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児童生徒の自殺、最多の479人 昨年、休校明けに倍増

 2020年に自殺した児童生徒の数が前年比で約4割増の479人(暫定値)に上り、過去最多だったことが文部科学省のまとめで分かった。小中高校生のいずれも増え、特に女子高校生は138人と倍増、コロナ下の長期休校が明けた6月や8月が突出して多かった。文科省は相談窓口などの精神的なケアを強化する。  厚生労働省が公表した自殺の統計をもとに文科省が分析し、15日にあった自殺予防に関する有識者会議で報告した。479人のうち小学生は14人(前年比8人増)で、中学生136人(同40人増)、高校生329人(同92人増)だった。高校生は男子が191人(同21人増)で、女子は138人(同71人増)だった。  月別では昨年6月が45人(同24人増)、8月64人(同35人増)、9月53人(同11人増)、11月48人(同25人増)で、6、8、11月はいずれも倍以上に増えた。原因は進路に関する悩み(55人)、学業不振(52人)の二つが例年同様に多数を占め、うつ病など病気の悩みや影響が例年より増加傾向だったという。  文科省は「6月は長期休校が明け、8月は短縮された夏休みが明けた時期。精神疾患を原因とする自殺が増えている」と分析する。24時間の無料相談窓口「24時間子供SOSダイヤル」(0120・0・78310)の周知や、学校などでのSNSやスクールカウンセラーらによる相談態勢の充実に取り組む。(伊藤和行) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

部活の指導が原因か、沖縄の高2が自殺 調査チーム設置

 沖縄県の県立高校2年で、運動部主将の男子生徒(17)が1月末に自殺していたことが、県教育委員会への取材でわかった。顧問の40代男性教諭の指導を苦に命を絶った可能性があるとして、県教委は15日、弁護士ら第三者による調査チームを設置した。チームは、3月5日にも報告書をまとめ、県教委に提出する。  県教委によると、男子生徒の死後、学校側は文科省の指針に基づき家族や顧問、同級生らを対象にアンケートや聞き取り調査を実施。同級生からは、男子生徒が顧問から日常的に叱責(しっせき)されるなど厳しく指導されていたとの回答があった。家族からも、学校外で顧問からの電話に出るのを怖がる様子があったなどと伝えられたという。  顧問は6日に校長と2人で、男子生徒の自宅を訪問。家族に対し「指導に関して行き過ぎで、悪いところがあった」と謝罪したという。学校側の調査には「(生徒を)強くしたかったので、強い言葉で指導はした」「8割の原因が部活にあると思う」と答えているという。 子どもたちの悩みに関する主な相談先  24時間子供SOSダイヤル(0120・0・78310)=夜間や休日も含め、いじめやその他のSOSの相談を受け付ける。  子どもの人権110番(0120・007・110)=平日の午前8時半~午後5時15分。最寄りの法務局・地方法務局につながる。(国吉美香) 子どもたちの悩みに関する主な相談先 ・24時間子供SOSダイヤル(0120・0・78310)=夜間や休日も含め、いじめやその他のSOSの相談を受け付ける。 ・子どもの人権110番(0120・007・110)=平日の午前8時半~午後5時15分。最寄りの法務局・地方法務局につながる。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

五輪組織委の新会長選考、「公開するべき」の意見通らず

 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の新会長の候補者を選ぶ「候補者検討委員会」について、組織委の理事の一人、小山有彦都議は15日、朝日新聞の取材に応じ、メンバーや会議内容が非公開とされていることに対し、「非公開では隠蔽(いんぺい)と捉えられるため公開とすべきだ」と述べた。  検討委の設置は、12日の組織委の理事と評議員らによる合同懇談会で決まった。委員長の御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長CEO以外のメンバーは明かされておらず、会議も公開しない方針だ。懇談会でメンバーを公表すべきだという意見も出たが、特定されると公正な選考ができない恐れがあるとして非公開にすることが決まったという。  懇談会に出席した小山氏によると、組織委の武藤敏郎事務総長から設置が報告された際、検討委のメンバーや選考過程が非公開になることを告げられた。小山氏はその場で「新会長選びは国際的に注目されている。透明性という観点からも、プロセスは公開するべきだ」と訴えたという。  だが、理事2人から「公開するとメンバーへの外圧がかかる」「メディアからの取材攻勢にさらされる」などの意見があり、小山氏に続く反対意見は出なかったという。小山氏は「全体としての決定なので尊重はするが、メンバーや選考過程を事前に公開することが本来の筋だ」と話している。  辞任を表明した森喜朗会長(83)の後任となる新会長について、組織委は、検討委からの推薦に基づいて理事会が決めるとしている。武藤氏は12日の懇談会後の会見で「選考を終えたら、メンバーや過程を明かして、説明責任を果たしていく」と話した。(軽部理人) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

車暴走の死亡事故、元特捜部長に有罪判決 不具合認めず

 2018年に車を急発進させ通行人をはねて死亡させたなどとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)などの罪に問われた元東京地検特捜部長で弁護士の石川達紘(たつひろ)被告(81)の判決公判が15日、東京地裁(三上潤裁判長)であった。地裁は「被告が誤ってアクセルペダルを踏み込んだ」と認定し、禁錮3年執行猶予5年(求刑・禁錮3年)を言い渡した。  弁護側は「アクセルペダルを踏んでいないのに車が暴走した」と車の不具合が原因として無罪を主張していた。判決は、アクセルペダルの裏側に踏み込んだ痕跡があり、車の操作状況を示すレコーダーにもアクセルペダルを踏んだ記録があると指摘。「車の不具合が存在した現実的可能性は見当たらない」と認め、弁護側の主張を退けた。  一方で「車が不意に発進し相当ろうばいした。過失が特段悪質とはいえない」と執行猶予を付けた。(根津弥) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

修学旅行「第3波」直撃 ベトナム→沖縄→九州→中止 

 新型コロナウイルスの「第3波」が、修学旅行を直撃している。行き先や日程の変更を重ねたあげく、中止に追い込まれる学校が相次ぐ。児童・生徒にとって貴重な思い出づくりの場だとして、感染状況を見ながら実施を模索するところもある。  福岡県に出された緊急事態宣言の延長を受け、県立春日高校(春日市)は今月上旬、3月上旬に予定していた修学旅行の中止を決めた。当初は1月下旬に北海道に行く予定だったが、感染拡大を受けて年明けにいったん延期に。その後も感染状況やキャンセル料の発生時期をにらみつつ、実施できないか探ってきた。  生徒間の密を避けるため、国の観光支援策「Go To トラベル」事業を活用し、ホテルの部屋を例年より多く確保するなどの対策も考えてきた。だが、宣言延長に伴って事業も停止が続くため、各家庭にさらなる金銭的負担をかけずに十分な対策を取ることが難しいと判断。代わりに、日帰り旅行や球技大会の開催を検討している。  生徒でつくる実行委員会委員長… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

宮城・福島の71校休校 福島沖の地震で断水、安全点検

 文部科学省は15日、福島県沖で起きた地震の影響で、福島、宮城両県の小中高校、特別支援学校、幼稚園などの計71校が休校していると発表した。このほか、計13校が短縮授業になっているという。  文科省によると、福島では60校、宮城では11校が休校を決めた。断水が続いている地域があるほか、校舎などの安全点検を行うためという。一方、14日午後8時までに報告された国立大学も含む学校施設の被害は福島が計192校、宮城が計117校で、ガラス破損、床や壁の亀裂などが確認されている。(伊藤和行) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

美浜3号機、地元町長が再稼働同意 老朽原発では2例目

 運転開始から40年を超える老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県美浜町)について、美浜町の戸嶋秀樹町長は15日、再稼働に同意すると表明した。老朽原発再稼働への立地首長の同意は全国で2例目。今後の焦点は16日開会の県議会と杉本達治知事の判断に移る。  老朽原発では他に、関電高浜1、2号機(同県高浜町)の再稼働に高浜町議会と町長が同意している。  美浜町の戸嶋町長は15日午前、町議会の竹仲良広議長と面会して意向を伝えた。戸嶋町長は同意に先立ち、関電に原発関連工事・業務の発注の際に地元企業育成を配慮するよう要望し、国には立地振興などについて要望した。  杉本知事は再稼働判断の前提と… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

生徒に柔道技「体罰に他ならない」 元教諭に有罪判決

 生徒2人に柔道の技をかけて重軽傷を負わせたとして、傷害罪に問われた兵庫県宝塚市立長尾中学校の元教諭、上野宝博(たかひろ)被告(50)=懲戒免職=の判決公判が15日、神戸地裁であり、国分史子裁判官は「肉体的苦痛かつ精神的苦痛を加えた」として、懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。  判決によると、柔道部顧問だった上野被告は昨年9月、同校の武道場の冷凍庫にあったアイスキャンディーを1年生の男子部員2人が無断で食べたとして激高。武道場で、1年生部員に足払いをかけて床に打ち付けるなどの暴行を加え、背骨を圧迫骨折させたほか、別の1年生部員にも寝技をかけ、足などに軽傷を負わせた。  国分裁判官は「対話で内省を促すこともできた。教育的効果はなく体罰に他ならない」としたうえで、「過去にも体罰で処分を受け、怒りのコントロールができないことを自覚していた」として刑事責任は重いと指摘。反省の態度を示し、懲戒免職処分を受けたことを踏まえ、執行猶予を付けた。  上野被告は判決の言い渡しの際、一つひとつの言葉をかみしめるようにうなずいていた。(森下友貴) 体罰や暴言、受けたことは…  兵庫県宝塚市の中学校で昨年9… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

豚とリンゴの蒸し煮 レンジでも加熱ムラなくしっとりと

記事の後半で、作り方のポイントを動画でご覧いただけます ごはんラボ 豚とリンゴの蒸し煮  電子レンジは「マイクロ波」という電磁波で直接食品を温めるので、スピード調理が得意――。2019年7月のごはんラボ(温野菜サラダ)では、レンジの特長をこのように紹介しました。今回は、その特長をおさえたうえで、苦手なところをどう補うか考えていきます。  電子レンジの短所の一つは温まりすぎる所とそうでない所の差が出やすいこと。調理科学監修の佐藤秀美さんによると、特に多くの食材を一度に温めた場合、食材ごとにマイクロ波の吸収が違うため=COOKERY SCIENCE参照=、ムラになりやすいのです。  今回のレシピは、豚肉にすりリンゴをあらかじめ混ぜ、さらにすき間をタマネギや角切りリンゴで埋めています。このように食材を混ぜ込んでおくと、加熱の進みが食材ごとに違っても隣の食材に熱がすぐに伝わり、均一に温めることができます。  料理監修の渡辺あきこさんは「量が多くなると加減が難しくなりますが、少量を手軽に作るのに便利です」。(小林未来) 豚とリンゴの蒸し煮 (材料・2人前) 料理監修:渡辺あきこさん(料理研究家) □ 豚ロース肉(トンカツ用) 2枚(200g) □ 塩 小さじ1/2 □ コショウ 少々 □ タマネギ 50g □ リンゴ 1/2個 □ 白ワイン 大さじ1…

走り続けてきた「南相馬の元気屋」 心の復興はこれから

NPO法人はらまちクラブ理事長・江本節子さん  「震災10年」という言葉が今、メディアでよく流れています。もう元気になっているのに戻されたくない、静かに過ごしたいという気持ちもあれば、次のステージに進むために、この10年間の活動を総括したいという思いもあります。  東京電力福島第一原子力発電所の事故で、同居の息子家族は孫を連れて避難し、一人暮らしとなりました。悲しみよりは張り詰めた気持ちで、花がいつ咲いたのか、桜はきれいだったのかさえ、そのころのことは記憶にないのです。 えもと・せつこ 1946年生まれ、福島県南相馬市出身。2004年、同市で地域スポーツクラブを設立した。  被災地では原発事故由来の家族の分断によって、高齢者の一人暮らしや高齢夫婦だけの家族も多く出現しました。私は当時、南相馬市のはらまちクラブの運営とともに、福島県スポーツ少年団指導者協議会会長などの職にもありました。子どもたちやその家族に、「逃げなさい」とも「残りなさい」とも言えませんでした。自分の無力を嘆き、死にたくなるほど、つらい日々でした。  その後、私が元気になれたのは、いつ、どこで人生の最期を迎えても幸せだったと思える「ハッピーエンドデザイン」を描けたからです。30代のころから、私は「笑えるお葬式」がしたいと思ってきました。それは、ひつぎにいる故人のあいさつが披露されるお葬式です。そうだ! あいさつを書いておこう! 書き上げてびっくり。多くの人へ向けてのあいさつを言葉にしたら、一人暮らしの寂しさは吹き飛び、最後の一歩まで元気でいられるよう精進できる、明るく豊かな未来だけが出現していたのです。  2004年に設立したはらまちクラブでは、赤ちゃんから高齢者までが集える居場所をつくってきました。バレーボール、剣道、チアリーディング、ウォーキングや体操教室、健康を考える学習会など活動は様々です。12年には東北復興に向けた経済産業省の地域ヘルスケア構築推進事業の委託を受け、市内のショッピングモールに活動場所を設け「元気モール」と名付けました。5年前からは復興庁の「心の復興事業」の交付金を受け、なんとか活動をつないできました。  元気モールでしか笑えない、こ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル