岡田将平、戸田和敬2021年7月15日 18時48分 広島への原爆投下後に「黒い雨」を浴びたと訴えた84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決を受け、原告団は15日、広島市と広島県に上告を断念するよう申し入れた。国から被爆者健康手帳の交付事務を託されている市と県は、裁判では被告だが、被爆自治体として国に援護区域の拡大も求めている。松井一実市長らは16日に田村憲久厚生労働相に上告断念を要請する。 対応した河野一二・市原爆被害対策部長は「人道的な視点に立って救済をしていくタイミングだろうと考えている」と述べた。二井秀樹・県被爆者支援課長も「県としては上告したくない。黒い雨を体験して苦しんでいる全ての人の救済につながるように、国に要請していく」と話した。 高裁判決は、援護区域より広い範囲で雨が降ったと認定し、疾病にかかわらず「黒い雨に遭った人は被爆者にあたる」と判断した。申入書では、原告らに速やかに手帳を交付し、すべての黒い雨の被害者を救済するよう求めている。原告の高東征二さん(80)は高齢化を挙げ「(裁判を)延ばされると困る」と訴えた。 日本被団協も談話「判決に従う政治的決断を」 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)はこの日、高裁判決を歓迎する談話を発表。「『原爆被害を狭く、小さく、軽く』見ることをやめ、原爆被害の実相に応える施策へと変えるべき」だとし、菅義偉首相や田村厚労相に「判決に従う政治的決断」を求めた。(岡田将平、戸田和敬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
次の朝ドラにオダギリジョー 「カムカムエヴリバディ」
次の朝ドラに、オダギリジョーが出演する。演じる役は、その名もジョー。深津絵里演じる主人公の運命を動かす“謎の男”の人生を生きる。 秋にスタートするNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」は、上白石萌音、深津、川栄李奈の3人が主人公。ラジオ英語講座を題材に、祖母、母、娘の3世代100年のファミリーヒストリーが描かれる。 3部作ということで、舞台も岡山、大阪、京都と移り変わる。深津が演じるのは大阪編。18歳まで育った岡山を飛び出して大阪に出てくる主人公・雉真(きじま)るいを演じる。 物語の始まりは1962(昭和37)年。るいはひょんなことからクリーニング店を営む夫妻と出会い、住み込みで働きながら新生活を始める。働き者で店の看板娘となったるいのもとに、ある日オダギリ演じる謎の客が現れる。大月錠一郎、通称ジョー。住所不明、神出鬼没。いつもシャツに同じ汚れをつけて訪れ、背広から下着まで大量の洗濯物を置いていく。つかみどころのない男が、しっかり者のるいの人生にどう絡んでいくかが見どころだ。 オダギリは朝ドラ初登場。脚本家の強い希望で、今回の出演は実現したという。オダギリは「生意気ながら、僕もたまに脚本を書いたりしますが、希望する俳優の方に引き受けてもらえると、この上なくうれしいですし、逆に断られたりすると、絶望のふちに立たされる気分になります(苦笑)。役者冥利(みょうり)みょうりに尽きる言葉を頂いたからには、期待以上のお返しができるよう、全力を尽くすつもりです」とコメントしている。 ■市川実日子、早乙女太一も登… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:563文字/全文:1245文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「まん延」解除したばかりの北海道、知事「要請検討も」
北海道内で新型コロナウイルスの感染が再拡大しつつあることを受け、鈴木直道知事は15日、政府に「まん延防止等重点措置」の再適用を要請することを検討すると明らかにした。重点措置は11日に解除されたばかりだが、札幌市では15日、直近1週間の10万人あたりの感染者数が重点措置要請の目安となる「15人」を超えた。同市では25日まで飲食店に時短を要請しているが、道は感染状況を見ながら26日以降の対策を検討する。 道は15日夕に対策本部会議を開き、鈴木知事は「(変異ウイルスの)デルタ株の拡大、今後の人の移動の活発化などを踏まえると最大限の警戒が必要だ。札幌市と連携し、重点措置の国への要請も含めてより強い対策について早急に検討を進める」と述べた。 15日の感染者85人のうち、札幌市は64人。同市での直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は15・2人で、国の指標の「ステージ3」(感染急増)の目安を超えた。市内の入院患者数は14日時点で106人。コロナ病床が満床だった6月のピーク時の5分の1だが、再び100人を超え、増加傾向だ。 特に、感染力が強いとされる… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:294文字/全文:776文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
喜べないヤリイカ豊漁 コロナ禍で需要減、支援の動きも
伊藤隆太郎2021年7月15日 16時00分 日本海のヤリイカ漁が豊漁だ。一昨年からの不漁を乗り越える勢いだが、漁師たちの顔色はさえない。新型コロナ禍で飲食店の需要が減り、価格が下がっているためだ。「苦境を救いたい」と、販路づくりに立ち上がった旅館もある。 「厳しさから一転し、2月下旬から記録的な大豊漁なのに……」。宗像漁業協同組合(福岡県宗像市)の桑村勝士組合長の表情は厳しい。旅館や飲食店に生きたまま届ける新鮮さが自慢のヤリイカが、「壊滅的なダメージを受けている」という。 桑村さんによると、ヤリイカ漁のピークは春と秋の2回。春季で比べると、2019年は不漁のために1キロ当たり2千円以上に値上がりし、翌20年も2500円前後が続いた。21年から一転して豊漁になるなか、コロナ禍で需要が低迷し、1600~1800円に下がったという。 例年なら旅館や料理店へ出荷される高級品が、スーパーなどに流れ、価格の下落に拍車をかけた。今年は1月中旬と5月上旬にコロナ感染が拡大。その谷間の4月ごろは2千円以上に持ち直していたことから、「影響は明らか」と桑村さん。 卸し先の旅館には支援に動き出すところもある。 イカの生きづくりを店の看板メニューにする宗像市の旅館「御宿はなわらび」の小林大二さん(33)は、卸値を上回る値段でヤリイカを仕入れて料理人が素早くさばき、すぐに瞬間冷凍し、真空で包装してネットで通販する試みを始めた。 小林さんは「漁港までの近さ、料理人の腕、最新の冷凍技術。この三つが合体し、料理店に負けない新鮮さを保っている」と、胸を張る。経営が厳しいなか、マイナス60度で急速冷凍する専用冷蔵庫に投資した。 7月20日まで、大手クラウドファンディングのサイト経由で購入者を募っている。その後は未定だが、小林さんは「販路を広げたい」と言う。 昨年までの不漁はヤリイカに限らず、スルメイカやケンサキイカなど全般に広がり、全国規模だった。国立研究開発法人「水産研究・教育機構」によると、海水温の上昇などでイカの孵化(ふか)や生育が影響を受けたためだという。今年は回復傾向にあるものの、日本海の水温は今年も「平年よりかなり高め」と予測しており、予断を許さない。(伊藤隆太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飯塚幸三被告に禁錮7年を求刑 池袋暴走事故で検察側
東京・池袋で2019年4月に車が暴走して、母子が死亡し9人が重軽傷を負った事故の公判が15日午後、東京地裁であった。検察側は、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)に対し「アクセルを踏み続けたことが事故の原因だ」として、同罪の法定刑の上限にあたる禁錮7年を求刑した。 「アクセル踏んでない」 「車に異常」 被告側は無罪主張 飯塚被告は事故から約10カ月後の20年2月、在宅のまま起訴された。同年10月の初公判で飯塚被告は、起訴内容を否認して無罪を主張。「アクセルを踏み続けたことはないと記憶している」「車に何らかの異常が生じ暴走した」と述べた。 検察側は冒頭陳述で、飯塚被告がブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み続けた過失によって事故が起きたと指摘した。 根拠として①加速機能やブレーキを制御するセンサーなどの電気系統を事故後に調べても異常を示す故障記録はなかった②ブレーキランプが事故当時点灯していない―などを挙げた。また、飯塚被告の車は08年に新車で購入しており、「事故1カ月前の点検でも不具合は見つかっていない」とも述べた。 事故で亡くなった母子は、自転車で横断歩道を渡っていた松永真菜さん(当時31)と長女の莉子ちゃん(同3)。真菜さんの夫の拓也さん(34)は事故5日後に匿名で会見し、「運転に不安がある人は運転しない選択肢を考えて」と訴えた。 交通事故をなくしたいとの思いから、飯塚被告への厳罰を求める署名約39万筆を集めて東京地検に提出。その後に実名を公表し、飯塚被告に損害賠償を求める民事訴訟も起こした。 また、交通事故被害者の遺族らでつくる一般社団法人「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」に所属して、被害者側が裁判を傍聴するなどの際に会社を特別に休める制度の新設を政府に求めている。 今年6月21日の公判では、拓也さんら遺族が被害者参加制度を使って飯塚被告に直接質問した。「命を奪った事実を真剣に考えたか」とただすと、飯塚被告は「私にも子がおり、妻と子が突然亡くなったと考えると本当につらい思いをしたと思う」。「主張に無理があると思わないか」との問いかけには、「車を止められなかったことは悔やんでいる」と述べるにとどめた。 拓也さんの自宅は、3人で暮らしていたときのままだ。壁に貼られた莉子ちゃんの絵、本棚の絵本、リビングに置いたおもちゃのキッチンセット……。寝室の片隅には、事故時に妻と娘が着ていた服が袋に入ったまま置いてある。 事故現場には、いまも足を運ぶ。「事故が起きた一瞬とは釣り合わない、長い苦しみを感じています」(村上友里、大山稜、新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男児用水着、メッシュの裏地は陰茎の皮膚はさまるおそれ
国民生活センターが、裏地にメッシュ素材を使った男児用水着を使用しないよう呼びかけている。陰茎の皮膚がメッシュの小さな穴にはさまり、けがをするおそれがあるという。 同センターによると、男児がけがをする事故は毎年のように起きているといい、2010年以降では、「海水浴後に水着を脱ごうとした際に裏地の編み目に皮膚が入り込んで脱げず、病院に運ばれた」などの相談が少なくとも12件寄せられている。 日本小児科学会によると、新潟県で実際に起きた事故では、男児(6)が着用した水着の裏地のメッシュの穴の大きさは縦2・5ミリ、横1・8ミリだったという。穴にはさまった皮膚が水ぶくれ状態になって腫れ上がり脱げなくなったという。小児の陰茎の皮膚は非常に伸びやすく、メッシュの小さな穴からも外側にはみ出しやすいことが原因とみられるという。 業界団体は10年にメッシュ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:225文字/全文:601文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「アスリート画像で稼げる」 無断掲載容疑で書類送検
土舘聡一2021年7月15日 12時18分 テレビで放送された女性競技者の映像の静止画をアダルトサイトに無許可で載せたとして、警視庁は、いずれもウェブサイト運営業で、東京都と千葉県に住む30~50代の男3人を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで15日、書類送検したと発表した。 東京五輪・パラリンピックに向け、同庁は5月からこうした事件の摘発を続けており、個人では5人目。同庁は「悪質な行為は積極的に取り締まる」としている。 保安課によると、3人は2018年2月~20年7月、テレビ番組で放送された女性競技者の映像から切り取られた静止画にわいせつな文言を添え、自ら運営するアダルトサイトに無許可で掲載。テレビ局の権利を侵害した疑いがある。ウェブ上で得た画像を転用していたという。 いずれも容疑を認めており、動機について「生活費を稼ぐためだった」「女性アスリートの画像を投稿すれば稼げると思った」「ネタになりやすいと考えた」などと話しているという。 競技者の画像を性的に利用する行為をめぐっては、日本オリンピック委員会(JOC)が昨年11月に抗議声明を出し、公式サイトに通報窓口を設置した。窓口に寄せられた情報は警視庁に提供しており、同庁が違法行為がないか捜査している。(土舘聡一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「顧客にイベント見せようと」夢の島でヘリ低空飛行容疑
大山稜2021年7月15日 12時36分 許可を得ずにヘリコプターで超低空飛行をしたとして、警視庁は15日、東京都江戸川区の船舶販売会社役員の男(64)を航空法(最低安全高度)違反の疑いで書類送検し、発表した。男は容疑を認め、「顧客にスポーツカーの展覧イベントを近くで見せようとした」などと供述しているという。都内で低空飛行した航空機の摘発は初めて。 東京湾岸署によると、男は1月16日正午ごろ、東京都江東区夢の島3丁目にある船舶の係留施設「東京夢の島マリーナ」の上空をヘリで飛んだ際、地上から50メートル以下の低空で飛行した疑いがある。施設の職員と目撃者から「ヘリが危険を感じるくらいの高度で飛んでいる」と通報があった。 ヘリは船舶販売会社の所有で、男はこの日、顧客サービスとして都内の上空を飛んでいた。スポーツカーの展覧イベントを間近で見せるために高度を下げたという。 航空法施行規則では、地上150メートルを下回る高度で航空機を飛ばす場合は国の許可が必要と定めている。現場周辺には東京五輪・パラリンピックの競技施設が集中しており、署は「危険なので、今後も低空飛行を目撃したら通報をお願いしたい」と呼びかけている。(大山稜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無観客の五輪、警察庁長官「警備に大きな変更ない」
2021年7月15日 13時34分 警察庁の松本光弘長官は15日の定例会見で、東京五輪の首都圏などでの競技が無観客で行われることについて、「警察が行う警備、交通などの対策の内容は著しく変わるわけではなく、実施体制に大きな変更はない」と述べた。 松本長官は、選手や要人、会場などの安全の確保やサイバー攻撃の対策などに万全を期し、テロ対策をはじめとする諸対策を徹底する考えを強調した。 また、棚橋泰文国家公安委員長もこの日の会見で「安全、円滑な大会の実現と市民生活、経済活動を両立するには国民の皆様の協力が不可欠だ」と述べ、警備や交通対策への理解を求めた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
妻か夫が名字を我慢、なぜ 菊間千乃さん×牧野紗弥さん
今年、雑誌「VERY」誌上で夫婦別姓を選ぶことを公表して注目を集めたモデルの牧野紗弥さんと、弁護士で元フジテレビアナウンサーの菊間千乃さん。選択的夫婦別姓を望む2人が、夫婦の名字をめぐる社会の意識や空気について語りました。 ――菊間さんも牧野さんも、「別姓の話は飲み友達やママ友とはしづらい」と話されていました。なんでこんなに名字の問題って話題にしにくいんでしょうか。 菊間 なんででしょうね。 牧野 日本では、自分の思いに気づいて言葉をあてはめて発言するという「言語化」の教育を受けていないということはあるかもしれません。 それをしないとどこですれ違っているかもわからなくて意見のすりあわせもできないと思いますが……。 菊間 言語化は大事だけどすごく難しいから、なんかちょっと置いといてということになるんでしょうね。 ――今の日本では法律婚をした場合、夫の名字か妻の名字を選びます。そういう意味では、すでに二つの選択があってある意味「平等」だという意見もあります。 牧野 いま、厚生労働省の調べでは、日本では法律婚をしているカップルの96%が、女性のほうが名字を変えていますよね。 これは当たり前じゃないのに当たり前ととらえてしまいがちな現状があります。それぞれの夫婦が自分たちらしくアレンジするにはどうすればいいか、考えることが大事だと思います。 菊間 96%の女性が氏(名字)を変えているけれども、その裏を見ると4%の男性も氏を変えているわけですよね。 つまり日本の法律婚をしているあらゆる夫婦のどちらか一人が、氏を変えているわけですよ。 何とも思わずに「いいよ」と変えている人ももちろんいるかもしれない。でも、名前なしで私が私ですっていうことを相手に伝えるのってすごく大変です。それだけ名前には大きな力があり、アイデンティティーそのもの。その「人格的利益」を夫婦のどちらかが失わなきゃいけない。 それをどちらが失うの?というのを、全ての日本中の夫婦が選んでやっているわけですよ。 ということはつまり、96%ということじゃなくて、私は100%っていうことだと思う。 ――女性の方が名字を変えている割合が仮に96%でなくて50%だとしても、合計が「100%」であることに変わりはないということでしょうか。 菊間 はい。絶対にどちらかがどちらかに寄せるわけだから、夫婦の仲が平等じゃなくなりますよね。 記事の後半では、対談の全編動画もご覧になれます。 寄せられた方が「寄せてくれ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル