日本郵便の郵便局長が内部通報者らを「絶対に潰す」などと脅していた問題で、同社は16日、通報者保護をめぐって不適切な行為があったことを認め、担当幹部らの処分を発表した。 当時コンプライアンス担当だった元常務が通報者を推測できる情報を漏らしたとして、報酬を一部返納してもらう。 日本郵便は通報者捜しやパワハラをした郵便局長らは処分していたが、通報制度を担う幹部らの処分は今回が初めて。 日本郵便の志摩俊臣常務はこの日の会見で、「通報者の特定やパワハラ被害にあった社員におわびし、未然に防げなかった点を反省している」と述べた。 元常務については、「役員在職中なら報酬30%減額4カ月に相当」などと指摘している。元常務は役員を退任し期間雇用社員となっており、報酬の一部を自主的に返してもらうという。 ほかに九州支社人事部長2人… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:571文字/全文:936文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
森友記録「ずさんな管理」 二審も不開示は違法と認める
学校法人森友学園(大阪市)の国有地売却問題で、実際には保管していた公文書を「存在しない」として開示しなかったのは違法だとして、大学教授が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、大阪高裁であった。石原雅也裁判長は財務省の文書管理について「極めてずさん」と批判。33万円の支払いを命じた一審・大阪地裁判決を支持し、控訴を棄却した。 訴えていたのは、神戸学院大教授の上脇博之(ひろし)氏。控訴審では、上脇氏が開示を求めた文書のうち、国側と学園側、政治家関係者らの面会を記録した「応接録」を、国がどう保管していたかが焦点となった。 高裁は国側に対し、国会審議で応接録の存在が取り上げられた直後の2019年2月時点の廃棄状況などを明らかにするよう求めたが、国は「いずれも不明」と回答していた。石原裁判長は「ずさんな文書管理の結果、違法に不開示とされた文書の数などが明らかにされなかった」と述べた。 ただ、すでに文書が開示されていることなどを踏まえ、賠償額の増額を求めた上脇氏側の主張は退けた。 一審判決は、応接録の一部を廃棄し、残っていた文書もいったん「不開示」とした国の姿勢について「意図的で違法行為にあたるのは明らかだ」と指摘。国会審議で質問される材料を極力減らそうとして、応接録を廃棄したという理由は不適切で「情報公開法の目的に反し、意図的に不開示にしたことは相当に悪質だ」と批判していた。 上脇氏は判決後の会見で「高裁が、国のずさんな文書管理を認めた意義は大きい。法令に基づいて情報を公開しなければならない国にとって、屈辱的な判決のはずだ」と述べた。また、「最高裁の判断を仰ぎたい」として上告する意向を示した。 森友学園への国有地売却に関… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:218文字/全文:946文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
炭酸ガス死亡事故、2人書類送検 業務上過失致死傷容疑
2021年7月16日 13時50分 名古屋市中区錦3丁目のホテル名古屋ガーデンパレスの立体駐車場で、消火装置から二酸化炭素(炭酸ガス)が放出され作業員が死亡した事故で、愛知県警は16日、消火装置を誤って起動させたなどとして、工事業者の現場責任者の男性(31)と元上司の男性(49)を業務上過失致死傷の疑いで書類送検し、発表した。2人は容疑を認めているという。 捜査1課によると昨年12月22日に駐車場の最上階で作業員3人が改修工事をしていた際、地下1階にいた現場責任者が、消火装置の設定を確認しようとして誤って起動ボタンを押した。炭酸ガスが充満し、作業員の玉田謙さん(当時51)=岐阜市=を二酸化炭素中毒で死亡させたほか、別の2人にも骨が折れるなどのけがを負わせた疑いがある。 また県警は、メンテナンスの担当課長だった元上司が、現場責任者に消火装置の誤操作を防ぐ指導を怠ったと判断した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・三鷹の「幻のワサビ」DNAが伝える意外なルーツ
湧き水が出る崖のそばにわずかに残るワサビ。希少な在来種とわかった=東京都三鷹市大沢2丁目 東京都三鷹市の古民家保全地域で栽培されているワサビが、希少な在来種であることがDNA鑑定で明らかになった。このワサビ、江戸後期に三重県の伊勢から持ち込まれ、江戸前ずしブームで栽培が広がったとの言い伝えも残る。遺伝子情報をたどると、さらなるルーツも見えてきた。都心の近くで奇跡的に生き残った「幻のワサビ」。地域の宝を守る取り組みも始まっている。(井上恵一朗) 「幻のワサビ」のルーツは意外なところに。後半では、「日本の固有種」であるワサビの歴史と、危機が迫っている近年の現状にを紹介します 三鷹市の大沢地区。野川沿いにそびえる国分寺崖線からわき水が出る一角の約800平方メートルで、ワサビが栽培されている。 言い伝えによると、200年ほど前の文政年間、伊勢出身の箕輪政右衛門が始めたワサビ田だ。仕官目的で上京したが、江戸は当時、登場間もない握りずしがブーム。ワサビの需要が高まっていた。大沢の豊かなわき水に着目し、故郷近くの五十鈴川に生えていたワサビの移植を思いついたとされる。 江戸後期の都市部の風俗などを説明した「守貞謾稿」(喜田川守貞著)にある握りずしの説明。「刺身及びコハダ等には飯の上肉の下に山葵(わさび)を入る」とある=国立国会図書館提供 「今で言う、ベンチャービジネスでしょう」と市生涯学習課の下原裕司学芸員(56)は語る。 明治期に箕輪家に送られたワサビを注文するはがきの一部。宛名の宮吉は2代目当主=東京都三鷹市提供 主産地のワサビと比べて根茎が小さいが、出荷先の神田や築地市場で「味がよい」と評判を得た。周辺の市街化が進んでわき水が減ってしまい、昭和後期には生産されなくなった。 三鷹市大沢地区に残るワサビの根。小さめなのが特徴という 放置されていたワサビに再び光があたるのは、市が箕輪家から古民家を寄贈され、整備を始めてからだ。 2018年の一般公開に向けて史的な価値を調査する一方、「江戸東京野菜」ともいえるワサビの復活にボランティアらと取り組んできた。その過程で、「ワサビ博士」で知られる岐阜大学の山根京子准教授(49)にDNA鑑定を依頼した。 栽培植物起源学が専門の山根准教授は05年から、全国300カ所以上でワサビ属植物の分析をしてきた。現存するのは、「だるま」など根茎が太くて栽培向けの3品種に由来するものが大半で、かつて各地の中山間地にあった野生と栽培の中間的な「在来種」はほぼ姿を消してしまったとわかってきていた。 「三鷹も、またいつものだろうと期待していなかったが、調べたら全く違って驚いた」 ■伊勢神宮の供え物?… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ハッカーも五輪はお祭り? 日本、情報共有に残る不安
有料会員記事 編集委員・須藤龍也 斉藤佑介、塩谷耕吾、編集委員・吉田伸八2021年7月16日 14時00分 東京五輪の開幕まで1週間。「国家イベント」でもある五輪は、過去の大会でハッカーによるサイバー攻撃の格好の標的になってきた。東京大会をめぐっても、攻撃の「準備段階」ともとれる予兆があった。備えは大丈夫なのか。 東京大会を狙ったサイバー攻撃の兆候はすでにあった。複数の政府関係者によると、英国側から2019年秋、「ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が五輪のシステムに『サイバー偵察』を仕掛けている」という情報が日本政府にもたらされた。 サイバー偵察とは、ネットを駆使した情報収集行為を指すとみられた。ロシア軍の情報機関が、サイバー攻撃の準備を仕掛けていたとも受け取れる。 政府関係者によれば、情報提供をきっかけに内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が中心となって大会組織委員会などの関係団体やスポンサー企業などを調べたという。「実際は『アトス』のシステムが狙われたようだ。日本側で攻撃を受けた事実は確認できなかった」 アトスは、国際オリンピック… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1455文字/全文:1884文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特殊詐欺で80代女性が1億円超被害 示談金名目で
2021年7月16日 11時11分 長崎県警諫早署の発表によると、2020年6月から11月にかけ、長崎県諫早市の80歳代の無職女性が「全国防犯協会」を名乗るグループに1億円以上をだましとられた。 グループは、NPO法人会長が女性の名を使って東日本大震災関連で放射能除去装置を購入した、などとうそをついた。その上で「これは(違法な)名義貸しで、あなたも逮捕され、刑事処分を受ける。早期解決には示談金として2500万円から8千万円が必要だ」などと言って、女性の自宅近くの路上で数回にわたって現金を受け取ったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関東甲信・東北で梅雨明け 気温上昇、熱中症に注意
2021年7月16日 11時28分 気象庁は16日、関東甲信と東北南部・北部が梅雨明けしたとみられると発表した。今年は太平洋高気圧が東から張り出しているため、四国、近畿、東海より先に関東甲信と東北で梅雨明けが発表された。 関東甲信は平年より3日、昨年より16日早い。東北南部は平年より8日、昨年より17日早い。東北北部は平年より12日早く、昨年は梅雨明けの時期を特定していない。 気象庁によると、関東甲信、東北とも、寒気が入り込む影響で局所的に雨が降ることがありそうだが、今後1週間ほどは高気圧に覆われ、晴れる日が続く見込み。予想最高気温は福島市で16日に36度、17日に37度。盛岡市で16日に33度、17日に35度と、東北で猛暑日となる見込み。東京でも16、17日とも33度と、厳しい暑さとなりそうだ。 総務省消防庁によると、今月11日までの1週間で、熱中症によって救急車で医療機関に運ばれた人は全国で2568人。前週からほぼ倍増した。梅雨明けして気温が上昇し、さらに増える恐れもある。気象庁は、まだ暑さに慣れていない時期は特に熱中症への注意が必要だとしている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あのレッサーパンダの娘に清涼を ファン100万円寄付
垣花昌弘2021年7月16日 11時30分 徳山動物園(山口県周南市)のレッサーパンダ「風花」の展示場に、サンシェード(日よけ)が登場した。これまで暑い日は涼しい屋内で過ごし、姿が見られない日も多かったが、今夏からは展示場でくつろぐ姿が見られそうだ。 人のような立ち姿で人気を集めた千葉市動物公園のレッサーパンダ「風太」の娘で15歳。風太の大ファンという千葉市の女性から「風花のために」と100万円の寄付金があり、6月上旬に縦8メートル、横6メートルの布製のサンシェードを設けた。飼育員の佐藤優里さん(29)は「風花は高齢だけど元気いっぱいで好奇心が旺盛。日陰が増えたら動き回ることも多いと思うのでぜひ見に来てほしい」。 レッサーパンダは7匹いるが、風花のひ孫で2歳のオス「チャル」が17日に沖縄県名護市のネオパークオキナワに引っ越すことに。佐藤さんは「沖縄では風花の玄孫(やしゃご)誕生を楽しみにしています」と話した。(垣花昌弘) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府、模索続く「出口戦略」 コロナ感染再拡大
大阪府は15日、新型コロナウイルス対策の緩和基準を検討する「出口戦略」会議の第2回会合を開き、感染症や経済学の専門家を交えて議論した。対策の出口を示すことを評価する声が上がる一方、府が示した「ロードマップ」の試案には意見が相次いだ。この日の大阪の新規感染者は324人。感染が再拡大するなか、出口戦略をめぐる模索が続いている。 府は先月30日に開かれた第1回会合で公表した試案の修正版を提示した。前回の会議で示された試案は、ワクチンの接種を終えた府民の人数と、府が確保する重症病床の使用数に応じ、レベル1~4を設定。レベルごとに営業時間の短縮要請などの対策を定めた。 ただ、重症病床に限定すべきではないとの声もあったことから、修正版では、軽症・中等症も含めて府が確保する病床全体の使用数も目安に盛り込んだ。 ワクチンの接種人数に応じて対策を緩和する方法について、行動経済学が専門の大阪大・大竹文雄特任教授は「接種をしていない人へのプレッシャーが強くなり、社会の分断を生む」と主張。「接種によるインセンティブ(報奨)を強める仕組み」を提案した。 大阪大院の忽那賢志(くつなさとし)教授(感染制御学)は、「新しい感染症で変異株という不確定要素がある。世界中でよくわかっていない。(基準を)柔軟に変更するつもりで設定する必要がある」と話した。 一方、府の専門家会議の朝野(ともの)和典座長は「個人への有効性はあるが、変異株の出現や社会構造によって集団免疫の達成が可能かどうかは不明。ワクチンのみで評価するのはエビデンスに乏しく、ワクチンだけで社会が変わるとの誤解を生む可能性がある」と指摘した。 府は専門家の意見を踏まえ、7月末にはロードマップを完成させる方針。京都大の古瀬祐気特定准教授(感染症学)は「ワクチン接種が進んだときに行動を制御する対策を弱くしていくことは可能だ」とし、ロードマップを評価する一方、「今は明らかに感染が拡大しているので、この夏の波はワクチンだけで制御するのは難しい。接触機会を落とす必要がある。接種が進んだ秋以降をめざしていくのがいい」との見通しを示した。(寺尾佳恵) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
涼宮ハルヒのように まっすぐだった妻 京アニ事件2年
京都アニメーション放火殺人事件で亡くなった池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫、譲(ゆずる)さん(48)が15日、朝日新聞などの取材に応じた。事件から18日で2年。「涼宮(すずみや)ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」「響け!ユーフォニアム」でキャラクターデザインを手がけ、「作画のエース」と呼ばれた晶子さん。譲さんはありし日の姿を振り返り、「晶子が世に残したものを伝えたい」と力を込めた。 「とにかくアニメが大好き。アニメに関しては子どものような人でした」。京都府宇治市の自宅で譲さんは言った。リビングの小さな祭壇に晶子さんの遺影があり、好きだったミルクコーヒーが供えられていた。 晶子さんと譲さんは知人の紹介で出会い、2007年に結婚した。 最初のデートの時、何の仕事をしているか尋ねると、晶子さんは「アニメーター。今は涼宮ハルヒっていうのを描いてる」。 06年にテレビ放映された人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」だが、譲さんは見たことがなかった。 京アニの人気を押し上げた数々の作品を手がけた池田晶子さん。その素顔を知る夫が事件2年を前に初めて、妻への思いを語りました。 ■レシートの裏に描いたイラスト 「何のアニメなん?」と問う… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1530文字/全文:1995文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル