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84歳で難病「ALS」に ジャーナリストがつづる闘病記

ノンフィクション作家 井口隆史さん 私が近くの大学病院脳神経内科で「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と宣告されたのは2019年11月だ。84歳だった。 〈日本人男性の平均寿命を超えているのだ、いつ死が訪れたって驚かないぞ〉と思っていた。なのに人生の最後に待っていたのが、難病中の難病といわれるこの病名である。さすがにがっかりした。 全身の筋肉が動かなくなるALSという病気については、また後で説明するとして、まずは自分の身体に異変を感じ始めた時期を振り返ってみよう。 しゃべるときに自分の呂律(…この記事は有料会員記事です。残り1272文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「自販機で当たり出ない」と110番…不要な内容15万件 愛知県警

会員記事志村英司、松島研人2022年1月9日 9時35分 愛知県警が昨年1年間に受理した110番通報のうち、緊急対応が不要な通報が全体の26・3%だった。1月10日は「110番の日」。県警の担当者は「事件事故への対応が遅れるおそれもある。警察相談専用電話(#9110)や警察署の活用を」と呼びかける。 南署は7日、名古屋市南区のイオンモール新瑞橋でイベントを開き、正しい110番の利用を呼びかけた。県警音楽隊も参加し、人気アニメの主題歌やメドレー曲などを披露。買い物客らが耳を傾けていた。 県警通信指令課によると昨年の110番の受理件数は57万7177件(1日平均1581件)。このうち相談や運転免許証の問い合わせなど緊急の対応が不要な内容は、15万1912件だった。 一方、事件や事故を目撃しても110番通報をためらう人が少なくない。昨年7月にJR名古屋駅の中央コンコースで包丁を持った男がうろついた事件でも、110番通報はなかったという。県警幹部は「容疑者の早期検挙や被害者の保護のためにも、緊急時は素早くかけてもらいたい」と話す。(志村英司、松島研人)実際にあった不要不急な110番通報の例・自動販売機で当たりが出たの…この記事は会員記事です。残り82文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

コロナ禍で成人式をライブ配信 山口県周南市 会場の外には新成人も

太田原奈都乃2022年1月9日 18時37分 山口県では9日、周南市がライブ配信による成人式を開いた。同市は、「まん延防止等重点措置」が適用された同県岩国市に隣接している。 周南市は当初、文化会館で午前と午後の2部制で成人式を予定していたが、感染拡大を受けて急きょ会場からのライブ配信のみに変更。約300人が視聴したという。 式典では、代表の新成人6人のうち4人がカメラを前に誓いの言葉を述べた。代表として双子の姉とともに誓いの言葉を述べた蠣崎(かきざき)里奈さん(20)は看護師を目指して勉強中。「実習ではコロナ禍で命をかけて看護を提供する姿を目の当たりにした。多くの人の命を救う看護師になりたい」と誓った。 市はSNSやホームページを通じて変更を告知したが、会場の周辺にも振り袖やスーツ姿の新成人がいた。福岡県で働く幸坂星来子(せいらこ)さん(20)は「みんなで集まれず悔しい。早く元通りの生活になってほしい」。熊本県の大学に通う桑嶋雄一郎さん(20)は「残念だけど、懐かしいメンバーと再会できるかなと思って来た。写真だけでも撮れてよかった」と話した。(太田原奈都乃)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

飲食店に貼り紙「これで最後と切に…」 広島など3県で重点措置適用

 新型コロナウイルスの感染拡大により広島、山口、沖縄の3県で9日から「まん延防止等重点措置」が適用され、休業や営業時間短縮などを決めた飲食店からは嘆きの声が上がった。(比嘉展玖) 広島県は広島市や福山市など13市町の飲食店に対し、酒類の提供停止や午後8時までの営業時間短縮を求めている。 広島市中区八丁堀の居酒屋「キッチン ミノウ」は年明けの5日から4日間営業しただけで、休業に入った。店主の新原孝章さん(43)は9日夕、片付けなどのために店を訪れ、店のシャッターに休業を知らせる紙を貼った。「度重なる休業ご容赦ください。これで最後と切に願っております」との言葉を添えた。 「休んだり開けたりが続くと、心が疲れる。コロナ禍で仕方がないのだけど、お客さんに『よう休んどったね』と言われる度に苦しかった。『今年こそは』と意気込んでいた分、急な休業は苦しい。こんなに早くに制限が出るとは思わなかった」と肩を落とした。 広島市中区袋町のバー「CO…この記事は会員記事です。残り561文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

NHK、事実確認せず不適切字幕「金もらって」「五輪反対デモ参加」

西田理人2022年1月9日 23時04分 昨年12月にNHK・BS1で放送した映画監督の河瀬直美さんらに密着したドキュメンタリー番組について、制作したNHK大阪拠点放送局は1月9日、「字幕の一部に不確かな内容があった」と明らかにし、陳謝した。番組に登場した男性について、報酬をもらって五輪反対デモに参加していると字幕で説明したが、実際に男性がデモに参加した事実は確認していなかったという。 NHKは同日夜、BS1で「映画製作などの関係者のみなさま、そして視聴者のみなさまにおわびいたします」などとする2分間の放送を流した。 番組は、BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」。今年6月に公開予定の東京五輪の公式記録映画の制作を進める河瀬さんらに密着取材したもので、昨年12月26日に放送された。NHKは「取材と制作はすべてNHKの責任で行っている」として、「河瀬さんらに責任はない」としている。 NHKによると、不適切な字幕があったのは、河瀬さんの依頼で五輪反対を訴える市民らを取材していた別の映画監督に密着したシーン。この監督が話を聞いていた匿名の男性について、番組では「五輪反対デモに参加している」「お金をもらって動員されていると打ち明けた」とテロップで紹介した。 テロップは担当ディレクターが独自に補足取材した内容に基づいて作成したが、実際には、男性が五輪反対デモに参加した事実は確認できていなかったという。 放送後、視聴者から複数の問い合わせが寄せられたため、NHKは今年1月に再び男性に取材。その過程で、男性が撮影当時、「過去に(五輪以外の)複数のデモに参加したことがあり、金銭を受け取ったことがある」「今後、五輪反対デモにも参加しようと考えている」といった趣旨の発言をしていたことが判明。字幕の内容とは異なっていたという。 NHKは捏造(ねつぞう)の意図はなかったと説明した上で、「制作担当者の思い違いや取材不足が原因。担当者間や、取材対象者とのコミュニケーションが足りていなかった」と言及。放送前に関係者間で複数回の試写が行われたが、修正には至らなかったという。今後、チェック機能の強化をはかるとともに、番組制作に携わるディレクターやプロデューサーへの研修を実施するという。(西田理人)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

食事・洗濯…「マイルール」押しつける男たち DVをやめさせるには

 コロナ禍による社会不安のなか、深刻になったドメスティックバイオレンス(DV)。体への暴力に限らず、心理的な攻撃、性的強要などを含む。対策の一つが、加害者がDVをやめるために受講するプログラムだ。「DVは病気ではなく、学習した思考と行動」という考えに基づく。暴力をやめるには何が必要なのか。 内閣府によると、2020年度のDVに関する相談件数は19万30件。コロナの感染拡大が始まる前の19年度(11万9276件)から1・6倍となった。 21年度(4~9月)も、20年度とあまり変わらない件数が続く。内閣府の担当者は「コロナ禍に伴う収入減や生活不安が、家庭内で弱い立場にある女性への暴力につながっている」と話す。 加害者プログラムを実施する全国の団体でつくる「DV加害者更生教育プログラム全国ネットワーク(PREP-Japan)」は昨年12月、オンラインの模擬体験として、こんな場面を公開した。 A:うちのパートナーは、ご飯が炊けたときにかき混ぜないんっすよ。空気を入れるとふっくらおいしくなるのにそれをしないんで、飯がまずくて仕方ないんすけど、そういうのってうちのパートナーだけっすよね? B:だったらAさんがやればよかったんじゃないですか? 相手にやらせようと思うから腹が立つんじゃないかな。 C:僕は効率最優先なんです。そしてお菓子のレシピにもうるさいです。「調べたのになんでその指示通りにやらないんだ」と、何時間もパートナーを責めました。だいたいうちのは全てがおおまかなんですよ。「こちらのルールに従うのが当然だと」 A、B、Cはいずれも加害者の男性。自分たちの経験や考え方を共有する「振り返り」をしているとの設定だ。 参加して1年半のAは、「晴…この記事は有料会員記事です。残り2644文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

沖縄県与那原町、中止の成人式会場を記念撮影用に開放

吉本美奈子2022年1月9日 20時00分 新型コロナ感染者数が過去最高を記録している沖縄県で、成人式の中止や延期が相次いでいる。式を中止した与那原(よなばる)町は9日、会場に予定していたホールを「撮影会場」として2時間開放し、晴れ着やはかま姿の新成人やその家族が壇上などで記念撮影をした。 晴れ着姿の宮城羽玖(わく)さんは両親、姉と訪れて手短に写真を撮った。会場を訪れる前に祖父母に晴れ着姿を見せた以外は外出しないという。 渡口洸平さんは、半年前から友人たちとおそろいの青いはかまを予約していた。「ショックだったけど、撮影の場をもらえただけでもありがたい」。飲食を伴う2次会も中止となり、会場では会費の払い戻しもしていた。(吉本美奈子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

アスファルト工場のミキサーで男性2人死亡 メンテナンス中に稼働か

2022年1月9日 20時10分【動画】東京・府中のアスファルト製造工場でミキサーに2人閉じ込めか=依知川和大撮影 9日午後2時ごろ、東京都府中市四谷5丁目のアスファルト製造会社「多摩アスコン」の工場から、「ミキサーの機械の中に2人が閉じ込められた」と119番通報があった。警視庁や東京消防庁によると、消防が救助活動を行ったが、40代男性と20代男性の死亡が確認された。 府中署などによると、ミキサーはアスファルトの材料を混ぜるためのもので、2人はミキサーのメンテナンス作業中だったという。何らかの原因でミキサーが稼働し、2人が巻き込まれたという。多摩アスコンのホームページによると、同社は2016年設立。アスファルトの製造や販売などを主に行っている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

焼き肉店立てこもり、異例のスピード突入 人質を救った捜査の舞台裏

会員記事山口啓太、増山祐史、田中紳顕、角詠之2022年1月9日 15時00分 東京都渋谷区の焼き肉店で8日に起きた立てこもり事件で、警視庁は発生から約2時間40分後に人質の店長を救出し、突入した捜査員が容疑者の男を逮捕した。こうした事件の捜査は人質の無事が最優先で、警察は容疑者の要求を聞きながら投降を促す。膠着(こうちゃく)するケースが多く、3時間弱での突入、逮捕は異例だ。何が起きていたのか。 事件はJR代々木駅近くの焼き肉店で起きた。雑居ビルの地下1階にあり、別のフロアには和食のチェーン店も入る。直前まで焼き肉店で友人と食事をしていた20代女性によると、店内は家族連れや1人客でにぎわっており、トラブルは目にしなかったという。 異変があったのは8日午後9時ごろ。男性店長(49)から「店に来た客から『爆弾を起動した。警察に連絡しろ。騒ぐな』と記載があるメモを手渡された」との110番通報があった。 捜査1課や原宿署によると、逮捕された男(28)は午後6時半ごろに入店し、焼き肉を食べた後に店長を人質に立てこもった。興奮した様子で、刃物を所持しているとの情報もあった。捜査1課は現場を管轄する原宿署から連絡を受けると、立てこもり事件や誘拐事件などを専門に扱う「特殊班捜査係(SIT)」をすぐに現場に急行させた。 男は出入り口付近にいくつも椅子を並べ、バリケードを築いていた。捜査員に「俺の人生を終わらせてくれ。死刑にしてくれ」と話した。投げつけてきた財布を調べると、住所欄に「長崎県」と印字された免許証が入っていた。生年月日から男は28歳と確認できた。 捜査員が確認したところ、店内には男が「爆弾」と説明する箱のようなものが三つあるのがわかった。縦20センチ、横10センチほどの大きさで、テープでぐるぐる巻きにされているようだった。一つには携帯電話も巻き付けられていた。男は箱を手に持つなどしていた。察知されないよう人質を救出するには 捜査員はガラス張りの出入り…この記事は会員記事です。残り1067文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

登録者51万人、「ぼっち」な勉強法 うまくいかなくても別の才能を

受験する君へ 大学生ユーチューバー パーカーさん どうも、パーカーです。ふだんは、「ぼっち」の大学生の日常生活を切り取った動画を投稿しています。今回は、僕の受験や大学での体験について紹介します。 僕が将来を意識したのは高3の時です。神戸大の海事科学部で学べば、船のエンジニアや航海士などの職業に就けると知ったのです。仕事の内容より、何カ月も海の上にいて、休みの間にお金を思い切り使う、そんな生活にあこがれました。 1999年生まれ、京都市出身。神戸大を休学中の2019年にユーチューブに投稿を始め、チャンネル登録者は51万人。20年にはエッセー「ひとりの時間が僕を救う」(KADOKAWA)を出版。本名非公表 受験勉強ではユーチューブを参考にしました。いつ、どんな参考書を、どのように使って勉強すればいいかを教えてくれる動画が、頼りになりました。それぞれ自分に合った勉強法があるはずです。僕は誰かに言われたことに取り組むより、自分で工夫して勉強する方が性に合っていました。塾や予備校に通うだけでなく、色々な勉強法を試してみてください。 希望通り神戸大に進んだのに、人と話すのが苦手な僕は友達を作れませんでした。学食で一人でごはんを食べ、授業中は目立たないように教室の隅に座ります。英語の授業で指され、40人くらいの前できょどって(挙動不審な動きをして)しまい、大学に行くのがいやになりました。 筑波大の落合陽一さんの本を読んでコンピューターサイエンスに興味を持ったのは、そんな時です。筑波大で学びたいと、半年ほど勉強して自信満々で編入試験を受けましたが、結果は不合格。激しく落ち込み、神戸大を退学しようと思いました。でも親が猛反対したので、休学しアルバイトをしながら新たな進路を探し始めました。 そんな時、鉄道や旅行などの動画で人気の大学生ユーチューバー、「スーツ」さんを知りました。自力で多くの人を楽しませる動画を投稿していて、憧れました。「このままではだめだ。何か始めなくては」と焦っていた時期で、危機感に押され、自分もユーチューブに挑戦することにしました。 一般人の日常を映す動画のブームもあり、休学中や復学後の日常を投稿するうちに登録者は51万人に増えました。「ぼっち」で、編入試験に落ちてと、かっこ悪いところが、「おもしろい」とウケたのでしょう。登録者の半分以上は18~24歳の同世代です。高校生は5~6%。彼らには刺激が少なすぎるのでしょうね。 昨年、堀江貴文さんのロケットの動画を見て、航空宇宙工学に興味を持ちました。今回は編入試験に合格し、春から室蘭工業大で学びます。ユーチューバーはこれからも続け、難しかったり認知度が低かったりする研究を、社会に橋渡しする動画を投稿するつもりです。他の人にはなかなか作れない、オリジナルの動画に挑戦していきます。 関心の対象が次々と変わってきた僕が中高生のみなさんに伝えたいのは、一つのことでうまくいかなくても、別のことで才能が開く可能性があるということです。「社会の役に立つか」といった大きな視点で、やりたいことや進路を見定めていってほしいですね。(聞き手 編集委員・増谷文生)     ◇ 1999年生まれ、京都市出身。神戸大を休学中の2019年にユーチューブに投稿を始め、チャンネル登録者は51万人。20年にはエッセー「ひとりの時間が僕を救う」(KADOKAWA)を出版。本名非公表Source : 社会 - 朝日新聞デジタル