北海道電力がブラックアウト想定の訓練を公開 5年前の地震を教訓に

 5年前の胆振東部地震で起きた全国初のブラックアウト(全域停電)に備えた訓練を、北海道電力が13日、報道陣に公開した。震災翌年から毎年実施しており、5回目。被害状況の把握や社外への情報発信などの手順を確認し、移動電源車による給電訓練もした。 訓練は12月に胆振地方東部で震度7の地震が発生し、苫東厚真発電所などが停止してブラックアウトが起きたと想定した。社内に特別非常災害対策本部を立ち上げ、道内各地の拠点とつないで情報を収集し、SNSなどを使って社外に発信する訓練をした。約300人が参加した。 札幌市内では、自治体の求めに応じて避難所や病院などに緊急送電する想定で、移動電源車から高さ約10メートルの送電線にケーブルをつなぐ訓練や、タンクローリーから電源車に給油する訓練を行った。電源車は全道に33台を配備しているという。(新田哲史)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「走らないサッカー」人気快走中 けがのリスク減、世代超え楽しめる

 走らないサッカー「ウォーキングフットボール」が兵庫県内で少しずつ広がっている。体の接触がないため、けがの心配が少なく、子どもからお年寄りまで一緒にプレーできる。身近な生涯スポーツとして定着させようと、元教諭の男性が普及に力を入れている。 10月14日の午前8時半、神戸市東灘区の六甲アイランドにある人工芝のフットサル用のグラウンド(約800平方メートル)。 毎月1回開かれる体験会に、県内外から30~70代の男女約20人が集まった。 指導するのは、神戸市中央区の小西規雄さん(65)。まずはグループに分かれて、足でボールのパスやシュートの練習をした。 小西さんは「走ってはいけません」「ボールを回しましょう」などと参加者に語りかけた。 参加者らは「ごめん!」などと笑いながら、わきあいあいとした雰囲気。最後に6人制でゲームをして、ゴールが決まるたびに歓声が上がった。 主なルールは、①走ってはいけない(早歩きはOK)②ボールを高く蹴ってはいけない③選手同士の接触やヘディングは禁止――など。 歩くドリブルやパス回しで相…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「私人逮捕」系ユーチューバーの男、名誉毀損容疑で家宅捜索 警視庁

 東京都千代田区の帝国劇場で9月、10代の女性の姿を勝手に動画に撮ってSNS上にアップしたとして、警視庁が13日、「私人逮捕系ユーチューバー」と称する男(40)の関係先を名誉毀損(きそん)の疑いで家宅捜索したことが、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、男は9月、帝国劇場にいた10代の女性を動画で撮影し、顔にモザイクをかけないまま、公演チケットの「転売ヤー」などと字幕などで主張し、SNS上に投稿した疑いがある。警視庁は13日、神奈川県内にいた男を任意同行し、容疑が固まり次第逮捕する方針。 私人逮捕(常人逮捕)は、警察官らでない一般人が逮捕状なしに犯罪の容疑者を逮捕すること。刑事訴訟法では、原則として罪を行ったり、罪を行い終わったりした「現行犯」の場合だけに限定されている。 SNS上では、一般人について痴漢やチケットの不法転売に関与したと決めつけ、「私人逮捕」と称して勝手に身体を拘束する様子を撮影し、動画投稿サイト「ユーチューブ」などに投稿するケースが相次いでいる。公開目的の撮影が多く、動画の再生や拡散で投稿者が収入を得ている。 こうした動画には私的制裁やプライバシー侵害の懸念があり、行き過ぎた拘束は暴行罪にあたる可能性があるとの指摘も出ていた。(福冨旅史、遠藤美波)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

身近な卵の「裏」で 朝の仕事は死体取り出し、ボロボロになる鶏たち

 ケージの中にぎゅうぎゅうに詰め込まれていました――。 関東地方にある国内最大級の養鶏場で働いていた女性は、卵を生産するために飼育されている鶏たちの「過酷な現実」をそう語り始めました。ほとんど身動きが取れないケージのなかで傷つき、ボロボロになりながら、それでも人間のために卵を産み続ける、鶏たち。 アニマルウェルフェア(動物福祉)への配慮は世界的な潮流になっています。でも日本の畜産は、その流れから大きく取り残されています。畜産動物のなかで最も飼育数の多い採卵鶏の現状を取材し、日本にもアニマルウェルフェア畜産が浸透する兆しはあるのかどうかを探りました。現場へ! 鶏たちの「福祉」はいま① 栗畑や農家が点在するなかに、白い巨大な建物がいくつも見えてきた。周囲を土手や雑木に囲まれた敷地内には、三角屋根の体育館のような建物が整然と並んでいる。関東地方に本社を置く鶏卵大手の傘下で、国内最大級の養鶏場の鶏舎群だ。 窓のないウィンドレス鶏舎だからだろうか、換気にともなう音がひときわ大きく聞こえる。風向きによっては時折、鶏の糞(ふん)と思われる臭いがただよう。鶏舎は全部で12棟あり、計約120万羽の飼育能力を備える。出荷される卵は1日100万個近くにのぼるとされ、東日本各地の卵の需要を支えている。 いま西日本の別の養鶏場に勤める女性(49)は2020年、ここで働いていた。「鶏たちは、ケージの中にぎゅうぎゅうに詰め込まれていました」。当時をそう振り返る。B5判よりもずっと狭いスペースで 飼育に使われているのはバタ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

散歩しながら防犯活動、狙え「わんレジェンド」 愛媛県警わんパト隊

 地域住民の自主防犯意識を高めようと、愛媛県警松山南署は管内で暮らす飼い犬22匹でつくる「わんパト隊」を結成した。 犬とその飼い主に委託し、散歩のついでに、近所の子どもの見守りや不審者の通報などの「ながら防犯活動」に努めてもらう。 隊員は22匹でトイプードルやシバイヌ、ボーダーコリー、ラブラドルレトリバーなど小型犬も大型犬もいる。わんパト隊のバンダナと名札をつけて活動する。 隊員の犬には、警察官と同様に階級があり、「わん巡査」からスタートし、「わん巡査部長」「わん警部補」「わん警部」「わん警視」と年を重ねるごとに昇進する。警察官は警視より上の階級もあるが、隊員は署長と同じ警視より上にならず、最高は「わんレジェンド」だ。 6日に松山南署であった委託…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

警官が刃物の男に発砲 近隣トラブル?女性刺されけが 大阪・住之江

 13日午前6時ごろ、大阪市住之江区南港東1丁目の集合住宅で「怒鳴り声がする」と110番通報があった。警察官が駆け付けると、刃物を持った男(58)が近づいてきたため、拳銃2発を発砲。うち1発が男の腹に当たった。男は病院に運ばれたが、命に別条はないという。 住之江署によると、男は近隣の70代の女性とトラブルになっていたとの情報があり、女性がけがをしているという。署は男が女性を刃物で切りつけた可能性があるとみて調べている。 現場近くの女性(82)は午前6時すぎ、けんかのような声を聞いた。女性が外に出ると、「パンパン」という音が聞こえ、直後に男が倒れ、警察官が男を確保したという。 住之江署の本田直樹副署長は「現時点では、拳銃の使用は適正な職務執行であったと判断している」とのコメントを出した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

本当の民主主義、日本で育っているか 古谷経衡さんが語る福田村事件

 1923(大正12)年の関東大震災直後に起きた福田村事件が森達也監督(67)によって映画化され、存在が知られるようになってきました。千葉県松戸市在住で文筆家の古谷経衡さん(41)は「当時も今も変わっていないことがある」と言います。事件から学び取れることは何か、聞きました。 ――森監督は「映画で描いたことは今も起こり続けている」と言います。 「作中の在郷軍人の長谷川が象徴しています。彼は『デモクラシーは多数決』と言いました。明治国家とはいえ、普通選挙もあり、デモクラシーという言葉はみんな知っていた。だけど本来、民主主義は多数決じゃないですよね。デモクラシーという言葉を知っているだけで身に付いていない。長谷川を含め、ほとんどの人が民主主義を解釈していないのは、戦後の日本も変わらないと思います」 ――今も昔も、知識として理解して判断する力が付いていないということでしょうか。 「リテラシーがないから疑わないんです。現代の人たちはナタやヤリを持ってないだけで、ネットの言葉で人が死んでしまうわけです。昔は情報が新聞に限られていたから、デマを信じ込んだという人もいます。ならば情報の選択肢が多い現在はそのような事件が起こらないのか? 起こっているじゃないですか」民主主義を育てるには、どのようなことが必要でしょうか。インタビューの後半で古谷さんは「疑うこと」の重要性を語ります ――関東大震災直後、流言飛…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

引退バスと案内所が宿泊施設に 1日1組限定、降車ボタンも押し放題

 「バスと過ごす」をコンセプトにしたユニークな宿泊施設「ばすてい」が静岡県西伊豆町に誕生する。役目を終えた案内所と路線バスを一体的にリノベーションしたもので、全国でも珍しい施設という。普段なら降りる前に一度しか押せない降車ボタンを、心ゆくまで押せるなど、「バス泊」ならではのひとときが過ごせそうだ。 「ばすてい」は東海自動車(伊東市)が17日に開業する。施設名は「バス」と「ステイ」を組み合わせ、「バス停」ともかけた。 1950年に建てられた旧宇久須案内所は、昨年3月まで乗車券の販売などをしていた。木造平屋建て約72平方メートルを改装し、ダイニングルーム、浴室、トイレと2人用ベッドルームなどを備えた。 案内所のカウンターや事務室だったスペースは当時の雰囲気を残したキッチンに生まれ変わり、自炊することができる。事前予約すれば別料金で、近くの民宿や漁協の協力で新鮮な海の幸やバーベキューのセットが用意される。東海バスに残る最後の1台 バスは1999年に初年度登…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

毎朝練習1時間、ピアノ歴35年 ソロコンサートの夢かなえた65歳

 吹奏楽や合唱の大会が開かれる文化ホール。700人が収容できるこの会場で、篠原稔さん(65)はベートーベンのソナタ第8番「悲愴(ひそう)」をピアノで弾ききった。 この日はアンコールを含めて7曲を披露。演奏が止まることもあったが、途中でジャケットを脱ぐほどの熱演を披露した。 「下手くそだけど、35年間この日を夢見て練習してきました」。締めのあいさつで頭を下げると、客席から大きな拍手が起こった。きっかけは長女の習い事 見ているうちに弾きたくなった 篠原さんは甲府市内で電気工事会社を営む。趣味は中学で始めたテニスに加え、スキーやスケート、バイクのツーリング。アウトドア派だ。 そんな中、ピアノを毎朝1時間こつこつ練習してきた。夜遅くまで仕事をする忙しい時期を除き、午前5時に起き、眠い目をこすりながら5時半から練習を始める。楽譜には「ゆっくり」「指づかい」とメモがびっしり書かれている。 ピアノとの出会いは30歳の…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

水際の薬物犯罪、「麻犬」には勝てん クルーズ船復活で再び活躍の場

 新型コロナウイルスの感染拡大で減便していたクルーズ船が復活しつつある。そんななか懸念されるのが、大麻などの不正薬物の持ち込みだ。水際での阻止を担う神戸税関は、効率的な摘発のため、麻薬探知犬に期待を寄せる。 約700人の乗客を乗せた国際クルーズ船が2日、神戸市中央区の神戸ポートターミナルに入ってきた。 乗客が、出入国審査や検疫などをするCIQ施設を通る。そこに登場したのは神戸税関の麻薬探知犬、通称「麻犬(まけん)」の2頭だ。 いずれもラブラドルレトリバ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル