長谷川潤2022年12月13日 18時40分 北海道西興部(にしおこっぺ)村の特別養護老人ホーム「にしおこっぺ興楽園」で昨年3月、職員が入所者の裸や下着姿を撮影していたことが、村への取材でわかった。施設側は、けがの有無を確認するためだったと説明したが、村は今年5月に虐待行為と認定した。施設を運営する社会福祉法人をめぐっては、運営する別の障害者支援施設でも、服を脱いだ入所者を放置するなどの虐待行為が発覚している。 村によると、にしおこっぺ興楽園では、職員28人が昨年3月19~21日、当時の入所者80人(男性17人、女性63人)全員の裸や下着姿をデジタルカメラで撮影。村は、撮影を指示した4人を含めて、職員計32人の行為が虐待と認定した。 昨年3月22日、入所者の関係者から通報があり、村が調査に入った。施設側は、直前に発覚した入所者の骨折の時期や原因が判然とせず、再び同様のケースが起きた場合に備えて記録用として撮影したと説明。「方法が徹底されていなかった」として入所者や家族に謝罪したという。(長谷川潤) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同性婚訴訟原告、本名明かし「自分、取り戻した」 控訴審で意見陳述
同性どうしが結婚できないのは憲法に違反するとして、北海道内の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審の弁論が13日、札幌高裁(大竹優子裁判長)であった。原告の一人が意見陳述し、思いを吐露した。 意見陳述したのは中谷衣里さん(31)。両親の同意を得て、9月から本名を明かすことにした。 「たくさんの回り道を強いられてきました」 淡々と、あらかじめ準備した意見陳述書を読み上げた。 パートナーと家を借りようとすると、「同性カップルと明かさず、友だちどうしのルームシェアにして」と説得された。分譲マンションを購入するときは、ペアローンを組めず、一括で買った。 「住む場所を選ぶという、人… この記事は有料記事です。残り630文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京ディズニーランドのパレードに男が乱入 威力業務妨害容疑で逮捕
鳥尾祐太、本田大次郎2022年12月13日 19時10分 13日午後3時45分ごろ、千葉県浦安市の東京ディズニーランドで、パレードの前に男が乱入した。男は従業員に確保され、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された。 パレードは6分中断もけが人なし 県警浦安署によると、男はパレードの列の前に立ちふさがり、業務を妨害した疑いが持たれている。男は成人で身元が分かる証明書などは所持していないという。 オリエンタルランドによると、パレードは11月8日から3年ぶりに再開していた「ディズニー・クリスマス・ストーリーズ」。パレードがシンデレラ城の近くに差し掛かった時に、座っていた男が突如立ち上がり、パレードルートに乱入したという。このトラブルで、パレードは約6分間中断したが、けが人はなかった。パレードは12月14日以降も通常通り行う予定で、25日まで。(鳥尾祐太、本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
気象噴火の緊急速報メール26日に終了 気象庁、鹿児島市には支援策
気象庁は13日、大雨など気象や噴火の特別警報を携帯電話事業者を通じて携帯電話に直接通知する「緊急速報メール」の終了日時を26日午後2時と決め、発表した。緊急地震速報、大津波警報、津波警報の緊急速報メールは携帯電話会社が主体で配信しており、これからも継続する。 気象、噴火の緊急速報メールの配信を巡っては、気象庁は昨年に一度発表した終了の方針を撤回。今年10月に再び12月末での終了を発表後も、桜島を抱える鹿児島市が噴火の特別警報の配信継続を求めていた。 11月29日には気象庁で鹿… この記事は有料記事です。残り181文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
指導者が「怒ってはいけない野球大会」 褒めて楽しく、その先に
指導者が選手を怒るのは禁止、相手や審判へのヤジもダメ。違反した場合は大会役員が注意します――。そんなルールを定めた小学生の野球大会が岐阜市で開かれている。「絶対に怒ってはいけない学童野球大会」と銘打ち、選手をどんどん褒める大会を始めた背景には、減り続ける野球人口の回復につなげたいという主催者の思いが込められている。 「オッケー、その調子」「大丈夫、思い切っていこう」。大会が開幕した今月10日、岐阜市の聖徳学園野球場には、監督やコーチが選手を励ます声が飛び交った。ホームにかえってくる選手には笑顔でタッチ。エラーしても、「いいよ、次もトライ」と決して怒らない。好プレーを見せた相手選手を拍手でたたえる場面もあった。 怒らない指導を学ぶ機会に 正式名称は「聖徳学園杯学童野球大会」。昨年に続いて2回目の開催で、岐阜聖徳学園大学などを運営する学校法人聖徳学園が主催する。発案したのは昨年まで同大硬式野球部の監督だった小山貴本さん(41)。 「自分が少年野球をしていた時はたくさん褒めてもらった。ミスを怒鳴りつける指導者を見るたび、それは違うと思ってきた」と話す。「大人から怒られたくないために練習するようになり、野球をする目的が変わってしまう。少年野球は入り口。そこが楽しくなかったら、続かなくなる」「怒らない指導を学ぶ機会ができれば」と、ずっと頭の片隅にあった大会を手探りで始めることにした。 野球人口が減る中、大会を発案した小山さんは、「楽しくプレーする場を用意したい」と考えたといいます。趣旨に賛同して、参加チームも増えていきます。 全日本軟式野球連盟によると、連盟に登録する小学生のチーム数(昨年度)は1万229で、岐阜県は259。2000年度と比べると、それぞれ3割、5割強と大きく減っている。 大会規則には、ベンチ入りの… この記事は有料記事です。残り1200文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄・嘉手納の工事現場で不発弾から発煙 呼吸困難訴え1人搬送
国吉美香、光墨祥吾2022年12月13日 16時16分 13日午前9時35分ごろ、沖縄県嘉手納町の水道管工事現場で「白煙が上がっている。不発弾かもしれない」と目撃者から110番通報があった。県警や消防によると、重機が不発弾にあたり発煙。女性作業員1人が呼吸困難を訴え病院に搬送された。意識はあり、命に別条はないという。 嘉手納署によると、発生当時は掘削作業中で、重機のショベルの部分が地中にあった不発弾にあたって発煙。さらに30分後、破裂音を出して白煙を上げたという。弾は太平洋戦争中に投下されたものとみられ、回収した自衛隊によると米国製の81ミリ迫撃砲弾で、煙幕を張るために使用される「黄リン弾」だった。 現場は町道で、近くには漁港や住宅街がある。署は一時、付近を通行止めとし、住民に窓から離れて外出を控えるよう呼びかけた。太平洋戦争末期、地上戦が繰り広げられた沖縄では約20万トンの爆弾が投下されたといわれ、近年の平均処理量から試算すると、すべての処理を終えるにはさらに100年ほどかかる。(国吉美香、光墨祥吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者の散髪担う理容師 言葉は控えめに、鏡越しに寄り添った23年
逮捕された容疑者の散髪を20年以上にわたり担い続ける理容師がいる。警察署に呼ばれては本人の求めに応じて希望どおりの髪形にする。余計なことは口にしない。でも、もし罪を犯したのなら早く償って立ち直ってほしい――。容疑者と鏡越しに向き合いながら、握るはさみに思いを込める。 堀健一さん(75)=新潟県燕市吉田中町=は、江戸時代から続く理髪店の8代目。中学を卒業してすぐ資格を取り、理容師の世界に入って60年になる。 同じ理容師のおば夫婦が警察署から、署員や容疑者の散髪を請け負っていた。体調を悪くして続けるのが難しくなり、おばから頼まれて引き継いだ。23年前の1999年のことだった。 「大変なことを引き受けちゃったと思った」。思い出すのは、Tシャツから透けて見えた背中の立派な入れ墨。「手が震えて汗びっしょり。悪いことをしたんだろうけど、そういう人に限って『さっぱりしてよかったよ』と礼を言ってくれた」 事件には触れず 慎重に選んだ言葉は 留置場にまだ空調設備がなか… この記事は有料記事です。残り526文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「駆け込み寺」のクリニック放火から1年 容疑者死亡で全容語られず
2022年12月13日 13時00分 26人が犠牲になった大阪・北新地のクリニック放火殺人事件から、17日で1年となる。火を付けたとされる男は事件後に死亡し、本人からは真相が語られることのないまま、捜査は終結した。 事件では大阪市北区の8階建ての雑居ビル4階のクリニックで2021年12月17日午前、男がガソリンをまいて火をつけ、西沢弘太郎院長(当時49)や患者ら26人が一酸化炭素中毒で死亡した。男は事件で意識不明となり、事情聴取されないまま同年12月30日に死亡した。 大阪府警は今年3月、通院していた谷本盛雄容疑者(当時61)を殺人や現住建造物等放火などの疑いで書類送検し、大阪地検は同月、容疑者死亡で不起訴処分とした。府警は動機を、出所後に再就職できず困窮し、職場復帰を目指す他の通院者に劣等感やねたみを抱いて大量殺人を狙ったと推定した。 オフィスや飲食店が集まる街で、多くの人の心の支えとなっていたクリニック。16年から通う大阪市の男性(31)は「僕にとっての駆け込み寺のような存在だった」と振り返る。事件当日に受診予定だった女性(58)は「生かされた自分には、やらなければいけないことがあるはずだ」と思うようになったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
焼けたビルに語りかける「先生、僕は…」 惨事の日に受診予定だった
地下街から続く階段をのぼりきって視線を上げる。クリニックの看板は、8階建てのビルに残ったままだ。 人がせわしなく行き交うなか、大阪市西淀川区の男性(31)はビルの前で立ち止まり、手を合わせた。 「先生、僕は前を向いて、頑張っています」 心の中でクリニックの西沢弘太郎院長(当時49)に語り始めた。 □ 幼い頃から整理整頓が苦手で、物事を先延ばしにする癖があった。勉強は苦手だったが、興味をもてる社会だけは得意だった。 クリニックに通い始めたのは、大学を卒業して就職した後の2016年。職場の同僚と食事を囲んだ時、なぜか人前でご飯が食べられなくなった。 気持ちの問題だろう。そう考え、心療内科を探した。自宅や職場に近く、夜遅くまで診療している西沢院長のクリニックを見つけた。 書類が山積みになった診察室に入ると、西沢院長はいつも落ち着いた表情で、声をかけてくれた。仕事の悩みを伝えてからは、「やれていますか?」との言葉で迎えられた。 発達障害と診断され、同じ悩みを共有する集まりも紹介してもらった。週に1、2回、仕事の帰りに、夜眠れなかった日に、足を運んだ。 予約なしでも受診できたクリニックは、駆け込み寺のような存在だった。 □ 昨年12月17日も受診予定だったが、クリニックに立ち寄る前の用事が急きょなくなり、直前に予定を変えた。 「通っているクリニックのビル、燃えてるで」 自宅で寝ていると、母親からの電話で起こされた。驚いてテレビをつけると、通い慣れた場所が映し出されていた。 巻き込まれずに助かったという事実の一方、西沢院長をはじめ、亡くなった人たちを思うと何とも言えない気持ちになった。翌日は出社したが、心の整理がつかず、1週間ほど仕事を休んだ。 休んでいる間、テレビや新聞は、事件の背景に、容疑者の男の孤独や生活困窮があると報じていた。 「もし生活保護を受けられていたら、事件は起きなかったかもしれない。同じ悲劇を繰り返さないためにも、人を助ける仕事がしたい」 事件の数カ月前、西沢院長から公務員の道を勧められたことも思い出した。勤務先を辞めるか悩んでいると、障害者枠があって配慮されることや、将来の安定にもつながることを説明してくれた。 その時は、「新しいことに挑戦するのは苦手だし、自分になれるわけない」と聞き流した。だが事件を目の当たりにして、気持ちが変わった。 大阪市の職員採用試験に挑戦… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
母の被爆、私に影響? 「この不安は確か」証言続ける2世
有料記事 寺島笑花、岡田真実2022年12月13日 9時00分 長崎原爆の被爆者の子である「被爆2世」が、国が2世への援護策を講じなかったのは憲法違反だとして、国の責任を問うた裁判。長崎地裁は12日、原告の請求を棄却した。 「腹が立つ。納得がいかないです」。この日、自宅で判決を聞いた原告の阪口博子さん(73)は怒りをあらわにした。 被爆者だった母は59歳で直腸がんを患い、64歳の若さで亡くなった。そのとき38歳。「あまりにもショックだった」。あらためて自分が2世であることを意識せざるをえなかった。 母は22歳の時、爆心地から約3キロ地点で被爆した。阪口さんが小学校に上がるまでの間、いつも病床に伏していたことを覚えている。 自分と同じ2世のいとこはよく鼻血を出し、20代で亡くなった。一度だけ母に聞いたことがある。「原爆の影響ではないか」。母は、強く否定した。不安をかき消すためだったのではないか――。今になって思う。 これまで2世として、自身の… この記事は有料記事です。残り383文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル