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ロシア攻撃で母国の原発から放射能拡散したら…福島で「闘う」科学者

 欧州最大級の原発で、ロシア軍が占領するウクライナ中南部のザポリージャ原発から放射性物質が放出される事態に備え、その拡散予測に取り組むウクライナ人研究者が福島にいる。ロシアのウクライナ侵攻から1年。科学を通した「闘い」を日本で続けながら、母国の家族を案じて一刻も早い停戦を願っている。 「放射性物質の拡散予測への援助をお願いしたい」。首都キーウへの攻撃が始まった昨年2月下旬ごろ。福島大環境放射能研究所研究員のマーク・ジェレズニヤクさん(72)は、ウクライナ政府関係者から連絡を受けた。キーウの研究機関では職員が出勤できなくなり、仮に同国内の原発から放射性物質が拡散しても予測ができなくなった。 ジェレズニヤクさんらは、予測手法の開発に取り組んできた日本原子力研究開発機構やドイツの大学などとチームを結成。放射性物質が放出されたら住民避難に生かせるよう、日本の気象庁などが持つ現地の風向きといった予報データを使い、汚染がおよぶ範囲を毎日予測。ウクライナ側にメールで提供している。 放射性物質は風で流され、雨…この記事は有料記事です。残り727文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

人事面談で「ずっと一緒におろな」 セクハラ繰り返した校長を減給

 30代の女性教諭にセクハラを繰り返したとして、大阪府教育委員会は24日、門真市立中学校の男性校長(57)を減給3カ月(10分の1)の懲戒処分にし、発表した。 府教委によると、校長は2021年3月に校長室で、翌月着任の教頭に女性教諭を紹介する際、「頼りになるんや」と言いながら肩に手を置いてなでるなどした。同8月の出勤時に正門前で会ったときには「同伴出勤やな」と発言した。 また同10月に校長室で、人事異動に関する面談をした際に、「ずっと一緒におろな」と発言。教諭から「私がセクハラだと言ったらセクハラですよ」と言われると、「何がセクハラやねん。俺がセクハラじゃないと言ったらセクハラじゃないねん」と言い返した。 同12月には修学旅行の下見について相談され、「僕と2人で行こう。君と2人で出かけたいんや。いつ行くんや」と発言した。 校長室や職員室で教諭の下の名前を「ちゃん」付けで呼ぶことも、22年1月までに少なくとも5回あった。 22年2月、教諭が市教委に訴えて発覚。校長は府教委に「性的な意図はなかった」と説明しているという。校長と教諭は出勤を続けており、府教委は校長の異動を検討している。女児にカッターを…支援学校教諭を停職 また府教委は、知的障害のある小学6年の女子児童を刃物で怖がらせたとして、府立支援学校の男性教諭(54)を停職6カ月の懲戒処分にした。府教委によると、教諭は22年6月、児童が席を立ち他の子をひっかこうとした際、教室にあった段ボールカッター(全長20センチ、刃渡り8センチ)を2メートルの距離で見せ、「席に座りますよ」と言って座るよう指導した。7月上旬にかけても同様の行為が少なくとも5回あった。 また、この教諭は20~22年に13回、無許可で狂言の公演に出演し、約24万円の報酬を受けていた。22年7月から精神疾患を理由に休職しているが、このうち5回は休職中に出演した。 ほかに府教委は、府立高校の臨時実習助手の男性(27)を、女子生徒へのセクハラで減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にした。(宮崎亮)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

旧統一教会に4回目質問権へ 文科省、28日に宗教法人審議会

 文部科学省は24日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する「報告徴収・質問権」の4回目の行使に向け、28日に宗教法人審議会を開き、質問内容などを諮問すると発表した。了承が得られれば、3月1日までに質問を教団に送るとしている。 文科省は教団に対する解散命…この記事は有料記事です。残り158文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「静かにするから」 許し請う5歳男児の声、母の交際相手と同居後に

比嘉展玖 遠藤美波2023年2月24日 15時45分 東京都あきる野市の住宅で、この家に住む男児(5)が暴行を受け、脳死状態になっている。傷害容疑で逮捕されたのは、母親の交際相手の男(40)。男は昨年12月ごろから男児らとこの家で同居を始めていたという。 近くの男性(67)によると、男児一家は5~6年前からこの家に住むようになったが、当時一緒にいた父親の姿は昨年10月ごろから見なくなり、自宅前に止まっていた白い軽乗用車とバイクもなくなったという。 今回逮捕された男はその約2カ月後に同居し始めたとされるが、そのころから周辺では「夜に子どもの泣き声が聞こえる」といううわさが立つようになった。近隣の女性によると、1月上旬に男児が家の前に泣きながら立たされていたこともあったという。 別の60代男性は男児について、「おしゃべりが好きで達者に話す子だった」と話す。以前は夜になると入浴中の男児の笑い声が漏れ聞こえることもあったが、男が同居を始めると様子が変わった。男性は妻から「男の子が『静かにするから』と許しを請うようなことを言っていた」と聞いたという。 60代女性は、男が同居を始める前、男児の家族が軒先で友人家族とバーベキューをしたり、近くの公園で親子3人で手をつないで遊びに行ったりする姿を見ていた。「この数カ月で何があったのか。(男児が)かわいそうだ」と話した。 あきる野市子ども家庭支援センターでは、男が逮捕された22日に福生署から男児の家庭について照会を受けて事態を初めて把握。「まだ情報が限られているが、今後の再発防止に向けて児童相談所と協議しながら事件について検証したい」とコメントしている。(比嘉展玖、遠藤美波)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

消えたお地蔵さん、「どうして」をたどって…… 荒野に残る「悲痛」

 福島県双葉町の海岸沿いに、誰も住まなくなった荒野が広がる。「浜野地区」。約50軒が12年前の津波に襲われた。生存した人たちも、原発事故の避難指示で立ち退きを命じられた。ニュースレター 「アナザーノート」アナザーノートは、紙面やデジタルでは公開していないオリジナル記事をメールで先行配信する新たなスタイルのニュースレターです。レター未登録の方は文末のリンクから無料登録できます。 地区の立ち入りが緩和されたのは、震災の記録を残す「東日本大震災・原子力災害伝承館」ができた2020年からだった。 伝承館オープンの内覧会に出向いた私は、その屋上から浜野地区に残る少ない民家を見つけた。2階部分は原形を保つが、1階の壁やドアの損傷は激しかった。 近くまで行く。庭には小さな地蔵が2体置かれ、花が手向けられていた。津波で犠牲になった家族を弔ったものだとすぐに察した。 ひとけのない地域に立つ地蔵にどこか哀愁を感じ、その後、取材で通るたび手を合わせた。 だが、1年ほど前、地蔵は消えていた。どこへ行ったのか。てんまつを知る人たちを訪ねた。噴き出した津波 12年前、双葉町には約7千人が暮らしていた。町の8割はいまも「帰還困難区域」として避難指示が続く。同区域には解体されず、朽ちた家屋が多い。 ただ、浜野地区の民家を見ると、「あえて残している」という印象だった。というのも、この地区は放射線量が比較的低く、20年3月に避難指示が先行解除された。解体を申し出れば、国が無償で解体する地域だった。 「樫村」さん。3年前に訪れたとき、門柱にあった表札だ。 浜野地区の区長で、いまは約60キロ西の須賀川市で暮らす高倉伊助さん(66)に樫村家のことを知らないか尋ねた。 高倉さんは植木屋を営み、1…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

狛江強盗殺人事件、容疑者を送検 52歳男、駐車場代など滞納か

2023年2月24日 11時32分 東京都狛江市で1月に発生した強盗殺人事件で、警視庁は24日午前、実行役とみられる野村広之容疑者(52)=埼玉県川口市=を強盗殺人などの疑いで、実行役を手助けしたとされる福島聖悟容疑者(34)=埼玉県三郷市=を強盗殺人幇助(ほうじょ)などの容疑で送検した。 野村容疑者とともに実行した疑いがある永田陸人容疑者(21)=金沢市=、少年(19)=東京都中野区=についても、同日中に強盗殺人容疑などで送検する。警視庁は引き続き、詳しい犯行実態や4人以外のメンバー、指示役がいなかったかなどを調べる。 警視庁によると、野村、永田両容疑者と少年の計3人は1月19日昼ごろ、狛江市の住宅に押し入って住人の大塩衣与さん(90)を暴行して殺害した上で、住宅内から高級時計や指輪(総額60万円相当)を奪った疑いがある。福島容疑者は、事件に使われたレンタカーを用意した疑いがある。4人は22日に逮捕されていた。 野村容疑者は24日午前7時40分過ぎ、留置されている立川署(東京都立川市)の建物を出て、上半身を伏せながら歩いて捜査車両に乗り込んだ。 野村容疑者が住む集合団地の役員によると、野村容疑者は月に約2万5千円かかる駐車場代や管理費などを5カ月分滞納していたが、このうち4カ月分計約10万円を1月末ごろに支払っていたという。野村容疑者は「闇バイト」を通じて事件に関わったとみられており、警視庁が報酬の受け取り状況などについて詳しく調べている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「舞台に立ちウクライナ支える」 避難したバレエダンサー夫妻の願い

 ロシアがウクライナに侵攻してから24日で1年がたつ。ウクライナから埼玉へ避難した人も81人(15日時点)になる。出口の見えない母国の惨状に何を思うのか。県内の出身者らに聞いた。 来日中に軍事侵攻が始まり、ウクライナに戻れなくなったバレエダンサーのエフゲニー・ペトレンコさんと、埼玉県東松山市出身の長沢美絵さん夫妻にとって、この1年はもどかしい日々だった。「ウクライナへの支援の継続を」と呼びかける。 2人はキーウ(キエフ)のバレエ団のソリストとプリンシパル(最高位)。日本大使館から退避を勧められ、2年前に生まれた息子を連れて昨年2月13日に東松山市に来た。 「『避難』というより子どもを親に見せたい、という感覚でした。戦争が始まり、いつ戻れるのか分からず、とても混乱した」。長沢さんはそう振り返る。戦場で命を落としたダンサーも 所沢の「NBAバレエ団」が…この記事は有料記事です。残り1090文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

美容室が大麻密売の拠点か 営利目的所持容疑で経営者ら逮捕

大山稜2023年2月24日 12時51分 経営する美容室で販売用の大麻を保管していたとして、警視庁は、美容師の男(47)=東京都江戸川区=ら3人を大麻取締法違反(営利目的所持)の疑いで逮捕し、24日発表した。同庁は3人の認否を明らかにしていない。 荻窪署によると、男は別の25、26歳の男2人と共謀して昨年4月1日、経営する東京都杉並区西荻北2丁目の美容室で、乾燥大麻約62・52グラム(末端価格約37万円相当)を営利目的で所持した疑いがある。署は男2人についても、大麻の仕入れ役などを担ったとして共犯容疑で逮捕した。 署が情報提供を受けて家宅捜索したところ、店のバックヤードから大麻が見つかった。店には男以外に従業員はいないといい、署はこの美容室が密売の拠点だったとみて調べている。(大山稜)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「長崎くんち」の諏訪神社 7人の権禰宜全員が辞職届 宮司死亡受け

寺島笑花2023年2月24日 8時46分 「長崎くんちの奉納踊」で知られる諏訪神社(長崎市上西山町)の権禰宜(ごんねぎ)7人全員が神社に辞職届を提出したことが分かった。諏訪神社の顧問弁護士によると、宮司が亡くなったことを受けての対応だという。 諏訪神社によると、辞職届が提出されたのは20日。神職見習いの出仕1人と用務員1人も同日付で辞職届を提出した。宮司不在のため、仮の形で受理されているという。 今後、権禰宜が担っていた神社業務は、宮司の補佐役で権禰宜のまとめ役にもあたる禰宜(ねぎ)2人と出仕1人が担うことになる。人手不足により、お宮参りのおはらいなどの神事に影響が出る可能性がある。 新しい宮司は神社の責任役員が人選し、神社本庁の任命で決まる。権禰宜も今後募集するが、いずれもめどは立っていないという。 諏訪神社を巡っては、宮司に2021年8月、神社内でセクハラ行為をされたとして、女性が慰謝料1万円の支払いを求めて提訴。一方、「真実ではない」と否定する宮司も名誉を毀損されたとして女性を提訴。宮司を擁護する権禰宜らも上司にあたる禰宜から日常的にパワハラを受けたとして訴訟を起こしている。 コロナ禍に加え、これら対立の影響で、奉納踊は3年連続で中止が続いていた。しかし、宮司が12日に死去。氏子の代表らは17日に奉納踊の通常開催を前提に準備を進める方針を明らかにしていた。(寺島笑花)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

日本の難民認定はなぜ少ないのか 審査参与員として感じた問題と圧力

 日本は先進国の中で、きわめて難民認定のハードルが高く「難民鎖国」と批判されてきた。難民の解釈が時代遅れだ、との指摘もある。日本の難民受け入れについて、国際法が専門で、難民認定の審査で意見を述べる「難民審査参与員」を10年間にわたり務めた明治学院大学の阿部浩己教授に聞いた。 ――2022年は日本もウクライナからの避難者を多く受け入れましたが、日本は難民条約上の「難民」と認定するハードルが高すぎ、難民の受け入れが非常に少ないと批判されてきました。なぜ、これだけ批判されても認定率が低いままなのでしょう。 (難民申請を審査をする法務省出入国在留管理庁は)特に厳しくしているという意識はないのではないでしょうか。「日本に真性の難民はほとんど来ない」という意識が、本当に強いんだと思います。「本当の難民は適正に認定している」と。 ではなぜ、国際的な基準に照らして厳しいのか。やはり、出入国管理機関の中に難民認定機関があるため、「疑わしい人は入れてはいけない」という、いわば「水も漏らさぬ」入国管理を忠実にやっているということだと思います。だけど、難民認定は疑わしくても保護するべきは保護する、という考え方でないといけません。 ――諸外国では、入管当局から独立した組織が難民認定をしているのですか。 難民認定は、だいたいどの国…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル