生徒を屋外に出し施錠 特別支援学校の教員ら「落ち着かせるため」

三ツ木勝巳2023年3月28日 7時51分 佐賀大付属特別支援学校(佐賀市)で昨年11月、教諭が高等部の生徒を2階の教室横のベランダに出して、出入り口の鍵を閉めていたことが分かった。ベランダにはベンチがあり、教諭は生徒を落ち着かせるためだったと説明したが、学校側は不適切な指導だったとして、教諭らを厳重注意し、保護者会や文書で説明や謝罪をしたという。 学校側によると、昨年11月24日、副担任の教諭が、体育館での活動で気持ちが高ぶった生徒を連れて教室に戻った際、気持ちを落ち着かせる「カームダウン」を目的に、教室横のベランダに生徒を出したという。 2カ所あるベランダへの出入り口の1カ所に鍵をかけた。副担任は2~3分ほど目を離して職員室に戻っていたこともあったという。学校側の説明によると、もう一方の出入り口には鍵がかけられておらず、隣の教室のベランダとの仕切りもないという。 この生徒の副担任と担任は昨年9月から、「カームダウン」を目的に計7回、生徒をベランダに出していた。鍵をかけたのは、このうち2回だったという。 荒木真由美校長は、生徒や保護者らに「不快な思いをさせてしまったことを、心よりおわび申し上げます」とし、「全職員で指導力向上に一層努めるとともに、保護者の皆さまとの連携を強化し、再発防止に取り組みます」とコメントしている。(三ツ木勝巳)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

マスク緩和で「メイク熱」が再燃 トレンドより「自分らしさ」に注目

 マスクを外す機会が増えて、「メイク熱」が再燃している。注目されているのは、「自分らしさ」だ。 3月半ばに開かれた東京コレクション(楽天ファッションウィーク東京)の会場を訪れたデザイナーの女性(44)は、マスクの着用が緩和され、チークを新調したという。華やかなリップに合うように、コーラルにゴールドが入った明るめのチーク。「コロナ下では在宅勤務で自分の顔を見ることが多かったので、スキンケアをがんばってきました」「マスク生活で化粧に変化」が9割以上 花王ビューティリサーチ&クリエーションセンター(BRCC)が2022年4月、18~59歳の女性650人に聞いた調査によると、マスク生活で9割以上が化粧に変化があったと答えた。 「目元を濃くした」が37・5%で最多。「チークを使わなくなった」「ファンデーションが薄くなった」「口元メイクをしなくなった」と続く。 メイクの目的にも変化があった。「おしゃれを楽しむ」という人の割合は21年の67・4%から74・9%に、「楽しい気分になる」は47・2%から56・2%に上がった。 BRCCの平尾清香さんは、「自分らしさへの目覚めが見て取れる」と分析する。これまで日本人の化粧は「他人を意識したもの」が主流で、流行にも大きく左右されてきた。 だが、コロナ下で化粧の機会は減り、メイクをしても、親しい人にだけ見せるものに。「多様性を大事にしようという社会の流れもあり、『自分らしく』という傾向がより強まった」と平尾さんはみる。「自分のアピールポイントを押さえて」 マスクを外した後の「自分らしいメイク」とは、どのようなものになるのか。 BRCCの原島麻由美さんは、「マスクをしている生活の中で、特に注目された目元が引き続き中心になる」と予想する。ただ、コロナ下で生まれた傾向は変わらず、「誰もがトレンドを追うことにはならず、自分のアピールポイントを押さえたメイクをする時代になると思います」。(江戸川夏樹)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

船主の娘と恋に落ちた技能実習生、猛反対の末に…漁村に起きた変化

 日本海の冬の味覚、ズワイガニの水揚げで、兵庫県新温泉町の浜坂漁協は全国屈指の多さを誇る。 インドネシア出身のウギア・レストゥ・ギナンジャルさん(30)は11年前、技能実習生として町に来た。400世帯余りが暮らす小さな漁村に暮らし、船に乗った。 最初の年は日本語が分からず、いてつくような冬の海での作業も、とにかくつらかった。花火大会の後の砂浜を歩いて 2年が経った夏、競り場の2階にある実習生の寮に、若い日本人船員に連れられて浜根綾華さん(32)が、ふと遊びに来た。同僚実習生の船主の娘だ。 綾華さんは海外に興味があり、当時は韓国ドラマにはまっていた。毎年来るインドネシア人実習生も気にかけていた。 綾華さんは母を亡くし、幼い妹たちの世話や家事に追われる日々だった。そんな綾華さんにとって、同世代のインドネシア人たちと話す時間は「いい息抜き」で、楽しかった。 韓流アイドルのような雰囲気のウギアさんはシャイでおとなしかった。でもお互いに意識していた。 数日後、夏祭りの盛り上がりも手伝って、LINEの連絡先を交換した。その6日後、花火大会が終わった砂浜をふたりで歩き、交際が始まった。 ふたりは約束した。「誰にも言わないでおこう」 実習生は3年間で帰国する…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

旧統一教会に203項目を質問へ 文科省、5回目を28日に行使

2023年3月27日 21時13分 文部科学省は27日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する5回目の「報告徴収・質問権」の行使について宗教法人審議会に諮問し、了承を得た。献金などをめぐり裁判外で示談になった事項や、教団の組織・運営などに関する203項目について報告を求める文書を28日に発送する。回答の締め切りは4月25日に設定した。 一連の実務を担う文化庁の担当者によると、今回報告を求めるのは①教団の組織運営②予算・決算・財産③献金④示談⑤教会の管理運営⑥信者でつくる「信徒会」――に関係する事項。これまでの4回の権限行使の中で重なる質問項目も多いが、担当者は「回答を踏まえて、より深く明らかにする観点から、質問事項を用意した」と説明した。 回答期限まで1カ月近い期間を設定したことについては、尋ねる項目が多いことを考慮したという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 旧統一教会問題2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

教団系に政務活動費 返すか返さないか、同じ支出先でも分かれた判断

 全国の地方議会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関連して政務活動費を支出し、返還・修正した例が少なくとも21議会で確認された。指摘された支出を返還するか、そのままにするのか。議員らが対応に苦慮した様子も浮かぶ。 長野県の自民党県議団は、教団の関連団体が開いた催しや会合に参加した際に政活費を支出した計10人(除名議員や元職含む)が、足並みをそろえて県に返還・修正した。 「県民から誤解を招きかねないから返した方がいいということで一致した」。自らは支出していなかったという県議団長は、取材にこう説明した。 県条例では、議員1人あたり月額31万円が、個人ではなく会派ごとに交付される仕組みだ。このため、教団関連の支出をしていた10人全員に返還の意向を確認した上で、県議団会議を開いて了解を得たという。 10人が支出していたのは大半が会費やガソリン代、駐車場代で270~2万6710円。全員が当時、教団関連の会合だとは認識していなかったという。「暴力団に公費を出したようなもの」と言われた議員も 返還した男性県議の1人は取…この記事は有料記事です。残り1410文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「旧統一教会関連で使った」政務活動費を修正・返還 全国21議会で

 地方議員に調査研究のために支給される公費の政務活動費について、使途が「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の関連だったと判明したという理由で、少なくとも全国21自治体の議員計41人が、今年1月までに政活費を返還したり修正したりしていた。朝日新聞の取材でわかった。 教団とのつながりを見直す動きの一端が各地の議会で浮かんだ。一方で、同じ支出先でも返還・修正しない議員もおり、政活費を教団関連に支出した例は実際にはより多いとみられる。 朝日新聞は昨年12月、全国1788地方議会にアンケートし、今年1月までに全議会から回答を得た。札幌市や奈良市、福井県など計18議会が返還・修正の事例があったと答えた。内訳は9県と東京都、4政令指定市と4市だった。 また、取材で情報を得た他の議会にも個別に確認し、広島、長野、栃木の3県で事例があった。計21議会となり、対象となった支出の時期は2016~22年度で、金額は計154万円だった。 返還・修正の対象になった支出は、教団関連の会合への参加費、会合までの交通費のほか、教団関連団体の会費や、教団関連の雑誌や新聞の購読費に大別される。韓国で行われた教団の会合に出席するための渡航費もあった。 返還・修正の時期はいずれも…この記事は有料記事です。残り540文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

新幹線の運転士「年休、希望通りに取れず」 JR東海に賠償を命令

 JR東海の東海道新幹線の現役運転士ら6人が「年次有給休暇を希望通り取れなかった」として、同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(片野正樹裁判長)であった。判決は同社の年休の運用について「労働契約上の義務を怠った」と認め、6人に1人あたり3万~20万円、計54万円を支払うよう同社に命じた。同社は即日、控訴した。 労働基準法で、会社は労働者の希望する日に年休を与えなくてはならない。ただ、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、会社は取得日を変更できる。 判決によると、JR東海の新幹線乗務員は就業規則などに基づき、毎月20日までに翌月の年休希望を申請する。しかし実際は、取得できるかは勤務日の5日前まで確定せず、取れない場合もあった。 訴訟で同社側は、日々の需要に応じて臨時列車を運行するためにやむを得ないと主張したが、判決は、社員が申し出てから相当期間後に希望を変更させる運用は「合理的な期間を超え、労働者の利益への配慮に反する」と認定した。また、訴訟の対象となった2015~16年度は「(会社は)恒常的な要員不足に陥っていた」と指摘。6人の年休取得で事業に支障が生じるとしても「会社が年休取得日を変更する権利を行使することは許されない」とも判断した。(田中恭太)JR東海「指定席取りやすい」 その裏で 「年休権という労働者の権利の重要性を改めて確認した判決だ」 原告の一人で現職の運転士、木下和樹さん(59)は会見でこう話した。 年休をめぐるこれまでの裁判…この記事は有料記事です。残り841文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

講師の5年ルール拒否「違法」、専修大の敗訴確定 最高裁が上告棄却

 有期労働契約が5年を超えた働き手は、雇い主に無期雇用への転換を申し入れることができる労働契約法の「5年ルール」をめぐり、専修大の語学の非常勤講師の申し入れを大学が拒んだのは違法だとして、講師が地位確認などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は大学側の上告を棄却した。24日付の決定で、上告理由にあたる憲法違反などがないとだけ判断した。大学側の敗訴が確定した。 大学の研究者などについては、労契法とは別の法律で、研究開発の促進などを目的に無期転換の期間を「10年超」とする特例が定められている。大学側は、原告も特例の対象だと主張したが、一、二審はともに、原告の業務はドイツ語の授業などに限られ、特例の対象外だと判断した。(遠藤隆史)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

雇い止めされた客室乗務員に「オランダ法」を適用 無期転換認める

 KLMオランダ航空で有期雇用の客室乗務員として働いていた日本人29人が、「有期契約期間が通算3年を超えれば無期雇用に転換する」と定めたオランダ法に基づき、無期雇用の労働者としての地位の確認などを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(布施雄士裁判長)であった。判決は、雇用契約の内容の多くがオランダで決められていたことなどから、オランダ法の適用を認め、無期転換や未払い賃金の支払いを命じた。 原告側代理人は「日本より(労働者保護が)手厚い海外の規定が適用されるのはかなり珍しい。外資企業に勤める日本人労働者の雇用の安定に大きな意味のある判断だ」と評価した。 判決によると、原告らは日本法で無期転換権が発生する「5年」を超える前に雇い止めされた。だが判決は、「契約に最も密接な地の法律」が適用される「通則法」に照らし、原告らにはオランダ法の「3年」が適用されると判断した。(田中恭太、三浦惇平)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

キャンパス・ハラスメント 学生らの団体、国に「実効性ある対策を」

 大学での様々なハラスメントについて、国や大学は実効性のある対策を――。大学生や若手の大学教員らで作るグループが27日、文部科学省に対し、実態調査を行うことなどを求める署名や要望書を提出した。 このグループは、早稲田大や東京芸術大、京都大など全国の大学生や若手教員ら約30人で作る「キャンパス・ハラスメントと差別に反対する横断ネットワーク」。アカデミック・ハラスメントやセクシュアルハラスメントなどに対する大学の対応に不満を持つ学生らが、昨年8月ごろからオンライン上で連携。同11月に文科省に対応を求めるオンライン署名を始め、これまでに約2万4千人筆の賛同署名を集めた。 27日に主要メンバーの学生らが、同省の伊藤孝江政務官に要望書とともに手渡した。①大学でのハラスメント相談窓口が機能しているか実態調査の実施②大学の教職員向けのハラスメント研修に利用できる教材の用意③各種の大学評価の項目へのハラスメント対策の反映――などを求めた。伊藤政務官は「学生の相談窓口がどう機能しているのか、相談が来た時にどのように対応できているのか、その後にどうつなげることができているのかを文科省が確認するのは必要だ。学生のみなさんが、勇気を出して声を上げてくれた重みを受け止め、具体的な対応を考えたい」と応じた。 学生らは、要望に合わせて2…この記事は有料記事です。残り363文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル