「匠吾は将来、日の丸を背負うランナーになる」 東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾選手(28)を中学時代に指導した後藤二三夫さん(73)=三重県四日市市石塚町=は、中村選手と母親を前にそう言い切ったことを覚えている。中3の冬だった。 「まさか現実になるとはなあ。匠吾は本当によう努力した」 後藤さんは五輪を前に、その言葉の真意は別にあったことを明かしてくれた。 三重県の公立中学の目立たない生徒 中村選手と出会ったのは、後藤さんが四日市立内部(うつべ)中学校の社会科教諭で陸上部顧問だった57歳のとき。定年退職まで残り3年というタイミングだった。 中村選手は当時、体が細く、返事の声もか細かった。自己主張が苦手で、部員の隅っこにいて目立たない生徒だった。 しかし、走らせると目を見張るものがあった。走りに無駄な動作がなく、スピードの緩急にもセンスを感じた。練習態度もまじめでよくメモをとる。ライバルに対して研究熱心だった。ずば抜けて速いわけではなかったが、「いい選手になる」と感じた。 中学時代、後藤さんが中村選… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1174文字/全文:1638文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
まさに「ハチ密」 大丸屋上でとれたあま~い400キロ
2021年8月7日 19時00分 大丸心斎橋店本館(大阪市)の「ラベイユ」で、同館屋上でとれたハチミツの販売が始まった。3月に巣箱を置き、約400キロのハチミツがとれた。 まろやかで透明度が高く、花の香りがするのが特徴。ミツバチは大阪城や天王寺公園を飛び回り、桜やツツジなどの蜜を集めてきたとみられる。 開発担当者は「働き者のハチからたくさんおすそわけをもらいました」。巣箱のハチは約20万匹に及び、まさに「ハチ密」だったそうだ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内の感染者、1万5700人超 4日連続で最多更新
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「最後になるね」正装で臨んだ被爆修道士、語った「罪」
長崎原爆の語り部として知られたカトリック修道士の小崎登明(おざきとうめい)さんが今年4月、93歳で世を去った。1人の女性が臨終までの半年間に付き添い、被爆体験を学んだ。9日は76回目の長崎原爆忌。 「授業が終わる1分前に滑り込んだみたい」 横山理子(みちこ)さん(47)は小崎さんとの時間をそう振り返る。昨年4月に東京から爆心地近くに引っ越し、語り部をサポートする長崎平和推進協会で働き始めた。30歳の時から10年余り、アフリカで紛争後の復興・開発支援に携わった。今度は被爆地で平和を考えようと飛び込んだ。 修道名のトマスにちなんで「トマさん」の愛称で親しまれ、編集者としても活躍した小崎さんのことは、着任前から知っていた。原爆で孤児となり、修道院の門をたたくまでの経緯をつづった著作は数年前に読み、涙が止まらなかった。 長崎の暮らしに慣れてきた昨年11月、電車に揺られて小崎さんが住む隣まちの高齢者施設を訪ねた。「体験を語り継がせてもらえませんか」。横山さんは頼んだ。協会は被爆体験を第三者が受け継ぐ「交流証言者」を育てているが、施設に入居した小崎さんには、交流証言者がいなかった。 小崎さんからは逆にこう言わ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:941文字/全文:1453文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1週間前にぼや騒動、もめ事はなし 小田急刺傷の容疑者
会員記事 増山祐史、岩田恵実2021年8月7日 20時00分 東京都世田谷区内を走る小田急線の電車で6日夜、乗客を切りつけて重傷を負わせたとして警視庁に殺人未遂容疑で逮捕されたのは、36歳の対馬悠介容疑者=川崎市多摩区=だった。 捜査関係者によると、対馬容疑者は都内の公立高校を卒業後、有名私立大の理工学部に入学したが卒業はしていないという。調べに対し、近年は派遣会社員としてコンビニの店員や学校教材を運ぶ仕事などをしていたと説明。最近は大手食品会社でパン製造に携わっていたと話したという。 対馬容疑者が暮らしていたのは、小田急線読売ランド前駅から500メートルほどの場所にあるアパート。ひとり暮らしで、住民らによると近所付き合いはなかったが、トラブルもなく、住民らは逮捕の報に驚いた様子を見せた。 民生委員の70代男性は、対馬容疑者について「普通の若者に見えた。良い印象も悪い印象もない。問題を起こすようなそぶりもなかった」と話す。あいさつを返すことはなかったが、ごみ出しのルールなどは守り、もめ事を起こすこともなかった。「凶悪な事件と全く結びつかない。びっくりしました」 4年前から同じアパートの階下の部屋に住んでいるという男性(73)は何度か顔を合わせたことがある。 あいさつに反応はなかったが、悪い印象はなかった。1年ほど前に対馬容疑者の部屋から水が漏れてきたことがあり、家主と一緒に謝罪に来たという。 数週間前の深夜には、対馬容… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:236文字/全文:831文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「母語」の日本語失った 金時鐘さん、朝鮮での少年時代
大阪府茨木市のインターナショナルスクール「コリア国際学園」(KIS)の学園長を務める詩人の金時鐘(キムシジョン)さん(92)=奈良県生駒市=が6月、同校に通う中高生らに自らの人生を語る特別授業をした。植民地朝鮮で生まれ育った金さんは、日本語を「母語」として習った少年期を振り返った。 金さんは1929年に釜山で生まれ、49年に済州島から日本へ渡った。日本語の詩作や批評を手がけ、2015年に『朝鮮と日本に生きる』で大佛(おさらぎ)次郎賞を受けた。 6月28日にあった授業は、金さんら朝鮮人の子どもが通っていた済州島の小学校での話から始まった。途中から朝鮮語の科目が消え、会話も禁じられた。「普段はとても優しい」日本人の教師は朝鮮語を使った子どもを竹のムチでたたいたという。 「私は先生の言いつけをよく守る生徒だったので、朝鮮語を使う友だちは駄目だなと思っていた」が、金さん自身も日本語の使い方を誤ったことで校長から激しく殴られたことがある。 殴られても「陛下の赤子になるお仕置きだ」と思っていた 「でも、私は一つも恨みがましいと思いませんでした。『天皇陛下の赤子(せきし)になるためのお仕置きをいま私は受けたんだ』と思ったくらいです。教育というものは本当に怖いものでね」 この春にできた「K-POPコース」で話題を呼んだコリア国際学園で、92歳の「在日詩人」が語った言葉とは――。「皇国少年」だった朝鮮人の少年は、日本による植民地支配からの解放で突然、「母語」として教わった日本語を失います。後半では、日本語を失い、なぜ苦悩したのかを描きます。 創氏改名についても、「日本… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:902文字/全文:1458文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山梨、新たに79人感染 4日連続で過去最多更新
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「一生に一度の機会」「タダで見れる」札幌、マラソン沿道に群がる人
世界の一流ランナーが、札幌市中心部を周回する42・195キロを駆け抜けた。7日午前6時にスタートした東京五輪の女子マラソン。大会組織委員会などは新型コロナウイルスの感染が急増しているとして沿道での観戦自粛を呼びかけたが、あちこちで人が集まり、「密集」は避けられなかった。約3時間に及んだレースを見つめた人たちに思いを聞いた。 5時45分 発着地点の大通公園周辺には、すでに人が集まっていた。千葉県の会社員男性(57)は午前5時に来た。「観戦自粛は知っているけど、一生に一度の機会だし、タダで見られる」。東京五輪は、コロナ下での開催をめぐり世論が二分した。男性は「賛否両論あるが、選手を見ると勇気が出る。頑張っていこうという目標になるものが開催されたのはよかったのでは」と話した。 6時 88人の選手がスタート。近くの歩道では「五輪は中止!」の横断幕を掲げた男女5人が「五輪よりも新型コロナ対策を」と訴えていた。参加した市内のタクシー運転手河野晃興さん(59)は「人流が増えれば、コロナの感染者も増える」と危ぶむ。 6時15分 大通公園西11丁目の五輪モニュメント近くを、選手の大集団が走り抜けた。高まる拍手。「がんばれ」「ありがとう」と声援が飛ぶ。五輪日本代表のユニホームを着た東京都の会社員男性(44)は、5日に飛行機を急きょ予約した。「テレビを見ていて居ても立ってもいられず来てしまった。やっぱり五輪は最高ですよ」。選手を追ってレンタサイクルをこいで南方面へ走り去った。 6時30分 選手が走り去ると、西11丁目付近は観戦者たちも移動し、いつもの早朝の風景に戻った。立ち入り禁止のバリケードも早々に撤去された。日課の散歩中だった市内の自営業男性(62)は「選手はもう行ってしまったの? 早いね」と驚いた様子。小学生の時の1972(昭和47)年、札幌冬季五輪でアイスホッケーを見に行った思い出がある。札幌市は2030年に、2度目の冬季五輪を招致することに意欲的だ。「経済を回すために必要ならやればいい。ただ、カネがかかる五輪は市民としては歓迎しないね」と冷めた表情で話した。 6時20分 ススキノを駆け抜けてきた選手の集団が、豊平川にかかる幌平橋を渡った。午前5時から橋の上で国旗を持って応援していた東京都の50代男性は「1964(昭和39)年東京大会で優勝したアベベ選手(エチオピア)や円谷幸吉選手(銅メダル)の活躍を聞き、ぜひ見たかった」。幌平橋を選手が通過するのは1回きりで「密」が避けられると思ったが、ここも大勢の観戦者がいた。男性は「自粛を呼びかけながら大会を開催するなんて二枚舌だ。だから誰も緊急事態宣言の対策を守らないのでは」と話した。 6時35分 10キロ地点の平岸通。近くの女性(73)が小学3年生の孫娘と一緒に来ていた。五輪を生で見るのは64年東京五輪、72年札幌冬季五輪に続き3回目。冬季五輪では選手村でボランティアをした。「感激しました。男子マラソンも見に来ます」 平岸通沿いでカレー店を営む三田村誠也さん(33)は、午前6時に店を開けた。朝営業は、コロナの影響で減った売り上げを増やそうと、6月から平日に始めた。男女のマラソンのあるこの土日は朝も営業することにした。「多くの人が見に来るかと思っていたが、それほどでもなかった。接客で、選手の姿はあまり見られませんでした」 6時55分 先頭集団が、創成川通沿いの幌北小学校付近を通過した。 沿道から拍手を送っていた女性(74)は「自宅でラジオを聞いて、選手が近くまで来たので家から出てきた。五輪を見られる人生で最後のチャンス。どうしても見たかった。国籍も肌の色も違う選手たちが一緒になって競う姿に感動した。やっぱり五輪はいいなと感じました」。 通り沿いに住む自営業の伊藤聡さん(57)は「がんばれ日本」と書いた手作りの看板をベランダにかけて応援した。「コロナ禍で大声で応援できない。選手にエールを送るにはこれしかないと思って」。マラソン歴20年。沿道の声援が力になるのは実感している。「本当は道路に出て大声で応援したいんだけど」 7時10分 コース北端となる宮の森・北24条通を選手たちが通り過ぎた。近くの小畠信男さん(83)は妻と一緒。「初めての生の五輪。コロナは気にはなるが、家の近くを走るので絶対見たいと思った。テレビで見るのと全然違って、思わず手をたたいた」 紋別市から来た釜谷良範さん(69)にとってここは、かつて「北海道マラソン」で走ったコース。「思い入れのある場所。あの時の応援が励みになったので自分も応援したいと思った。テレビではトップの方しか映らないが、生で見ると最後の方で頑張っている選手が見られるのがいい」 7時30分 選手は北海道大学構内を走り抜け、再び公道へ。道庁赤れんが庁舎の脇を通り、正門から次々と出てきた。同じころ、出勤途中で札幌駅方向へ行こうとしていた市内の会社員女性(27)は、正門前の道路が通行止めで横断できないのを知り、大会スタッフに迂回(うかい)路を尋ねた。札幌駅前通周辺も人だかりができていて、両手で頭を抱えた。「会社に遅れちゃう。五輪なんて興味ないし、そもそも見て楽しむほど時間に余裕ないし。五輪なんて迷惑以外の何物でもない」 8時25分 大通公園と札幌駅前通に面した道銀ビルディング前は、ゴールする選手が見える格好の「観戦ポイント」とあって、幾重もの人垣ができていた。フィニッシュが近づくにつれ、密集状態はピークに。「立ち止まらないでください」「通路を空けてください」などと呼びかける大会スタッフに従う人はおらず、人はどんどん増えていった。その様子を眺めていた女性(58)は「あの中にはさすがに怖くて入れません」。 8時30分 8位入賞した一山麻緒選手が大通公園のゴールゲートをくぐった。東京から姉妹で来た会社員女性(24)は「この炎天下で走りきったのはすごい」と選手たちをたたえた。観戦自粛の呼びかけは「パフォーマンスで意味がない」。大学生の妹(20)も「やってる感をアピールしなくちゃならないから形だけでは」と冷ややか。 8時45分 ゴール付近に国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が姿を現した。沿道の観戦者に声をかけたり手を振ったりして、上機嫌の様子だった。 9時 最終ランナーが札幌駅前通をゴールに向けて走り抜けていった。「ファイト!」「がんばれ」。選手が通過するたび、そこここで声援が上がった。選手が笑顔で手を振ると、ひときわ大きな拍手と声援がわき起こった。 同じころ、メダリストの記者会見が行われていた。銅メダルを獲得したアメリカのモリー・セイデル選手は観客への感謝を口にした。「観客がいないなかで走るのは楽ではないが応援してくれたのは大きかった。札幌の皆さんに心から感謝したい」 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊本県で新たに151人感染 3日連続で最多更新
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そろり帰省、新大阪駅でも 「1年半ぶり実家へ」
松浦祥子2021年8月7日 21時58分 新型コロナウイルスの「第5波」の感染拡大が続く中で迎えた帰省シーズン。JR新大阪駅(大阪市淀川区)の新幹線下りホームでは7日、スーツケースを引く人や大きな荷物を手に乗車する人たちが目立った。 息子2人を連れて新幹線を待っていた兵庫県宝塚市の会社員女性(42)は、1年半ぶりに両親の住む島根県に帰省する。ネットで購入した抗原検査キットでは、家族全員が陰性の結果だったという。帰省できなかった間に2歳の次男は歩いたり、話したりできるようになった。「外出自粛と言われるが、いつまで続くのか。きりがない」と帰省を決めた。「コロナは心配だが、会えない間に親が亡くなったという知人の話を聞いて、そっちの方が後悔すると思った」 親族の法事で地元の大分県に向かうという大阪市西淀川区の梶原安雄さん(84)は、6月にワクチン接種を終えたといい、「あとは自分で気をつける以外に無い」と話した。新型コロナの感染拡大前には、高校の同級生らと酒を酌み交わすのが楽しみだったが、「今回はあまり声もかけられないな。こればっかりは仕方ない」と肩を落とした。 JR東海、西日本によると、7日朝の新大阪発新幹線の自由席乗車率は、東京行き上りが最大30%、博多行き下りが最大100%だった。お盆期間(6~17日)の新幹線指定席の予約状況(7月19日時点)は、昨年と比べ、東海道新幹線が96%、山陽・北陸新幹線が100%とほぼ横ばいで、新型コロナの影響がなかった一昨年と比べると、8割減となっている。(松浦祥子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル