有料記事 寺島笑花、三沢敦2022年11月20日 12時30分 390年の歴史を誇る長崎の秋の風物詩「長崎くんちの奉納踊」が、3年連続で中止になった。毎年10月、長崎市の諏訪神社で20万人の観客に披露される伝統行事だが、今年は踊りの中止に加え、例大祭も異例の非公開に。神社を巡っては訴訟が相次ぐ事態になっているが、きっかけは宮司によるセクハラ疑惑だった。(寺島笑花、三沢敦) 「諸般の事情があり・・・」 今年の例大祭は非公開 長崎くんちの中日の8日に執り行われる主要神事・例大祭。例年、報道陣に公開されているが、今年は非公開で行われた。「諸般の事情があり、祭典に出席した姿が表に出た場合に不都合が発生する人がいる」。権禰宜(ごんねぎ)の一人は報道陣にそう説明した。 長崎くんちは1634(寛永11)年、遊女の高尾と音羽が神前に小舞を奉納したことに始まるとされる。長崎くんちでは、旧長崎市街の各町(踊町・おどりちょう)の氏子たちが7年に1度回ってくる当番の年に「龍踊(じゃおどり)」や「鯨の潮吹き」「コッコデショ」など各町に伝わる演(だ)し物を奉納。6月から稽古に入る。交易のあったオランダや中国などの影響を色濃く残し、1979年に「長崎くんちの奉納踊」として国の重要無形民俗文化財に指定された。 そんな奉納踊の3年連続中止が決まったのは、稽古始めを1カ月後に控えた4月末。氏子代表らが会見で中止の理由の一つとしてあげたのが、宮司によるセクハラ疑惑だった。 来年のくんち、どうなる? 神社の神事を取り仕切る宮司のセクハラ疑惑をきっかけに、伝統の奉納踊を担う地域の氏子たちは、宮司の辞任を求めて宮司側と対立しています。来年の奉納踊は行われるのでしょうか。記事後半で紹介します。 「私はたった一言『すみませんでした』という言葉が欲しかっただけです。お金なんて必要ありません。その言葉をこの数カ月待っていました」。1月の提訴に先立ち、女性の代理人弁護士が開いた記者会見。女性はこう記したメモを寄せた。 宮司に慰謝料1万円の支払い… この記事は有料記事です。残り3124文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
進化する“瀬戸内ナポリ料理” シェフの思い、タコのパスタに結実
■オステリア オ ジラソーレ(兵庫) 「独立当初はナポリ料理をそのままやろうとしていました。『何でナポリ?』って言われながら」と、20年前を振り返るのは、オーナーシェフの杉原一禎さん。 まだイタリア郷土料理という言葉が浸透していない時代に、ナポリ料理を根付かせた立役者だ。 それが今、「ここでやれる料理をしたい。ただし、イタリア人の師匠に『旨(うま)いやん!』って言われる料理」と、肩の力が抜けた自然体で笑う。 「テーマは、瀬戸内の魚介と… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
靴を履かず道端に座る高齢女性 女子高校生2人は勇気出して声かけた
とっぷりと日が暮れ、自転車をこぐ学校からの帰り道。道端で座り込んでいる人のそばを通り過ぎた。「やばいよねえ」「うん」。女子高校生2人は自転車を止めて駆け寄った。 10月19日午後7時40分ごろ、愛媛県立今治北高校1年の日和佐芽衣さん(16)と神野心優(みゆ)さん(16)は、染色工場やアパートが立ち並ぶ今治市南日吉町1丁目の道路を自転車で下校していた。すると、道端で点滅する光に気づいた。通り過ぎる際、それは懐中電灯の光で、持った人がひざを抱えて座り込んでいるとわかった。 2人はすぐさま自転車を降りてその人の元へ。リュックを背負いバッグを持った高齢の女性が寒さで震えていた。「けがはありますか」と尋ねると、女性は「痛いところない。ちょっと立てんくなっただけ」。 2人で抱きかかえるようにして女性を立たせた。女性は靴を履いていなかった。「履いてない方が歩きやすい」と話した。 心配する2人に「暗くなったけん景色がわからんくなっただけ。もう家もわかるけん大丈夫よー」と女性。受け答えはしっかりしているが、支えがないと立っていられないようだった。自宅の場所を尋ねると「本当に近く」と答えたが、詳しく聞くと思ったより遠かった。 2人は女性の家までついていくことにした。女性の両側に立ち、腕を取り背中をさすりながら、女性に合わせた速さで歩き出した。 50メートル以上歩いたところで、女性の荷物の中身を確かめてみると、バッグの中のメガネケースに、女性の氏名、自宅の住所と電話番号が記された紙きれが入っていた。 電話すると女性の息子が出た。その数時間前に女性の姿が見えなくなり、今治署に行方不明者届を出し、自宅で警察官に説明していたところだったという。 日和佐さんは「たまたま私たちがすれ違えただけ。おばあちゃんに会えて、助けてあげられて本当によかった」と話した。 神野さんは「勇気を出して声をかけてよかったなと思う。その時は『行かないかん』と、何も考えてなかった」と振り返った。 今治署は10日、「思いやりのある行動」で女性の保護に寄与したとして、日和佐さんと神野さんに感謝状を贈った。(中川壮) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
メイクもジェンダーレス時代 男性も「自分らしさ」かなえるツールに
メイクをたしなむ男性が増え、名古屋でも百貨店の売り場拡大や専門店設置の動きが相次ぐ。市場を牽引(けんいん)するのは従来のジェンダー規範に縛られない若者世代だ。「男らしさ」から「自分らしさ」の時代へ。ジェンダーレスの流れがコスメの世界にも波及している。 「眉頭を顔の中心に少し近づけるように描くと、りりしい印象になりますよ」 18日、JR名古屋高島屋のメンズコスメ売り場。スタッフが男性客に声をかけながらメイクを施した。 目の下のクマ、気になりだして… 名古屋市内から訪れた加藤大智さん(39)には初めてのメイク体験だった。「何もつけていないような自然な仕上がりなのに、顔立ちがはっきりと見えるようになって驚きました」 鏡に映った自分の顔を見て… この記事は有料記事です。残り1457文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
23匹の犬と歩んだ37年 全国最長の「警察犬係」が学んだこと
日本歴代最長の警察犬担当 事件や災害、行方不明者の捜索で活躍する警察犬。彼らと日本一長く向き合ってきた現役の警察官が、福岡県にいる。37年間をともに歩んだのは23匹。県警の訓練所にレジェンドを訪ねた。 「トムは動けなくなってからが長くて。1年つきっきりで介護した」「ジャックは不法投棄現場に埋められた遺体を発見した」「エースは一番手がかかったけど、最後は行方不明者を何人も見つけた」 訓練所に飾られた犬たちの写真を眺めながら、警部補の村上年一さん(58)が説明してくれた。肩書は鑑識課の警察犬係長だ。 高校生のときに警察犬に興味を持った村上年一さんは、警察官として23匹と歩んできました。記事の後半では、「相棒」たちと解決してきた数々の事件、そして別れを紹介します。 子どもの頃から雑種犬やリス、インコなど色んなペットを育てていた。夢は動物園の飼育員。そんな少年が3匹目の犬として世話を始めたのが、シェパードのターガだ。 初めての大型犬。「飼うならしつけが必要だ」と、高校2年のときに両親に連れられ、民間の訓練施設を訪れた。 預けたターガが「伏せ」などを次々と覚える姿に感銘を受け、訓練士に興味が湧いた。電話帳で調べた各地の施設に「訓練士になりたい」と手紙を書いては、見学に出かけた。 1980年。ある訓練所で、県警が74年から警察犬の運用を始めていると聞いた。「捜査現場に出る犬の訓練はやりがいがありそうだ」。高校を卒業し、警察官をめざすことにした。 先輩に隠れて試した妙案 警察署に配属されて1年半後の84年、念願の警察犬担当に。運用開始から既に2匹が引退していたが、訓練所の犬舎には、現役のタローとジロー、トムの3匹とともに、引退した初代警察犬のタンがいた。 犬舎の掃除に始まり、訓練を… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真】消費者を釘付けに 「あの手この手」のアナログ広告たち
朝日新聞写真館 戦後の混乱が徐々に落ち着きを取り戻したころ、出現したあの手この手の広告や宣伝はアナログだが、消費者に直接届くように工夫されていた。 ドラマを演じる。巨大なダイヤルを回す。足跡を読ませる――。生身の広告に見る人の目は釘付けだった。 紙幣のばらまきに至っては、人々を露骨に刺激したことだろう。 現代はデジタルによって情報… この記事は有料記事です。残り270文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三重や愛知を車で連れ回し、繰り返し暴行か ドラム缶遺体遺棄事件
コンクリート詰めされたドラム缶から愛知県小牧市に住む男性の遺体が見つかった事件で、傷害致死容疑で逮捕された男4人は、男性を自宅で暴行死させるまで、同県や三重県などを車で連れ回していたことが捜査関係者への取材でわかった。愛知県警はこの間に4人が断続的に暴行を加えていたとみており、亡くなるまでの詳しい経緯について調べている。 逮捕されたのは、内装会社代表の勝田茂(51)=小牧市=、同社従業員奥村博(49)=住居不定=、いずれも下請け業者の小枝浩志(62)=名古屋市北区=、横井秀哉(48)=小牧市=の4容疑者。県警によると、4人は2015年2月上旬、同県や三重県などで、平塚崇さん(当時26)に殴る蹴るなどの暴行を加え、死亡させた疑いがある。 捜査関係者によると、暴行は、4人が平塚さんを車で連れ回している間に断続的に行われていたという。その後、当時平塚さんが住んでいた小牧市の集合住宅の一室に戻り、暴行死させたとみられる。 平塚さんは勝田容疑者から内… この記事は有料記事です。残り232文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カジノなき横浜「ヒントは現場に」 就任2年目の市長が描く未来図は
有料記事 小林直子、足立優心2022年11月20日 7時00分 政治経験のない研究者から377万都市の首長へ――。 昨年夏の横浜市長選で初当選した山中竹春市長が就任2年目に入った。基礎自治体として最大の人口を抱える横浜も昨年、戦後初めて人口がマイナスに転じた。横浜のあすをどう描いていくのか、山中市長に聞いた。 ――8月末に発表した中期計画の素案で「子育てしたいまち」を基本戦略としました。首都圏の他都市とどう差別化を図るのでしょうか。 横浜には子育て世代にとって魅力的なブランド力が元々ある。しかし、給食の供給体制や待機児童・保留児童の対策、郊外部の移動手段など近隣都市に比べて取り組むべき課題がある。 子育て世代への直接的な支援と、安全安心な生活環境を作ることで、都市の魅力をさらに高め、定住人口の増加を図りたい。 高齢者にとって「子育てしたいまち」は? ――子育てしたいまちを掲げたことで、後回しにされたと感じる高齢者もいるのでは。 記事の後半で、昨夏の横浜市長選から取材してきた記者が山中市政の課題を探ります。 自治会の人と話をすると、社… この記事は有料記事です。残り1080文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帆船バックに迫力の演奏 宮崎市立大淀小が金賞 全日本バンドフェス
19日に大阪市の大阪城ホールであった第41回全日本小学生バンドフェスティバル(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)に、宮崎県内から九州支部代表で出場した宮崎市立大淀小は金賞を受けた。 演奏した曲は「バルバレスク~ウインドオーケストラのために」(片岡寛晶作曲)。「バルバレスク」は海賊を意味する言葉で、背景に海を進む帆船の絵を置き、部員25人が迫力ある演奏を披露した。 打楽器を多用する曲で、打楽… この記事は有料記事です。残り151文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「養鶏王国」宮崎県で鳥インフルの疑い 移動自粛を要請、詳細検査へ
宮崎県は19日、新富(しんとみ)町の養鶏場で数羽の死んだ鶏が見つかり、鳥インフルエンザの簡易検査の結果、陽性が確認されたと発表した。県の家畜保健衛生所でPCR検査をし、国が高病原性と判定すれば殺処分に入る。 この養鶏場では採卵鶏16万羽を飼育している。19日午前9時ごろ、家畜保健衛生所に「死んだ鶏が増えた」と通報があり、午前11時半ごろに現地で陽性を確認した。県は感染拡大の懸念から、この農場からの鶏の持ち出しを禁止し、半径10キロ以内の83農場(飼育数約332万羽)に移動の自粛を要請した。感染が確定した場合、この養鶏場から半径3キロ以内を「移動制限区域」、半径3~10キロ以内を「搬出制限区域」に設定する。 宮崎県は肉用のブロイラー出… この記事は有料記事です。残り142文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル