有料記事 有元愛美子 仁村秀一2023年1月20日 12時00分 事件や事故が起きた際、警察が110番の通報者から現場の画像や映像を送ってもらうシステムの試行が昨年10月、全国で始まった。スマートフォンのカメラ機能を活用したもので、警察がいち早く状況を把握し、適切な対応や人員配置につなげるのが狙い。埼玉県警によると、県内の運用は昨年末までに43件。本格運用は4月からで、市民とのやり取りがスムーズにいくよう、検証や課題解決を進める。 最短2分でスマホから 仕組みはこうだ。通信指令センターなどで110番通報を受理する警察官が、通報者の同意を得てスマホなどにショートメッセージサービス(SMS)で専用のURLを送る。通報者が警察官から教えられた4桁の暗証番号を打ち込んでシステムを起動し、現場の画像や映像を撮影・送信する。警察官はこの映像をリアルタイムに確認し、状況把握やその後の対応に生かす。通報者は事前に撮った画像や映像を送ることもできる。 早ければ、2分ほどで送信することが可能。通報者のスマホの操作画面を警察官が同時並行で確認しているため、細かなアドバイスも受けられる。 県警によると、昨年末までの3カ月の間に送信を受けた画像や映像は、当て逃げ事故を起こした車▽窃盗グループが盗品をトラックに積み込む様子▽道に迷ったとみられる人の姿――など。従来の110番通報は口頭のやり取りに限られていたため、警察官が視覚的に現場の様子を把握できる新システムは利点が多いという。 110番通報の受理を担う県警通信指令課の岩森靖次席は、「今後は、大規模災害での迅速な対応や山岳遭難者の救助などにも役立てていきたい」と話す。 不要不急の通報が13万件 埼玉県警が昨年1~11月に… この記事は有料記事です。残り646文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
娘の夢、今もここに 18年前の惨劇の場所 「夢を語る公園」に
福岡空港(福岡市博多区)近くの公園に今月、新しい愛称がついた。「夢を語る公園」。18年前、ここで亡くなった女性の両親が市に要望し、かなった。 福島啓子さん。23歳だった2005年1月18日、この「大井北公園」で見知らぬ男に殺害された。啓子さんの前に福岡県飯塚市と北九州市で女性2人を殺した男は強盗殺人罪などで死刑が確定。19年に執行された。 啓子さんは高校時代に生徒会で副会長を務めるなど、活発な子だった。「素直で性格のいい子だった」と、母の和枝さん(76)=北九州市小倉北区。一人娘につけた「ケイコ」という名前には、両親の「海外でも呼ばれやすいように」との思いが込められていた。 両親の期待通り、高校の時は… この記事は有料記事です。残り950文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
明石市長の考える少子化対策 「国の視点は、まだまだ足りない」
岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を掲げ、東京都や福岡市といった自治体レベルでも「所得制限なしの子育て支援策」を拡充する動きが相次いでいます。全国に先駆けて「所得制限なし」の子育て支援をとり入れ、出生率の改善などにつなげてきた兵庫県明石市の泉房穂市長は「政府に、まずは最低ラインとしての取り組みを見せてほしい」と話します。どんなことを求めているのでしょうか。 明石の事例は「最低限」 ――岸田首相の年頭会見で「異次元の少子化対策」が打ち出され、子育て支援策の拡充が注目されています。どう見ていますか。 「これまで、日本の子育て支援策はまったくといっていいほど足りていませんでした。その意味では、評価できることだと思います。 これまで明石市では、所得制限なしで第2子の保育料無償化、18歳までの医療費ゼロ、おむつの宅配サービスなどの支援策を拡充してきました。これを、『進んでいる』と評価をいただくことも増えましたが、これは『最低ライン』だと思っています。 岸田首相が『異次元』という言葉を使いましたが、そもそも、まずは『最低ライン』にしましょうよ、ということは伝えたいです」 独自の子育て支援策を次々に打ち出し、全国的にも注目されてきた兵庫県明石市の泉房穂市長。かねて子どもへの支援の拡充を訴えてきた泉市長に、「異次元の少子化対策」の評価を聞きました。記事の後半では、少子化対策に欠かせないいくつものポイントについて、語ってもらっています。 ――児童手当の拡充も話題となっていますが、望ましい支援のあり方とは。 「今の児童手当は必要だけれども、決して十分ではないというのが私の考えです。 具体的には、三つの課題があります。『所得制限』『年齢上限』『支給額』です。 まず、子どものための支援として考えるのであれば、所得制限は付けるべきではありません。 また、現行は中学生までですが、これも十分ではない。せめて、18歳までは支給するべきだと考えます。 さらに、現状の額についても、2倍以上に引き上げることが望ましいと考えています。 いま、子育て世帯でしんどさを抱えているのは、特に中間層です。お金を使いたくても、経済的に苦しくて使うことができない。こうした世帯の負担軽減をはかっていくことが、少子化対策でもあり、経済対策にもつながります」 支援を拡充する際、課題になってきたのが「財源」。明石市では、この財源問題をどうクリアにしてきたのか。考え方のポイントも聞いています。 負担増は、政治じゃない ――給付を拡充する際には、必ず「財源」の課題も指摘されます。拡充する場合の財源について、考えを聞かせてください。 「負担増ありきで話を進める… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
道元が悟った26歳 同じ年齢の「異教徒」記者が永平寺で禅を体験
開祖・道元が鎌倉時代に建てた曹洞宗の大本山永平寺(福井県永平寺町)。厳しい修行の地として知られるが、一般の人を対象に、坐禅(ざぜん)、食事、朝のおつとめ(読経)などを体験できる「一泊参禅」がある。道元が中国で身心脱落を得た時の年齢は26歳。それと同年齢で「異教徒」である記者が参加した。 昨年12月中旬、午後3時に集まった9人の参加者は、雲水(修行僧)から説明を受けると、さっそく禅堂に連れて行かれた。 まず、坐禅の姿勢を教えられた。「結跏趺坐(けっかふざ)」と呼ばれる基本形は、両足を反対の太ももに乗せる形だ。両手はへその前に置き、手のひらを重ねて親指同士をつける「法界定印(ほっかいじょういん)」を組む。体は壁に向かい、目は開いたまま斜め下を見つめ、呼吸を意識することを学んだ。鐘が鳴り、部屋が暗くなると開始となる。 「無になろう」。そう考えていても次第に意識は足に向く。足がしびれる。痛いというよりも、血が通っていないかのように感覚が無い。足が腐るんじゃないか――本気で心配した。 【動画】禅の里、福井県の曹洞宗大本山永平寺で「一泊参禅」=マハール有仁州、永平寺撮影 禅や食事を通じて知った大切なこと 後ろには警策(きょうさく)… この記事は有料記事です。残り1660文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昨年末に職員13人が会食、11人がコロナ感染 旭川医大病院
旭川医大病院(北海道旭川市)の職員が昨年12月末に13人で会食し、その後11人が新型コロナウイルスに感染していたことがわかった。同大は職員に対し、会食は4人以内にすることなどを求めている。同大危機管理室は今月17日付で、「同部署における複数の職員が感染又(また)は濃厚接触者となった場合、地域医療の提供体制にも影響を及ぼしかねない」と注意喚起を求める文書を出した。 同大の広報担当者は朝日新聞の取材に対し、「今後、感染防止策をさらに徹底し、再発防止に努めます」とコメントした。 昨年10月に職員に出された感染拡大防止に関する通知では、飲食店での行動について「4人以内など少人数、短時間で深酒をしない、大声を出さず会話時はマスク着用」などを求めていた。 同大によると、会食は職場内… この記事は有料記事です。残り299文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今冬一の寒波襲来? どうなる都心の初雪 関東の雪予想が難しい訳は
日本列島は来週、今季一番とみられる強い寒気に見舞われ、全国的に寒さが厳しくなりそうだ。東京で雪になるのか、九州などでも降雪があるのか……。少し先のことでもあり不確実ではあるが、天気予報に注意が必要になりそうだ。 東京都心の初雪は平年だと1月3日。今季はまだ観測されていない。昨季は平年より早い12月26日だった。今季は20日までに雪が降らなければ、2000年以降では07年3月16日に初雪が観測されて以来の遅さとなる。 ただ、週明けには低気圧の通過により太平洋側でも雪や雨となる見込みで、都心では23日に初雪の可能性がある。 気象庁の19日時点の予報で、23日の東京は「曇一時雨か雪」。本州の南を通過し太平洋側に雪を降らせやすい「南岸低気圧」の通過が予想されている。しかし、4、5日先で予想にばらつきがあるため、現時点で雪になるかは判断が難しい状況だという。 雪はいまだに正確な予想が難… この記事は有料記事です。残り769文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雪道を歩くときの注意点 靴は? 滑りやすい場所は?
大雪の際、雪道を歩くときにはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。冬季の歩行者の転倒防止活動などに取り組む「ウインターライフ推進協議会」(札幌市)の大川戸貴浩さんの話をもとにまとめました。 雪道を歩く時の注意点 まず、歩き方のポイントを大きく分けると、「小さな歩幅で歩く」「靴の裏全体を地面につけて歩く」「体の重心を少し前に置いて歩く」の3点です。 歩幅が大きいと体の重心の移動が大きくなり、転倒しやすくなります。重心が後ろにあると、かかとから後ろに滑りやすくなるので気をつけて下さい。 歩き方のほかに、時間に余裕を持って行動することも重要です。歩き方を理解したつもりでも、急いでいると忘れがちです。足もとに目を向けて滑りそうな道を見分ける、屋根からの雪の落下に気をつける、といったように、注意力が散漫にならないようにしましょう。 横断歩道などで止まっている状態から歩き始める時や、歩いている途中で速さを変える場合も転びやすいので注意が必要です。 携帯電話の使用など別のことに気を取られている時や、飲酒をした後も気をつけましょう。ポケットに手を入れたまま歩くのも禁物です。もし転倒しても、すぐに身を守る体勢を取れるようにしておきましょう。 身につけるものにも注意して下さい。スニーカーや革靴は避け、雪道に適した靴を履くことが重要です。つるつるの路面には、ピンや金具が付いたものや、深い溝のある靴底が望ましいですが、柔らかいゴム底や滑り止め入りのゴム底の靴も比較的滑りにくいです。ただ、トレッキングシューズのように、溝が深くても底が硬いものは滑りやすいので要注意です。 荷物などで両手がふさがっていると、転倒した際に大けがにつながりかねません。また、手提げのバッグは避け、リュックサックのように両手が動かせる状態にできるものを使いましょう。 寒さで体がこわばらないよう、きちんと防寒できる服装でいることも大切です。帽子や手袋の着用は、転倒時のけがを防ぐ役割もあります。帽子は衝撃を吸収する厚めの毛糸のものがおすすめです。手袋は、ぬれても水分がしみこまない皮革やポリエステルなどの素材で、厚手の暖かいものを選びましょう。 滑りやすい場所は 車や人の往来が多く、雪道が踏み固められている場所は特に注意が必要です。 その一つが横断歩道です。歩道や中央分離帯との境目は、傾斜が変化したり、段差ができたりしていることがあるので気をつけましょう。このほか、ガソリンスタンドなど車の出入りがある歩道や、バス・タクシーの乗降場所も、雪がタイヤに踏まれて固まりやすく、さらにタイヤの摩擦で路面が磨かれるため、とても滑りやすくなる場合があります。バスやタクシーから降りる際は特に注意して下さい。 橋は路面の温度が下がりやすいほか、トンネルの出入り口のように日陰になりやすい場所も要注意です。一般の歩道でも、日光の当たり方で路面の状態が異なっているところがあるので、足もとをきちんと見ながら歩いて下さい。 雪道を歩いたあとに、タイル張りの地下街や商店に入る際は、靴の裏についた雪や氷で滑ることがあります。雪道用のピンがついたものも、タイル張りのような場所では滑りやすくなってしまうので、外せる場合は外した方が安全です。 ◇ ウインターライフ推進協議会が制作・運営している「転ばないコツおしえます」(http://tsurutsuru.jp/)では、転びにくい歩き方など、冬の道を歩く際に気をつけるポイントについて紹介しています。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「暴言で自殺未遂」 延岡学園の元野球部員、当時の監督ら相手に提訴
2023年1月19日 21時49分 延岡学園高校(宮崎県延岡市)野球部の監督から度重なる暴言などを受け、精神的苦痛から自殺未遂をしたとして、部員だった元生徒が当時の監督と学園を運営する学校法人を相手取り、約700万円の損害賠償を求める訴訟を宮崎地裁延岡支部に起こした。提訴は昨年12月12日付。 訴状によると、元生徒は2022年7月に部員が生活する寮の寮長に指名されたが、その時期に就任した監督兼部長に、寮生たちの前で「お前調子にのってんのか。クソガキ」「いつまで言い訳するんや」などと罵倒され、練習中は飲み物を買いに行かされるなど使い走りとして扱われたと主張。8月に自分が暮らす寮のトイレで首にタオルを巻いて自殺を図り、その後医師に適応障害と診断され、10月末に退学したという。 延岡学園側は取材に対し、野球部関係者らからの聞き取りから「そのような事実はなかった」と主張。「裁判で全面的に争う」としている。元生徒の代理人弁護士は「原告の元生徒と両親が声を上げたので発覚した。同じ思いをする生徒を出さないためにも今回の訴訟は重要だ」と訴えている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岐阜県御嵩町の新庁舎計画、住民らが公金支出差し止めへ提訴
岐阜県御嵩町の庁舎を移転し新築する計画を巡り、庁舎の位置を変える条例制定について町議会の同意を得られる見込みがなく、事業の実現性がないのに関連予算を支出するのは違法だとして、住民6人が19日、町を相手取り、公金支出の差し止めを求める訴訟を岐阜地裁に起こした。 地方自治法は、庁舎の位置を変える条例制定には出席議員の「3分の2以上」の同意(特別多数議決)が必要と定めている。 訴状によると、町議11人のうち4人以上が新庁舎整備事業に反対しており、条例制定の見込みがないという。また、移転予定地が農地であることを巡っても、町は農地法に基づき県に対して農地転用を申請。しかし、県は確実な条例制定が見込めないことを理由に許可をしていないという。その上で、実現できない事業に公金を支出するのは無駄で、行政の裁量権を逸脱し、違法だと主張している。 原告らは、公金支出の差し止めを求め住民監査請求をした。昨年12月に棄却されたことから、それを不服として提訴した。 この問題は町議会でも議論になっている。渡辺公夫町長は昨年9月の町議会一般質問の答弁で、「すでに事業費のうち6億5千万円を使った。計画をやめれば町民の損害になる」と述べ、「過半数の賛成は得ており、賛成の7議員と相談しながら計画を進める」との見解を示していた。 原告らは昨年時点の概算事業費が約78億円で、町の予算規模に比べて過大であることのほか、予定地が川に近く、最高2メートルの浸水想定がある土地で、「安心・安全な庁舎」とする町の基本方針に反するとも訴えている。 提訴について、町は「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としている。(保坂知晃 本井宏人) 岐阜県御嵩町の新庁舎整備事業を巡る経緯 1979年 現庁舎が完成 2012年 震度6弱の地震で現庁舎が倒壊の危険があると判明 15年8月 町庁舎整備検討委員会を設置 16年2月 検討委が「災害時に行政機能を発揮できる庁舎の整備」を答申 6月 町長が現庁舎の耐震改修はせず、現地か移転して建て替えると表明 9月 町議会に新庁舎整備特別委員会を設置 12月 特別委の報告を受け、町が移転し新築を決定 18年7月 新庁舎建設基本構想を策定 21年6月 基本設計が完了 10月 農地法に基づく農地転用を県に申請 22年5月 実施設計が完了 8月 反対町議4人が「新庁舎移転の白紙撤回を求める声明」を公表 10月 住民らが公金支出差し止めなどを求め監査請求 12月 町監査委員が請求棄却 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放置車両と付近のキャリーケースから切断遺体 乗車男性は川で死亡か
和歌山県警は19日、和歌山市北島の紀の川の堤防の路上に放置されていた軽乗用車内とその付近で、切断されたとみられる性別不明の遺体が見つかったと発表した。県警は死体遺棄事件とみて捜査。近くの紀の川下流でも18日に中年男性の遺体が見つかっており、軽乗用車に乗っていた男性とみて関連を調べている。 和歌山西署によると、18日午後5時35分ごろ、近くで工事をしていた作業員から「放置車両がある」と近くの警察署に通報があった。駆けつけた警察官が軽乗用車のトランクにあった黒いキャリーケースを確認すると、血が付着し、切断されたとみられる遺体の一部が入っていたという。 付近を捜索すると、近くの河西橋の橋脚土台の上に置かれた赤いキャリーケースが見つかり、遺体の一部が入っていた。黒いケースは高さ60センチ、横40センチ、縦26センチほどのサイズで、赤いケースはそれより小さい。どちらも18日夜に見つけ、19日午前11時半ごろに中を開けて遺体を確認。成人の遺体とみられるという。 これに先立ち、車が放置されていた場所から南西に約2・5キロの紀の川下流では18日午前7時ごろ、遺体が浮いているのが見つかった。釣り人から「人が浮いている」と110番通報があった。消防のレスキュー隊がごみ処理場(同市湊)近くの消波ブロック付近から引き上げたが、死亡していた。中年の男性で、目立った外傷は見つかっていない。 男性は黒の長袖シャツと長いスパッツを着用。死後何日も経過しているような状態ではないという。県警は男性とともに、二つのケースから見つかった遺体を司法解剖して死因を調べている。 放置された車内に置かれてい… この記事は有料記事です。残り344文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル