上沢博之2021年8月29日 13時47分 29日午前11時半ごろ、成田発バンクーバー行きのカーゴジェットエアウェイズの貨物便(乗員2人)が、成田空港のA滑走路を離陸した際、尾部を滑走路に接触させた。機体に異常はないとして、そのままバンクーバーへ向かった。国土交通省成田空港事務所が発表した。 同事務所によると、管制官が接触に気付き、空港を運営する成田国際空港会社が滑走路を点検したところ、擦過痕(長さ31メートル、幅15センチ、深さ1~2センチ)があり、滑走路中心線灯の一つも破損していた。 この影響で、A滑走路は、安全確認や灯火の交換などのため約1時間半閉鎖され、出発便6機、到着便1機に最大35分の遅れが出た。(上沢博之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ステイホーム「苦痛でしかない」 少女が見つけた居場所
新型コロナの感染拡大を防ぐため、ステイホームを――。大人は簡単にそう言う。 「でも、家に居場所がない子にとって、ステイホームは苦痛でしかない」 10代の少女は、ため息まじりに早口で言った。 7月中旬の夕方。少女は名古屋駅前に立っていた。人の流れは、もはやコロナ前とほぼ変わらない。 仲間とキャラクターの着ぐるみを身にまとい、雑踏をゆく若者に笑顔で手を振る。振り返してくれた人に駆け寄り、少女はポケットティッシュを手渡した。 コロナ禍。すぐに離れ、立ち止まるなど何か言いたいことがありそうな人には遠くから声をかける。 「何してるんですか?」 ティッシュは、名古屋市にあ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1576文字/全文:1867文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府警初の女性船長 忘れられない、命救えた時のこと
「大丈夫ですか、あとちょっとですよ!」 大阪港に力強い声が響く。人が海に落ちた想定で7月にあった救助訓練。大阪府警の船戸祐里さん(30)は船を操作しながら、常に落水者役を励ましていた。 水の都・大阪の海と川を見回り、事故や犯罪があれば警察官と共に駆けつける。水上のパトカーといわれる警備艇を操る技術職の「船舶職員」だ。 天気によって異なる波の高さやうねりに合わせて操縦し、3年間無事故を達成。この春から船長も務めるようになった。大阪府警初の「女性船長」という。 「船戸」という名字ながら、両親は船とまったく関係のない仕事をしていた。ただ、幼いときから毎年のように海水浴場に連れて行ってもらい、海が大好きに。次第に「海の仕事がしたい」と思うようになった。 高校卒業後の進路に選んだのは海上保安庁。海の安全を守る姿に「かっこいい」と憧れた。 海上保安学校に約1年通った後、北海道周辺を担当する第一管区に配属された。そこで救助の現場や訓練を共にしたのが警察だった。それまで「海」のイメージが全く無かった分、深く印象に残った。 助かるかどうかの瀬戸際を知っているからこそ 入庁から約5年経った2016年末、故郷で仕事がしたいと退職。大阪府警が船舶職員を募集していると知り、応募した。18年春から大阪水上署で働き始め、4年目になる。 約40人いる船舶職員のうち、女性は一人きり。「『警察にもこんな仕事がある』『女性にもできる』と知ってもらえたら」 北は大阪市、南は岬町までの海域が管轄だ。木津川や安治川、淀川の河口付近など、大阪市内の川や運河も担当する。前職の海保は沖合には出るが、河川は担当しない。人々の暮らしをより身近に感じるという。 18年には「淀川に男性が浮いている」と通報を受け、現場に急行。60代男性を引き揚げ、命を救うことができた。今年6月に高槻市の淀川で児童が行方不明になったときは、翌朝に消防が遺体を発見するまで捜索にあたった。 「命が救えた時のことは本当に忘れられない。残念ながら亡くなっているとわかっても、『ご家族にお返しできた』と思えるのがやりがいです」 命が助かるかどうかの瀬戸際を知っているからこそ、船や水上バイクに乗るときは救命胴衣をつけてほしいと強く呼びかける。「救命胴衣さえあれば生存率が4倍にもなる。海や川で遊ぶ機会が多い夏こそ意識してほしい」(新谷千布美) ◇ ふなと・ゆり 1991年大阪府吹田市生まれ、同府和泉市育ち。船舶免許と航海士の資格を持つ。大阪府警には警備艇が12艇あり、出動のたびに交代で乗船。経験豊富な職員が船長を務めることになっており、今春から任されている。船の機械についても精通したいと機関士の資格取得を目指して勉強中。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「孫の友人」からの電話 焦る常連客にマッサージ師は
仙道洸2021年8月29日 10時30分 埼玉県新座市の渡辺大祐さん(32)は週3回ほど、足が不自由な市内の80代男性宅に通う。訪問マッサージの仕事のためだ。 7月16日、男性は自宅で焦った様子で電話していた。電話を終えると「待っている人がいるので近くのコンビニまで送ってくれないか」。理由を聞いても話そうとしなかった。 不審に思いつつ付いて行くと、茶髪の黒いTシャツを着た若い見た目の男がいた。 渡辺さんの存在に気づくと男は目をそらした。男性は電話で聞いていた男の名前を呼んだが、男は応じずに足早に立ち去った。 渡辺さんが男性に改めて聞くと、「100万円用意してほしいと言われた」。電話の相手は「孫の友人」で、「あなたの孫が借金で困っている」と言われたのだという。 家に戻ると男性はまた電話をし始めた。渡辺さんが求めても、なかなか電話を代わってもらえない。「いっしょにいるのは誰?」と聞かれているようだった。「マッサージ師はいつ帰る?」と言われていたところで男性から電話を受け取った。「後でかけ直します」と言った相手に渡辺さんが電話番号を尋ねると、一方的に電話を切られた。渡辺さんは110番通報した。 郵便局 閉まる直前に駆け込んできた女性 「100万円をすぐにおろしたい」。新座栄郵便局には7月8日、窓口が閉まる直前に70代の女性が駆け込んできた。 局長の荒沢喜久枝さん(54)が用途を確認すると「息子が会社の書類を間違って送ってしまった」ため現金がすぐに必要だという。「早く息子に渡してあげないと」と焦る女性を冷静になだめ、局員に警察への通報を指示して女性を別室に誘導。15分ほどすると警察官が駆けつけ、女性も詐欺だと気づいたという。 渡辺さんと荒沢さんには新座署から感謝状が贈られた。新井康弘署長は「高い防犯意識を持って対応いただき大変ありがたい」と話した。渡辺さんは「在宅サービスは地域の見守りも担っているので日常的に防犯意識があった。詐欺被害が身近だと感じてほしい」。荒沢さんは「こちらが焦ってはだめ。なるべく時間をかけて話すよう意識した」と振り返った。(仙道洸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
酒気帯び運転の疑いで町副議長逮捕 北海道むかわ町
三木一哉2021年8月28日 16時00分 北海道警苫小牧署は28日、北海道むかわ町文京3丁目、むかわ町議で副議長の中島勲容疑者(78)を道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。 署によると、27日午後11時10分ごろ、むかわ町文京2丁目付近の町道でパトロール中の署員が無灯火の乗用車に気づき、職務質問した。運転していた中島容疑者から酒のにおいがしたため、呼気を検査したところ、基準の約6倍、約0・9ミリグラムのアルコールが検出されたという。同乗者はなかった。署で経緯を調べている。 むかわ町議会事務局によると、中島容疑者は旧鵡川町議を経て、合併後のむかわ町で4期当選しており無所属。(三木一哉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
60歳目前、17年ぶりのパラ 全盲の柔道家が戦う理由
60歳が目前に迫るいま、17年ぶりにパラリンピックの舞台に帰ってきた。柔道(視覚障害)男子100キロ級に出場する松本義和(59)は、2000年シドニー大会の銅メダリストで、04年アテネ大会にも出場。集大成の舞台となる東京で29日、試合に挑む。 24日にあった開会式。松本は片手に持った国旗を振りながら、17年ぶりの式典の雰囲気を楽しんでいた。 親戚に「うちの前歩くな」 高校1年で緑内障を発症。右目はすぐに見えなくなり、左目も視力が落ち続けた。黒板の板書も、借りたノートの文字も、体育のバレーボールの球も見えない。「スポーツも勉強も、自分はできる人間だと思っていた」。視力を失っていく自分を受け入れられず、不良と一緒にサボるふりをして授業から逃げた。 20歳で全盲になった。親戚から「恥ずかしいからうちの前を歩くな」と言われたこともある。 「絶対負けへんぞ。自分の力… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:671文字/全文:1060文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人手不足に苦しんだ園、業界の事情も 保育園バス死亡
福岡県中間市の双葉保育園で男児がバスに閉じ込められて死亡してから29日で1カ月。事故の背景には、送迎バス運行に必要な人手の不足もあった。国が定める配置基準を満たす認可保育園だったのに、なぜ惨事を防げなかったのか。理由を探ると、保育業界に特有の事情も見えてきた。 事故が起きたのは7月29日。園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が登園のバス車内に取り残され、熱中症で死亡した。バスには、運転手の園長以外に同乗者がおらず、乗車時に回収すべきバスカードを受け取らなかったり、降車後の車内の確認が不十分だったりといった複数の過失が重なり、事故につながった。 園側への取材で、園長がバスを1人で運行していた経緯がわかってきた。 園の弁護士によると、従来は別のバス1台を運転手と保育士の2人態勢で運行していた。だが、経路や時間帯の面でバス利用が難しい家庭があったため、2019年春ごろから、園長がもう1台のバスを1人で運転するようになった。 昨年4月からはこのバスの利用者が増え、保育士1人を同乗させることもあった。ただ、登園の受け入れに人手を割く必要もあるため、日によってまちまちで、今年の4月以降は再び園長1人の態勢に戻った。 この間、園は運転手の募集もしていたが、なかなか見つからなかった。今年6月にやっと1人を確保したが、この運転手は週2日のみの勤務で、ほかの週3日は引き続き園長1人。事故はその1人の日に起きた。 認可保育園には「0歳児3人に対し保育士1人」といった配置基準があるが、送迎バスには配置基準や安全管理規則はない。福岡県は事故を受けて、9月をめどに送迎バスの安全管理について定めた独自の指針を作り、今後は定期監査の項目にも加える方針だ。 コロナ禍、負担増す保育現場 ただ、人員配置のルールが単に強化されることには、懸念の声もあがる。 ある保育園の関係者によると、早朝から夜まで子どもを預かる保育現場では、配置基準を満たしていてもすべての時間帯で十分な態勢をとることはそもそも難しい。加えて新型コロナウイルスの感染拡大により、園内の消毒や園児の健康管理など保育士の負担は増しているという。 中間市の市立保育園は、今年3月まで送迎バスを運行していた。運転手を業者に委託していたが、それでもバスに保育士1人を同乗させるため、その保育士のクラスでは他の保育士がカバーする必要があり、どうしても調整できない時には、保育士資格を持つ事務職員をバスに乗せることもあったという。 市は財政難や利用者減でバス… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄「屈辱の日」に本土は式典 復帰50年どう迎えるか
来年5月の沖縄の日本復帰50年。日本社会は、私たちメディアは、その日をどう迎えるのか。その日に向けて、何をどう議論していくべきなのか。沖縄タイムスと共同で、オンラインイベント「記者サロン」(現在配信中)を開催し、読者からの多くの声もいただくなかで議論を始めました。沖縄や復帰を考える多様な視点が浮かび上がっています。 記者サロンのテーマは「復帰50年へ いま『沖縄』を考える~私たちはその日をどう迎えるのか~」。沖縄タイムス社会部長の吉田央(なか)さん(46)と学芸部記者の新垣綾子さん(43)、朝日新聞の木村司・那覇総局長(44)の3人が、沖縄出身のフリーライター・島袋寛之さん(44)を司会に1時間半にわたって議論。復帰を直接知らない世代が復帰を考える切り口を探りました。やりとりの一部を紹介します。 安室さんブームと祖父の体験と 島袋 4人とも、本土と沖縄に住んだことがあります。ギャップを感じることはありましたか? 吉田 東京にいた小中学校時代、沖縄出身ということでうらやましがられました。ただ父や母に復帰ってなんだったのと聞くと、与えられないものを勝ち取るための闘いをしていた、それが復帰だったと。憲法が適用されない時代に、本土並みの環境を勝ち取るために沖縄の人たちが努力したからこそ、あの恵まれた環境があったと思っています。 新垣 大学進学で東京に出るとき、「東京に集まる学生は向学心が旺盛で、沖縄の人はボーッとしているとバカにされるから負けるな!」と送り出されました。でも、安室奈美恵さんや沖縄出身のアーティストが活躍して、沖縄尚学が選抜甲子園で県勢初優勝を飾ったころで、元気な沖縄のエネルギーに便乗し、すごく楽しい学生生活でした。ただ、祖父は沖縄戦で両親ら(親族)13人を亡くし、先祖代々受け継いだ土地を米軍に奪われ、復帰後は自衛隊に継続使用されたという経験があります。祖父の憤りは、私が沖縄を見つめるベースになっている気がします。 木村 沖縄には昨春に2度目の赴任をしました。復帰に関する取材で印象深いのは10年ほど前、「5月15日」を迎える直前に、日本政府高官が「沖縄にとって復帰はお祝いのようなものですよね」と認識していることが漏れ伝わり、仲井真弘多県政の幹部が「その程度の認識なのか」とがくぜんとした姿です。2013年には、政権を取り戻した自民党が、サンフランシスコ講和条約発効の「4月28日」に主権回復の式典を開くことを決めました。沖縄にとっては日本から切り離された「屈辱の日」。沖縄で大きな抗議集会が開かれたことにも深く考えさせられました。 吉田 よく覚えています。あの時、政府高官に「ここまで嫌がらせすることないじゃないですか」と聞くと、相手は「こんなに沖縄の人たちを怒らせるつもりはなかった。沖縄にとっては屈辱の日だという視点がすっぽり抜け落ちていたんだ」と言うんです。嫌がらせならまだいいなと、そこに意思があるからまだいい。でも、関心さえないんだとひっくり返りそうになりました。 島袋 全国紙と沖縄の地元紙の温度差がよく指摘されます。地元紙には「基地問題ばかり取り上げる」という批判やバッシングも目立ちますが、どう考えますか。 来月12日まで配信 記者サロン「復帰50年へ いま『沖縄』を考える~私たちはその日をどう迎えるのか~」は9月12日まで視聴可能です。詳しくは専用ページ https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11005190 吉田 あまり知られていない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鎌田、日進西、湖東が全日本へ 東海吹奏楽コン中学A
第76回東海吹奏楽コンクール(東海吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が28日、津市の三重県文化会館で始まった。昨年は新型コロナ禍で中止だったため、2年ぶりの開催。緊急事態宣言が出されているため、すべての部でステージ演奏を見合わせ、音源審査となった。28日は中学校A編成の部(50人以下)が行われ、20校の中から松本市立鎌田中(長野)が最優秀の朝日新聞社賞を受賞。日進市立日進西中(愛知)、浜松市立湖東中とともに、10月23日に名古屋市で行われる全日本吹奏楽コンクールの代表に選ばれた。 結果は次の通り(演奏順、◎… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:231文字/全文:486文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
刃物振り回され警察官が発砲、男性死亡 千葉・匝瑳市
藤谷和広2021年8月29日 2時44分 28日午後8時ごろ、千葉県匝瑳市の住宅の敷地内で、警察官から「男が刃物のようなものを持って来たため発砲した」と119番通報があった。捜査関係者によると、騒音トラブルの通報を受けて、警察官2人のうち1人が、刃物を持ち出されたため、住人の男性に向かって発砲。銃弾は男性の腹部にあたり、男性は搬送先の病院で死亡が確認されたという。 捜査関係者によると、同日午後6時半ごろ、近所との騒音トラブルで死亡した男性から110番通報があった。現場に駆けつけた警察官2人に向かって、この男性が、のこぎりを振り回して向かってきたため、発砲したという。(藤谷和広) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル