会議室のモニターに映し出されたのは、脳の一部が赤色で活動が強いことを示す画像。「何に関連したところだと思う?」。27日、奈良県立青翔中学校・高校(御所市)でいじめ防止に関する講演会が開かれた。講師の石田達也弁護士は「大事なのはいじめの恐ろしさを知ることです」と強調した。 石田さんはいじめに関する事件を多く手がける。脳の画像は、「仲間はずれ」にされると脳はどう反応するかという実験の結果だ。「赤いのは痛みを感じる部位です」。暴力を伴わないいじめでも痛みを感じると説明した。「たった2分間でも痛みとして察知するんです」 石田さんは「仲間はずれ」にされた時の脳の反応が、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した人に近いといった実験結果も示した。PTSDは帰還兵や消防士ら、生きるか死ぬかの経験をした人が多く発症すると話し、仲間はずれにされることで、戦場に行くのと同じショックを受け、長期的な影響があると話した。 被害者の救済、加害者の更生… この記事は有料記事です。残り432文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
緊急走行中のパトカーが踏切の遮断棒と接触、南海電車が緊急停止
松永和彦2022年10月29日 13時15分 29日午前7時半ごろ、大阪市浪速区立葉1丁目の南海高野線の踏切で、緊急走行中のパトカーが、降りてきた遮断棒と接触した。パトカーは踏切を抜け電車の緊急停止ボタンを押し、やってきた電車はブレーキをかけたものの、パトカーとの接触で折れた遮断棒をひいてから停止した。警察官や電車の乗客らにけがはなかった。 大阪府警浪速署によると、パトカーは男性巡査長(25)が運転し、助手席の男性巡査部長(42)と共に警備会社からの通報があった現場へ走っていた。サイレンを慣らしていたため警報音に気づかず踏切に入り、パトカーの赤色灯が、降りてきた踏切入り口の遮断棒に接触したという。 南海電鉄によると、緊急停止したのは岸里玉出発汐見橋行きの2両編成の普通電車で、約10人が乗っていた。5分ほど遅れたという。現場の遮断棒はすでに取り換えているという。 同署の京楽健大副署長は「再発防止に向け、指導を徹底してまいりたい」とのコメントを出した。(松永和彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佳子さまも参列、春日大社の神様のお引っ越し「本殿遷座祭」
20年に1度、春日大社(奈良市)の摂社・若宮神社で社殿の修理や神宝の修理をする「式年造替(しきねんぞうたい)」が終了し、28日に神様を仮殿から本殿に戻す「本殿遷座祭」があった。 祭礼に参列するため、同日午後、皇室から秋篠宮家の次女・佳子さまが同大社を来訪。大社本殿と若宮仮殿に参拝した後、修理を終えた若宮本殿を視察した。花山院(かさんのいん)弘匡(ひろただ)宮司から、神社の歴史や建物についての説明を受け、時折うなずきながら聞いていた。 29日は遷座した神様に神楽(かぐら)や舞楽(ぶがく)を奉納する奉祝祭がある。また30日から11月下旬まで、芸能の神でもある若宮神社の式年造替完成を祝い、さだまさしさんらの奉納コンサートなど、様々な奉祝行事が開かれる。(今井邦彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヤングケアラー家庭に夕食の弁当を 冬休み控え支援強化、企業も協力
大人に代わって家族の世話をする「ヤングケアラー」の子どもや若者を支援する「NPO法人こどもソーシャルワークセンター」(大津市)が、来月からヤングケアラーの家庭に弁当を無料で配達するフードデリバリーを始める。学校という居場所がなくなる冬休みを控え、支援を強化する。 日常的に家事を担う子どもたちの夕食づくりの負担を軽減しようと企画した。病気の母親に代わって家事を担っている高校生の上田二衣奈(にいな)さん(17)も企画に携わった。「授業中に今日のご飯どうしようと考えたり、学校から帰って急いで買い物に行ったりと、料理と買い物が一番大変だった。お弁当があることで少しでも子どもたちの負担を減らしたい」と話す。 初回は11月11日、吉野家から協力を受け牛丼を用意し、大津市内の約10家庭に配達する予定だ。今後、配食数を増やし県内の各地域に広げていきたいという。 支援事業を担当する職員の東岡伶弥さん(26)は、かつてヤングケアラーだった。小学生の時に父親が病気で倒れ、2人の妹の世話や料理などを担ってきた。 東岡さんは「自宅に直接宅配することで家の状況や子どもたちの様子を把握できる。次の支援にもつなげていきたい」と話す。 センターは今年度、ヤングケアラーの子どもや若者を対象に、泊まりがけのキャンプをするなど居場所づくりに力を入れてきた。東岡さんはこれから迎える冬休みを危惧する。冬休み中も子どもらが参加できる特別活動を考えており、「家にいるしかない子どもたちは多い。センターの特別活動で少しでも楽しい冬の経験をしてほしい」と話す。 センターでは、フードデリバリーや宿泊事業などを実施するため、クラウドファンディング(https://www.plus-social.jp/donation.cgi?pjid=131)で応援資金を募っている。10月末まで。 センターの幸重忠孝理事長は「体験活動を通じて子どもたちに学校でも良い変化が見られるなど手応えを実感している。県内全域に活動を広げていきたい」と話す。(林利香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高山祭の足元支えて1世紀 92歳女性が営む下駄屋が来春閉店へ
有料記事 ライター・森川洋2022年10月29日 10時30分 25畳ほどの大きさの店に、下駄(げた)や雪駄(せった)、草履、わらじが並ぶ。岐阜県高山市の中心部、上一之町にある和装履物の専門店「まえだ」はほぼ1世紀、高山祭の「足元」を支えてきた。92歳の前田まさ子さんが独りで店を守ってきたが、来年4月の春の高山祭が終わったら、閉めるという。 東京・浅草などから鼻緒と台を別々に仕入れてすげるのが「まえだ」の流儀だ。足を台に乗せてもらい、合わせながらすげることもある。 品質にこだわり、鼻緒は主に絹が使われる。値段は下駄が4千~8千円、草履が1万~2万円台。雪駄は、表がタケノコの皮や籐(とう)、裏が牛革だと3万円近くと安くない。わらじは作り手から直接仕入れている。 創業は「100年ほど前の大正後期」という。店に残る「昭和十五年」(1940年)版の「高山履物組合」の名簿によると、当時の組合員は49人。1952年に22歳で結婚したまさ子さんは、創業者の義父太津蔵さんと店を切り盛りした。「同業が55軒あったこの少し後の頃がピークかな。みんなが下駄や草履を履いていた時代」と振り返る。昭和時代の飛驒高山は普段の暮らしの中で和装が息づき、郡部からも買い求める客でにぎわった。 昭和の往時を知る前田さんが、商いを続ける思いを語ります。 太津蔵さんに続き、義母が30年前に亡くなってからは独りで商ってきた。3年前に他界した夫の政一さんは、旧国鉄高山線の運転士を定年まで務め、店には携わらなかったが、春の高山祭では屋台の運営を仕切る重鎮だった。 春、秋の高山祭で、屋台を守… この記事は有料記事です。残り363文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真】命がけの通学 児童たちをおびえさせた「交通戦争」
朝日新聞写真館 走り抜ける自動車から身を守るように、側溝の中を歩いて通学する児童たちはおびえていたにちがいない。 むち打ち症の治療は恐ろしいほどに痛々しく、国道246号にはバスと車が延々と連なっている。歩道橋でも歩行者の大渋滞が起きていた。 交通白書によると、自動車の… この記事は有料記事です。残り300文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
朝鮮人虐殺に言及の映像、東京都職員がメールで「懸念」 都は釈明
東京都の人権施策担当の職員が、都の外郭団体主催の企画展で、関東大震災後の朝鮮人虐殺を事実として述べた場面がある映像を上映することに「懸念がある」としたメールを団体側に送っていたことが分かった。小池百合子知事が毎年、大震災の朝鮮人犠牲者を悼む式典に追悼文を送っていない点にも言及していた。都は28日、メールのこれらの部分について「必要のない表現だった」などと釈明した。 企画展は、都の委託を受けた公益財団法人「東京都人権啓発センター」が管理する都人権プラザ(港区)で8月30日から11月30日の日程で開催。「精神障害」をテーマに、都内在住の美術家、飯山由貴さんが出展している。メールで取り上げられた映像は出展予定作品の一つで約26分間の内容。戦前に都内の精神科病院に入院していた朝鮮人の記録を取り上げ、当時の朝鮮人の社会的状況について研究者がインタビューで答えたり、在日コリアンのアーティストが心情をラップで表現したりする場面などで構成していた。 都とセンターによると、メー… この記事は有料記事です。残り1048文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「いつか全国に」→創部4年で実現 全国経験した教諭が作った合唱部
第75回全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催)が29日、青森市で開幕する。30日の中学校部門・同声の部に登場する熊本市立出水中は、わずか創部4年目で全国大会初出場を果たした。 2019年春、体育館に生徒を集めて開かれた「部活動紹介」の行事。各部によるパフォーマンスの最後、赴任したばかりの高野理沙教諭が1人でフロアの真ん中に立った。 「合唱部を作ります。いつか全国大会に連れて行きます。一緒に夢をかなえましょう」 34人が集まり、合唱部が発足した。 高野教諭は熊本大付属中の生… この記事は有料記事です。残り870文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
キャンプ用品の在庫かさみ損失 通販会社「ブームは続いているが…」
大平要2022年10月28日 20時15分 通信販売事業を展開する「スクロール」(浜松市)では今年の春夏シーズン、キャンプなどアウトドア用品の販売に急ブレーキがかかった。コロナ禍によってブームになったアウトドアだが、新規参入が相次ぎ、価格競争が激化したためという。 同社が28日発表した2022年9月中間決算では、アウトドア用品を扱うサイトを運営する子会社のナチュラム(大阪市)でテントやバーベキューセットなどの在庫がかさみ、2億5700万円の評価損を出した。 杉本泰宣・取締役経営統括部長は「『おひとり様キャンプ』など、コロナ禍でアウトドアの市場は急激に広がった。ブームは衰えていないが、競争相手が増え、値引きがすごくて厳しい」と述べた。今後は、独自商品の開発に力を入れ、建て直しを図るという。 通販では、カタログ用紙のコスト増や円安による仕入れ価格の上昇の影響も受けている。先行きは、節約志向の高まりも心配だ。 9月中間期の売上高は409億円(前年同期比2.1%減)、純利益は23億円(同27.8%減)。来年3月期の業績予想は、売上高790億円(前期比2.9%減)、純利益31億円(同44.5%減)に引き下げた。(大平要) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会側と「政策協定」、山田外務副大臣も 政務三役で2人目
2022年10月28日 20時20分 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体が国政選挙で自民党の国会議員に事実上の「政策協定」を求めていた問題で、同党の山田賢司外務副大臣が28日、友好団体から提示された文書に署名していたことを明らかにした。「世界平和連合」の「推薦確認書」に昨年9月に署名したという。 岸田政権の政務三役が「協定」を結んでいたと認めたのは、大串正樹デジタル兼内閣府(消費者など担当)副大臣に次いで2人目。 山田氏の事務所によると、昨秋の衆院選直前に団体側から文書を提示され、署名したという。山田氏は「選挙直前の慌ただしい中とはいえ、内容をよく確認せず署名したことは軽率だった」「政治活動への影響は一切ございません」と釈明。文書の具体的な内容については「すぐにはわからない」(山田氏の秘書)という。 山田氏は、朝日新聞が8、9月に全国会議員を対象に実施した教団側の関係をたずねるアンケートで「献金を受けたりパーティー券を買ってもらったりしたか」との問いに「はい」と答え、接点を認めていた。自民党が公表した教団との関係をめぐる点検調査でも、「関連団体の会合への出席」が確認されていた。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル