根津弥2023年1月13日 12時07分 宮城労働局は12日、約500人分の個人情報が記された文書が仙台市内の公園で見つかったと発表した。保存期間を過ぎた廃棄予定の文書だった。今のところ個人情報が悪用されたとの報告はないという。 昨年5月にも廃棄したはずの文書が市内の公園で見つかっており、仙台東署が窃盗容疑で捜査している。 同局によると、文書は2014年度に賃金不払いなどの労働相談の内容を記録したもの。約500人分の氏名や勤務先、住所などが1冊のファイルにとじられていた。21年3月に廃棄したと記録されていたが、今年1月5日朝、市内の公園を訪れた人が見つけて同局に連絡し、流出が発覚した。 同局では廃棄の際、職員が対象のファイルに印を付けていた。見つかったファイルには印がなく、業者に渡る前に流出した可能性が高いという。総務課は「関係者にご迷惑をおかけし、申し訳ない」としている。(根津弥) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住宅に太陽光パネルを 200億円の設置費補助 東京都、予算計上へ
再生可能エネルギーの活用を住宅で進めるため、東京都は、太陽光パネル設置費の補助として総額200億円以上の関連事業費を新年度予算案に計上する。新築建物にパネル設置を原則義務化する2025年度を前に、取扱事業者の増加や、費用負担に対する都民の懸念の払拭(ふっしょく)などをめざす。 都は6日以降、新年度予算案に関する小池百合子知事の査定を続けており、パネル設置費補助などの計上の方針も決めた。 新築住宅では、太陽光発電設備を設置する場合、その発電容量1キロワットあたり12万円(発電容量が4キロワット以上の設備の場合は同10万円)を新たに補助する。また、都内は屋根の面積が狭い住宅が多いため、小型パネルなど特殊な設備を置く場合、同5万円を上乗せする制度も始める。 蓄電池の設置にも同15万円… この記事は有料記事です。残り631文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「涙がかれるまで泣きなさい」 トンネル照らした中井久夫さんの一言
あの日から1カ月ほどたった頃だろうか。45歳だった英文学者の中島俊郎さん(73)は、神戸市東灘区の岡本を歩いていた。なれ親しんだ街の風景はもう、そこにない。 崩れた自宅で片付けをしていると、固定電話が鳴った。受話器をとると、友人の声が聞こえた。 電話口で言葉が出てこなかった。 「……」 沈黙を続けていると、電話の相手は優しくこう言った。 「泣きたいときは、涙がかれるまで泣きなさい」 阪神・淡路大震災が起きるまで、充実した日々だった。自らも学んだ甲南大の教授になって2年目。友人や学生に誘われて飲み会にもよく行った。 1995年1月16日も、知人の祝い事で日付が変わるまで飲んでいた。家に帰ってウトウトしていた17日午前5時46分。突然、足蹴りを食らったような揺れに襲われた。 家からはい出すと、あるはずの家があちこちなくなっていた。土煙の中、パジャマ姿でうろうろする人たち。近所の公会堂は遺体であふれていた。 妻と4人の子の無事を確認してすぐに近くの実家へ向かい、柱に挟まれた母を見つけた。雨戸にのせて近所の内科に運んだが、死亡が確認された。 「心のケア」に光があたった阪神・淡路大震災。暗いトンネルにいた中島俊郎さんに、心地よい距離感で伴走してくれる友が現れます。 「お金で被災者の気持ちが…」 錯乱し吐き捨てた言葉 コールタールのような黒々と… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
お袋ごめん…義足になった板金工 「痛み」を分かち合った母との手紙
真夜中に何度も出かけようとした母。いら立ちから、思わず、ほおを張った。正気に返ったような母の目が忘れられない。お袋、ごめん――。 宗田徹也さん(76)は左足に義足を付けて約20年になる。富山県小矢部市で身体障害者協会の事務局長を務めながら、オカリナの演奏グループや、地元の縄文遺跡を盛り上げる市民団体でも活動している。 「第二の人生」は新しい出会いの連続だ。 「楽しくてやめられんわね。義足で不便なことはあるけれど、不幸じゃない」 かつては板金工だった。父と立ち上げた板金工業所で、40歳から代表を務め、地元の神社仏閣の工事などを手がけた。年を重ねてもずっと、商売を続けていくと思っていた。 だが54歳の2000年秋、瓦屋根での作業中に数メートル下に転落した。左足を開放骨折し、複数回の手術の末、左足のひざ下を切断することになった。「あのときは商売をやめんなんやろうと、目の前が真っ暗やった」 入院生活は1年1カ月に及んだ。見舞いにくる家族には「水虫を心配せんでいいし、爪も切らんでもいいし楽や!」と明るく応じ、誰もいなくなった病室で布団をかぶって泣いた。 そんな一人きりの病室で思い出したのが、幼い頃の母の言葉だった。 「なったもん、しゃあない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
開運、脱コロナ…「願い託したいのでは」 青梅だるま市に2万8千人
杉山圭子2023年1月13日 10時00分 東京都青梅市のJR青梅駅周辺で12日、新春恒例の「青梅だるま市」があった。主催者によると、近年では最多の2万8千人が訪れた。旧青梅街道は約650メートルが歩行者天国となり、にぎわった。 400年以上の歴史を誇る催しは、コロナ下での異例の中止を経て昨年復活。今年はだるま店36軒、飲食などの露店約150軒が出店し、昨年の2万3千人を上回った。福生市から夫婦で訪れ、疫病を払う妖怪アマビエと干支(えと)のウサギをそれぞれかたどっただるま二つを買った中村政光さん(65)は「3年ぶりに来ました。コロナが早く収束してほしいと願うばかりです」。青梅市内で唯一、だるまの製造販売を続ける「達磨屋 藤野」の藤野智幸さん(63)は「原材料価格が上がり値上げせざるを得なくなって心苦しいのですが、にぎわいが戻ったのはなにより。毎年来てくれるお客さんの元気な姿を見るのが楽しみです」と話した。 近年最多となった人出について主催する青梅だるま市保存会の岩浪武夫・会長代行(66)は「コロナ前の人出は例年1万人台。コロナで減った催しを求める人や、何かと大変な世の中で、だるまに願いを託したいと思う人たちが大勢来てくれたのでは」と話していた。(杉山圭子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
60代以上が4割、北アルプス抱える長野の山岳遭難 22年は前年増
長野県警山岳安全対策課は、2022年に発生した山岳遭難が284件、310人だったと発表した。行動制限が大幅に緩和された昨年は、21年からそれぞれ27件増、34人増と遭難件数、遭難者数ともに大きく膨らんだ。また、遭難する高齢者の割合も増加している。 同課によると、昨年の発生件数と遭難者数はコロナ禍以前の2019年(265件290人)を超え、令和に入ってから最多になった。一方で、転倒や滑落が減り、死者数は10人減の37人だった。 山域別では、槍ケ岳や穂高連峰、後立山連峰を含む北アルプスが127件▽中央アルプスが17件▽八ケ岳連峰が52件▽里山など「その他の山岳」が80件となった。コロナ禍で山小屋が完全予約制となっていることもあり、日帰りしやすい里山などのコースに登山者が分散した可能性があるという。 コロナ禍で体力的なブランクが背景か 60代以上が遭難する割合も… この記事は有料記事です。残り648文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都の教員採用試験、大学3年も一部受験可に 志望減に歯止め?
本多由佳2023年1月13日 6時00分 東京都教育委員会が2023年度実施の教員採用試験から、一部を大学3年生でも受験できる仕組みに変える。12日に明らかにした。受験時期を分散して学生の負担を減らし、志願者減少に歯止めをかけたい狙いがある。都教委は、他自治体で同様の取り組みは「把握していない」としており、全国初とみられる。 都教委によると、1次選考のうち「教職教養」「専門教養」を3年生でも受験可能とする。合格基準に達しなければ4年生で再受験できる。例年、都教委の採用試験は1次選考が7月、2次選考が8~9月という日程で、試験準備と教育実習の時期が重なってきた。 教員志願者の減少は全国的な傾向となっている。都教委の教員採用試験も、18年度採用分で4・4倍だった受験倍率が、直近の23年度採用分は過去最低の2・1倍まで下がった。(本多由佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ユーチューブで変わる社会 動画SNSの影響力と問われる「公共性」
有料記事 聞き手 編集委員・塩倉裕2023年1月13日 6時00分 社会的インフラになったとも言われるユーチューブ。昨年にはついに、ユーチューバーがネットで演説して参院選で当選する事態も起きた。新しいメディアが社会にもたらす影響をどう受け止めていけばいいのだろう。文字メディアであるツイッターとの違いとは……。放送の公共性に詳しいメディア史研究者の樋口喜昭さんに聞いた。 いま大学で就活状況のリストを見ると、「ユーチューバーになるため準備中」「売り上げはまだ少ないがユーチューバーとして活動中」と書いている学生たちが実際にいます。数年前まではほとんど見かけなかった光景です。 テレビという放送メディアには、壇上から大衆に向けて「みなさん、こんにちは」と呼びかけるイメージがあります。他方、通信メディアであるユーチューブには、実際には多くの人に向かってユーチューバーが語っていても、1対1の関係で語りかけられているかのように受け手が錯覚する特性がある。親密性をテコに巨大なつながりを生み出す仕組みだと言えます。発信によって直接収益を得られる収益化の仕組みが組み込まれていたことも、ユーチューバーの増加を促しました。 ユーチューブには、エンターテインメントや文化の新領域を切り開く明るい側面がある一方、急速に影響力を増すメディアであることから社会に様々な混乱や課題を突きつけてくる側面もあります。いわゆるお騒がせが起こりやすいのです。ユーチューブとユーチューバーの社会的責任をどう考えるか。新興SNSの公共性をめぐる議論が高まってくる可能性があります。 放送に規制をかけてもよい根拠とは 難しい問題ですが、思考の手始めとしては、新メディアが登場してきた過去の歴史が参考になると思います。 たとえば20世紀前半に米国でラジオ放送が始まった際には、様々な主体が電波を利用したことから来る混乱や、社会的に不適切な内容が放送されることへの懸念が噴出しました。表現の自由を守りながらメディアを規制できるのか。せめぎ合いの中で組み立てられていったのが、放送の公共性に関する議論でした。 放送を規制できる根拠として… この記事は有料記事です。残り776文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
悲恋から320年のお初天神 境内を埋めた飲み屋、今は恋人の聖地に
関西有数の繁華街、大阪・キタに、そこだけ時代に取り残されたような一角がある。 その名は露天神社(つゆのてんじんしゃ)(https://www.tuyutenjin.com/)。というより、通称の「お初天神」の方が通りがいい。 1703(元禄16)年、遊女のお初と醬油(しょうゆ)屋の手代・徳兵衛が一帯の森で情死した。 そのゆかりの地が曽根崎で、現在の大阪市北区曽根崎地区にあたる。 この心中事件を題材に近松門左衛門が書き上げた人形浄瑠璃「曽根崎心中」が当時、大ヒットした。影響を受けて命を絶つ男女が相次ぎ、幕府が心中物の上演を禁じる事態にもなった。 お初と徳兵衛が歩いた森は盛り場に 明治期以降、周辺は交通の中核となる大阪駅を中心に開発が進んだ。お初と徳兵衛が手をとって歩いた蜆(しじみ)川や天神の森は姿を消し、曽根崎は飲食店が集まって盛り場になった。 時代は変わって1945年… この記事は有料記事です。残り1218文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウィシュマさん遺族ら、入管法改正案の再提出に反対
2023年1月12日 19時27分 政府が次の通常国会に再提出予定の入管難民法の改正案について、入管施設に収容中に死亡したスリランカ人女性の遺族と弁護士が12日に会見し、死亡の経緯は「解明されていない」と述べ、再提出に反対した。改正案は、難民申請中は母国に送還しない規定の適用回数を制限するなど、女性の死亡問題が影響して廃案になった2年前の旧法案の骨格を維持している。 会見したのは2021年3月に亡くなったウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族。新法案には3カ月ごとに収容の必要性を見直す修正が加えられたが、収容期間に上限は設けないままだ。妹のポールニマさん(28)は「姉は無期限に収容され、適切な治療を受けられずに命を落とした」として改善を求めた。 弁護士らは、ウィシュマさん死亡の経緯が解明され、遺族らが入管の改善策を認めない限り、新たな制度の検討はできないと指摘。旧法案の骨格が維持された点については「国際水準からほど遠い法案を再度提出するのは絶対に許されない」と批判した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル