有料記事 古庄暢 北上田剛 小幡淳一 高橋昌宏 三井新 力丸祥子2023年1月1日 10時00分 東北発のモノが海外に飛び出している。暮らしの定番も意外なものも。見慣れない海外で引き合いになり、価値の再発見につながることもある。 ■青森 薬膳やジュース多岐に 北海道に次ぐ全国2位の生産量を誇る青森県の長いもは、米国をはじめ、台湾、シンガポールに輸出されている。多い年の輸出量は1千トンを超える。 食品の輸出に詳しい日本大学の下渡敏治名誉教授によると、青森産長いもの輸出が始まったのは2001年。他の産地のものに比べて、肉質がきめ細かいのが特徴で、首都圏の中央卸売市場を通じて輸出業者の間で取り扱いが増えていったという。米国ではアジア系住民が多いロサンゼルスの食材店で販売され、台湾では薬膳料理やジュースの材料として人気だという。 県も県産輸出品の「重要品目」に指定する。県国際経済課の担当者は「食文化が近い東南アジアで販路拡大を目指したい」と話す。(古庄暢) ■秋田 のどごし・時短調理 売り 秋田県から昨年度輸出された加工食品は金額ベースで77・4%を日本酒が占める。9・6%で続くのが「稲庭うどん・麺類」だ。 のどごしの良さが特徴の稲庭うどん。「稲庭うどん 小川」(同県湯沢市、社員65人)は2016年にシンガポールとベトナムの展示会に出品したのを皮切りに海外販路を広げている。現在は40カ国と商談し、フランスなど29カ国・地域に輸出の実績がある。「麺の文化は世界中にあり、受け入れられやすい」と小川選子(えりこ)専務(50)は話す。 アメリカなどでは先行する讃岐うどんと競合することもあるが、「ゆで時間は稲庭が圧倒的に短い」とPRする。国内需要は近年、コンビニの調理麺や冷凍うどんに押されて減少している。近年は売上高の約1割が海外だといい、国内減少分を補っている。小川専務は「25年には50カ国に広げたい」と話す。(北上田剛) ■■岩手 独自技術で医療現場… この記事は有料記事です。残り1294文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
降雨なし、直近の地震なし なぜ山形県鶴岡市の土砂崩れは起きたのか
山形県鶴岡市西目で31日未明に起きた大規模な土砂崩れでは、連絡が取れない高齢の夫婦の捜索活動が続いている。現場では雨も雪も降っておらず、直近には大きな地震もなかった。なぜ、土砂崩れは起きたのか。 山形県警や鶴岡市消防本部によると、集落の北東側にある斜面が幅100メートル以上、高さ20~30メートルの範囲で崩れ、住宅や空き家、プレハブなど約10棟が土砂に巻き込まれたとみられている。 東京電機大の安田進名誉教授(地盤工学)は、「直接の引き金がなくても、ぎりぎりの状態を保っていた斜面が突然崩れることはある」と指摘する。 なぜ崩落は起きたのか、安田さんは可能性がある要素を指摘します。目立ったきっかけはないのに、土砂崩れが起きた例は過去にもありました。 気象庁によると、鶴岡市では… この記事は有料記事です。残り795文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マララさんと同じ国際賞、大阪の17歳が語る覚悟「日本は変われる」
マララ・ユスフザイさんやグレタ・トゥンベリさんと同じ国際賞を昨秋、日本人で初受賞した17歳がいます。大阪で生まれ育った川崎レナさん。「私は大人と戦いたいのではない」「日本は変われる」。そんな言葉も交えつつインタビューに語った、自身の活動にかける思いと、日本の未来に向き合う覚悟とは。 ――ノーベル平和賞を後に受けたマララ・ユスフザイさんや、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんにも贈られたNGOの「国際子ども平和賞」を昨秋、日本人で初受賞しました。オランダであった授賞式では、鮮やかな赤の和服姿でしたね。 「母の着物なんです。和服を着たのは二つ理由があって、ひとつは、黒柳徹子さんがすごく好きなんですよ。小さいころから『窓ぎわのトットちゃん』を読んでいて。黒柳さんが『海外のパーティーに行く時は着物がいいわよ』と何かでおっしゃっていたのを見て、あこがれていた」 「もう一つは、ふつうに日本が好きだから。あの場にスーツで行くのは、ちょっと違うな、と。赤い色も日本の国旗みたいでちょうどいいかな、と思いました」 ――様々な活動を通じて、若者の社会参加を促してきたことが評価されました。受賞スピーチでは「変わりそうにない日本に悔しさを感じた」と話していましたが。 「『変えられない』という思いは、私にもある」。そう語る川崎さんが、なぜ行動しながら「日本は変われる」と口にするのか。様々な活動への取り組み方や、根底にある考え方を聞きました。 「両親の勧めで大阪のインタ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アラサー女子に広がる「#リカ活」 ファンの聖地は今年30周年
仕事で疲れ果て、洗面所にうずたかく積み上がる洗濯物を見て見ぬふり。気になっている男性に誘われてバーに行ったものの、彼女の相談をされ、強いお酒を仰いで寝落ちする――。 アラサー女子の日常を、リカちゃん人形を使ったコマ撮り動画で描いたユーチューブ「現実を生きるリカちゃんねる」は、実体験に基づいたリアルさが共感を呼び、登録者数は67万人にのぼる。東京都内の企業に勤める20代女性が2020年5月に始めた。 「少しずぼらでもリカちゃんはかわいい。だったら同じようにしている自分もかわいいはず、と自己肯定感が高まる。それが『#リカ活』の魅力です」 リカちゃんを使い、時に現実の自分を、時になりたい自分を投影し、SNSに投稿して楽しむ「リカ活」。子どものころ、リカちゃんで遊んだ20~40代の女性たちを中心にブームになっている。 時代の変化と広がる楽しみ方に合わせ、リカちゃんは成長してきた。 初代リカちゃんが発売されたのは1967年。本名は「香山リカ」、11歳の小学5年生という設定だ。彫りが深くきりっとした顔から、2代目は瞳の中の星が一つから三つに増え、表情がより豊かに。3代目でストレートヘアになり、4代目は初代より身長が1センチ伸びた。 岐阜県の馬場涼子さん(33)は、おそろいの服を卒業した5歳の長女の代わりに、自分と同じ服を手作りして着せたリカちゃんの写真を、インスタグラム(@ryoko_licca)に投稿。SNS上で評価されることで、日常生活のストレスが和らぐという。「リカ活のおかげで、コロナ禍でも心に平和を取り戻せました」 さらに、ニュージーランド在住の40代女性は、これまで約30人のリカちゃんを「お迎え」した熱烈なファン。好きが高じて、スニーカーや腕時計といった小物まで手作りし、ツイッター(@petit_doll_aica)に投稿したところ、香港に住む人から「私もリカちゃんを街に連れ出して撮影を楽しんでいる」と連絡があった。女性は言う。「リカちゃんの可愛さは世界共通です」 ファンの「聖地」は福島に 【動画】2023年に30周年を迎える「リカちゃんキャッスル」=力丸祥子撮影 大人もひかれるリカちゃんが… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
紅白歌合戦「けん玉」その難しさは 失敗して聴き続けたあの人の歌
大みそかの紅白歌合戦で恒例となった「けん玉チャレンジ」。歌手の三山ひろしさんが1曲を歌う間、ステージでは100人を超えるけん玉プレーヤーが、1人ずつけん玉の「大皿」に玉を乗せていく。 ただ、失敗に終わる年もある。2019年に、86人目のプレーヤーとして出場し、失敗した男性が取材に応じて当時を振り返り、難しさを語った。 けん玉チャレンジは、17年から続くおなじみの企画だ。 けん玉の普及をめざす「グローバルけん玉ネットワーク」(GLOKEN=グロケン)の窪田保さん(41)=長野県松本市=が16年に三山さんのバックダンサーとしてけん玉を披露したことをきっかけに、翌年から始まった。 ギネスの世界記録を塗り替えようと、全国からよりすぐりのプレーヤーが集まる。 いったん皿に乗った玉がコロコロと… 東京都内のIT関連会社に勤める黒瀬公太さん(26)も、その一人だった。 大学3年生のころ、「ちょっ… この記事は有料記事です。残り1329文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元「話の特集」編集長、矢崎泰久さん死去 89歳 ミニコミ誌草分け
黒田健朗2022年12月31日 16時30分 雑誌「話の特集」の元編集長で、ジャーナリストの矢崎泰久(やざき・やすひさ)さんが12月30日、急性白血病で死去した。89歳だった。葬儀は近親者で営む。喪主は妻陽子さんと長男飛鳥さん。 1933年生まれ、東京都出身。日本経済新聞、内外タイムスを経て、65年に月刊誌「話の特集」を創刊。95年の休刊まで編集長を務めた。 「商業主義に流されず、リベラル、反権威」を掲げた同誌はミニコミ誌の草分けと言われ、小松左京、寺山修司、永六輔、横尾忠則、篠山紀信の各氏ら最先端の文化人が誌面を彩った。(黒田健朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「バリバリ!」天井が落ちてきた 土砂崩れ、助けを待った2時間半
「ゴゴゴゴ、ボボボボ、バリバリ!」 山形県鶴岡市西目の自宅2階の寝室で、ベッドで眠っていた加藤省一さん(76)は午前0時半ごろ、大きな音で目覚めた。その瞬間、天井から落ちてきた木材に体を囲まれ、中腰の姿勢のまま、ほぼ身動きができなくなった。 この時、自宅の裏山の土砂が崩れていた。 押し寄せる土砂の衝撃で2階の床も一部崩れ、ベッドは階下の駐車場の手前で止まっていた。 「予兆も何もなく、最初は竜巻かと思った」 屋外の状況が分からず、訳が分からないまま何度も「助けてー!」と叫んだ。大きなけがはなかったものの、心臓病を抱える身。雨が降る中、どんどん身体が冷えた。 自宅はいつ崩壊してもおかし… この記事は有料記事です。残り605文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
卯年生まれは997万人 新成人は18~20歳の341万人 総務省
榊原一生2022年12月31日 17時00分 2023年の「年男・年女」に当たる卯(う)年生まれの人口は1月1日現在で997万人になる推計を、総務省がまとめた。男性は485万人、女性は513万人。日本の総人口1億2477万人の8%を占める。新成人は成人年齢が22年4月1日から18歳に引き下げられ、22年中に成人(18~20歳)に達した人口は341万人となった。 卯年生まれを出生年別にみると、23年に48歳を迎える1975年生まれが最も多い186万人。72歳となる51年生まれが171万人、60歳となる63年生まれが157万人と続いた。最も若い12歳の2011年生まれは104万人だった。 今回の新成人は、成人年齢を18歳に引き下げる改正民法施行の経過措置に伴い、18~20歳が対象。18歳は前年より2万人少ない112万人、19歳は5万人減の113万人、20歳は6万人減の117万人だった。(榊原一生) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】新年祝賀の儀 コロナ禍以前、女性皇族はティアラ着用
2023年1月1日 0時00分 天皇、皇后両陛下は1日、皇族方や三権の長、各国大使らから祝いの言葉を受ける「新年祝賀の儀」に臨みます。 新年祝賀の儀は天皇の国事行為で、皇居・宮殿で行われます。 2022年には、21年の12月に20歳の誕生日を迎えた両陛下の長女愛子さまが成年皇族の一員として初めて出席しました。 通常、女性皇族はティアラを着用して出席しますが、21年と22年はコロナ禍で苦労する国民の状況に鑑み、着用をとりやめたといいます。出席者は全員、マスクをしていました。 1989年には、昭和天皇が闘病中のため、当時の皇太子さま(現在の上皇さま)が代行したこともあります。 新年祝賀の儀の歴史を写真でふりかえります。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇陛下、新年の感想を3年ぶりに発表 希望を持って歩める年へ
【動画】新年を迎える天皇ご一家、上皇ご夫妻、秋篠宮ご一家=宮内庁提供 天皇陛下は新年の感想を宮内庁を通して発表した。昨年も各地で発生した自然災害や新型コロナの影響に加え、物価の高騰や世界各地の争いなどに触れ「新しい年が我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩むことのできる年となることを祈ります」と述べた。 コロナの影響で中止となった新年一般参賀に代わって2年連続でビデオメッセージを公表していたため、文書での新年の感想は3年ぶり。 陛下は、世界各地で戦争や紛争が頻繁に起きていることについて「多くの人々の命が失われていることに深い悲しみを覚えます」とし、「国際社会において、それぞれの立場の違いを乗り越えるべく対話を重ね、協力し合うことの大切さを強く感じます」と述べた。 国内へ目を向け、約3年ぶり… この記事は有料記事です。残り321文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル