解剖してみた。背骨につながる神経や、胃や腸のつくりなど、人間の体との共通点があることに気づき、のめり込んだ。今では給食に郷土料理の「いりこ飯」が出ると、「食べるときに箸で解剖したくなる」ほどになった。 6年生41人へのいりこに関するアンケートも作品に盛り込んだ。「伊吹いりこを知っているか」という質問には、半数以上の24人が「いいえ」と答え、地元でも知られていないことがわかったという。いりこ飯を給食以外で食べる児童はわずか1人だった。それでも受賞をきっかけに、いりこに興味を持ってくれる児童がクラスに増えたという。 山田さんは「伊吹いりこは海水でゆでるので、環境にも優しいし、酸化しにくく、おいしい。伊吹いりこをもっと身近に感じてほしい」と話している。(堅島敢太郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「とりあえず入院」の危うさ、沖縄のコロナ第6波でみえた大切なこと

 年明けから新型コロナウイルスの感染が拡大し、人口あたりの感染者数が全国最多だった沖縄県。高齢者対策が要になった第6波では、点ではなく面で感染者を支えることが求められた、と言います。見えてきた病床確保以外の重要なものとは? 県の政策参与で、県立中部病院感染症内科の高山義浩副部長(52)に聞きました。 ――高齢者施設で感染がわかると、施設内療養ができるよう、支援チームが入りました。何をして、どんな効果があったのでしょう。 入所者でも職員でも、1人でも陽性がわかれば、原則として24時間以内に医師が施設に入ります。 高齢者がくらす介護老人保健施設などだけでなく、障害者施設など、すべての社会福祉施設が対象です。ゾーニングや防護服の脱ぎ着などの対策はもちろん、感染が確認された入所者の状態をみて、人工抗体薬などの治療をすみやかに始めます。 こうした対応の積み重ねが、医療にアクセスできずに重症化することを防ぎ、亡くなる人を減らすことにつながってきたと思います。 施設職員の不安を取り除くことも大事です。不安が高まるとパニックになり、本当に必要でなくても救急車を呼んでしまう。搬送が続けば、運ばれた病院もパニックになりかねません。こうした事態を避けたいのです。パニック防ぎ「安心」を ――支援はいつ、始まったのですか。 沖縄県で、最初に高齢者施設での陽性を確認したのは、2020年7月末でした。 翌日、私は県職員と在宅医師、訪問看護師と一緒に施設に入りました。当時はコロナについてよくわかっておらず、職員がパニックになっていました。現場に行かなければだめだと思いました。 最初の事例から支援に入り、20年11月には、迅速支援チームの派遣が県の制度になりました。 初期対応をきちんとしたうえで、「いまは大丈夫ですよ。いつでも相談にのりますから」。そう伝えれば、安心がうまれるのです。 チームの大事な役割として、入院前トリアージもします。 ――入院前トリアージとは? 大半の施設には医師はいませ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

浜松市教委のいじめ調査「不適切」 第三者含まれず「国の指針逸脱」

 【静岡】浜松市の市立学校で起きたいじめ事案について、同市教育委員会が2018年にいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と認定しながら、適切に調査しなかったことが分かった。鈴木康友市長の諮問を受け、当時の市教委の対応を調べたいじめ問題再調査委員会が22日、「国のガイドライン(指針)の手順を踏まえておらず、不適切」とする報告書をまとめ、答申した。 報告書によると、市教委の調査は、市教委や生徒が在籍していた学校関係者のみで行われ、第三者は含まれていなかった。再調査委は「公平性・中立性が担保されておらず、国の指針から大きく逸脱している」と指摘した。 また、重大事態と認定しながら市長への報告まで半年かかったことも、「速やかな市長への報告」を求める指針に反するとした。被害者に対して調査開始や内容の説明が適切に行われていないことも、問題視している。 市教委は18年春、「女子生徒が同級生からいじめを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症している」との情報を受けた。保護者はいじめの調査を求めたが、被害生徒や関係する生徒への聞き取りは十分に行われず、20年1月に「具体的な内容を明らかにできなかった」との報告書をまとめた。市は報告書を公表していない。 同年3月、鈴木市長は、第三者による調査を求める保護者の意見などを受け、弁護士や精神科医ら5人で構成する再調査委に、市教委の対応などについて調査を依頼した。再調査委は、小学校1年から中学1年まで、持続的にいじめを受けていたと認定。女子生徒は中学校を転校して不登校になり、その後、自殺未遂を図るなどした。 再調査委の鈴木敏弘委員長(…この記事は有料会員記事です。残り574文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

口元から血「家までお送りします」 小6、高齢女性の背中支え歩いた

 高齢者を助けた高校生と小学生に、埼玉県警が感謝状を贈った。「やっぱり警察いきませんか」 浦和西高校のサッカー部員4人が4日午後6時ごろ、さいたま市大宮区の交差点で信号待ちをしていると、自転車に乗った高齢の男性が話しかけてきた。 男性は「ここがどこかわからない」という。狭山市から自転車で来たが、帰り道がわからなくなってしまったのだという。 花里勇吾さん(17)は「そんなに遠くから自転車で?」と不思議に思ったが、ひとまず、小川耕平さん(17)と一緒に途中まで男性を送ることにした。 3人で走り出したものの、男…この記事は有料会員記事です。残り685文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

FX投資うたう「オーシャンプロジェクト社員」6人、詐欺容疑で逮捕

 外国為替証拠金取引(FX)への投資で高配当を得られるとうそをつき、金をだまし取ったとして、警視庁は男6人を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で22日わかった。 投資会社を装って全国の住宅に電話をかけて出資を募り、集めた金を運用せずに私的に使った疑いがあるという。押収した資料などから、被害が昨夏以降に少なくとも約1億5千万円に上ると同庁はみている。 逮捕されたのは、架空の投資会社「オーシャンプロジェクト」の社員を名乗り、東京都新宿区を拠点に活動していた6人。逮捕容疑は、共謀して2021年7月、電話で長崎県の男性に「間違いなく利益が出る」とうそをついてFX投資を持ちかけ、計約70万円を詐取したというもの。「損はしない」「キャンペーン中に口座を開けば、数万円分のポイントを得られる」と誘ったという。ほかにも男2人が関与したとして、警視庁は同容疑で近く逮捕する方針。国民生活センターには、FX投資にからむ相談が急増しています。記事後半でトラブルや詐欺被害を防ぐための方法をまとめました。 捜査関係者によると、男らは…この記事は有料会員記事です。残り475文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「彩花の存在、薄れることはない」 神戸の児童殺傷25年、父が手記

遠藤美波2022年3月23日 5時00分 1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、被害者の一人の山下彩花さん(当時10)が亡くなってから23日で25年になる。父の賢治さん(73)が、亡き妻・京子さんの言葉を引用しながら、思いをつづった手記を報道各社に寄せた。 彩花さんは97年3月16日、当時14歳だった加害者の男性(39)に金づちで頭部を殴られ、1週間後に亡くなった。 事件後、京子さんは、講演や手記で命の大切さなどを訴えてきた。乳がんでの闘病の末、2017年に亡くなった。 賢治さんは手記で、3月になると加害者の男性から届いていた手紙が4年前から届いていないと明かし、「私なりの方法で、今後も『償いと謝罪』を求めていきたい」とつづった。 事件では97年2~5月に計5人の児童が相次いで襲われ、小学4年の彩花さんと小学6年の土師(はせ)淳さん(当時11)が殺害された。同年6月に殺人などの容疑で加害男性が逮捕された。男性は医療少年院に送致され、05年に本退院。15年には事件の経緯などを書いた手記を遺族に無断で出版した。(遠藤美波)手記全文 最愛の娘・彩花が10歳でこの世を去って25年、彩花が生きた時間の倍の歳月が流れようとも彩花の存在が薄れることはなく、私たちの心にしっかりと根を下ろしています。事件後、想像を絶する絶望に陥りながらも、歩み続けることができたのは、妻・京子の存在が大きかったのですが、闘病の末、5年前に亡くなってからは、周囲の皆様からたくさん支えていただきました。妻が事件から丸20年の時に綴(つづ)った手記の言葉は、今も私の胸に刻まれております。 「私たち家族が20年をかけて学んだのは、“試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる”ということです。家族の絆もさらに強くなりました。それらは決してお金で買うことができない宝物であり、彩花が命をかけて教えてくれたことに他なりません。これからも、体験し学んだことを丁寧に社会にお返ししていくことが、私たちの役目だと思っております。」 加害者の男性からの手紙は、2018年以降、届いておりません。被害者家族に対して償う気持ちがないのでしょうか? 私なりの方法で、今後も「償いと謝罪」を求めていきたいと思っております。 静かに彩花の命日を迎えさせて頂ければありがたく存じます。 2022年3月 山下賢治Source : 社会 - 朝日新聞デジタル