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91歳のテナーが舞台、ホールインワンも 「歌う学長」、元気の理由

有料記事編集委員・副島英樹2022年9月18日 13時00分【動画】歌声を披露する原田康夫さん=副島英樹撮影 かつて「歌う学長」と呼ばれた元広島大学長の原田康夫さん=広島市中区=は、91歳の今も現役の医師として患者を診察し、テノール歌手として舞台に立つ。 9月10日には、広島大学病院の構内に私財を投じて開いた美術館でオー・ソレ・ミオの歌声を披露。その迫力は観客を圧倒した。ゴルフ場では昨秋、ホールインワンも達成した。元気の秘訣(ひけつ)は何なのか。原爆の焼け跡の闇市で見つけたレコード 原田さんは1931年の生まれ。広島一中(現・広島国泰寺高校)の2年生だった45年8月6日、大屋村(現在の広島県呉市天応)にあった自宅2階から原爆のキノコ雲を目撃した。 実家が薬問屋だったため、広島から運ばれてくるやけど姿の被災者に母と一緒に薬を塗った。8日には親類を捜しに被爆地をさまよい歩いた入市被爆者でもある。 原爆の焼け跡の闇市で見つけた1枚のレコードが、原田さんの人生を方向づけた。イタリアの作曲家プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」の中の「この冷たい手」。かつて「歌う学長」と呼ばれた91歳の現役医師で、テノール歌手の原田康夫さんの元気の秘訣を記事後半で紹介します。 これを歌えるようになりたい…この記事は有料記事です。残り1272文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

鉄橋を渡り、ダムを眺めて 南阿蘇鉄道を歩いて見た「立野の今」

 やっとここまで来たんだな――熊本地震で被災した南阿蘇鉄道(南鉄)の復旧現場をたどる「南鉄復興レールウォークツアー」に15日、ひとりの土木技術者が参加した。感慨を胸に、架け替えられた鉄橋をわたり、建設が進む立野ダムを眺めた。来年夏にはダムがそびえる谷を全線復旧を果たした列車が走り抜ける。 土木建設分野のコンサルタント会社(福岡市)に勤める鵜木和博さん(60)。昨年春まで国土交通省九州地方整備局(九地整)に在籍し、2002年4月から3年にわたって立野ダム工事事務所の調査設計課長を務めた。熊本地震から1年後の17年4月には所長として再び同事務所へ。計5年間、立野峡谷と向き合ってきた。 立野ダムは流水型のダムだが、洪水時に満水になれば、第一白川橋梁(きょうりょう)の下部が水没する。架け替えるか、補強でしのぐか。1927(昭和2)年にできた赤茶色のアーチ橋は、立野峡谷の緑に映える南鉄のシンボル。断崖にかかる鉄橋は建設当時の技術を結集した遺産でもあった。 何とか残せないか。鵜木さん…この記事は有料記事です。残り1381文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

差別おそれず顔出しでテレビ出演 孤独な僕も支えた松ちゃん

 2008年のリーマン・ショックの影響で、派遣切りや雇い止めで路上に投げ出される人々が街にあふれた。小倉でも、20代の男性のホームレスが現れた。僕らのNPO法人は直ちに北九州市と協議してシェルターを6室確保し、国が進める困窮者支援のためのパイロット事業も福岡で引き受けた。NPO法人「抱樸」理事長 奥田知志さん この時期、NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の取材班が僕に密着していた。担当ディレクターの女性は、器物損壊の現行犯で逮捕された松ちゃんを拘置所に訪ねて、取材の了承を得た上、面会に通って彼を支える「チーム松井」のメンバーに加わった。こうして松ちゃんにも出所した日から数日間、カメラが向けられた。 1カ月以上の取材を編集した番組は09年3月に放送された。画面にモザイクをかけた元ホームレス数人が映る中、松ちゃんだけが本名と顔出しで登場した。初めて出てきたのは拘置所前のシーン。服役した人、つまり“前科者”であることが一目瞭然だった。僕はドキドキしながら番組を見続けた。 現在でもホームレスへの厳し…この記事は有料記事です。残り1817文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

台風14号、屋久島など暴風域に 九州上陸の恐れ、最大級の警戒を

宮野拓也2022年9月18日 9時41分 大型で非常に強い台風14号は、18日午前、鹿児島県・屋久島の南を北上した。屋久島などが風速25メートル以上の暴風域に入っている。19日にかけて九州にかなり接近し、上陸の恐れがある。鹿児島県には暴風、波浪、高潮の特別警報が出ている。気象庁は最大級の警戒が必要だとして、早めに避難して高い場所や頑丈な建物など安全な場所で過ごすよう呼びかけている。 鹿児島県・種子島では午前7時42分に42・1メートル、屋久島町尾之間では午前3時半に39・5メートルの最大瞬間風速を観測した。 九州南部・奄美、九州北部、四国の各地方では19日午前中にかけて線状降水帯が発生する可能性がある。九州地方では記録的な大雨となって気象庁が大雨特別警報を発表する可能性もあり、厳重な警戒を求めている。 同庁によると、18日午前7時時点で、台風14号は屋久島の南南東約150キロにあり、時速約20キロの速さで北に進んでいる。中心気圧は925ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は50メートルで最大瞬間風速は70メートル。中心の北東側185キロと南西側165キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いている。 19日午前6時までに予想される24時間降水量はそれぞれ多い所で、九州南部600ミリ▽九州北部、四国400ミリ▽東海300ミリ▽近畿250ミリ▽奄美200ミリ▽関東甲信180ミリ▽中国150ミリ。 台風は19日にかけて九州付近を北上し、その後、進路を東寄りにかえる。20日にかけて本州付近を北東に進む見込みで西日本から北日本の広い範囲で台風の影響を受ける見通し。(宮野拓也)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

スケール見せた川越、歌い切った浦和 関東合唱コン、男声合唱も躍動

 17日に新潟市で始まった第77回関東合唱コンクール(全日本合唱連盟関東支部、朝日新聞社主催)の高校B部門で、埼玉県勢4校が全国大会出場を独占した。さらに、高校A、B両部門に出場した計33校の中でも県立川越、県立浦和の県勢2校だけだった男声合唱が大舞台で気を吐いた。 16人で臨んだ県立川越は「うつろとからっぽ」「魔法」を見事に歌い上げ昨年に引き続き金賞を受賞した。合唱部顧問の国弘雅也教諭は「生徒ががんばってくれた」と評価する。部長の小倉陽平さん(3年)も「満足のいく演奏だったと思う」と話す。 生徒ひとり1人が詩を咀嚼(…この記事は有料記事です。残り610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

渋谷の真ん中、地上229メートルの上映会 開放感のなかで映画を

 東京都渋谷区の渋谷駅の上にある高層ビル「渋谷スクランブルスクエア」の展望施設「渋谷スカイ」で、世界の音楽映画を見るイベント「ROOFTOP “LIVE”THEATER」が16日夜、始まった。 渋谷スカイは屋上部分で、地上229メートルにある。16日はエレクトリック・ミュージックの女性先駆者たちに焦点を当てた「シスターズ・ウィズ・トランジスターズ」が上映された。夜の街を望む開放感あふれる空間で、約100人が200インチのスクリーンで作品を楽しんだ。 渋谷区と港区の3会場で開かれている映像アートの祭典「イメージフォーラム・フェスティバル2022」の一つ。渋谷スカイでは昨年から上映会が開催されている。 上映会は18、24、25日夜も開かれる。料金は渋谷スカイの入場料(大人でWEBチケット1800円、当日窓口2千円)のみ。当日の天候によって屋内での実施や時間変更の可能性がある。詳しくはイベントのホームページ(https://www.shibuya-scramble-square.com/sky/rooftop_live_theater/)。(丹治翔)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

元理事、電通に迅速なスポンサー契約を指示か 角川会長から依頼受け

 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=が、出版大手「KADOKAWA」会長・角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)=贈賄容疑で逮捕=からスポンサー契約を早くしてほしいと依頼を受け、業務を担う広告大手「電通」側に迅速な手続きを指示していたとみられることが、関係者への取材で分かった。 東京地検特捜部は、電通元専務の高橋元理事が、依頼を受けて実際に便宜を図ったとみて調べている。 関係者によると、高橋元理事は2016年4月と17年1月、自身のコンサルタント会社「コモンズ」の事務所でKADOKAWAの五輪担当室長だった馬庭教二容疑者(63)=贈賄容疑で逮捕=らと面会。スポンサーに選んでほしいなどという依頼を受けた。組織委はスポンサー獲得業務を電通に委託しており、面会には電通幹部も同席したという。進まない手続きに角川会長は… 高橋元理事らは馬庭元室長に…この記事は有料記事です。残り557文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

口べた漁師の「SDGs漁業」、イラストで発信 英語版も

有料記事編集委員・北郷美由紀2022年9月18日 5時00分 つぶらなひとみのキンメダイのイラスト。そのわきには「守ってきたから今がある! 未来がある!!」とのメッセージ。千葉県勝浦市の今井和子さんは、地元の漁師たちが半世紀にわたり培ってきた「SDGs漁業」を、カラフルなポスターにまとめて発信しています。本屋で働いていたという今井さんは、どのように漁師たちとつながり、どんな思いでイラストを描いているのでしょうか。 今井さんがイラストで紹介しているのは、勝浦市・鴨川市・御宿町の16船団が所属する「千葉県沿岸小型漁船漁業協同組合」による、高級魚のキンメダイを取りすぎないようにする取り組みだ。 きっかけは7年前。当時本屋で働いていた今井さんは、本を紹介するイラストを描いていた。その画風に組合長の鈴木正男さんがほれ込み、「自分たちの思いを陸で発信する手伝いをしてほしい」と頼んだ。 「漁師さんが熱心に『魚を取りすぎない話』をするので、本当に驚きました」。生まれも育ちも勝浦ながら、漁業とは縁がなかったという今井さん。外房の漁師たちは、キンメダイを釣りすぎないよう操業時間は1日4時間に限り、漁具もエサも制限している。しかも産卵期には、みんなそろって3カ月も漁を休んでいるという。「え、本当に? 初めて聞いた時は、耳を疑いました」 外房の「取りすぎない漁業」の始まりは、半世紀前にさかのぼる。カツオやスルメイカ、カジキ、サバ……。以前は季節ごとにいろいろな魚介がいたが、だんだん取れなくなった。キンメダイに船が集中する事態を受け、漁師たちは自主ルールを厳しくすることで乱獲を防いできた。操業時間を短くしたり、針の数を制限したり。知れば知るほど、今井さんは「この取り組みを知らせなくては」との気持ちが強くなった。イラストが得意で、学生時代はいつも学級新聞やお知らせづくりを任されていた。特技を生かす場所が見つかった。 それからは、漁師と研究者を質問攻めにしながら猛勉強。インパクトのあるイラストと簡潔な文章で、漁師の実践と小規模漁業を取り巻く課題を「外房漁師のつぶやき」と題して発信している。 「次の時代のために非効率漁…この記事は有料記事です。残り541文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ANA機、与圧装置不具合の表示 宮古島発羽田行きが目的地変更

2022年9月17日 20時00分 17日午後6時ごろ、沖縄県の宮古島から東京・羽田に向かっていた全日空88便(ボーイング787型機)が高知県室戸沖の上空を飛行中、機内の気圧を調整する「与圧装置」の不具合を知らせる表示が出た。目的地を変更し、午後7時前、大阪・伊丹空港に着陸した。乗客239人、乗員9人にけがや体調不良を訴える人はいないという。 全日空によると、不具合の表示が出た後に、機体の高度を下げる対応をしたため、機内の環境に問題はなかったという。伊丹空港で別の機体を準備し、羽田に向かう予定という。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

知床の海岸に成人男性とみられる遺体 観光船事故と関連捜査

神村正史2022年9月17日 20時33分 北海道斜里町の知床半島の海岸で17日、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故の行方不明者を捜索していたボランティア隊が、成人男性とみられる遺体を見つけた。遺体は第1管区海上保安本部(北海道小樽市)の巡視船で網走港へ運ばれ、身元不明の遺体として道警に引き渡された。今後、道警や1管が事故との関連を含めて慎重に調べる。 発見したのは、北海道羅臼町の漁業桜井憲二さん(59)らのボランティア隊。4~8月に計4回、道路が通じていない知床岬付近の海岸を歩いて捜索。8月14日には岬の南西約900メートルの啓吉湾付近で行方不明者の頭蓋骨(ずがいこつ)を見つけた。 桜井さんによると、17日はこれまで捜索できていなかった約1キロの区間を4人で探した。遺体は啓吉湾の隣にある小さな入り江の海岸で発見。また、周辺の海岸2カ所で骨片2点も見つけた。 桜井さんは朝日新聞の取材に「体格から成人男性だろう。事故から5カ月近く経っており、遺体の痛み具合からするとカズワンの行方不明者ではない可能性もある」と話した。(神村正史)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル