【緑の最前線】地球環境学の3つの視点 新型コロナウイルスの感染症は地球環境学の分類でいえば、食中毒や大気・水質汚染,公害病などを扱う環境衛生学に属する。当然、対策の処方箋も地球環境学の視点が重視されなくてはならないが、日本の場合この視点が著しく欠けている。新型コロナウイルスの突然のパンデミック(世界的な大流行)に慌てふためき、対策も場当たり的な対症療法に終始しているのが現状だ。 ▼一つの地球と折り合える知恵 地球環境学の基本的な考え方は大きく3つある。第一は「一つの地球」と折り合える生き方の追求だ。経済活動の規模を測定する一つのアプローチとして「エコロジカル・フットプリント」がある。経済を発展させ、豊かな生活をするためには農業や漁業を営む、工場を造る、道路や鉄道を敷設する、住宅を造るなど様々な方法で自然の土地や海洋を利用する。その表面積を合算したものが豊かさを得るために犠牲にした(踏みつぶした)自然面積(エコロジカル・フットプリント)と定義する。 地球は有限の惑星である。地下資源は発掘し続ければやがて枯渇してしまう、有害物質を排出し続ければ様々な公害病を発生させる、化石燃料の大量消費は地球温暖化を加速させ、異常気象を深刻化させる、野生生物世界に過度に踏み込めば、人間社会に存在しない悪性ウイルスの感染を引き起こす。 一つの地球と折り合える生き方とは地球の限界を踏まえた生活をすることにほかならない。エコロジカル・フットプリントの研究者による試算によれば、一つの地球で暮らせたのは1980年頃までだった。それ以降は人間活動が地球の限界を超えてしまい、エコロジカル・フットプリントは拡大の一途を辿っている。2000年頃には1.2個の地球が必要な状態だった。もし世界の人々がアメリカ人並みの生活を求めれば、地球が5.3個、日本人並みの生活なら2.4個の地球が必要になるという。 地球の限界を突き抜けてゴリ押しすれば地球から様々な反撃を受ける。今回の新型コロナ禍の背景には地球の限界を大きく超えた経済活動に主要な原因があることを肝に銘ずべきである。頻発する異常気象や今回のコロナ禍は地球の限界を超えた人類への警告として受け取るべきだろう。 持続可能な一つの地球を維持するためには、地球に住む私たち一人一人が「地球市民」の意識を持たなくてならない。コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには3密(密閉、密集、密接)を避けることが必要だ。多くの人が守っているが、一部には「自分一人だけなら・・」と抜け駆けをし、「感染覚悟でパチンコをしている、それがなぜ悪い」などと開き直る者がいる。 地球市民に必要なマナーは、「地球的視野で考え、足元から実践する」ことだ。そのためには利己主義ではなく利他主義の発想が必要だ。他人に何かを求めるのではなく、まず自分が地球の悪化につながる行為を自制、節制することだ。それが回り回って持続可能な地球に貢献するという意識を持つことは並大抵なことではない。 そんな「理想論」、「きれいごと」を並べても現実の世界では通用しない。人類の歴史を振り返えれば、個人レベルでは利己主義、国家レベルでは「自国第一主義」を追求することで維持されてきた。そのやり方を変えることなど出来るはずがないと考えている人は少なくないだろう。だがその考え方を改めない限り大切な地球を持続可能な姿で維持することができない。そこまで追い込まれている。 ▼バックキャスティング思考 第二に必要な考え方はバックキャスティング思考である。激動の時代には過去のやり方を踏襲していては衰退してしまう。押寄せる変化に対し基本路線は従来のまま変えず微調整で対応すると、進むべき方向を間違え袋小路にはまり込んでしまう。地球温暖化対策で石炭火力発電の全廃が世界の潮流になっている中で、日本だけが新増設を積極的に推進する姿勢が国際社会から批判されている。戦後の石炭火力発電重視の政策を転換できず、ずるずる今日まできてしまった結果である。 今回のコロナショックについても同様な指摘ができる。地球の限界を超えたことで人間社会に存在しなかった様々な感染症が発生している。最近の事例で言えば、重症急性呼吸器症候群(SARS、2003年)、中東呼吸器症候群(MERS、2014年)が猛威を振るった時、中国、韓国、台湾、シンガポールなどは多くの感染者、死亡者を出した。 この時の苦い経験からこれらの国・地域では感染症に対する周到な準備をしてきた。これに対し感染者、死亡者ゼロの日本は「対岸の火事」として傍観し、「日本は別だ」として準備を怠ってきた。この準備の遅れがPCR検査の遅れ、医者、看護師など医療従事者、医療機器・機材不足、さらに貧弱な患者受け入れ施設体制の温存など様々な問題を発生させ、国民に不安を与えた。 バックキャスティングとは、将来の望ましい姿、予想される最悪の事態を想定し、そこから現在を振り返り、望ましい姿に近づけるため、あるいは最悪の事態を回避するため、いまからどのような対策、準備を進めればよいかを政府の政策として事前に周到に検討し、それに沿って準備を進めていく手法のことである。 この手法を取り入れていれば、今回のコロナ禍に対しても十分対応できたはずだ。日本の政策は、これまで過去のトレンドを将来に引き延ばし、変化に対応しては微調整で対応するフォアキャスティング手法を採用してきた。このため大きな時代の変化に対応できなくなっている。 地球の限界に突き当たってしまった今日、地球温暖化対策、感染症対策などもバックキャスティング思考で事前に万全の準備を積み重ね、危機に対応していく政策に切り換えていかなくてはならない。 ▼サーキュラーエコノミー思考 地球環境学の3つ目の視点はサーキュラーエコノミー(循環型経済)思考だ。豊かな生活を求めて経済発展を求めた結果、地下資源の多くが掘り尽くされてしまった。世界各地の森林が伐採され農地や工場・住宅地などに転用された結果、多くの森が失われ、生物の多様性が損なわれてしまった。その結果、人間社会に存在しなかったウイルスが人間に感染し暴れ出した。 ポスト「コロナ禍」の経済は、それまでの資源・エネルギー多消費型経済からサーキュラーエコノミーに転換する必要がある。 サーキュラーエコノミーに転換するための第一条件は原則として地下資源の発掘を止め、地上資源を有効に活用することだ。鉄、銅、アルミ、ニッケルなどの地下資源の多くは道路、鉄道、様々な建造物、さらに自動車,船舶、航空機、テレビやパソコンなどの製品使われている。 これらを総称して地上資源と呼ぶ。地上資源は寿命がくれば廃棄物になる。その廃棄物の中から貴重な金属資源を取り出し再利用する。これまでの経済発展によって、地上資源は十分過ぎる程蓄積されている。わずかに残された地下資源は将来世代に残しておく配慮が必要だ。 第二の条件は再生可能(自然)エネルギー,水素エネルギーの積極的な活用だ。18世紀後半から始まった産業革命は石炭、石油などの化石燃料に支えられてきた。大量に消費された化石燃料が地球温暖化の主因になっている。第二次世界大戦後は原子力発電の役割が高まった。 原発は発電中にCO2を発生させないが、一度事故起こすと,放射性物質を大量に発生,発散させ、周辺住民に多大の被害をもたらす。チェルノブイリ原発事故、東電福島原発事故が動かぬ証拠である。近い将来大地震の発生が予想される日本では深刻な原発事故の発生が危惧される。 日本の場合、地球環境を悪化させないためには、太陽光、風力、バイオマス、地熱など多様な自然エネルギーを中心に水素エネルギーを併用し、分散型の地産,地消型のエネルギー供給体制を早急に構築しなければならない。人口の東京一極集中型の都市構造を改め、人口の地域分散も欠かせない。今度のコロナ禍も東京や大阪などの大都市の感染者が地方に感染者を広げる役割を果たしている。 サーキュラーエコノミーに求められる第三条件は,自然の回復である。20世紀後半の産業革命から始まった世界的な近代化、工業化のうねりの中で、世界中の森が大量に伐採され、生物の多様性が失われてしまった。 自然回復の手段として森林の復活は急務である。木材は再生可能な資源で、計画的に植林すれば木材資源は再生可能な資源になる。歴史的にみれば経済発展に伴って金属資源やプラスチック資源が木材資源に置き換わったが、これからは木材資源が金属資源やプラスチック資源に置き換える努力が求められる。それを可能にする様々な技術が開発されている。 ポスト「コロナ禍」の世界が持続可能な「一つの地球」を前提に動き出せば、これまでとは異なるが、活力ある安定した経済社会の新しい営みが可能になるだろう。 ■三橋 規宏(経済・環境ジャーナリスト、千葉商科大学名誉教授)1940年生まれ。64年慶応義塾大学経済学部卒業、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学政策情報学部教授、中央環境審議会委員、環境を考える経済人の会21(B-LIFE21)事務局長等を歴任。現在千葉商大学名誉教授、環境・経済ジャーナリスト。主著は「新・日本経済入門」(日本経済新聞出版社)、「ゼミナール日本経済入門」(同)、「環境経済入門4版」(日経文庫)、「環境再生と日本経済」(岩波新書)、「日本経済復活、最後のチャンス」(朝日新書)、「サステナビリティ経営」(講談社)など多数。 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
芸術祭巡り名古屋市を提訴 実行委、負担金支出求め(共同通信)
愛知県の大村秀章知事が会長を務める芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会は21日、名古屋市に未払いの芸術祭負担金約3300万円を支払うよう求めて名古屋地裁に提訴した。負担金を巡る県と市の主張が平行線をたどり、司法に判断を委ねるしかないと判断した。 名古屋市は22年予定の次回トリエンナーレに向けた予算計上も見送っている。訴訟の行方は今後のトリエンナーレ開催に影響を与えそうだ。 名古屋市の河村たかし市長は20日、事前に展示内容を伝えられなかったことから負担金を支払わないと県に通知。 大村氏は市として交付を決定しているため支払うのが責務だとしている。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
虎ファンも参集!阪神百貨店梅田本店が全館営業再開(日刊スポーツ)
新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として4月8日から休業し、食品売り場のみ営業してきた大阪・梅田の阪神百貨店梅田本店(大阪市北区)が21日、全館再開した。 【写真】再開された阪神百貨店はフェイスシールド、サーモグラフィー、消毒液を設置しお客様を出迎えた 午前11時の開店前には係員の指導で「密」を避けた列が出来た。列の先頭には阪神ファン歴30年以上の自営業の男性(55)が並んだ。お目当ては同店8階にあるタイガースショップ。男性は応援マフラータオルを首にかけ、開店を待った。 「トラグッズに囲まれた売り場でタイガースの雰囲気を少しでも味わいたかった」。タイガースショップには1000アイテム以上のグッズがそろい、トラファンの第2の聖地とも言われている。約1カ月半ぶりの営業再開となった。 堺市から来店した男性会社員(57)は矢野燿大監督、梅野隆太郎捕手ら選手の名前と背番号が記入された2020年バージョンの「湯飲み」を購入した。「ここ10年、開幕前にその年の湯飲みを買うのが定番。コロナの影響でショップが閉じてしまったので、きょう再開すると聞いて来た。これでやっと僕の“開幕”の準備が整った」。 男性は大阪市内のバス会社に勤務するバスの運転手だが「いまはステイホームですわ」。2カ月以上、ハンドルを握っていない。新型コロナウイルスの感染拡大で、観光業は大きな打撃を受けた。男性は「先行きがまったく見えず、このままだと、会社の存続が危うい状況」と不安を口にした。湯飲みを片手にお茶の間で、阪神を応援する「日常」も戻っていないが、男性は、やっと定番グッズを手に入れることができた。「ささやかなことかもしれないけど、僕にとっては前進です」。 新型コロナウイルスの感染拡大のため、プロ野球の開幕は延期。現在は、6月中旬以降の開幕を目指している。タイガースは05年以来のリーグ優勝、85年以来の日本一に向け、着々と準備を進めている。大山のレプリカユニホームを購入した兵庫県尼崎市の男性会社員(53)は矢野阪神2年目に「スタートダッシュを決めてほしい」とエールを送った。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
「政治は最高の道徳である」に感銘を受け…。相生市長選で現職の谷口芳紀氏が無投票当選 兵庫県(選挙ドットコム)
兵庫県相生市長選挙が5月17日に告示され、現職の谷口芳紀(たにぐち・よしき)氏のほかに立候補の届け出がなかったため、無投票で谷口氏の6選が決まりました。 選挙ドットコム編集部では、ご本人に政治家を志した理由などを伺いました! 谷口芳紀氏の志・実現したいこととは? 【質問1】政治家を志したきっかけはなんですか? 「高校生の時、社会学者 マックスウェーバーの『職業としての政治』を読んで、“政治は最高の道徳である”に感銘を受けて政治を志しました」 【質問2】尊敬する人は誰ですか? 「坂本龍馬、マザーテレサです」 【質問3】当選したらこれだけは実現したいことはなんですか? 「コロナ禍は、長丁場になります。多くの市民のみなさんが苦労しています。共に、この危機を乗り越えたいです」 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
住宅火災で2人死亡、広島・三原 妻は自力で逃げる(共同通信)
21日午前4時10分ごろ、広島県三原市深町の岡本正一さん(83)方から火が出ていると近所の住民から110番があった。住宅は全焼し、焼け跡から2人の遺体が見つかった。 三原署によると、岡本さんは妻(86)と息子(58)の3人で住んでおり、岡本さんと息子と連絡が取れていない。妻は自力で逃げ出し、病院に搬送されたが命に別条はない。三原署が2人の遺体の身元を確認するとともに出火原因を調べている。 現場はJR三原駅から北東に約5キロの住宅街。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
「“賭けマージャン”であれば賭博罪に当たるおそれも」森まさこ法務大臣、夕方までに黒川検事長の処分発表へ(AbemaTIMES)
東京高等検察庁の黒川弘務検事長が辞意を表明したと報じられていることについて、森まさこ法務大臣は21日午前、「現在、私のところに正式な連絡は来ていない」とした上で、「一昨日の夜に情報に接して、すぐに調査に着手している。現在調査中であるが、もし報道されているような事実があれば大変由々しき事態なので、厳正に処分したい」と話した。 【映像】取材に応じる森大臣 きょうの一部報道では、黒川検事庁が“賭けマージャン”を認め、官邸側に伝えたとも報じられている。森大臣は「調査の主体は検察内部だと思うし、検察の独立性があるので、私が直接聞き取りをすることはしていない。ただ、私の指示により、法務省においても担当者が聞き取りを行っている。報告は随時入っているが、まだ調査中。詳しいことをしっかり調査し、終わらせて、本日の夕方までにしっかりお知らせしみなさんに合わせて厳正なを発表したい」ととし、「いずれにせよ、報道されていることが事実であれば大変由々しき事態であり、“賭けマージャン”であれば賭博罪に当たるおそれもある。また、緊急事態、外出自粛要請の折のこのようなことがあったとすれば、国民の皆様に大変申し訳ない。まずは事実確認をしっかりした上で、報道されていることが事実であれば厳正に処分する」とした。 黒川検事長は今月1日と13日に緊急事態宣言が続く中、朝日新聞社員と産経新聞記者と賭けマージャンをしていたと『週刊文春デジタル』で報じられていた。(ANNニュース) 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
「黒川氏の処分を夕方までに発表」と森法相(共同通信)
5/21(木) 10:41配信 黒川弘務東京高検検事長の賭けマージャン問題で、森雅子法相は21日、取材に対し「本日中に調査を終わらせ、夕方までに公表し、厳正な処分も発表したいと思っている」と述べた。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
法務・検察内には厳しい声 「辞めるのは当然」(共同通信)
賭けマージャン問題を受け、東京高検の黒川弘務検事長(63)が辞職の意向を示したことに、法務・検察内では「辞めるのは当然だ」と厳しい意見が相次いだ。注目を集め続けた組織の今後を心配する声も出た。 検察トップの稲田伸夫検事総長(63)は21日朝、自宅前で険しい表情のまま、報道陣に「ノーコメント」とだけ言い残し、迎えの車に乗り込んだ。 法務省幹部の一人は「改正案を巡る混乱で組織が批判的に見られている中、問題行動を自重できなかったのは理解できない」と指摘。ある検事は「稲田氏も何らかの監督責任を問われるのではないか」と組織の先行きを懸念していた。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
「新型コロナウイルス関連倒産」全国で170件 都道府県別、業種別では…(ENCOUNT)
全国で倒産170件、負債総額1332億円超 東証一部上場のレナウンが5月15日に経営破綻し世間に衝撃を与えた。首都圏の緊急事態宣言は継続の方向だが、新型コロナウイルス関連の倒産は続くのか懸念が広がる。帝国データバンクは5月20日午後4時現在判明分の「新型コロナウイルス関連倒産」について集計を行った。 【表】業種別上位は「ホテル・旅館」「飲食店」「アパレル・雑貨小売店」 2020年5月20日午後4時現在、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止、負債1000万未満・個人事業者含む)は、全国で170件<法的整理105件(破産89件、民事再生法16件)、事業停止65件>が確認されている。 負債総額は1332億3400万円(判明した161件の合計)で、10億円未満が139件(構成比86.3%)を占めた一方、50億円以上の大型倒産は7件(同4.3%)だった。 発生月別では4月が103件(構成比60.6%)で最多。2月は2件、3月は25件と増加傾向が続き、5月は20日16時現在で40件だった。 なお、事業停止した事業者のほとんどが自己破産申請の準備に入っており、事業を停止していた会社が法的整理に移行した場合は法的整理日でカウントしている。 都道府県別では東京都が38件で最多。以下、北海道(17件)、大阪府(13件)、兵庫県(11件)、静岡県(9件)と続き、これまで39都道府県で発生している。 業種別では「ホテル・旅館」(35件)を筆頭に、居酒屋、バイキングレストラン、ビアレストランなどの「飲食店」(21件)、「アパレル・雑貨小売店」(14件)、「食品製造」(12件)、「食品卸」(7件)と続いている。 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
小湊鉄道 レア車両搬入で撮り鉄“密状態”に困惑「気持ちは分かるが、こんな時期なんで」(スポニチアネックス)
千葉県の房総半島中央部を走る小湊鉄道に19日から20日にかけて、JR東日本から購入した車両が搬入され、数多くの鉄道ファンが詰めかけた。 千葉市の千葉貨物駅で20日未明に行われた車両のつり上げ作業には100人以上の「撮り鉄」が殺到。狭い空き地に三脚や脚立が並べられ密集状態に。さらに、ファン同士のトラブルも発生し警察が出動。外出自粛が求められるなかで、大きな騒ぎとなった。 今回、小湊鉄道が導入する車両はJR東日本只見線などで使用されていた国鉄型気動車「キハ40系」。すでに製造から約40年が経つが、現在運用している既存の気動車「キハ200形」はまもなく製造後60年に達する車両もあるため、老朽化した一部車両の代替えとして2両を購入したという。 撮影に訪れていた千葉県在住の大学生櫻井俊彰さん(19)は、「キハ40系」が只見線で運行されているのを撮りに行ったこともあるといい「好きな車両が地元に来ると聞いて、楽しみにしていました。こんなチャンス2度とないと思います」と笑顔。同じく千葉県の会社員男性(25)は「撮り鉄の間では貴重なネタ(列車)ですが、こんなに撮影者が集まるんですね…」と苦笑いを見せた。 小湊鉄道の担当者は「雑誌やSNSで車両の回送の予定が出ているので、人が集まってしまうかなとは思いました。ただ、半年以上前から搬入予定は決まっていたので変えることはできなかったんです。気持ちは分かるし、人気があること自体はうれしいのですが…」と複雑な心境を吐露。同鉄道の里見駅長を務め、現在も業務に携わっている酒巻文之さん(79)は「コロナが終わってから、ファンの皆さんに来てもらって賑わったらうれしいです。走り出すのが楽しみですね」と前を向いた。 小湊鉄道に搬入された「キハ40系」は今後改修が行われたうえで、運行開始時期は未定ながらも、既存の車両と併せて運用されるという。前出の担当者は「塗装も今あるキハ200形とは少し違った感じになると思います。(お披露目を)楽しみに待っていてください」と話した。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース