東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、大会組織委員会の元次長が談合の認識を一転して認める意向であることが、関係者への取材でわかった。東京地検特捜部は、元次長と広告最大手「電通」側が受注調整を主導したとみて独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで捜査。電通側が最近になって談合を認める方針転換をしたことが、元次長の対応に影響を与えたとみられる。 組織委は2018年、各競技の進行を確認するテスト大会について、実施計画を立案する業務を発注した。1~2の会場ごとに26件の競争入札を行い、電通など9社と1共同企業体が落札した。契約額は計約5億4千万円だった。 関係者によると、組織委でテスト大会を担当した大会運営局の元次長と電通側は入札の前、各社の受注意向や過去の実績を調べたうえで、受注候補先をまとめた一覧表を作成していた。落札結果はほぼ一覧表の通りになり、大半が1社しか参加しない「1社応札」だったという。 特捜部の任意聴取を受けている元次長は当初、一覧表について「全会場で穴が開かないよう、少なくともこの社には参加してほしいという意味で作った」と説明し、「他の社の参加を阻む趣旨ではなかった」と違法性を否定していた。 電通側の担当者らも当初は同… この記事は有料記事です。残り305文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
零下10度でふんどし姿、冷水かぶり火柱に挑んだ 神事に記者も参加
「よしっ!」 気合を入れ、長さ4メートルの棒を振り上げた。湿っているため、重い。高いところから、燃えさかる井桁に振り落とすと、辺りに真っ赤な火の粉が飛び散った。同時に刺さるような熱さが全身を襲った。 1月27日午後8時、岩手県二戸市の似鳥(にたどり)八幡神社。 400年以上前から毎年、旧暦1月6日の夜に春の例大祭「サイトギ」が開かれてきた。「オコモリ」「水ごり」「裸参り」「火まつり」からなり、五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を願い、その年の穀物の作柄を占う。その厳粛な神事に、記者も参加した。 火の粉の舞う方向や、雑穀で作った柱状のオコモリの崩れ具合で占う。神をまつる「祭(さい)」と神仏に供える食物の「斎(とき)」を表す「祭斎」がなまったと伝わる。 コロナ禍の影響で中止が続いたが、今年は3年ぶりに行うと聞いた。動画サイトで検索すると、極寒の中、白いふんどし姿の男たちが冷水をかぶってずぶぬれになり、勇敢に火柱に立ち向かっている。これは男前だ。すがすがしい気分になるに違いない。厳しさなんて想像もせず、すぐに参加希望のメールを送った。 前日まで日本列島を最強の寒波が襲っていた。夜間に行われる神事は2時間以上ある。ふんどし姿で最後まで務められるのか――。 青森との県境にある二戸市… この記事は有料記事です。残り1315文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
グループホームの男性が刺されて死亡 警察が70代男性から事情聴く
2023年2月2日 11時55分 2日午前7時15分ごろ、広島県三原市小泉町の小泉病院が運営するグループホームの一室で、この部屋に住む杉本和幸さん(59)が首から血を流した状態で倒れているのを病院関係者が発見し、110番通報した。県警は杉本さんの死亡を確認。70代男性が事件に関与したとみて事情を聴いている。 県警や消防によると、杉本さんは首に刃物が刺さった状態で倒れており、上半身には複数の刺し傷や切り傷があったという。 現場はJR本郷駅から南に約4キロ離れた病院の近く。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮台さん事件、容疑者とみられる男がパソコン処分 事件後ナイフ購入
東京都立大教授で社会学者の宮台真司さん(63)が昨年11月に切りつけられて重傷を負った事件で、警視庁は2日、昨年12月に死亡した容疑者とみられる男が公開捜査となった後にパソコンを処分していたと明らかにした。男の母親が証言したという。同庁は、男が宮台さんに関する情報を集めようとした形跡などを隠そうとした疑いがあるとみて調べている。 捜査1課は男の自宅と約300メートル離れた別宅から、おの1本のほか、ナイフ1本、書籍一式、自転車など計約70点を見つけ、押収。このうちおのは別宅から見つかり、血痕などは確認できなかったが形状から宮台さんを襲う際に凶器として使われた可能性があるという。 ナイフは刃渡り約21センチで、宮台さんの事件後の昨年12月に男が母親から3万円をもらって購入を申し込み、年末から年明けにかけて届く予定になっていた。男は公開捜査となった12月12日の4日後に自殺したとみられ、本人が受け取ることはなかったが、同課は再び事件を起こそうとしていた可能性があったとみている。 母親「犯人ではないと信じたい気持ちが…」 書籍の中には宮台さんを含む… この記事は有料記事です。残り315文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震被害の熊本城「第三の天守」の石垣、大規模解体含めて修理検討へ
杉浦奈実2023年2月2日 12時30分 熊本地震で被害を受けた熊本城の修復について話し合う検討委員会が1日、熊本城であった。国の重要文化財で、「第三の天守」とも呼ばれる宇土櫓(やぐら)と、それに隣接する続櫓の下の石垣について、大規模解体して修理する案も含めて検討することになった。 石垣は2016年の熊本地震で一部に膨らみが生じた。宇土櫓は慶長年間の創建と伝わり、熊本城の築城当時の姿を今に伝える。それを支える石垣は大部分が江戸期に修理された可能性があるものの、やはり文化財として貴重だ。 そのため、これまでは石垣を解体せず、石垣の前に新たに石垣をつくって膨らみを押さえるような工法が検討されてきた。 ただ、石垣を安定させるために必要な大きさなどを詳しく調べると、新たな石垣を設けることで景観に大きな影響がでることや、新たな石垣の重みによって、下にある空堀の遺構、さらに、埋まっている石垣にも影響が出る可能性がわかったという。 そのため委員会では、膨らみ部分を中心に大規模に解体して修復する方法も含め、改めて検討することになった。委員からは「何とか石垣を解体せず守ることはできないかと考えてきたが、影響が大きく、しかたがない」などの意見がでた。 市は宇土櫓の復旧について、32年度をめざしている。(杉浦奈実) 熊本城よ、よみがえれ 石垣修復プロジェクト 2016年の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城の石垣。名城の伝統を守りながら、どうやって修復し、未来につなげていくのか――。そんな困難な課題と膨大な作業に挑む職人や研究者たちの物語です。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
一足早い春の味を満喫 熱海桜の花びらにメジロ集う 福岡・宗像
藤脇正真2023年2月2日 8時00分 福岡県宗像市の鎮国寺(ちんこくじ)で、早咲きのアタミザクラ(熱海桜)が見頃を迎え、訪れた参拝客の目を楽しませている。 濃いピンク色の花びらの周りには、蜜を求めてメジロたちが飛び交い、その姿をカメラにおさめようと、写真愛好家も詰めかける。 桜の周囲では梅の花も満開に。北九州市から訪れた夫婦は「桜と梅の共演は見事ね」と、一足早い春を満喫していた。(藤脇正真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
廃止決定の公園めぐる住民説明会を実施へ 荻原健司・長野市長も出席
菅沼遼2023年2月2日 9時00分 長野市の荻原健司市長は1日の定例記者会見で、3月末での廃止が決まっている青木島遊園地(同市青木島町大塚)について、周辺住民を対象とした説明会を今月11日に開くことを明らかにした。「私も出席して、地域住民の皆さんの意見をお聞きしたい」と話した。 荻原市長は、1月25日には周辺区長10人と懇談し、意見を交換。「(区長たちは)反響が大きいことに困惑している様子だった」という。 廃止の決定については「基本的には維持されている」としながらも、「区長さんからの話をお聞きし、11日にも(地域住民の)話を聞いた上で判断したい。まずは地域の皆さんの声を受け止めたい」と述べた。 説明会は青木島小学校の学区内の住民が対象。非公開で行われる。(菅沼遼) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旭川中2女子いじめ問題、新たな条例案に中学生の声 6月成立めざす
北海道旭川市の市立中2年の広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)がいじめを受け、2021年3月に凍死体で見つかった問題で、市教育委員会が検討している「いじめ防止条例(仮称)」の骨子案の原案がこのほど示された。原案には、いじめの問題を議論した中学生の声も反映された。 原案は1月30日、市内の学校関係者や学識者らでつくる「いじめ防止条例(仮称)の制定に係る懇話会」で示された。今後、懇話会で議論して骨子案をまとめ、2月中旬からパブリックコメントを募集したうえで、6月の市議会定例会に条例案を提出する方針。 原案は前文と六つの章で構成。中学生の意見が反映されたのは主に、子どもと接するさまざまな人々の「責務と役割等」を規定した第3章の第4項「児童生徒の心構え」だ。 「児童生徒は、いじめが人権侵害であり決して行ってはならないことを理解し、いじめの防止の活動に主体的に取り組むよう努めるものとする」と規定したうえで、いじめを受けたり見かけたりしたときに「速やかに、学校、保護者、市、関係機関等に相談するよう努めるものとする」と多様な窓口を例示した。 これは昨年7月、「いじめ問題」をテーマに開かれた、旭川市内の中学校生徒会のメンバーによる討論会で出た意見が反映されたものだ。討論では、だれかがいじめを受けている、という通報を学校以外でもできるようにしてほしい、との声があった。 いじめ防止対策の基本理念を… この記事は有料記事です。残り791文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「性別欄」は本当に必要? 性的少数者の尊厳を守るための工夫は
有料記事 聞き手・中島鉄郎2023年2月2日 5時00分 いわゆる「性別欄」に、「男性・女性」以外の項目がある書類が増えてきました。身近な書類の変化から、差別や人権、多様性について考えることができそうです。性的少数者を法で守るための活動を続けるLGBT法連合会の事務局長、神谷悠一さんに聞きました。 公的機関や学校、会社に出す申請書や証明書、調査、アンケートなどの多くに「性別欄」があります。男性か女性かという従来の二項目に加え、「その他」「回答しない」などの選択肢を加える自治体が目立ってきました。 性的少数者(LGBTQ+)を差別やハラスメントから守るための、改善の工夫が進んでいるからです。 無作為抽出で正確性が高いと見られる埼玉県調査(有効回答5606人、2021年)によれば、性的少数者は全体の3・3%。その中で、「差別的言動を見聞きした」のは84・8%。性的少数者以外では64・3&でした。 性別欄への記入で、精神的な… この記事は有料記事です。残り867文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダウン症の弟は「大切な宝物」 作文につづったショックだったこと
うまく話すことができず、歩くのもゆっくりだけれど、弟の笑顔が家族を幸せにしていることを伝えたかった。兵庫県川西市立明峰小6年の金子芽生(めい)さん(12)は半年前の夏休みの宿題で、ダウン症の弟直生(なおき)さん(10)のことを作文に書いた。 弟は同じ小学校に通う4年生で、一緒に登下校している。 弟がまだ1、2年生の頃、授業の休憩時間に時々様子を見に行くと、弟は抱きついてきて声をあげて泣いた。服がぬれるほど涙を流すと、落ち着いた。やがて学校生活に慣れ、今はそんなことはなくなった。 家では、弟の好きなポケモンのおもちゃなどで一緒に遊ぶ。よく「めい、うぃー」と抱きついてくる。最初は分からなかったが、弟が何度も伝えようとするうち、「めい、好きー」と言っているのが理解できた。 勉強のことなどで母から怒られたりしていると、弟は「ママー、大好きー」と近寄ってきては母をなだめ、助けてくれる。そんな弟が大好きだ。 昨年の夏休み。課題の作文のテーマで悩んでいると、母から弟のことを書いてみたらと言われて決めた。母の淳子さん(43)は「6年生だし、直生の幼い頃やダウン症のことをきちんと知っておいて欲しいと思いました」と語る。 金子芽生さんは弟への思いや、ダウン症について学んだことを作文につづりました。記事の末尾に作文の全文を掲載しています。 弟が幼い頃、病院や自宅でひざを曲げたり、座ったり、歩いたりする練習をするビデオ映像を見た。失敗してもくじけず、何度も繰り返す姿に、すごいなあと思った。 「生まれてこなければと思ったことは一度もありません」 母が調べて見せてくれた「出… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル