法哲学者が読み解く最高裁トイレ制限訴訟判決 狭さと深さにある意義

「憲法季評」 松尾陽・名古屋大学教授(法哲学) 「女性」を自認する「(元)男性」が女性トイレに入ることができるのか。最近、「トランスジェンダー」をめぐって、この問題についての議論がメディアやネットで繰り広げられている。「トイレ問題だけに代表させるな」という声もある。しかし、具体的な問題の中にこそ、大事な価値が議論されることもある。 7月11日、まさにこの問題を取り上げる最高裁判決が下された。経済産業省に勤める、戸籍上は男性だが女性を自認する職員が女性トイレの使用を求めたところ、最終的に、勤務している階とその上下の階の女性トイレの使用を認めないという判定を人事院が下した。この人事院の措置について、最高裁は、著しく妥当性を欠くとして違法だと判断した。 制度上も慣習上も、社会では…この記事は有料記事です。残り1769文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東農大ボクシング部員、大麻を販売目的所持容疑 部員の逮捕は3人目

 販売目的で大麻を所持したとして、警視庁は9日、東京農業大ボクシング部員の男子学生(21)=青森県=について、大麻取締法違反(営利目的所持)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。部員の逮捕は3人目になる。 捜査関係者によると、男子学生は部員の少年(19)=山梨県、同容疑で逮捕=と共謀して7月5日、東京都世田谷区にある同大学の寮近くの屋外駐車場で、乾燥大麻59・66グラム(末端価格約30万円)を販売目的で所持した疑いがある。 東農大ボクシング部では、別の部員の少年(19)=新潟県=も、7月初旬に寮内で販売目的で大麻を所持した同容疑で逮捕されている。 同部は強豪として知られ、部員は18人。(御船紗子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「老人ホームの権利が当たった」 宮城で特殊詐欺、8500万円被害

小山歩2023年8月10日 8時38分 宮城県警は9日、県内に住む高齢の女性が、特殊詐欺で約8500万円をだまし取られたと発表した。県警によると、県内で発生した特殊詐欺事件のうち最も大きい被害額だといい、詐欺容疑で調べている。 県警組織犯罪対策課によると、女性は5月中旬、大手ハウスメーカーの社員を名乗る男から、「老人ホームに入居できる権利が当たった。入居しないなら権利を貸してほしい」とするうその電話を受けた。 承諾すると、7月下旬にかけ、金融庁の職員や弁護士を名乗る人物から、「名義貸しは犯罪で、このままだと財産が没収される。会社の金庫で預かるので送ってほしい」などと相次いで電話があったという。 女性は指定された都内の住所に、複数回にわたり封筒などに入れた現金計約8500万円と数十万円分のギフトカードを送ったという。送金後、女性が不審に思い、警察署へ相談したことで被害が発覚した。(小山歩)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

維新の和田有一朗衆院議員、接触事故を不申告の疑い 警察が書類送検

2023年8月10日 8時43分 車を運転中、原付きバイクに接触する事故を起こしたのに警察に届け出なかったとして、兵庫県警は、日本維新の会の和田有一朗衆院議員(58)=比例近畿ブロック=を道路交通法違反(事故不申告)の疑いで書類送検した。県警への取材でわかった。8日付。 送検容疑は7月17日昼ごろ、神戸市垂水区のマンション敷地内で車を運転中に駐輪場の原付きバイク2台を倒す接触事故を起こしたが、県警に届け出ず走り去ったというもの。容疑を認めているという。 和田氏は7月の朝日新聞の取材に対し、「事故とは思わず、認識が甘かった」と説明している。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

上空飛行増のルート案「しわ寄せだ」 淡路島の住民らが意見交換会

編集委員・中島隆2023年8月9日 19時18分 神戸、関西、大阪(伊丹)の3空港のあり方を自治体や経済界が議論する関西3空港懇談会で兵庫県・淡路島上空を通る新たな飛行ルート案が示されたことを受け、島民らでつくる「淡路の空を守る会」が9日、「淡路の空の問題を考える意見交換会」を兵庫県洲本市で開いた。地元市議や役場職員らも含めた島民約30人が参加した。 会合では国の方針に対し、「経済界の意向が反映され、人口の少ないところにしわ寄せが来てしまう」「これを認めると、いくらでも拡大されてしまう」などの反対意見が相次いだ。 関西3空港懇談会などが「住民の意見を聞く」としていることにも反発が強く、「住民の意見を聞いてからルート案を考えるべきじゃないのか」といった疑問の声が相次いだ。「情報を知って市民が声をあげよう」という声もあった。 「守る会」の安藤眞一事務局長は「15人ぐらい集まればと思っていたので、驚いた。それだけ関心が高い。これから3空港懇談会などに要望・注文をしていく」と話していた。(編集委員・中島隆)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

秋篠宮ご夫妻、9月下旬にベトナム訪問へ 外交関係樹立50周年で

多田晃子2023年8月9日 19時21分 宮内庁は9日、秋篠宮ご夫妻が9月下旬にベトナムを公式訪問する予定と発表した。今年は日本とベトナムの外交関係樹立50周年にあたり、今月初旬に招請状が届いた。訪問は1週間弱を想定しており、今後、閣議了解を経て正式に決まる。 代替わり後のご夫妻の外国公式訪問は、2019年のポーランド・フィンランド、今年5月の英チャールズ国王の戴冠(たいかん)式参列のための英国訪問に続いて3回目となる。訪問日程や地方都市への訪問の可能性などを勘案し、民間機ではなく、政府専用機を使用する。 ご夫妻でのベトナム公式訪問は1999年以来。秋篠宮さまは2012年に旅行で訪れている。ベトナムには09年に皇太子時代の天皇陛下が、また退位前の最後の外国訪問として両陛下時代の上皇ご夫妻が17年にそれぞれ公式訪問している。(多田晃子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

警視庁が日大呼び調査要求、直後に薬物発見 大学側と認識食い違いも

 日本大学アメリカンフットボール部員の薬物事件で、日大が大麻のようなものを見つけたとする7月6日に、警視庁が日大担当者を同庁本部に呼び、調査の徹底を求めていたことが複数の捜査関係者への取材でわかった。日大はこの面会直後に薬物らしきものを見つけたとするが、警視庁への報告は12日後だった。 日大は8月8日の記者会見で、7月6日の面会の際に警視庁側から「自首させて欲しいと言われた」と説明した。だが捜査関係者によると、この発言はなかったといい、会見内容と警視庁の認識に食い違いが出ている。 日大の会見では、酒井健夫学長や沢田康広副学長が警視庁側とのやりとりなどを説明した。酒井学長によると、2022年11月下旬に部員の一人から「大麻と思われるものを22年7月ごろに吸った」と申告があり、アメフト部が「警察関係者」に相談。物的証拠がなく4カ月経過しており、大麻かどうか確認できず「立証は困難」と回答があった、という。 捜査関係者によると、相談を受けたのは警視庁にいる日大OBの警察官で、相談は個人的関係に伴うものだった。この警察官は薬物捜査が専門ではなく、「立証は困難」との発言はしておらず、警察署へ相談するよう伝えたという。警視庁から「自首させて欲しい」との発言はあったのか 沢田副学長の説明では、今年…この記事は有料記事です。残り577文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

送迎バスの置き去り熱中症死めぐる賠償訴訟、父母と保育園側が和解

 福岡県中間市の双葉保育園で2021年7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が送迎バス内に取り残され熱中症で死亡した事件で、母親と父親が園を運営する社会福祉法人「新星会」などを相手取り計約1億円の損害賠償を求めていた訴訟は9日、福岡地裁小倉支部で和解が成立した。園側がそれぞれに賠償金を支払う内容で、賠償額については明らかにされていない。 母親側の訴状によると、当時の園長は園児全員の安全を管理する注意義務があったにもかかわらず、確認が不十分なままドアを施錠して立ち去った過失があると指摘。法人には使用者責任があると主張していた。死去から2年、一つの区切り 中間市の双葉保育園で送迎バ…この記事は有料記事です。残り359文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ケンドーコバヤシさんら広報大使に 警視庁、特殊詐欺防止に動画公開

2023年8月9日 21時00分 お笑い芸人のケンドーコバヤシさんら4人が9日、警視庁の「ブロック!詐欺」広報大使に就任した。特殊詐欺の被害防止に向けた広報活動を担う。コバヤシさんは「詐欺はどこまでいってもなくならないもどかしさがあるが、戦い続ける」と話した。 警視庁によると、特殊詐欺の入り口は8~9割が自宅の固定電話。同庁は9日、4人が「留守電モード」「知らない番号無視」などと呼びかける啓発動画を公開。今後、ユーチューブ広告などで拡散する。 今年1~6月に同庁が認知した特殊詐欺被害は1402件で、前年同期比で30件減った。一方で被害額は約11億円増え、総額約38億円だった。池田克史副総監は「4人は様々な媒体で活躍し、様々な年齢の方に大人気。高齢者の子どもや孫の世代にもアピールしてもらいたい」と話した。 広報大使に就任したのはコバヤシさんのほか、ゆりやんレトリィバァさん、おかずクラブのオカリナさんとゆいPさん。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

相次ぐ家族のがん、「記憶伝える最後の世代」 85歳は問い続ける

 1945年8月9日午前11時2分。長崎上空で炸裂(さくれつ)した、たった1発の原爆で、7万人を超える多くの命が奪われた。あれから78年の平和祈念式典。原爆の影響はいまも続いている――。被爆者代表の工藤武子さん(85)=熊本市=は亡くなった家族への思いを胸に、「平和への誓い」を読み上げた。「祈りは、次の世代に受け継がれていく」。そう信じて。 台風接近の影響で、平和公園ではなく長崎市内の屋内施設で行われた平和祈念式典。工藤さんはまっすぐに前を見据え、かみ締めるように語り始めた。 《78年前の8月9日、7歳の私は爆心地から約3キロの片淵町の自宅で母や姉、弟2人の5人で食卓を囲んでいました》 あの瞬間。稲妻が部屋中に満ちたような強烈な光に覆われた。反射的に防空壕(ごう)へ。「ガーッ」という衝撃の後、音が消えた。壕を出ると、家のガラスは全部割れ、畳が跳ね上がっていた。 家族にけがはなかった。工藤…この記事は有料記事です。残り1344文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル