有料記事 佐藤美千代 樫村伸哉2024年3月12日 21時30分 中学2年から高校2年まで実父に性暴力を受けたと訴える女性が12日、富山市内で記者会見した。「絶望しながら生きる道を探した」と過去を振り返り、自身が実名で語ることで、表面化しにくい家庭内での性暴力の実態を伝え、同じ被害に苦しむ人の助けになりたいと語った。 富山県出身で、東京都在住の福山里帆さん(24)。現在50代の父の寝室で、母の外出中に、繰り返し性交を強要されたと訴えている。 会見に同席した代理人の藤原航弁護士によると、性交の強要は中2の夏に始まった。母は月1回程度、友人と外出していたという。 福山さんによると、父からは日常的に「言うことを聞かないと食事を与えない」「進学させない」などと言われていた。学校を休むと教科書で殴られる、髪を引っ張られるなどの仕打ちも受けていたと語った。 最初に被害に遭った頃の心境について、「何も感じられなかった。苦しい、悲しい、どうしたらいいかわからない。それ以上感じると自分が壊れてしまう。不安より絶望」だったと語った。 誰かに助けてほしいと思いながら、伝えても信じてもらえないのではないか、親族が悲しむのではないかと悩み、誰にも言えなかったという。どこへ相談すればいいのかも見当がつかなかった。 父がいる家で安心して眠れず、昼間に保健室のベッドで眠った。勉強が手につかず、成績は目に見えて悪化したという。無気力になったり、感情がコントロールできず暴れたりすることもあった。 朝食時、父と同じテーブルを… この記事は有料記事です。残り1183文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
留学生向けの塾経営者、暗号資産でマネロンか 口座詐取の疑いで逮捕
華野優気2024年3月12日 18時09分 他人名義で暗号資産(仮想通貨)の口座を開設したとして、大阪府警は12日、留学生向けの学習塾運営会社「名校ホールディングス」(東京都新宿区)代表取締役、豊原明容疑者(42)=東京都新宿区=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。 府警によると、豊原容疑者が管理する他人名義の複数の暗号資産口座には、特殊詐欺やロマンス詐欺などの多額の被害金が振り込まれ、数千万円が暗号資産に交換されていたという。府警は豊原容疑者が詐欺事件の被害金を資金洗浄し、詐欺グループから手数料を得ていたとみている。 発表では、豊原容疑者は昨年12月、府内の30代の男らと共謀し、男の名義で自身が取引する暗号資産の口座を申し込み、暗号資産交換業者から口座をだまし取った疑い。SNSで名義貸しを募り、男が応じたという。 「名校ホールディングス」のグループ会社のホームページによると、同社は留学生向けの学習塾「名校志向塾」を運営。東京や大阪、京都のほか、中国や台湾などで事業を展開している。(華野優気) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都の「月5千円」子育て支援、申請簡素化へ 「面倒」と苦情続出
太田原奈都乃2024年3月12日 18時44分 0~18歳に月5千円を支給する東京都独自の子育て支援策「018サポート」の申請について、都は2024年度から親子のマイナンバーカードの読み取りだけで済むよう手続き方法を変えることを明らかにした。複数の書類が必要な申請手続きに「煩雑」「わかりにくい」といった苦情が相次いでいた。 初年度となった23年度の申請では、マイナンバーカードのほか、子どもの健康保険証、口座を確認できる書類などが必要だった。手続きは郵送もしくはオンラインの2通りがあり、申請に不要な個人情報を隠す処理(マスキング)という手間もかかった。 都福祉局によると、24年度は国と連携してウェブサイトを新設。新規申請者は、マイナンバーカードに公金受取口座が登録されていれば、カード情報を読み取るだけで申請が済むようになるという。 従来の申請方法も継続するが、出生日や転入日の書類の提出が省略される。23年度に申請手続きを済ませ、引き続き支給条件を満たす人は、原則として手続き不要で受け取れる。 23年度は最大6万円を一括給付していたが、24年度は3回(8月、12月、25年4月)の分割支給とする。12日にあった都議会予算特別委員会で佐藤智秀・福祉局長は「子どもの育ちをきめ細かくサポートするため」と説明した。(太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪汚職、「大広」元役員に有罪判決 無罪主張の被告で初めて
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地裁(野村賢裁判長)は12日、大会組織委員会の元理事に賄賂を渡したとして贈賄罪に問われた広告大手「大広」元執行役員の谷口義一被告(59)に、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。無罪を主張した谷口元役員は即日控訴した。 一連の事件では5ルートで計15人が起訴され、既に11人の有罪判決が確定している。11人はいずれも起訴内容を認めており、無罪を訴えた被告が有罪になるのは谷口元役員が初めて。 「利欲的な目的」 判決によると、組織委はスポ… この記事は有料記事です。残り583文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
噴火の脅威と美しさあふれる三宅島、巨樹に野鳥、クジラに出会う
伊豆諸島は火山の島々だ。中でも三宅島は、2000年の大噴火で全島避難が4年半近くも続いた。太古から繰り返す噴火でできた島ながら、巨樹の森に野鳥がさえずり、海にはクジラやウミガメが泳ぐ。自然の厳しさと美しさが共存する島を2月末、訪れた。 都心から約180キロ。島へのアクセスは、調布市からの飛行機と港区竹芝からの船の便がある。私は午後10時半、竹芝発の大型船「橘丸」に乗り込んだ。 冬は海が荒れて欠航も少なくない。御蔵島を経て八丈島まで行くのが通常の航路だが、この日は強風と高波で三宅島で折り返しになる、というアナウンスがあった。「無事着きますように」と祈りつつ、大きな揺れの中で眠りについた。 午前5時過ぎ、三宅島伊ケ谷… この記事は有料記事です。残り1423文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「創造的復興」がコミュニティーを壊す? 限界集落研究者の警鐘
能登半島地震の後、限界集落を見捨てるかのような議論が、SNS上で飛び交っています。「当事者以外が上から目線で『選択と集中』を進めれば、大切な農山漁村が本当に崩壊してしまいかねない」。そう語り、「地方消滅」のムードにあらがう社会学者の山下祐介・東京都立大学教授に聞きました。 ――能登半島地震でも、「復興」についての議論が始まっています。 「まず『創造的復興』という言葉には注意が必要です。災害発生後の復興で、次の災害に備え、より強靱(きょうじん)な地域づくりを行う考え方です。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震でも提唱されましたが、そもそも、それは当事者の考えなのか。第三者が一方的に取捨選択し、地域の未来を描いていないか。創造的復興の文脈でよくやってしまうのは、被災者の代わりに勝手に『こうあるべきだろう』と示すことで、それと異なる方向を希望する被災者が、ものを言えなくなってしまうことです。結局、事業や計画に乗れない人は地域に戻れなくなってしまい、コミュニティーが崩れていくということが東日本大震災では生じました」 「災害があると、復興を急げとの世論の力が働きがちですが、復興はゆっくりと、当事者の回復を待ち、その声を聞きながら丁寧に進めなければなりません。いま能登の被災者は、日々を生きるのに精いっぱいでしょう。まずは本人たちが生きる力を取り戻し、声をあげられる状態まで支援していく。そのうえで、地域の復興は原状復帰が基本だと私は考えます。当事者の声を聞くなかで創造的復興や集団移転のような議論が出るとしても、それは次の段階です。まずは元通りに戻すことが前提としてあって、その上での創造でなければ、地域の破壊につながることになる」 ――限界集落の復興も課題となっています。 「高齢化や人口減少が進む限界集落や孤立集落が日本各地にありますが、これを数字だけで見ていると間違います。ずいぶん前から『地方消滅』が語られながら、現実にはなかなか消滅しない。これは、その周辺に、数字では見えない当事者がいるためです」 東日本大震災の失敗を繰り返すな ――「見えない当事者」ですか。 「高齢者が多いと、いずれ『… この記事は有料記事です。残り2899文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「創造的復興」がコミュニティーを壊す? 限界集落研究者の警鐘
能登半島地震の後、限界集落を見捨てるかのような議論が、SNS上で飛び交っています。「当事者以外が上から目線で『選択と集中』を進めれば、大切な農山漁村が本当に崩壊してしまいかねない」。そう語り、「地方消滅」のムードにあらがう社会学者の山下祐介・東京都立大学教授に聞きました。 ――能登半島地震でも、「復興」についての議論が始まっています。 「まず『創造的復興』という言葉には注意が必要です。災害発生後の復興で、次の災害に備え、より強靱(きょうじん)な地域づくりを行う考え方です。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震でも提唱されましたが、そもそも、それは当事者の考えなのか。第三者が一方的に取捨選択し、地域の未来を描いていないか。創造的復興の文脈でよくやってしまうのは、被災者の代わりに勝手に『こうあるべきだろう』と示すことで、それと異なる方向を希望する被災者が、ものを言えなくなってしまうことです。結局、事業や計画に乗れない人は地域に戻れなくなってしまい、コミュニティーが崩れていくということが東日本大震災では生じました」 「災害があると、復興を急げとの世論の力が働きがちですが、復興はゆっくりと、当事者の回復を待ち、その声を聞きながら丁寧に進めなければなりません。いま能登の被災者は、日々を生きるのに精いっぱいでしょう。まずは本人たちが生きる力を取り戻し、声をあげられる状態まで支援していく。そのうえで、地域の復興は原状復帰が基本だと私は考えます。当事者の声を聞くなかで創造的復興や集団移転のような議論が出るとしても、それは次の段階です。まずは元通りに戻すことが前提としてあって、その上での創造でなければ、地域の破壊につながることになる」 ――限界集落の復興も課題となっています。 「高齢化や人口減少が進む限界集落や孤立集落が日本各地にありますが、これを数字だけで見ていると間違います。ずいぶん前から『地方消滅』が語られながら、現実にはなかなか消滅しない。これは、その周辺に、数字では見えない当事者がいるためです」 東日本大震災の失敗を繰り返すな ――「見えない当事者」ですか。 「高齢者が多いと、いずれ『… この記事は有料記事です。残り2899文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
35年ぶり、近鉄列車で東大寺へ お水取りに「松明調進」名張から
白井伸洋2024年3月12日 15時30分 奈良・東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)(お水取り)で使うたいまつを、三重県名張市から運ぶ「松明調進(たいまつちょうしん)」が12日、行われた。これまでは徒歩などで運んできたが、今年は専用臨時列車で運ぶ。関係者によると、列車を使うのは約35年ぶりという。 たいまつの材料は、同市赤目町一ノ井地区の住民らが山で切り倒した1本のヒノキ。板状に切り分けたヒノキの束を、約1・5メートルの竹の棒の両端にくくりつけて運ぶ。重さは約35キロにもなる。 松明調進は鎌倉時代から続くと伝わる行事。昭和初期からは列車で運んでいたというが、35年ほど前から、奈良県境の笠間峠までを伝統的な徒歩での輸送を取り入れ運んでいた。だが、高齢化による担ぎ手不足などで、列車輸送を復活させた。一般の人にもツアー形式で輸送に参加してもらい、伝統を広く知ってもらう狙いもあるという。(白井伸洋) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
35年ぶり、近鉄列車で東大寺へ お水取りに「松明調進」名張から
白井伸洋2024年3月12日 15時30分 奈良・東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)(お水取り)で使うたいまつを、三重県名張市から運ぶ「松明調進(たいまつちょうしん)」が12日、行われた。これまでは徒歩などで運んできたが、今年は専用臨時列車で運ぶ。関係者によると、列車を使うのは約35年ぶりという。 たいまつの材料は、同市赤目町一ノ井地区の住民らが山で切り倒した1本のヒノキ。板状に切り分けたヒノキの束を、約1・5メートルの竹の棒の両端にくくりつけて運ぶ。重さは約35キロにもなる。 松明調進は鎌倉時代から続くと伝わる行事。昭和初期からは列車で運んでいたというが、35年ほど前から、奈良県境の笠間峠までを伝統的な徒歩での輸送を取り入れ運んでいた。だが、高齢化による担ぎ手不足などで、列車輸送を復活させた。一般の人にもツアー形式で輸送に参加してもらい、伝統を広く知ってもらう狙いもあるという。(白井伸洋) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「17歳 さき」で美人局か 転落死の大学生、逃げられない場所に?
甲斐江里子 田添聖史2024年3月12日 15時44分 「美人局(つつもたせ)」の手口で脅した大学生をビルから転落死させたとして、中学生3人が強盗致死の疑いで逮捕や児童相談所通告された事件で、当時13歳だった中学2年の少年(14)が大阪府警に「被害者が逃げられない場所に誘い込んだ」という趣旨の説明をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。府警は大学生がビルから飛び降りざるを得ない状況だったとみている。 捜査関係者によると、少年と中学2年の少女(14)は2月、SNSで17歳の「さき」という架空の女性になりすましたアカウントで男子大学生(22)と接触。少年が「会いたい。ホテル代だけ持ってきて」などとメッセージを送信したとみられるという。 事件当日の2月12日は、少女が大学生と大阪市中央区の駅のそばで待ち合わせ、「ビルに住んでいる母親に呼ばれた」とうそをつき、近くのビルの6階と7階の間の階段踊り場に誘導。大学生は6階から踊り場に来た3人と対面後、ビルの6~7階付近から隣の4階建てビルの屋上に飛び降り、さらに逃げようとして転落死した。ビルのエレベーターは6階までしかなく、上階には物置と屋上しかなかったという。 捜査関係者によると、少年のスマートフォンには複数のアカウントで他の複数の男性とやり取りした形跡があった。少年と少女は同様の手口で他にも金を奪ったことを認めているという。 府警は6~7日、少女と、当日に参加を持ちかけられた中学3年の少年(15)を強盗致死の疑いで逮捕。中学2年の少年は、刑事責任を問われない「触法少年」として、児童相談所に通告した。(甲斐江里子、田添聖史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル