湧き出る鉱泉の周りに、もこもこした新緑のじゅうたん。群馬の山中に、温泉水を好むという珍しいコケの群生地が広がっていた。 標高約1200メートルの山の中、たどり着くと神秘的な光景が広がっていた。湧き水の渓流に浮かぶ黒い岩々に、鮮やかに輝く新緑のじゅうたんが覆う。かすかに温泉特有のにおいが漂う。 草津温泉に近い群馬県中之条町の旧六合(くに)村にある「チャツボミゴケ公園」。強酸性の水際でしか育たないという、珍しいコケの群生地だ。コケは鉄鉱石の生成を促すというから驚きだ。 戦中から戦後にかけて「群馬鉄山」として鉄鉱石が採掘されていた。のどかな雰囲気は往時の繁栄を感じさせないが、露天掘りでくぼみが広がり、生息環境の変化で繁殖につながり、現在の光景が形作られたと考えられる。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 一帯は「穴地獄」と呼ばれる… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:951文字/全文:1305文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富士山に登山鉄道構想 世界遺産のふもとは変わる?
富士山麓はだれのもの⑤ デザイン・福宮千秋 登山を楽しむ人は「一度は富士山に」と思うだろう。昨年はコロナ禍で立ち入り禁止になった登山道が、今年は開かれた。 登山シーズンは9月初旬まで。感染防止対策は必要だが、日本一の山頂を目指すことができる。 四つある登山ルートのうち、最も登山者が多いのは山梨県の吉田口登山道だ。県営の有料道路「富士スバルライン」を走るバスに乗れば、標高2305メートルの5合目まで連れていってくれる。 2013年に富士山が世界文化遺産に登録されると、人出が急増した。富士スバルライン5合目の来訪者は19年には年間506万人を数え、登録前の2倍を超えた。登山だけでなく、5合目周辺の観光を楽しむ人も多い。 世界遺産・富士山のふもとで「山梨の乱」が起きている。富士五湖の一つ山中湖畔にある別荘地をめぐり、別荘地を経営する富士急行に対して、土地を所有する山梨県がこれまで通りには貸せないと主張したのが発端だ。なぜ乱は起きたのか、どこへ向かうのか、富士山麓(さんろく)はだれのものなのか。連載最終回です。 スバルラインは前回の東京五輪が開かれた1964年に開通した。半世紀余りが過ぎた今、その道路上に線路を敷き、車ではなく次世代型路面電車(LRT)を5合目まで走らせる構想が持ち上がっている。 「1年半にわたって様々な議… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:999文字/全文:1402文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車で寝泊まり、バンライフ 極端な生き方?豊かな生活?
岡純太郎2021年7月24日 13時35分 バンタイプの車で寝泊まりしながら仕事や旅を楽しむ「バンライフ」向けの拠点施設が石川県穴水町にある。新型コロナウイルス禍でテレワークや旅先で仕事をするワーケーションへの需要が高まるなか、新たなライフスタイルの普及を後押しする施設として注目を集めている。 金沢市から車で約1時間半。七尾湾そばを走る国道249号から少し脇にそれると、バンライフを楽しむ人々「バンライファー」向けの施設「田舎バックパッカーハウス」がある。2019年12月にオープンした。 建物は、木造2階建ての古民家を改装。リビングやキッチン、シャワー室など生活に必要な設備をひととおり備え、WiFiなども完備している。利用者は、自身の車で基本寝泊まりしながら、これらの設備を利用する。バンライファーにとっては、車中泊の際に地元の人から不審に思われる問題や、自身の安全のリスクが常につきまとうが、こうした拠点があれば、安心して車中泊ができ、長期滞在も可能だ。利用者同士の交流も深まるという。 満員電車に揺られ会社勤めに疑問抱き 運営するのはキャンピングカーや車中泊スポットのシェア事業を営む「Carstay」(横浜市)広報担当の中川生馬(いくま)さん(42)だ。地元出身者でも「あそこは田舎ですね」と語るほど、豊かな自然や海・山の幸に魅せられ、13年に神奈川県鎌倉市から穴水町に移住した。 中川さん自身もバンライフを楽しむ一人。首都圏で満員電車に揺られて会社勤めをする生活に疑問を抱き、10年に退職。妻の結花子さん(40)と日本全国をバックパッカーとして旅するようになった。11年、熊本県天草市でテント泊していた時、バンライファーと出会い、その魅力にとりつかれた。トヨタのハイエースを購入し、約100万円をかけ改装。屋根のソーラーパネルで発電し、大人2人が寝られる就寝スペースを設け、各地を巡るという。 中川さんは「最初は極端な生き方と感じるかもしれないが、やってみると想像以上に快適。都会の人混みから離れ田舎で生活すれば、自分を見つめられる時間や空間がたくさんあることに気づく。そこにはこれまでと少し違った豊かな生活がある」と魅力を語る。 「Carstay」によると、全国には300を超える車中泊スポットがあり、うち十数件で中長期の滞在が出来るという。中川さんの施設もこれまでに、3週間~3カ月滞在する利用者が出ているといい「色んな町や人に出会えるバンライフは、大切なライフスタイルの一つになる」。 宿泊料は15日プラン1万5千円、1カ月プランで2万3千円。3日間のお試しプランもある。予約は(https://inaka-backpacker.com/blog/2019/12/ib-house-application/)から。(岡純太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大きすぎる桃、少し傷ある桃 路上の無人販売で大人気
河合博司2021年7月24日 13時37分 甲州市勝沼町で農協へ出荷できない規格外の桃が道路沿いで売られている。地元では「はねだし桃」と呼ばれ、無人店舗が主体。甘いと評判で人気だ。 同町綿塚では6月下旬~8月上旬、約10店が営業している。畑や自宅前に仮設テントをおき、1個百円前後で並べている。 専業農家の坂本福美さん(67)は、大小5~8個の桃を500円で販売中。午前8時に並べると午前中には売り切れてしまう。坂本さんは「収穫する約3割が規格外になってしまう。大きすぎたり、ちょっと傷があったりする桃を喜んで買っていただき、大助かりです」。 東京都調布市の音楽家、吉田貴博さん(39)、瞳さん(34)夫妻は毎年、無人店巡りを楽しんでいる。「本場で格安でおいしい桃を探すのが好き。この値段じゃ絶対にスーパーでは買えない」と喜んでいた。(河合博司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
44人から始まった組織委 批判の矢面に立つ現場の思い
コロナ下の東京オリンピック(五輪)が開幕した。その運営を担うのが2014年に発足した大会組織委員会。都や省庁、民間から集まった約8千人の組織だが、設立当初はわずか44人だった。相次ぐ不祥事で幾度も批判されてきたが、現場で歯を食いしばってきた人たちもいる。 24日午前5時半、幕張メッセ(千葉市)のフェンシング会場に、大会組織委員会の加藤裕子さん(43)は、足を踏み入れた。 「とうとうここが、競技場として動きだすんだ」 すぐ近くの滞在先のホテルで約2時間の仮眠を取った。前夜の開会式は「聖火の点灯」をテレビで少し見ただけだ。 9日間、選手の熱闘が繰り広げられる。加藤さんはフェンシング競技のスポーツマネジャー。誰もいない座席を見渡しながら、準備に奔走し、支え合った仲間に思いをはせた。 小学生で始めたフェンシングが大好きだ。大学卒業後も競技に関わり、慶応義塾中等部で監督をしたり、日本フェンシング協会でも働いたりした。「過去、現在、そして未来にフェンシングを伝えていくこと」が使命だと感じている。 大会の招致決定を受けて、組織委は2014年2月、44人で始まった。加藤さんもその一人だ。 荒波の連続だった。運営が混乱するたびに現場は批判の矢面に立たされた。新国立競技場の建設問題、エンブレムの使用中止問題、大会延期に、会長の女性蔑視発言……。加藤さんも「しんどいことの方が多かった」と振り返る。「どんな形になろうと最後までこの大会を見届ける」と踏ん張ってきたというが、今年3月の海外客断念と7月の無観客決定は本当にこたえた。この7年間は何だったのか。くじけそうになった。 会場作りが大詰めを迎えたあ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1045文字/全文:1753文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Les Jeux de Tokyo 2021 commencent dans une atmosphère de malaise
Lors de la cérémonie d’ouverture des Jeux olympiques 2021 à Tokyo, le 23 juillet 2021. YASUYOSHI CHIBA / AFP La cérémonie d’ouverture des Jeux olympiques (JO) de « Tokyo 2020 », vendredi 23 juillet, a été à l’image d’olympiades maintenues en pleine pandémie et en opposition à la majorité de la population japonaise. […]
「英文法やるな」は間違い!? 夏休みの受験対策とは
大学入試に向け、英語をどう勉強すればいいのか。駿台予備学校講師の増田悟さんに聞きました。英文法の学習が、受験には欠かせない土台だそうです。昨今は文法不要論も出ていますが、いったいなぜ? 英語学習法 「文法と語彙の重視を」 まず、学校の授業の予習と復習をおろそかにしないことが重要です。授業で出てきた単語や熟語を全部覚えていますか? 扱った文章に真剣に取り組みましたか? 自宅で一人で習いにくいリスニングは、授業中に真剣に取り組めば受験本番の練習にもなります。 その上で夏休みに自分で取り組むこととして、文法と語彙(ごい)の二つを挙げたいと思います。 文法は、「英文が読めればいいので意味がない」などとして、軽視する風潮があります。学校では「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能をまんべんなく扱うため、不十分になる場合もあります。進学校の高校生でも文法ができていないと感じます。ですが、文法は文系、理系、医学部など志望に関係なく重要です。理由があります。 大学受験で英文法が重要なわけ 夏休みの勉強法をまとめた大学受験企画。第4回からは教科別の勉強法。記事後半では、受験英語における文法の役割と、単語の暗記法などを解説してもらっています。 例えば英作文。正しい文法を意識しすぎると英文が書けなくなると言われますが、それはあくまで練習の話で、入試本番ではそうはいきません。英作文の採点ではまず内容点を与えて、文法面で不正確な部分を減点していくのが一般的です。文法のミスが多いと、内容が良くても点数がもらえないのです。 読解はどうでしょうか。英文全体の意味を大まかに把握しながら、速く多く読む練習も必要です。しかし入試の目的は大学で学問をする力を測ることですから、内容が抽象的で論理的な文章を理解する能力が問われます。そのような文章を読解するには、一文ごとに文法や文の構造を意識しながら正確に意味を取っていく作業が重要です。 文法を学ぶときは、解説が書いてある参考書を読んだうえで問題集を解くのが理想です。個別の知識の丸暗記だけでは応用がきかないので、一般化して人に説明できるぐらいに理解する必要があります。既習か未習かは気にせず、夏休みに全て終わらせるつもりで取り組みましょう。 単語の勉強に近道なし ひたすら繰り返せ 次に語彙です。単語学習に近道はありません。文章を読みながら覚えるのには限界があり、やはり単語帳はあった方がいいでしょう。暗記はしんどい作業ですが、紙に書いたり音声で聞いたりテストしたりと、様々な方法があります。初日に100語やったら翌日は次の100語に加えて前日の復習といった具合に、ひたすら繰り返しましょう。 単語や文法に比べると、読解や英作文は一人での学習が難しい分野です。学校でも予備校でも解説動画でもいいので、自分に必要なものを可能な範囲で活用した方がいい。分からないところを質問して直接教えてもらえる環境があるのが望ましいですね。 さらに、定期的に模擬試験を受けることが重要です。「英語は7割とろう」「偏差値60を目指そう」といった中期目標が立てやすいし、丁寧に復習することで力がつくからです。上手に活用してほしいと思います。(聞き手・高浜行人) ますだ・さとる 駿台予備学校英語科講師。高1から入試対策まで主に読解問題系の講座を担当し、主要模試の作成に携わる。東大の過去問解説や予想問題の執筆も。高校への出張講座の経験が豊富。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱海ビーチライン断続的渋滞 災害復旧車両通行に支障か
和田翔太2021年7月24日 10時03分 4連休の2日目となる23日、熱海市内では、土石流被害で通行止めが続く国道の代替路として無料開放されている熱海ビーチライン周辺で断続的に渋滞が発生した。県外ナンバーの車も目立ち、地元住民の車や災害復旧車両の通行に支障が出る可能性がある。 土石流の影響で国道135号が通行止めになっているため、熱海ビーチラインは、現在、無料で通行可能だ。通行には、時速30キロ以下での走行、追い越し禁止などの条件が課せられる。 23日は午前9時ごろから午後4時ごろまで断続的に渋滞が発生した。熱海市では、東京方面から伊豆方面に向かう観光客に、迂回して伊豆スカイラインを利用するよう呼び掛けている。(和田翔太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
撤去した土砂の置き場、許容量の限界近づく 熱海土石流
村野英一2021年7月24日 10時09分 静岡県熱海市伊豆山地区の土石流災害は24日、発生から3週間を迎える。これまでに19人の死亡が確認された。なお8人の行方がわかっておらず、連日1千人体制の捜索が続く。地区を分断する土砂の撤去時期は見通せず、生活再建の障害になる恐れが出ている。 逢初(あいぞめ)川右岸の小高い場所にある墓地で23日、菊池保子さん(74)が除草剤をまいた。親族の田中路子さん(享年70)が土石流の犠牲になった。「早く埋葬できるように、きれいにしておきたい。前へ進めるように」。田中さんが被災した家は菊池さんの実家だ。「押しつぶされ、何も残っていない」 田中さんの家の周辺では、今も二階屋の1階がえぐり取られ、電信柱や巨木がなぎ倒されたままだ。最近、ようやく周辺に入れるようになった重機が土砂の撤去作業にあたっている。 市は、全国から駆けつけた緊急消防援助隊の帰還手続きを知事に要請した。援助隊は、重機が入れなかった現場で手作業で土砂を掘り、捜索にあたってきた。週明けからは、重機による作業が本格化する。 被害を拡大させたとされる盛り土については、どれだけ流れ、撤去できたか把握できていない。現場は急峻(きゅうしゅん)な地形で道も狭く、ダンプカーが入れない。東海道新幹線の山側では、せき止められた土砂が多く残されており、撤去完了時期は見通せない。搬出された土砂の置き場も課題だ。現在、熱海港の敷地に置いているが、許容量の限界に近づいている。 避難者334人 生活道路が再開めど立たず 市内のホテルに身を寄せている避難者は、334人(23日現在)。水道などの復旧が進み、先週から100人以上が自宅に戻ったが、生活道路である国道135号は逢初橋の強度を補強する工事が必要で、通行再開のめどは立っていない。通学路の安全確保も難しく、地元の伊豆山小学校は二学期が始まる8月下旬も校舎を使わない見通しだ。 23日夕の市災害対策本部会議で、気象庁の担当者は来週前半に東日本に近づく台風について「影響が出る可能性がある」と説明した。斉藤栄市長は土石流の起点となった場所について「新たに崩れる可能性がゼロではない。前倒しで、しっかりした避難誘導をやっていく」と述べた。(村野英一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「車内に子どもだけ」住人は頻繁に目撃 1歳女児放置死
石垣明真、多田晃子2021年7月24日 7時44分 千葉県八千代市内の駐車場に止めた車内から意識や呼吸がない状態の1歳の女児が見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は熱中症の可能性があり、県警は23日、車内に娘を放置したとして保護責任者遺棄容疑で、母親で自称飲食店従業員の大越悠莉奈容疑者(25)を逮捕した。 八千代署によると、死亡したのは、次女の三桜音(みおん)ちゃん(1)。容疑者は「エアコンはつけていた」と話しているが、自宅前の駐車場には屋根がなく、22日は近接する千葉市で午前11時までに30度以上の真夏日になっていた。 「エアコンをつけていても暑かっただろう。同じ年頃の孫がいるので残念でならない」。同じマンションに住む50代女性は、容疑者のものとみられる白い軽乗用車に、子どもだけが乗っている様子を頻繁に目撃したという。 児相にも通告 裸足姿で「ママ、ママ」 別の住人男性は2~3カ月前、運転席で寝ている容疑者とみられる女性の傍らで、泣いている女の子が気になっていた。別の住人女性は、車内で就寝する母子を目撃したとし「暑い中、子どもを車内に残すのは考えられない」と憤った。 署によると、5月上旬には近隣住民から「子どもが徘徊(はいかい)している」と110番通報があり、署員が住民を通じ自宅近くで当時2歳の長女を保護。署は育児放棄(ネグレクト)の疑いがあるとして児童相談所に通告した。容疑者は自宅で泥酔状態だったという。 マンションの住人女性は「5月上旬ぐらいに小さい女の子が渡り廊下でしばらく泣いていた。母親が見当たらず、その子を保護した」と証言。別の女性によると、大きな声で「ママ、ママ」「ママ、どこ行ったの」と泣き叫んでいる声が聞こえ、駐車場で裸足姿の小さな女の子が泣いていたという。その後、女性が抱っこして保護する姿を見たといい「もっと関わってあげていたら良かったのかな」と肩を落とした。(石垣明真、多田晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル