8月に開かれ、9月に日本テレビ系列で放送された第42回全国高校クイズ選手権で、開成中学・高校(東京)のクイズ研究部が10年ぶり4度目の優勝に輝いた。優勝チームの3人は「クイズと受験勉強には共通点が多い」と口をそろえる。膨大な知識をどうやって記憶しているのか。3人に暗記術やクイズの魅力について語ってもらった。(武田啓亮) 1994年、北極点――。 ここまで問題文が読まれたところで、開成高2年の西頭陽生(にしとうようせい)さんが早押し機のボタンを押した。 全国高校クイズ選手権決勝戦。あまりに早いタイミングに周囲がざわめき、チームメイトの2人も不安そうな視線を送る。「アーリング・カッゲ」。よどむことなく答えた西頭さん。一瞬の間を置いて「ピンポンピンポン」と正解を知らせる電子音が鳴った。 「大会で一番のファインプレー。正直、誤爆したかと思った」。櫻井聡真さん(2年)はあの瞬間を今でも鮮明に覚えている。部長の青柳翼さん(2年)も「優勝に向けて流れをこちらに引き寄せるきっかけになった」と振り返る。 早押しクイズの問題文には、ここまで読めば答えを一つに絞り込めるという「確定ポイント」がある。西頭さんは「北極点という言葉が出た時点で探検家の話だと絞り込めた」。カッゲは北極点、南極点、エベレストの「三極点」を初めて徒歩で制覇したノルウェーの探検家。94年は、カッゲが最後の3点目となるエベレストに登頂した年だという。 3人は膨大な知識をどうやって記憶しているのか。 ポイントの一つは、感覚と結… この記事は有料記事です。残り2014文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東明館高、野球部監督のパワハラ認定 暴言などで停職7日の処分に
大村久2022年10月26日 11時14分 佐賀県基山町の私立東明館高校は25日、常習的な暴言などのパワーハラスメント行為があったとして野球部監督を17日から7日間の停職処分にしたと発表した。日本高野連にも報告したという。 発表によると、9月12日に匿名で監督の部員に対するハラスメント行為を伝える書面が学校に届き、校内での聞き取りなどを経て審査委員会を立ち上げて審査。常習的な暴言のほか、「けがに対する対応」などについてパワハラ行為を認定した。監督は2019年8月に就任し、21年夏に初の甲子園出場に導いた。(大村久) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「デザートうどん」は衝撃の味 高校生が考案、食の甲子園決勝へ
見た目はスイーツだけど味は麺――。福岡県立福岡講倫館高校(福岡市)の生徒3人が生みだした「福岡デザートうどん!」が、第11回「ご当地!絶品うまいもん甲子園」(全国食の甲子園協会主催)の九州代表に選ばれた。指導した家庭科の山﨑乃布子教諭も「想像を超えた衝撃の味……」と戸惑う一品だが、審査員は「おいしい」と絶賛。11月27日の決勝大会に挑む。 地元の食材がてんこもりの一品だ。カップの底には八女茶うどん。その上に郷土料理「かしわめし」に使われる鶏そぼろを重ね、じゃがいものクリームで覆った。トッピングは、地元産イチゴ「あまおう」だ。 「福岡の魅力を伝えるメニューにしたい」と、山﨑教諭の授業を一緒に受けていた3年の藤村正太郎さん(17)、古久保あみさん(18)、渡邊結衣さん(17)が試行錯誤を重ねた。 「見た目の愛らしさを狙ったら、不思議な料理が生まれた」 さらに味を磨こうと、ホテル… この記事は有料記事です。残り390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佐世保市の同級生殺害事件、記録廃棄は「適切でなかった」 長崎家裁
寺島笑花2022年10月26日 11時36分 2003年に起きた長崎市男児誘拐殺害事件と、04年に起きた佐世保市同級生殺害事件の記録を長崎家裁が廃棄していた問題で、同家裁は当時の経緯を調査した結果、両事件とも「特別保存」として記録を残すかどうかの具体的な検討の形跡が無かったことを明らかにした。家裁は「経緯は不明だが、特別保存とされなかったために廃棄した」とし、当時の対応は適切ではなかったと結論づけた。 最高裁は、少年事件の記録の保存期間を「少年が26歳に達するまでの期間」と定めている。一方、「世相を反映した事件で史料的価値の高いもの」「全国的に社会の耳目を集めた事件」などは、保存期間経過後も廃棄しない「特別保存」の対象としている。 同家裁によると、長崎の両事件とも加害者が26歳を超えた後に記録を廃棄したという。取材に対して家裁は「現行の運用に照らすと、当時の対応は適切ではなかった」と回答。調査で当時の文書が見つからなかったことから当時の判断過程について検証することは困難だとして、今後追加調査は予定していないという。今後は「運用要領に照らして、適切に運用していく」としている。(寺島笑花) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トランクスに「詐欺撲滅」 遅咲き30歳の異色ボクサーが狙う新人王
11月3日に開かれるプロボクシングの東日本新人王トーナメント決勝戦に、異色の遅咲きボクサーが駒を進めた。スーパーバンタム級(55・3キロ)に登場する二葉恒輝さん(30)の本職は、パトカーに乗る警察官。署の同僚や地域の期待を一身に受け、当直明けや休日に重ねた地道な努力と情熱で新人王を狙う。 長野県松本市の松本ACEボクシングジム。二葉さんは非番や休日を利用して、週に3、4日、夕方からここで練習する。 入念にバンデージを巻き、シャドーボクシングを繰り返す。トレーナーが構えたミットを打ち、サンドバッグに得意の重い左フックをたたき込む。 練習はみっちり2時間半。普段は柔和な表情だが、ジムにいる間の目は鋭い。 当直明けは1ラウンドで息が上がる ジムの高山祐喜会長は、二葉さんが初めてやって来た5年前のことを鮮明に覚えている。 すぐにでもプロになれる技量は備えていた。ただ、警察官という激務のせいなのか、スタミナが明らかに不足していた。 特に当直明けの練習では、たった1ラウンドのスパーリングでさえ肩で息をする。パンチを放った後のガードは甘く、連打を浴びると泣き顔になる精神的な弱さも気になった。 二葉さんは地道にロードワークに取り組み、スタミナを徐々に取り戻していく。試合を重ねるにつれて、ガードの甘さは影を潜め、精神的にもタフさを増していった。 高山さんは「新人王トーナメントに挑むプロボクサーとして、30歳は遅咲きかもしれないが、確実に強くなっている。得意の接近戦に持ち込み、逃げることなく勝ち切ってほしい」と期待を寄せる。 大学でボクシング部に、フライ級で活躍 福岡県北九州市出身の二葉さんは、子どものころから細身で小柄だった。その反動からか、強さを競う格闘技への憧れを持ち続け、1年浪人して入学した関西学院大学でボクシング部に入部した。 164センチの体は、受験勉強の影響で70キロ近くまで増えていた。アマチュアでの適性を考えてフライ級(52キロ)での戦いを選び、過酷なトレーニングを重ねて大幅な減量に成功。半年後のデビュー戦で勝利を飾った。 「ジャブやフックなど様々なパンチを覚えることは楽しく、成長していることを実感できた」。勝ち負けにこだわる世界に身を置いたことは、大きな自信も身につけた。 大学卒業後は、もう一つの憧れだった「正義を担う」警察官を志す。ところが、福岡県警の試験に合格できず、いったん不動産会社に入社した。2年後、学生時代に趣味としていた登山で何度も訪れた長野県警に採用され、松本署に配属された。 サンドバッグをたたき、復活した情熱 ボクシングに打ち込むのは大学の4年間だけと決めてはいた。ただ、警察官に必要な体力を維持するために、筋力トレーニングと走り込みは欠かさなかった。 警察官になってからもトレーニングを続け、ほどなくして「あの頃の情熱が忘れられなかった」とジムに通いだす。 サンドバッグをたたき、スパーリングで拳を交えるうちに、かつて味わった勝利への欲求に飢え始めていった。 長野県警に採用されてから1年後、「厳しい世界に飛び込むため、プロテストを受けたい」と上司に打ち明けた。ダメだと言われたら、警察官を辞める覚悟だった。 すると、上司は背中を押してくれた。 「警察官との両立は困難かもしれないが、挑戦する価値はある。頑張ることで地域の人たちを感動させてほしい」 他の署員たちも二葉さんの挑戦に賛同し、カンパを募って試合用のトランクスを作ってくれた。表側には「電話でお金詐欺撲滅」の文字を入れ、裏側には県警の採用広報のうたい文句「PRIDE」をあしらった。 試合も捜査も大ぶりなパンチは当たらない 二葉さんは現在、地域第1課の自動車警ら班に所属する。パトカーに乗って地域をくまなく巡回し、不審者に職務質問をしたり、交通違反を取り締まったりしている。 ボクシングと警察官の仕事には共通する部分があると感じている。試合でも捜査でも、やみくもに放つ大ぶりなパンチはまず当たらない。 「勝つためには地道にジャブを放ち、犯人検挙のためには地道に職務質問を重ねる。根底は同じ理屈だ」と思う。 後楽園ホール(東京都)で開かれる決勝戦に勝利すれば、県内のジムとして初の新人王となる。 勝利にこだわるプロボクサーとして、地域を守る長野県警の警察官として――。二つの矜持(きょうじ)を胸に、二葉さんはリングに立つ。(安田琢典) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新聞記事でたどる「日本のアンデルセン」 久留島武彦の資料集刊行
子どもらに童話を語り聞かせる口演童話家として知られ、「日本のアンデルセン」と呼ばれた久留島武彦(1874~1960)。その足跡を新聞記事でたどる資料集が出身地の大分県玖珠町と町教育委員会によって刊行された。韓国・釜山出身の一人の研究者が思いを込めてまとめた。 久留島は晩年まで口演行脚に心血を注ぎ、各界の著名人に影響を与えた。日本にいち早くボーイスカウト運動を紹介し、青少年教育にも熱心だった。幼稚園の経営者、新聞記者など幅広い分野で活躍。「継続は力なり」という格言の生みの親でもある。 玖珠町でこの春、開館5周年… この記事は有料記事です。残り555文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
27園出しても入れない 保活激戦続く横浜「育休延長ならまた転職」
第一希望の保育園は、自宅から歩いて30分かかる。「少し遠いけど、入れるだけでありがたいんです」 横浜市港北区で0~4歳の3人の子どもを育てる男性(28)はこう話す。 横浜市で認可保育園の利用申請書の配布が始まった12日、末っ子の次男の申請書を取りに区役所に来た。 認可保育園などの利用申請が今年も各地で始まりました。全国の「待機児童」は今年4月時点で2944人で、4年連続で過去最少を更新しましたが、横浜市では認可保育園などに入るのが難しい「保活激戦区」があります。記者が激戦区を歩きました。 申請書に10カ所書いて入園できたが… 男性は、長女(4)の保活でかなり苦労した。 1歳児クラスでの入園をめざし、申請書に10カ所ほど希望園を書いた。入園はできたものの、その園は「1年間だけなら預かれます」。 1年後に転園した保育園は、自宅から徒歩で30分かかる場所にあった。 妻は2人目の長男(2)の育休中に会社に代替要員が採用されて転職することになり、いまはパートで働く。 長男は長女と同じ園に通っているが、次男が保育園に入れる保障はない。 「もし、育休を延長すること… この記事は有料記事です。残り2028文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
亀岡暴走事故、保護処分を受けた少年らの記録も廃棄 京都家裁
徳永猛城、屋代良樹2022年10月26日 5時00分 全国の家裁で少年事件の記録の廃棄が相次いで発覚するなか、京都府亀岡市で2012年、無免許運転の車が集団登校の小学生らの列に突っ込み、10人が死傷した事故を巡り、保護処分を受けた少年らの記録を京都家裁が廃棄していた。家裁が25日、取材に対して明らかにした。 この事故に関連して、少年6人が道路交通法違反(無免許運転)などの容疑で逮捕され、運転をしていた少年ら3人は検察官送致(逆送)を経て起訴され、懲役5~9年の不定期刑や執行猶予つきの有罪判決、罰金刑を受けた。残る3人については、少年法に基づき、家裁が保護観察や中等少年院送致の保護処分とした。 家裁によると、19年2月~21年3月、保護処分を受けた少年3人の記録などを廃棄していた。逆送した3人についても、京都地検に送付していなかった家裁調査官の調査記録を廃棄していた。家裁が廃棄理由などを調査している。 事故の遺族らは、無免許など悪質な運転の厳罰化を求めて署名活動などを展開した。13年に成立した自動車運転死傷行為処罰法では、無免許運転で死傷事故を起こした場合に刑が重くなる規定が盛り込まれた。 この事故で妊娠7カ月の長女・松村幸姫(ゆきひ)さん(当時26)を亡くした中江美則(よしのり)さん(59)は取材に対し「法整備にもつながった事案なのに、遺族に連絡せずに廃棄した姿勢に落胆している。次の犠牲者を出さないためにも、次世代が参考にできるよう記録を保管すべきだ」と話した。(徳永猛城、屋代良樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会調査、「年内着手」へ急ぐ文化庁 教団は「改革」強調
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への「報告徴収・質問権」行使に向けた有識者会議の初会合が開かれ、教団の解散請求を視野に入れた政府の手続きが始まった。一方、教団は「改革」を訴えイメージの一新に躍起だ。 「年内のできるだけ早いうちに」 「旧統一教会に対して、報告徴収・質問権を適切に行使すべく、手続きを進める所存だ」 宗教法人法に基づく「報告徴収・質問権」行使に向けた文化庁の有識者会議が開かれている最中の25日午前、永岡桂子文部科学相は記者会見で、この権限を使った初の調査への着手に強い意欲を示した。 岸田文雄首相が国会で報告徴収・質問権を行使し、教団を調査する考えを示したのは今月17日。永岡文科相も国会で「年内のできるだけ早いうちに権限を行使」と期限に触れ、権限行使にあたっての基本的な考え方や基準を明確化するために有識者会議を設置すると表明した。以降、宗教法人を所管し、一連の問題を取り扱う文化庁の作業は急ピッチで進んでいる。 25日の有識者会議の冒頭、文化庁の合田哲雄次長は「次回の会議で一定の方向性を共有したい」と日程に言及。会議後の文化庁の説明によると、有識者からは「信教の自由に配慮することが大事」との意見もあったが、質問権の行使や基準策定に大きな異論は出なかった。また、「(宗教法人法が解散要件に定める)『法令違反』には民法の不法行為も入る」と、これまでの政府の見解に沿った意見も出たという。 文化庁の担当者は、早ければ… この記事は有料記事です。残り1529文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柔道整復師試験、他の専門学校にも試験問題漏洩か 理事ら再逮捕へ
高嶋将之、山口啓太2022年10月26日 5時00分 今年3月にあった柔道整復師の国家試験内容を宮城県内の専門学校に漏洩(ろうえい)したとして逮捕された公益財団法人理事ら2人について、警視庁は、他の専門学校にも情報を漏らした疑いが強まったとして柔道整復師法違反容疑で26日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、公益財団法人「柔道整復研修試験財団」(東京都港区)理事の三橋裕之容疑者(64)と試験委員の黒田剛生容疑者(62)は共謀して今年3月、公益社団法人日本柔道整復師会の関係者を介して東京都と神奈川県内の専門学校に試験問題に似た模擬試験問題三十数問を教えた疑いが新たに持たれている。 黒田容疑者については昨年10月、自身が講師を務める東京都内の専門学校1校に試験問題に関する情報を漏らした疑いもある。 黒田容疑者は、実際に出題する問題を選ぶ会議に参加して試験問題全体を把握できる立場で、携帯電話を使って録音した会議のやりとりを三橋容疑者と共有していたという。警視庁は、専門学校側がこの情報をどう活用したか詳しく調べている。(高嶋将之、山口啓太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル